研修認定薬剤師

■研修認定薬剤師とは

研修認定薬剤師は、定められた研修を受けることによって、自己研鑽により「薬剤師にふさわしい資質の維持のための努力をしている」として公益財団法人日本薬剤師研修センターが認定する資格です。

職域にとらわれずあらゆる薬剤師が倫理、基礎薬学、医療薬学、衛生薬学及び薬事関連法規・制度など、幅広い分野において自らの資質を高め、維持できるように生涯研修を支援し、その成果を客観的に認定する目的で研修認定薬剤師制度が設けられています。

取得にあたって学会に属する必要性など、特に細かい制限がないことから幅広い職域の薬剤師が資格取得を目指せるため、認定者の多い資格といえるでしょう。この認定資格は、かかりつけ薬剤師の算定要件の一つでもあるため、今後も継続的に取得者の増加が予想されます。
平成6年度に開始され、認定者数は110,204人で、そのうち新規認定者が60,779名、更新認定者は49,425名となっています。(2019年12月31日現在)。


研修認定薬剤師の仕事内容

研修認定薬剤師になったら「かかりつけ薬剤師」として活躍することが可能です。患者さん一人ひとりに寄り添った服薬指導ができるとあり、職場でも重宝されるでしょう。高齢化社会が加速するなか、常日頃から薬剤師としての継続的なスキルの向上に努め、最新の医療を患者に提供できる能力のある薬剤師が求められています。

それぞれの職域に応じた業務を遂行していくことが、認定者としての務めといえるでしょう。研修によって各方面で活躍する薬剤師がそれぞれ資質の維持・向上をはかり、活躍し続けることが期待されます。


研修認定薬剤師のやりがい

研修認定薬剤師の資格を持っていることは、より専門性の高い知識やスキルを持っている証明になります。他の薬剤師との差別化や相対的な高評価にもつながり、患者だけでなく看護師など、他の医療スタッフからの信頼も厚くなり、責任のある仕事を任せられるようになります。

また、資格取得により「かかりつけ薬剤師」になれることは大きなやりがいになります。患者をより深く知ることで、個々に寄り添った最適なサポートが可能になり高齢化社会のこの時代には必要不可欠な資格といえるでしょう。

資格の取得条件

前述したとおり、幅広い職域の薬剤師が取得を目指せるとあって、数ある認定薬剤師の資格のなかでも人気の資格です。
認定している研修機関は複数あり、申請時の条件がそれぞれ異なるので注意してください。各研修機関のホームページで確認してから研修を始めるのが良いでしょう。
スキルアップしたいと願う薬剤師におすすめしたい「研修認定薬剤師」の資格はどのように取得するのかポイントを絞ってご紹介しますので参考にしてください。

認定条件

初めて申請する場合、4年以内に40単位以上(最長4年以内、各年5単位以上)を取得することが認定条件です。 注意点は、各年5単位以上取得しなければならないこと。1単位でも足りないと認定されず最初から取得し直しになってしまうので、しっかりと計画を立てることをおすすめします。

認定までの流れと費用

研修認定薬剤師の資格を得るためには、段階を踏む必要がありますので、その流れを説明していきます。

薬剤師研修手帳の入手 薬剤師研修手帳は、研修を受講した際に内容を記録し、発行されたシールを貼っておくもので、資格申請のときに使用します。手帳は各研修機関から購入可能です。
研修内容 認定の対象となる研修を受講します。研修の形態は「集合研修」、「実習研修」、「グループ研修」、「通信講座研修」、「自己研修」の5つのタイプがあります。それぞれの研修で申請できる数が異なりますので詳細は各研修機関のホームページで確認してください。
研修を受講したら研修受講シールが発行されるので、手帳にシールを貼り取得単位や研修内容を記入します。
申請手続き 資格取得のための規定単位が取れたら所定の認定手数料を支払い、申請を行います。認定手数料は以下の通りです。
● 認定証のみ・・・11,000円(税込)
● 認定証及びIDカード・・・12,540円(税込)

また、申請に必要なものは各研修プロバイダーによって異なります。日本薬剤師研修センターの場合を例にすると以下の4点が必要となります。

● 研修認定薬剤師新規申請書
● 薬剤師研修手帳
● 生涯学習自己診断表
● 認定申請手数料振り込み受領書の写し
これらを各都道府県薬剤師研修協議会へ提出し、申請を行います

研修認定薬剤師の難易度

研修を受講し所定の単位を取得することで申請ができ、取得条件も新規申請では「4年以内に40単位以上(各年5単位以上)」と比較的ハードルの低い認定制度となっています。

