外来がん治療認定薬剤師

認定団体:一般社団法人 日本臨床腫瘍薬学会
外来がん治療認定薬剤師

外来がん治療認定薬剤師とは

外来がん治療認定薬剤師は、外来によるがん治療を安全に実施するための知識・技能を有する専門資格です。
従来のがん治療といえば入院治療のイメージがありましたが、最近では新たな抗がん剤や分子標的薬の登場によって、外来で治療を受ける患者さんが増えています。

入院せずに治療が受けられることは、費用面やQOL(生活の質)の面でメリットがありますが、その一方で、副作用や治療方法に不安を抱く患者さんへのフォローアップが大きな課題になっていました。
外来がん治療認定薬剤師は、そんな患者さんの日常に寄り添い、医療機関との連携を強化し、安全な医療を提供することを目的に制定された資格です。
外来がん治療認定薬剤師の資格取得方法や医療現場での活動内容について、詳しくみていきましょう。

外来がん治療認定薬剤師は一般社団法人日本臨床腫瘍薬学会が認定する資格です。
外来で行われるがん治療を安全に実施するための知識・技能を習得した薬剤師、または地域でのがん治療において、患者さんとその家族をトータルサポートできる薬剤師として認定されます。
平成26年の4月の設立以来、現在では777人の認定者が全国で活躍しています(令和元年4月末現在)。

外来がん治療認定薬剤師の仕事内容

外来がん治療認定薬剤師の主な仕事内容は、著しい進歩を遂げているがん治療の最新情報を収集しながら、がん薬物療法のスペシャリストとして情報提供を行うことです。

病院勤務では、がん治療における患者さんごとの問題点を明確化することで医師のがん診療を支援し、薬物療法プラン設計を行います。薬局では抗がん剤治療中の患者さんへの薬物療法プランに基づいた指導を行うとともに、自宅に帰ってからの副作用モニタリングを継続して行い、問題点を見直し、病院へ情報をフィードバックします。

病院薬剤師と薬局薬剤師が密接に連携を取りながら、患者さんのライフスタイルにあった治療プランの支援や発生する副作用などの問題解決を行います。

外来がん治療認定薬剤師のやりがい

外来がん治療認定薬剤師の資格を取得して責任ある立場になると、資格取得前に比べて、がん治療を受けている患者さんから頼られる存在になります。

また、患者さんに近い立場で接するため、他の医療従事者が気づかないような些細な問題点に気付くことができます。最適な治療に還元できる場面に遭遇する機会も多いため、日々医療に貢献しているという実感が得られます。

さらに、がんの薬物治療に精通したスペシャリストとして、医師、病院薬剤師、薬局薬剤師からも助言を求められることもあり、専門職としての大きなやりがいを感じることができます。

外来がん治療認定薬剤師になるには?

外来がん治療認定薬剤師になるためには、どのような要件が求められるのでしょうか?認定資格を得るために必要な条件や、認定試験の内容および費用、認定取得後の更新などについて詳しくみていきましょう。

認定条件

外来がん治療認定薬剤師になるためには、下記の項目をすべて満たす必要があります。

条件1 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格と見識を備えていること
条件2 3年以上、薬剤師としての実務の経験があること
条件3 日本臨床腫瘍薬学会の正会員であって、申請の時点で会費が未納でないこと
条件4 日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、日本医療薬学会認定薬剤師、日本薬剤師会生涯学習支援システム「JPALS」クリニカルラダーレベル5のいずれかの認定を取得していること
条件5 日本臨床腫瘍薬学会が認定するがん領域の講習、または研修を60単位以上履修していること
条件6 外来のがん患者のサポート事例を10例提出すること
条件7 日本臨床腫瘍薬学会が実施する外来がん治療認定薬剤師認定試験に合格すること
条件8 所属施設長の同意があること。

認定までの流れと費用

外来がん治療認定薬剤師の新規認定試験は、年1回行われています。
新規申請にあたり、平成31年度からは、専用WEBサイトからの手続きと、郵送での手続きの両方が必要になりました。
はじめに、外来がん治療認定薬剤師申請Webサイトから、申請者情報の登録と、各講習会履修単位および外来のがん患者のサポート事例の申請を行います。その後、下記の認定申請書類一式を揃えて、日本臨床腫瘍薬学会に郵送します。


認定申請書類一式(郵送)

  • 薬剤師免許証 の写し
  • 取得している認定薬剤師の認定証の写し
  • 捺印書類一式(実務経験の証明書、所属施設長の同意書、外来のがん患者のサポートに携わったことの誓約書)
  • 講習会(研修会)の参加証の写し/受講証明書の写し

無事申請手続きが完了し、書類審査を通過すると、筆記試験の「受験票」が送られてくるので、筆記試験へと進みます。筆記試験、面接試験に合格したのち、資格を取得することができます。

申請から認定までにかかる費用は、以下の通りです。

認定期間 審査・試験料
3年 20,000円(税別)
登録料 更新審査料
10,000円(税別) 15,000円(税別)

出題範囲や難易度

筆記試験出題分野は、抗がん剤および外来がん治療に深く関わる薬剤に関する専門知識やその適正使用に関する知識が広く問われます。日本臨床腫瘍薬学会のホームぺージの情報によると、次の資料を基本資料とし、そこからマルチチョイス方式で全100問(試験時間は合計180分)が出題されます。

