NR・サプリメントアドバイザー

NR・サプリメントアドバイザーとは
近年、保健機能食品やサプリメントを利用する方が増えていますが、「薬ではないのだけど…」という前置きとともに、薬剤師であるあなたのもとに相談をしてくる方もいるのではないでしょうか。
保健機能食品やサプリメントについて消費者に正しい情報を届け、消費者が適切に利用できるようにアドバイスができる資格として、「NR・サプリメントアドバイザー」があります。
ここでは、具体的な仕事内容や資格の取得方法、また、転職を考える上で重要となる資格の活かし方や転職事情についてもお伝えします。
NR・サプリメントアドバイザーは、一般社団法人日本臨床栄養協会によって認定される専門資格です。薬剤師のみならず、医師や管理栄養士など多くの医療関連職種の方たちが認定を受けています。
消費者を対象に、個人の栄養状態を専門的な観点で評価し、食品の持つ機能や必要性、使用方法等について、適切にアドバイスすることを役割としています。
平成25年に開始され、認定者数は2,675人。そのうち薬剤師は325名で、全体の12.1%を占めています(平成31年までの累計)。
目次
NR・サプリメントアドバイザー
栄養サポートチーム(NST)専門療法士の仕事内容
NR・サプリメントアドバイザーは、消費者に向けて保健機能食品やサプリメントの適正な使用方法を啓発することが主な業務です。
近年、予防医学やセルフメディケーションの普及によって、健康意識は高まりつつあります。
同時に、保健機能食品を口にする機会も増えており、正しいアドバイスができる専門家が求められています。治療を受けている患者さんや健康を高めようと意識している方など、一人ひとりの状態によって、適した食品やサプリメントは異なります。
NR・サプリメントアドバイザーは、専門的な見地から個人の栄養状態に合わせたアドバイスを行い、健康な生活を送ることができるようにサポートします。
NR・サプリメントアドバイザーのやりがい
病院などで処方される医薬品と違い、保健機能食品やサプリメントは身近に販売されています。購入される方の年齢層も幅広く、健康状態もさまざまです。
薬局やドラッグストアで働いている薬剤師であれば、OTC医薬品や処方薬だけでなく、保健機能食品やサプリメントについて質問をされることもあります。NR・サプリメントアドバイザーは、そのようなときに的確に、消費者の健康に合わせたアドバイスをすることができます。
薬剤師という専門性やノウハウとともに、より生活に寄り添ったサポートができることは、大きなやりがいにつながるでしょう。
NR・サプリメントアドバイザーになるには?
NR・サプリメントアドバイザーは、自分で勉強をして知識を得ただけでは名乗ることができません。多くの方の健康と密接に関わるため、資格自体の質の確保と向上が求められているのです。
そのため、資格を取得するための認定試験制度と更新制度を設けています。
資格取得には費用と時間もかかるため、事前に確認をして目標をもって臨んでいきましょう。
認定条件
NR・サプリメントアドバイザーの認定試験は、誰でも受験することが可能です。取得する上での基礎免許などは必要ありませんが、認定条件として下記の項目をすべて満たす必要があります。
条件1 | 日本臨床栄養協会の会員であること |
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条件2 | 研修単位の取得(40単位) 通信教育「NR・サプリメントアドバイザー」受講40単位 または、日本臨床栄養協会学術大会への参加10単位×4年間(計40単位) |
条件3 | 認定試験の受験、および合格 |
条件4 | 認定証・認定カードの授与 |
NR・サプリメントアドバイザーは、認定証を取得したあとは5年ごとに更新する必要があります。
詳細は、後ほどご紹介する「2.4.資格の更新について」をご覧ください。
認定までの流れと費用
NR・サプリメントアドバイザーの認定を受けるためには、日本臨床栄養協会へ入会し、既定の研修単位を取得する必要があります。その後、毎年12月に行われる、年1回の認定試験を受験します。
認定試験に合格することで、NR・サプリメントアドバイザーとして認められます。
認定までの流れと費用は、以下となります。
日本臨床栄養協会への入会および年会費(初年度) | 9,000円(税込) |
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研修単位の取得(40単位) | 通信教育受講料 51,000円 または、日本臨床栄養協会芸術大会へ参加 48,000円(1回参加12,000円×4年間) |
認定試験の受験料 | 15,300円(税込) |
一般的に、合計75,300円かかります。また、NR・サプリメントアドバイザーの認定期間は、5年間となっており、5年ごとの更新時にかかる費用は、以下となります。
更新申請料 | 5,100円 |
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日本臨床栄養協会の会員としてかかる年会費 | 8,000円× 5年間分 |
更新時に必要な研修単位(50単位)を取得するための費用 | 通信講座や研究会の参加により、およそ33,800~60,000円 |
詳細は、日本臨床栄養協会のホームページをご確認ください。
出題範囲と難易度、合格率
NR・サプリメントアドバイザー認定試験の出題範囲は、以下の13項目です。
- NR・サプリメントアドバイザーの役割と倫理
- 基礎の生理学
- 基礎の生化学
- 人間栄養学
- 生活習慣病概論
- 臨床栄養と臨床検査
- 身体活動と栄養
- 食品安全衛生学
- 健康食品
- 臨床薬理学
- 食品機能の科学的根拠
- 行動科学とカウンセリング
- 国内外の関連法規-食品の健康表示と安全性-
試験の制限時間は2時間で、択一式の学科試験です。
問題数は90題あり、すべて解答用紙に記入するタイプのものです。
認定試験のための公認テキストも販売されているため、出題傾向に合わせた対策も可能です。
