外来がん治療認定薬剤師(APACC)

外来がん治療認定薬剤師(APACC)とは
外来がん治療認定薬剤師(APACC)は、外来によるがん治療を安全に実施するための知識・技能を有する専門資格です。一般社団法人日本臨床腫瘍薬学会が認定する資格で、地域でのがん治療において、患者とその家族をトータルサポートできる薬剤師として認定されます。
従来のがん治療は入院治療が多かったものの、抗がん剤や分子標的薬の進歩によって、外来で治療を受ける患者が増えています。
入院せずに治療が受けられることは、費用面やQOL(生活の質)の面でメリットがありますが、その一方で、副作用や治療方法に不安を抱く患者へのフォローアップが大きな課題となります。外来がん治療認定薬剤師(APACC)は、そのような患者の日常に寄り添い、医療機関との連携を強化し、安全ながん薬物治療を提供することを目的に制定された資格です。
2013年6月の設立以来、987人の認定者が全国で活躍しています(2022年5月現在)。
目次
外来がん治療認定薬剤師(APACC)の仕事内容
外来がん治療認定薬剤師(APACC)の主な仕事内容は、著しい進歩を遂げているがん治療の最新情報を収集しながら、がん薬物療法のスペシャリストとして情報提供を行うことです。
病院勤務では、がん治療における患者ごとの問題点を明確化することで、医師のがん診療を支援し、薬物療法プランの設計を行います。薬局勤務では、患者に対して薬物療法プランに基づいた指導を行うとともに、服薬モニタリングを継続して行い、問題点を見直し、病院へ情報をフィードバックします。
病院薬剤師と薬局薬剤師が密接に連携を取りながら、患者のライフスタイルにあった治療プランの支援や発生する副作用などの問題解決を行います。
外来がん治療認定薬剤師(APACC)のやりがい
外来がん治療認定薬剤師(APACC)の資格を取得することで、がん治療を受けている患者から頼られる存在になります。
また、患者に近い立場で接するため、他の医療従事者が気づかないような些細な問題点に気付くことができるかもしれません。最適な治療に貢献できるという実感が得られます。
さらに、がんの薬物治療に精通したスペシャリストとして、医師、病院薬剤師、薬局薬剤師からも助言を求められることもあり、大きなやりがいを感じることができます。
外来がん治療認定薬剤師(APACC)になるには?
外来がん治療認定薬剤師(APACC)になるためには、どのような要件が求められるのでしょうか? 認定資格を得るために必要な条件や、認定試験の内容および費用、認定取得後の更新などについて詳しくみていきましょう。
資格の取得要件
外来がん治療認定薬剤師(APACC)になるためには、下記の要件をすべて満たす必要があります。
要件1 | 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格と見識を備えていること。 |
---|---|
要件2 | 3年以上、薬剤師としての実務の経験があること。 |
要件3 | 日本臨床腫瘍薬学会の正会員であって、申請の時点で会費が未納でないこと。 |
要件4 | 薬剤師認定制度認証機構により認証された、生涯研修認定制度による認定薬剤師(日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師・日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師・日本薬剤師会JPALSクリニカルラダーレベル5認定薬剤師をはじめとする、認証番号にGまたはPのついた認定薬剤師制度)、または日本医療薬学会の専門薬剤師制度により認定された専門薬剤師であること。 |
要件5 | 日本臨床腫瘍薬学会が認定するがん領域の講習、または研修を60単位以上履修していること。 |
要件6 | 外来のがん患者のサポート経験の事例を10例提出すること。 |
要件7 | 所属施設長の同意があること。 |
要件8 | 要件1~7のすべてを満たすと日本臨床腫瘍薬学会が実施する外来がん治療認定薬剤師認定試験を受験できる。 |
要件9 | 事例審査および筆記試験の合格者は面接試験を受験できる。 |
要件10 | 認定試験すべてに合格すれば認定の申請を行うことができる。 |
資格の取得方法外来がん治療認定薬剤師(APACC)の新規認定試験は、年1回行われています。
新規申請は、専用WEBサイトからの手続きと、郵送での手続きの両方が必要です。
はじめに、外来がん治療認定薬剤師申請Webサイトから、申請者情報の登録と、各講習会履修単位および外来のがん患者のサポート経験の事例(10例)の申請を行います。その後、下記の認定申請書類一式を揃えて、日本臨床腫瘍薬学会に郵送します。
【郵送する認定申請書類】
- 薬剤師免許証の写し
- 取得している認定薬剤師の認定証の写し
- 捺印書類一式(実務経験の証明書、所属施設長の同意書、外来のがん患者のサポートに携わったことの誓約書)
- 講習会(研修会)の参加証の写し/受講証明書の写し
- 外来がん治療認定薬剤師新規申請チェックリスト
提出書類・申請内容に不備がなかった場合は、筆記試験へと進みます。筆記試験、面接試験に合格したのち、資格を取得することができます。
申請から認定までにかかる費用は、以下の通りです。
認定期間 | 審査・試験料 |
---|---|
3年 | 22,000円(税込) |
登録料 | 更新審査料 |
