日病薬病院薬学認定薬剤師
日病薬病院薬学認定薬剤師とは
日病薬病院薬学認定薬剤師は、一般社団法人日本病院薬剤師会によって認定される資格で、病院・診療所・介護保険施設等の医療現場での実践力があると認定されるものです。高度化・複雑化する薬物療法等の幅広い知識及び高度な技能と、チーム医療に必要なコミュニケーション能力、医療倫理など、幅広い知識・技術が求められます。
この認定制度は、近年多様化する医療に対応し、臨床現場において主体的にチーム医療に参加できる薬剤師を養成する目的で、2015年に新設されました。2017年に廃止された日病薬生涯研修認定に代わる制度と位置付けられますが、旧制度の研修に比べ、病院薬学に特化した内容を充実させたものです。
これから認定を目指す方のために、日病薬病院薬学認定薬剤師の仕事内容ややりがい、認定に求められる要件や能力、試験の難易度などを具体的に紹介します。
目次
日病薬病院薬学認定薬剤師
日病薬病院薬学認定薬剤師の仕事内容
薬剤師として病院におけるさまざまな業務を担当します。調剤・製剤はもちろん、患者やスタッフとの医療コミュニケーション、病院経営マネジメントなど、薬剤師業務にとどまらない業務を担うこともあります。
日病薬病院薬学認定薬剤師のやりがい
日病薬病院薬学認定薬剤師の資格を持っているということは、認定されるための研修をクリアし、最新の知識や高い技能を有しているという証になります。
医療現場のカンファレンスをとおして主体的にチーム治療に加わることで、医師、看護師などの医療スタッフからの信頼が得られ、医薬の専門家としての大きなやりがいを実感できるでしょう。
また、調剤部や薬局の中でも、若手の教育や専門的なコンサルテーションなど、日病薬病院薬学認定薬剤師だからこそ任せてもらえる業務にやりがいを感じるでしょう。
日病薬病院薬学認定薬剤師になるには?
日病薬病院薬学認定薬剤師になるには、ファーマシューティカルケアやチーム医療などの5つのカテゴリから構成される研修カリキュラムの単位を取得し、認定試験に合格する必要があります。
認定を申請するにあたり、必要な要件や研修の内容、そして認定試験の出題範囲や難易度、資格の更新などについて詳しくみていきましょう。
資格の取得要件
日病薬病院薬学認定薬剤師の資格を得るためには、以下の要件を満たす必要があります。
要件1 | 日本病院薬剤師会正会員又は特別会員(保険薬局勤務・大学教員等の薬剤師)であること。 |
---|---|
要件2 | 過去3年度を通算して日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムから50単位以上を取得していること、かつ、下記①~③のすべてを満たすこと。 ①日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムのうち、下記の項目の単位数を取得していること。 Ⅰ(医療倫理と法令を順守する)の1~3の各項目のうち1項目以上履修し、合計2単位以上取得すること。 Ⅱ (基本的業務の向上を図る) の1~6の各項目のうち2項目以上履修し、合計4単位以上取得すること。 Ⅲ(チーム医療を実践する)の1~2の各項目を履修し、合計4単位以上取得すること。 Ⅳ(医療安全を推進する)の1~2の各項目を履修し、合計4単位以上取得すること。 Ⅴ(ファーマシューティカルケアを実践する)の1~3の各項目を履修し、合計6単位以上取得すること。 ②薬剤師認定制度認証機構が認める他の生涯研修プロバイダーが付与する単位は通算10単位まで有効とする。 ③毎年度(4月1日から翌年3月31日まで)10単位取得していること。 |
要件3 | 認定試験に合格すること。 |
資格の取得方法
上記の要件を満たしたうえで、申請を行います。
申請は、日本病院薬剤師会のオンライン申請システムに基礎情報、取得カリキュラム・単位を入力した後、認定申請書類一式を郵送します。
認定申請書類は以下の3点です。
- 認定申請書(オンライン申請システムよりダウンロード・印刷)
- 自己チェックシート(オンライン申請システムよりダウンロード・印刷)
- 日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修記録(研修単位シール、受講証明等を添付した原本)
認定に必要な費用は以下の通りです。
認定期間 | 認定審査料 |
---|---|
6年 | 2,000円(税別) |
認定料 | 更新料 |
3,000円(税別) | 3,000円(税別) |
資格の更新について