令和元年12月に実施された認定試験では、581人が受験し340人が合格したため、合格率は58.5%となっており、約半数の方が合格している事になります。この数字だけ見ると、難易度の高さを感じますが、職種別で見てみると薬剤師の受験者数は61人で、その内合格者は54人となっており、88.5%の受験生が突破したことになります。
十分な対策をすれば、薬剤師の皆さんにとっては比較的とりやすい資格であると言えます。
資格の更新について
NR・サプリメントアドバイザーは、消費者の健康状態を捉え、保健機能食品やサプリメントに関するアドバイスを行うため、その資格には質の確保と向上が求められます。そのため、前述でもお伝えした通り、5年ごとに資格の更新が必要となります。
規定の単位を取得しなければ資格は失効してしまうので注意が必要です。また、日本臨床栄養協会は、1年以上年会費を未納すると退会扱いになるため、そちらも気を付けておきましょう。
資格を更新するためには、以下の条件が必要です。
- 日本臨床栄養協会 正会員の継続
- 更新のための研修単位の取得(50単位)
- レポート提出
更新の際の研修単位(50単位)の取得方法はさまざまあります。
- 通信教育「NR・サプリメントアドバイザー講座」再受講(20単位)
- 「サプリメントフォーラム」収録DVDによる学習(10単位)
- 日本臨床栄養協会学術大会への参加(10単位)
- レベルアップセミナー(10単位)
- web配信レベルアップセミナー(5単位)
- NR・サプリメントアドバイザー交流研修会(10単位)
- 論文発表(5単位、10単位)
- 学会発表(5単位)
上記の中から組み合わせて50単位を取得する必要があります。
NR・サプリメントアドバイザーを仕事で活かす
NR・サプリメントアドバイザーの資格は、さまざまな場面でい活かす ことができます。
病院、診療所などの保健医療機関だけでなく、ドラッグストアなどの保健機能食品が販売されている店舗や製造会社での相談窓口、保健所、保健センターなどがあります。加えて、消費者センターなどの相談機関や、地域での食育や食生活改善活動など、場所を問わずニーズのある資格といえるでしょう。
NR・サプリメントアドバイザーが役立つ職場や業界は?
NR・サプリメントアドバイザーが必要とされる場面は多岐にわたります。
薬剤師の活躍する職場と共通する場面も多く、特にさまざまなサプリメントが販売されている薬局やドラッグストア、健康食品販売店などで必要とされます。
病院からの処方薬を使用している消費者もいるため、症状に合わせて保健機能食品やサプリメントのアドバイスを行い、飲み合わせなどについても専門的にサポートできます。
また、病院の現場においても、日頃摂取している保健機能食品との相性や患者さんの健康状態に合わせ、栄養を補給する目的でのサプリメントの使用など、大いに知識を活かすことができるでしょう。
その他にも、保健機能食品やサプリメントを扱う企業においても、企画や開発、製造に携わることもあります。保健機能食品やサプリメントが多く市場に出回っている現代だからこそ、消費者相談や健康相談などの場面でも資格を活かすことができます。
NR・サプリメントアドバイザーを取得するメリット
NR・サプリメントアドバイザーを取得するメリットは、より専門性に磨きをかけ、多くの消費者を支援することができるということが大きいです。
近年「セルフメディケーション」という考えが広がり、自分で自分の健康を支えていくことの大切さが提唱されています。また、「未病」という考え方もあり、病気になる前の状態をどのように整えていくかが課題となっています。そのような中、社会は保健機能食品やサプリメントに溢れ、どれを使用したらいいのか、金額で選んでよいのかなど、多くの方が迷っています。
NR・サプリメントアドバイザーは、保健機能食品やサプリメントといった領域において、自信をもって一人ひとりに合わせたアドバイスができるようになります。医薬品による治療だけでなく、より生活に密着した健康をサポートしていきたいという想いがある方にとっては、とても魅力的な資格といえるでしょう。
NR・サプリメントアドバイザーの転職事情
日本の現状として、NR・サプリメントアドバイザーの資格を持もっているからといって、年収が大きく増えることはあまりありません。企業によっては資格手当が追加されるところもあるそうですが、多くはないのが現状です。この資格を持っていれば就職に有利というわけではありませんが、「セルフメディケーション」が広がっているいま、今後期待される資格の一つではあります。
NR・サプリメントアドバイザーの資格を取ることは、治療を必要とする患者さんだけでなく、「セルフメディケーション」を考える方にも目を向けることになります。自分の幅広い業務領域をアピールする材料にもなることでしょう。
保健機能食品やサプリメントは種類も多く、消費者はどれを選べばよいか悩んでいるのが現状です。そうした不安を解消すべく、NR・サプリメントアドバイザーの知識を活かす機会を自身の手で切り開いてみてはいかがでしょうか。
- 認定薬剤師
- 専門薬剤師
- その他の資格
- 医薬情報担当者(MR)
- 医療情報技師
- NR・サプリメントアドバイザー
- 漢方アドバイザー
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 公害防止管理者
- 抗酸菌症エキスパート
- 骨粗鬆症マネージャー
- 産業カウンセラー
- 治験コーディネーター(CRC)
- 上級医療情報技師
- 食品衛生監視員
- 食品衛生管理者
- 日本禁煙学会認定専門指導者
- 日本糖尿病療養指導士(CDEJ)
- 日本褥瘡学会在宅褥瘡予防・管理師
- 日本褥瘡学会認定師
- 認定クリニカル・トキシコロジスト
- ビューティケアアドバイザー
- ヘルスケアアドバイザー
- 麻薬取締官
- メディカルアロマセラピスト
- 薬物療法指導薬剤師
- リウマチ財団登録薬剤師
- 臨床心理士
- 労働衛生コンサルタント
- 医薬品製造管理者・医薬部外品等責任技術者
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