妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師

認定団体:一般社団法人 日本病院薬剤師会
妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師とは

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師は、一般社団法人日本病院薬剤師会によって認められる認定薬剤師資格です。妊婦や授乳婦に対する薬物療法において高度な知識や技術をもち、症状に対する薬物療法を有効かつ安全に行うことのできる薬剤師として認められます。

妊婦・授乳婦に対する薬物療法の専門家として、母体・胎児・乳児にとって最適な治療に貢献するという大きな役割があります。

2008年度より試験による認定が開始されており、妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師の認定者は160名(2021年10月1日現在)です。妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師として経験を積むことで、さらに専門性を高めた妊婦・授乳婦専門薬剤師にステップアップすることができます。

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師の仕事内容

妊娠中・授乳中の女性が抱える症状や合併症に対して、個々の状態や妊娠週数に合った薬物療法を提案することが主な業務です。医師をはじめ、医療従事者及び妊婦・授乳婦の双方にアドバイスを行います。

最新の薬物療法に関する知識と妊婦・授乳婦に対する臨床経験が求められます。また、付随する相互作用や副作用、胎児・乳幼児へのリスクなどの問題解決に向けて、専門的なアドバイスが求められるでしょう。

また、薬物療法に対しての不安を抱える妊娠・授乳婦も多く、カウンセリングを通して妊婦・授乳婦に寄り添い、求めるものを理解することで、薬物治療のみならず、社会的、精神的にも健やかに生活できるように支援を行うのも大切な業務の一環です。

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師の資格を取得するには?

資格の取得要件

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師になるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

要件1 日本の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えていること。
要件2 薬剤師としての実務経験を3年以上有し、日本病院薬剤師会の会員であること。ただし、日本薬剤師会、日本女性薬剤師会のいずれかの会員であればこれを満たす。
要件3 以下のいずれかの会員であること。
  • ・日本医療薬学会
  • ・日本産科婦人科学会
  • ・日本薬学会
  • ・日本小児科学会
  • ・日本臨床薬理学会
  • ・日本先天異常学会
要件4 日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし、日本医療薬学会の専門薬剤師制度により認定された専門薬剤師であればこれを満たす。
要件5 申請時において、病院または診療所に勤務し、妊婦・授乳婦の薬剤指導に3年以上、かつ申請時に引き続いて1年以上従事していること(所属長の証明が必要)。
要件6 日本病院薬剤師会が認定する研修施設において、模擬妊婦・模擬授乳婦とのロールプレイを含めたカウンセリング技術等や、情報評価スキルの確認トレーニング等の実技研修を40時間以上履修していること、または研修施設において3年以上、妊婦・授乳婦の薬剤指導に従事していること(所属長の証明が必要)。
要件7 日本病院薬剤師会が認定する妊婦・授乳婦領域の講習会、及び以下の学会が主催する妊婦・授乳婦領域の講習会などを所定の単位(20時間、10単位)以上履修していること。
ただし、日本病院薬剤師会主催の妊婦・授乳婦に関する講習会を1回以上受講していること。
  • ・日本医療薬学会
  • ・日本産科婦人科学会
  • ・日本薬学会
  • ・日本小児科学会
  • ・日本臨床薬理学会
  • ・日本先天異常学会
要件8 妊婦・授乳婦の薬剤指導実績が15症例以上(複数の疾患)を満たしていること。
要件9 病院長あるいは施設長等の推薦があること。
要件10 日本病院薬剤師会が行う妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師認定試験に合格していること。

資格の取得方法

上記の申請要件を満たしたうえで、日本病院薬剤師会に申請します。

認定期間 認定審査料
5年 会員:10,000円(税別)
非会員:15,000円(税別)
受験料 認定料
会員:10,000円(税別)
非会員:15,000円(税別)
20,000円(税別)
更新審査料 更新料
会員:10,000円(税別)
非会員:15,000円(税別)
20,000円(税別)

資格の更新について

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師の認定期間は5年間で、更新するためには以下の要件をすべて満たしている必要があります。

要件1 認定期間中継続して、日本病院薬剤師会の会員であること。ただし、日本薬剤師会、日本女性薬剤師会のいずれかの会員であればこれを満たす。
要件2 更新申請時において、日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし、日本医療薬学会の専門薬剤師制度により認定された専門薬剤師であればこれを満たす。
要件3 更新申請時において、日本薬学会、日本医療薬学会、日本臨床薬理学会のいずれかの会員であり、かつ日本産科婦人科学会、日本小児科学会、日本先天異常学会のいずれかの会員であること。
要件4 認定期間中、施設内において妊婦・授乳婦に関する専門的業務に従事していたことを証明できること。
要件5 更新申請までの5年間に、定められた妊婦・授乳婦に関する講習単位40単位以上(特段の理由がある場合を除き、毎年最低3単位以上)を取得すること。ただし、40単位のうち日本病院薬剤師会の妊婦・授乳婦に関する講習会、あるいは妊娠と薬情報センター(国が国立研究開発法人国立成育医療研究センターに設置したもの)が実施する講習会で12単位以上を取得すること。
要件6 更新申請までの5年間に、妊婦・授乳婦の薬剤指導実績が5症例以上を満たしていること。
要件7 更新申請までの5年間に、関連する国際学会、全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会において妊婦・授乳婦に関する学会発表が1回以上(共同発表者でも可)、または複数査読制のある国際的あるいは全国的な学会誌・学術雑誌に妊婦・授乳婦に関する学術論文が1編以上(共同著者でも可)あること。

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師を仕事で活かす

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師は、主に産婦人科のある病院や、その門前薬局などでの活躍が期待される資格です。その他、助産院や妊産婦のサポートを行っている保健所や施設、その他団体においても、薬物治療を行う妊産婦さんへのアドバイザーとしての活動が可能です。また、病院だけでなく、通院治療を行う妊婦や授乳婦に寄り添う薬剤師として、一般的な薬局勤務においても資格が活かせます。

今ならご登録うれしい特典!今ならご登録うれしい特典!

※在庫状況により、キャンペーンは予告なく変更・終了する場合がございます。ご了承ください。
※本ウェブサイトからご登録いただき、ご来社またはお電話にてキャリアアドバイザーと面談をさせていただいた方に限ります。

「マイナビ薬剤師」は厚生労働大臣認可の転職支援サービス。完全無料にてご利用いただけます。
厚生労働大臣許可番号 紹介13 - ユ - 080554