日病薬病院薬学認定薬剤師の認定期間は6年間で、更新するためには以下の要件をすべて満たしている必要があります。
要件1 | 日本病院薬剤師会正会員又は特別会員(保険薬局勤務・大学教員等の薬剤師)であること。 |
---|---|
要件2 | 過去6年度を通算して100単位以上を取得し、かつ下記①~③のすべてを満たすこと。 ①日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムのうち、下記の項目の単位数を取得していること。 Ⅰ(医療倫理と法令を順守する)の1~3の各項目のうち1項目以上履修し、合計4単位以上取得すること。 Ⅱ (基本的業務の向上を図る) の1~6の各項目のうち2項目以上履修し、合計8単位以上取得すること。 Ⅲ(チーム医療を実践する)の1~2の各項目を履修し、合計8単位以上取得すること。 Ⅳ(医療安全を推進する)の1~2の各項目を履修し、合計8単位以上取得すること。 Ⅴ(ファーマシューティカルケアを実践する)の1~3の各項目を履修し、合計12単位以上取得すること。 ②薬剤師認定制度認証機構が認める他の生涯研修プロバイダーから付与された単位は有効とする。だだし、日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムに沿った内容の研修会あり、かつ通算100単位のうち20単位以下であること。 ③毎年度(4月1日から翌年3月31日まで)10単位取得していること。 |
要件3 | 日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験に合格すること。 |
出題範囲や難易度 、合格率
認定試験は年に1回、すべてWeb上で行われます。
試験日は3日間設けられており、期間中であればいつでもWeb受験することができます。出題形式は選択形式で、試験時間は1時間です。
試験問題は、日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムの中の各カテゴリ、Ⅰ(医療倫理と法令を順守する)、Ⅱ (基本的業務の向上を図る)、 Ⅲ(チーム医療を実践する)、Ⅳ(医療安全を推進する)、 Ⅴ(ファーマシューティカルケアを実践する)から出題されます。
出題基準は、毎年、日本病院薬剤師会のHPで事前公開されているので、必ずチェックしておきましょう。ただし出題問題数については非公開です。
2019年に受験資格を得られた人は2,529人で、そのうち合格者が2,464人でした。合格率は97.4%となっており、合格率からみる試験の難易度は低いと言えます。
資格の更新について
日病薬病院薬学認定薬剤師の認定は、6年ごとの更新制です。
新規認定と同様に、Web上で申請して認定試験を受験します。
更新するには、以下の要件を満たしている必要があります。
要件1 | 日本病院薬剤師会正会員又は特別会員(保険薬局勤務・大学教員等の薬剤師)であること |
---|---|
要件2 | 過去6年度を通算して日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムを100単位以上を取得していること、かつ、下記①~③のすべてを満たすこと ①日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムのうち、下記の項目の単位数を取得していること Ⅰ(医療倫理と法令を順守する)の1~3の各項目のうち1項目以上履修し、合計4単位以上取得すること Ⅱ (基本的業務の向上を図る)の1~6の各項目のうち2項目以上履修し、合計8単位以上取得すること Ⅲ(チーム医療を実践する)の1~2の各項目を履修し、合計8単位以上取得すること Ⅳ(医療安全を推進する)の1~2の各項目を履修し、合計8単位以上取得すること Ⅴ(ファーマシューティカルケアを実践する)の1~3の各項目を履修し、合計12単位以上取得すること ②薬剤師認定制度認証機構が認める他の生涯研修プロバイダーが付与する単位は通算20単位まで有効とする ③毎年度(4月1日から翌年3月31日まで)最低でも10単位取得していること |
要件3 | 認定試験に合格すること |
日病薬病院薬学認定薬剤師を仕事で活かす
日病薬病院薬学認定薬剤師の資格は、どのような仕事で活かされているのでしょうか? 日病薬病院薬学認定薬剤師が活躍している現場や、資格を取得することによるメリットなどを具体的にみていきましょう。
日病薬病院薬学認定薬剤師が役立つ職場や業界は?