11,000円(税込) | 16,500円(税込) |
日本臨床腫瘍薬学会では、外来がん治療認定薬剤師(APACC)の認定者を輩出するための教育プログラムである「Essential Seminar」を実施しています。講座に参加することで認定に必要な単位も取得できるので、参加をおすすめします。
資格の更新について
外来がん治療認定薬剤師(APACC)の認定期間は3年間で、それ以降は3年ごとに更新試験に合格し、資格を更新する必要があります。
更新試験は、専門家としての知識レベルの向上や、最新治療に関する情報の取得を目的に実施されるもので、合格するには新しく承認された薬剤や治療法に関する知識が必要です。
更新するためには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。
要件1 | 認定期間中継続して日本臨床腫瘍薬学会の正会員であること。 |
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要件2 | 認定期間内に、外来がん治療認定薬剤師の更新要件を満たす講習会の単位を 60 単位以上取得していること。 |
要件3 | 認定期間内に、日本臨床腫瘍薬学会学術大会に 1 回以上参加していること。 |
要件4 | 認定期間内に、日本臨床腫瘍薬学会が主催する講習会のうち、Essential Seminar、薬学介入と事例報告のためのWEB研修会のいずれかに 1 回以上参加していること、あるいはEssential Seminar Neoの全講座を受講していることで要件を満たします。 |
要件5 | 日本臨床腫瘍薬学会が主催するインターネット更新試験システム(IBT)による試験に合格すること。 |
外来がん治療認定薬剤師(APACC)を仕事で活かす
外来がん治療認定薬剤師(APACC)の活躍が求められる場面とは具体的にどのような職場が想定されているのでしょうか。外来がん治療認定薬剤師(APACC)の資格のメリットや強みを仕事で活かし、スペシャリストとして活躍できる可能性や展望を詳しくみていきましょう。
外来がん治療認定薬剤師(APACC)が役立つ職場や業界は?
近年では、外来がん薬物療法の増加に伴って、保険薬局の薬剤師ががん治療を受ける患者に直接関わる機会も増えてきています。
医薬連携、薬薬連携などの医療連携がより大切になっていく流れの中で、外来がん治療認定薬剤師(APACC)は、主に病院や薬局等における活躍が想定されています。
高度な医療を提供する特定機能病院の処方箋を受け入れている調剤薬局での服薬指導や患者のフォローアップに従事したり、病院において専門知識を活かして薬物療法プラン設計や服薬管理の面で活躍できるでしょう。
さらに、今後は自宅で治療するケースも増えていくことが予想されます。自宅でのがん療養・緩和ケアに対応できる地域医療の向上や、日々の健康サポートを担う地域医療業界のスペシャリストとしての役割も期待されています。
外来がん治療認定薬剤師(APACC)を取得するメリット
外来がん治療認定薬剤師(APACC)は、最新のがん治療に関する高度な知識が要求される資格です。外来がん治療認定薬剤師(APACC)の資格取得を通して、がん治療の最新情報取得や症例への介入を経験し、専門分野に精通した薬剤師としてのレベルアップを図ることができます。
臨床の現場でも、患者の日常のなかできめ細やかなサポートができるがん薬物治療の専門家として貢献することができます。専門職としてキャリアアップにつながったり、医療従事者としての大きなやりがいを実感できたりするなど、取得することによって大きなメリットが得られるでしょう。
外来がん治療認定薬剤師(APACC)の転職事情
外来がん治療認定薬剤師(APACC)の需要は今後ますます高まり、その役割の幅も広がることが予想されていますが、資格取得の難易度が高いこともあり、認定を受けた薬剤師はいまだ少ないのが現状です。
資格の強みを活かすことができれば、病院、薬局、その他の医療機関等でがん薬物療法においてリーダシップを発揮できる人材として、より良い条件での転職も目指すことができるでしょう。
- 認定薬剤師
- 専門薬剤師
- その他の資格
- 医薬情報担当者(MR)
- 医療情報技師
- NR・サプリメントアドバイザー
- 漢方アドバイザー
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 公害防止管理者
- 抗酸菌症エキスパート
- 骨粗鬆症マネージャー
- 産業カウンセラー
- 治験コーディネーター(CRC)
- 上級医療情報技師
- 食品衛生監視員
- 食品衛生管理者
- 日本禁煙学会認定専門指導者
- 日本糖尿病療養指導士(CDEJ)
- 日本褥瘡学会在宅褥瘡予防・管理師
- 日本褥瘡学会認定師
- 認定クリニカル・トキシコロジスト
- ビューティケアアドバイザー
- ヘルスケアアドバイザー
- 麻薬取締官
- メディカルアロマセラピスト
- 薬物療法指導薬剤師
- リウマチ財団登録薬剤師
- 臨床心理士
- 労働衛生コンサルタント
- 医薬品製造管理者・医薬部外品等責任技術者
- 環境衛生指導員
- インフェクションコントロールドクター(ICD)
- 毒物劇物取扱責任者
- 薬事監視員
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