  • 各抗悪性腫瘍薬剤の添付文書情報
  • 各抗悪性腫瘍薬剤のインタビューフォーム情報
  • 各抗悪性腫瘍薬剤の適正使用ガイド情報
  • 適正使用ガイドに記載のある副作用対策薬剤の添付文書情報(特に相互作用)
  • 各抗悪性腫瘍薬剤に関する緊急安全性情報
  • その他、厚生労働省から配信される各種情報(公知申請に関する情報など)
  • 各がん腫および制吐剤などのガイドライン情報

面接試験の出題内容は、申請時に提出した「外来のがん患者のサポート事例10例」に関して、以下のような質問が出ます。

  • 患者の病態・治療経過や介入時の治療内容
  • サポートの目的
  • サポートによるメリット
  • サポート事例のその後の状況ならびにセルフケアとして注意すべきポイント
  • 知り得た患者情報(副作用症状やアドヒアランスなど)の医師やほかの医療従事者(薬局薬剤師-病院薬剤師間等)との共有のための取り組みなど

平成31年に実施された「外来がん治療認定薬剤師」認定試験(第6回)での合格率は41%と、合格者は半分に満たないことから、難易度は高いといえるでしょう。
日本臨床腫瘍薬学会では、外来がん治療認定薬剤師の認定者を輩出するための筆記試験対策講座 を実施しています。講座に参加すれば認定に必要な単位も取得できるので、参加をおすすめします。

資格の更新について

外来がん治療認定薬剤師の認定期間は3年間で、それ以降は3年ごとに更新試験に合格し、資格を更新する必要があります。
資格更新の申請および更新試験はすべてオンラインで行われます。
更新するためには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。

要件1 認定期間中継続して日本臨床腫瘍薬学会の正会員であること
要件2 認定期間内に、外来がん治療認定薬剤師の更新要件を満たす講習会の単位を 60 単位以上取得していること
要件3 認定期間内に、日本臨床腫瘍薬学会学術大会に 1 回以上参加していること
要件4 認定期間内に、日本臨床腫瘍薬学会が主催する講習会( Essential Seminar A/B/C、APACC アップデートセミナー 、症例報告のためのワークショップ、 Essential Seminar X-Program)のいずれかに 1 回以上参加していること
条件5 日本臨床腫瘍薬学会が主催するインターネット更新試験システム(IBT)による試験に合格すること 。

更新試験は、専門家としての知識レベルの向上や最新治療に関する情報の取得を目的に実施されるものなので、合格するには新しく承認された薬剤や治療法を学ばなくてはなりません。
上記のEssential Seminar C は、認定取得者を対象に実施されるセミナーで、最先端のがん治療や新薬に関するトピックに特化した構成になっているため、更新試験対策として、また自身のスキルアップとしても活用できます。

外来がん治療認定薬剤師を仕事で活かす

外来がん治療認定薬剤師の活躍が求められる場面とは具体的にどのような職場が想定されているのでしょうか。外来がん治療認定薬剤師の資格のメリットや強みを仕事で活かし、スペシャリストとして活躍できる可能性や展望を詳しくみていきましょう。

外来がん治療認定薬剤師が役立つ職場や業界は?

近年のがん治療では、外来化学療法の増加に伴って、保険薬局の薬剤師ががん治療を受ける患者さんに直接関わる機会も増えてきています。
そのような医薬連携、薬薬連携などの医療連携が大切になっていく流れの中で、外来がん治療認定薬剤師は、主に病院や薬局等における活躍が想定されています。

高度な医療を提供する特定機能病院の処方箋を受け入れている調剤薬局での服薬指導や患者さんのフォローアップに従事したり、専門知識の有識者として病院に勤め、薬物療法プラン設計や副作用管理の面で活躍するのです。さらに、今後は自宅での治療するケースも増えていくことが予想されます。
自宅でのがん療養・緩和ケアに対応できる地域医療の向上や、日々の健康サポートを担う地域医療業界のスペシャリストとしての役割も期待されています。

外来がん治療認定薬剤師を取得するメリット

外来がん治療認定薬剤師は、最新のがん治療に関する高度な知識が要求される資格です。外来がん治療認定薬剤師の資格取得を通して、がん治療の最新情報取得や症例への介入を経験し、専門分野に精通した薬剤師としてのレベルアップを図ることができます。

実臨床の現場でも、患者さんの日常のなかできめ細やかなサポートができるがん薬物治療の専門家として、患者さんの役に立つことができます。専門職としてのキャリアアップが狙えたり、あるいは医療従事者としての大きなやりがいを実感できるなど、取得することによって大きなメリットが得られるでしょう。

外来がん治療認定薬剤師の転職事情

外来がん治療認定薬剤師の需要は今後ますます高まり、その役割の幅も広がることが予想されていますが、資格取得の難易度が高いこともあり、認定を受けた薬剤師はいまだ少ないのが現状です。実際に、全国の薬剤師の人数は30万人程度 であるのに対し、外来がん治療認定薬剤師は777人(平成31年4月末現在 ) と大変貴重な存在です。
資格の強みを活かすことができれば、病院、薬局、その他の医療機関等でがん薬物療法のリーダシップを担える人材として、より良い条件での転職も目指すことができるでしょう。

今ならご登録うれしい特典!今ならご登録うれしい特典!

※在庫状況により、キャンペーンは予告なく変更・終了する場合がございます。ご了承ください。
※本ウェブサイトからご登録いただき、ご来社またはお電話にてキャリアアドバイザーと面談をさせていただいた方に限ります。

※薬剤師の人材紹介サービス15ブランドにおける調査。調査委託先:楽天インサイト(2019年10月)
「マイナビ薬剤師」は厚生労働大臣認可の転職支援サービス。完全無料にてご利用いただけます。
厚生労働大臣許可番号 紹介13 - ユ - 080554