日病薬病院薬学認定薬剤師は、チーム医療の実践やファーマシューティカルケアなど幅広い知識を修得できる研修認定制度です。2015年度に施行されたばかりの認定薬剤師で、今後多くの病院にてその技能が求められることになるでしょう。通常の調剤業務のほか、病院経営マネジメントや教育研修などでの活躍も期待されます。
日病薬病院薬学認定薬剤師を取得するメリット
日病薬病院薬学認定薬剤師を取得することは、自身のキャリアプラン、収入面、労働要件面などにおいてさまざまなメリットがあります。
取得の過程で得られるメリットは、最先端の医療に関する知識が身に付くことや、研修プログラムを通してキャリアとスキルが身につくことです。
また、将来的には、さらに専門的な認定薬剤師へのステップアップが可能になります。
2022年9月現在、日本病院薬剤師会が認定するがん薬物療法認定薬剤師の認定を受けるためには、日病薬病院薬学認定薬剤師であることが要件の1つとして定められています。今後、薬剤師としてのキャリアの中で、がん薬物療法認定薬剤師の取得を考えているなら、日病薬病院薬学認定薬剤師はぜひ取得しておきたい資格です。
日病薬病院薬学認定薬剤師の転職事情
日病薬病院薬学認定薬剤師になれば、中核病院や市中病院の薬剤部をはじめ、診療所・介護保険施設、調剤薬局など、より幅広い転職先が期待できるでしょう。
なぜなら、日病薬病院薬学認定薬剤師であるということは、一定の研修や教育を通して、高度な知識や技術、コミュニケーション能力を身につけ、多様な医療現場に対応できる能力があるという証であり、即戦力としての需要があるからです。
また、認定を受けていれば資格手当が支給される場合もあり、さらなる収入アップが期待できる可能性があります。
- 認定薬剤師
- 専門薬剤師
- その他の資格
- 医薬情報担当者(MR)
- 医療情報技師
- NR・サプリメントアドバイザー
- 漢方アドバイザー
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 公害防止管理者
- 抗酸菌症エキスパート
- 骨粗鬆症マネージャー
- 産業カウンセラー
- 治験コーディネーター(CRC)
- 上級医療情報技師
- 食品衛生監視員
- 食品衛生管理者
- 日本禁煙学会認定専門指導者
- 日本糖尿病療養指導士(CDEJ)
- 日本褥瘡学会在宅褥瘡予防・管理師
- 日本褥瘡学会認定師
- 認定クリニカル・トキシコロジスト
- ビューティケアアドバイザー
- ヘルスケアアドバイザー
- 麻薬取締官
- メディカルアロマセラピスト
- 薬物療法指導薬剤師
- リウマチ財団登録薬剤師
- 臨床心理士
- 労働衛生コンサルタント
- 医薬品製造管理者・医薬部外品等責任技術者
- 環境衛生指導員
- インフェクションコントロールドクター(ICD)
- 毒物劇物取扱責任者
- 薬事監視員
※在庫状況により、キャンペーンは予告なく変更・終了する場合がございます。ご了承ください。
※本ウェブサイトからご登録いただき、ご来社またはお電話にてキャリアアドバイザーと面談をさせていただいた方に限ります。
「マイナビ薬剤師」は厚生労働大臣認可の転職支援サービス。完全無料にてご利用いただけます。
厚生労働大臣許可番号 紹介13 - ユ - 080554