資格の更新について

研修認定薬剤師の資格は3年に1度更新する必要があります。更新要件は3年の認定期間に30単位以上かつ各年5単位以上取得すること。それに1単位でも足りないと更新が認められず、「新規申請」(4年で40単位以上)として申請し直すことになるので注意が必要です。更新に必要なものは各研修機関によって異なりますが、ここでは日本薬剤師研修センターへ申し込みする場合を例に説明します。

必要なもの

● 更新申請書
● 研修手帳
● 生涯学習自己診断表
● 払込票兼受領書の写し(振込の写し)

受付期限

有効期限日プラス1ヶ月です。有効期限日は認定薬剤師証に記載されており、期限日(認定3年目期限)の約2ヶ月前に「更新時期の通知」と「申請書類」が送付されますので、内容を確認し、申請の準備をしてください。不備があると提出し直すことになるため余裕をもって申請することをおすすめします。

申請料

● 認定証のみ・・・11,000円(税込)
● 認定証及びIDカード・・・12,540円(税込)

申請手続きが完了すると研修薬剤師の更新が認められ「認定薬剤師証」が発行されます。

研修認定薬剤師を仕事で活かす

薬剤師資格は、一度取得すれば、基本的に無期限で認められるものです。しかし、近年における医療の進歩や高齢化社会における要請に素早く対応するためにも、生涯にわたって研修などの自己研鑽が必要です。
時代の変化に合わせた対応が必要であり、公益財団法人日本薬剤師研修センターではこの研修認定薬剤師制度における認定を、薬剤師免許の更新と同じ効果を期待するものとしています。
どんな職域であっても、より質の高い専門的なスキルを持つ認定者は、信頼される薬剤師として、患者だけでなく医療従事者にあらゆる場面で認められることになるでしょう。

研修認定薬剤師が役立つ職場や業界は?

継続的に患者に指導ができる研修認定薬剤師の知識とスキルは、保険薬局で最大限に発揮できます。なぜなら保険薬局において研修認定薬剤師は「かかりつけ薬剤師」になれる条件の一つであり、収益の面でもプラスになる可能性があるため活躍が期待されることでしょう。

さらに経営者サイドからみて「研修認定薬剤師」を雇うことは、加算の算定が可能になることから魅力があり、資格の需要は高いといえます。
加算算定は保険薬局でしか認められていませんが、他の施設で働く薬剤師にとっての資格取得は無駄ではありません。研修に励み知識をアップデートしていくことは薬剤師としての務めを全うするために必要なことでしょう。

研修認定薬剤師を取得するメリット

薬剤師免許は一度取ってしまうと、更新する必要がありません。そこで他の薬剤師とは違い一定以上の知識レベルがあると認められる認定薬剤師の資格が必要となります。そのなかの研修認定薬剤師の資格を取得するメリットは主に5つ。

かかりつけ薬剤師になれる 患者と密にコミュニケーションを取りながら継続して服薬指導ができるのでやりがいを感じられるでしょう。また専門分野においては、さらに専門性の高い専門薬剤師を目指せる可能性があります。
一定のレベル以上の知識やスキルを有する証明になる 資格があることである一定のレベルの専門知識があると認識されます。日々医療は進歩しており、新薬も開発されています。患者の為にも薬剤師として新しい知識を更新してくことは必須と言えるでしょう。
患者や医師、看護師などの医療従事者からの信頼が厚くなる それぞれの専門性を活かして患者の手厚いサポートができるのは患者にとって重要なことです。
最新の薬学や医療を学ぶことができる プログラムに沿って学習ができるので偏りなく効率よく習得できます。
年収アップの可能性がある 通常の業務に加えて患者の病歴、併用薬、副作用歴や残薬などの状況を継続的に把握し指導することで算定可能な「かかりつけ薬剤師指導料」。
この点数は通常の「薬歴服薬指導管理料」と比べて高くなっています。業務内容がより充実、算定要件がより厳しくなったのが理由です。算定することで調剤報酬がより多く受け取れることになるので、資格取得の手当てもしくは昇給に反映する可能性があります。また転職時には有利な資格のひとつになり得ます。

研修認定薬剤師の転職事情

資格をこれから取ろうとする方は、資格取得や更新に関するサポートが厚く、資格を活かして働ける職場で働きたいと願うものです。研修認定薬剤師であることは「かかりつけ薬剤師指導料」が算定できるため、保険薬局で重宝されるでしょう。

研修認定薬剤師の資格を活かした職場で働きたい、また資格取得のサポートをしてくれる職場を探している、という方は転職支援サービスの利用をおすすめします。企業や医療機関などの情報を細部まで知り尽くした担当者が、あなたのことをヒアリングした上で条件に合った職場を提案してくれるでしょう。