公認スポーツファーマシスト

認定団体:公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構
公認スポーツファーマシスト

公認スポーツファーマシストとは

公認スポーツファーマシストとは、認定薬剤師の一つで、ドーピング防止などの専門知識を持つ薬剤師です。
近年、スポーツで有利になるために禁止薬物を使用する「ドーピング」が問題になっており、世界的にドーピングに反対(アンチ)する「アンチ・ドーピング」の機運が高まっています。そこで、国内でも2009年にスポーツファーマシストの資格認定制度が始まりました。

スポーツファーマシストになるには、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の定めたカリキュラムを修了し、試験に合格する必要があります。JADAはアンチ・ドーピング活動を通じて公正なスポーツ環境をつくることを目的とした公益財団法人で、日本薬剤師会の協力のもと、この資格の認定活動を行っています。

近年国際的なスポーツ大会が増えていることや、スポーツ選手のドーピング事例が増えていることを背景に、スポーツファーマシストの取得者は急増しています。資格制度の開始直後(2010年)の認定者数は796名でしたが、2019年には9,530名が認定を受けており、薬剤師31万人強のうち約3%がこの資格を取得していることが分かります。

公認スポーツファーマシストの仕事内容

スポーツファーマシストは最新のアンチ・ドーピングの基礎知識を有しており、スポーツの競技者や指導者に薬の使い方をアドバイスしたり、学校などでアンチ・ドーピングの啓発活動をしたりと多方面で活躍することができます。

ドーピングというと、「筋肉増強のために大量のステロイド剤を使う」といったイメージがありますが、風邪薬などの一般的な処方薬や薬局やドラッグストアで購入ができるOTC医薬品、栄養剤などの中にも、ドーピングの規制対象となる成分が含まれている場合があります。
スポーツの競技会に参加する人が、こうした薬剤を知らずに使用してしまう「うっかりドーピング」は国際的にも問題となっています。

医薬品の適正使用とアンチ・ドーピングに関する情報提供を行うことで、ドーピングを未然に防ぐことが、スポーツファーマシストの主な仕事内容です。

公認スポーツファーマシストのやりがい

私たちがスポーツに打ち込んだり、家族や友人の競技を応援したり、プロスポーツを観戦したりと心から楽しむことができるのは、そこにフェアプレー精神があるからです。ドーピングが蔓延し、競技の相手が「ズル」をしているかもしれない環境では、スポーツの面白さは損なわれてしまうでしょう。
スポーツファーマシストは、通常の薬剤師業務に加えてスポーツ競技者や指導者とかかわりを持つことで、クリーンなスポーツ環境を守るために活躍することができます。

また、スポーツを通じた青少年への健康教育も重要な使命です。特に、意図的に禁止薬物を使うようなドーピングは健康を損なうリスクもあります。「大会で優勝したい」や「筋肉質な体つきになりたい」という理由で体に負担のかかる筋肉増強剤を利用しようとする人もいます。公認スポーツファーマシストは、医薬品の適正使用を伝えるだけでなく、社会全体にアンチ・ドーピングの啓発活動をしていくことも欠かせません。

公認スポーツファーマシストの資格を取得するには?

ドーピング防止規則に関する最新の情報や豊富な知識を必要とする公認スポーツファーマシストですが、実際に資格を取得する際の難易度は比較的低いとされています。
ここでは資格取得の条件や、費用、出題範囲についてご紹介します。

資格の取得条件

認定申請時に、下記の要件をすべて満たしている必要があります。

条件1 薬剤師の資格を有すること
条件2 基礎講習会と実務講習を受講すること
条件3 知識到達度確認試験に合格すること

資格取得までのスケジュールと費用

薬剤師がスポーツファーマシストの資格を習得するまでのスケジュール、かかる費用は下記の通りです。

例年4~5月頃 受講の申し込み
受講料7,600円
例年6~7月頃 基礎講習会と実務講習を受講すること
例年11~12月頃 実務講習の申込み
例年12~翌1月頃 e-ラーニング内にて実務講習
知識到達度確認試験
認定申請 認定料21,000円
例年4月1日 認定

試験の出題範囲や難易度

スポーツファーマシストになるためには、日本アンチ・ドーピング機構のカリキュラムを修了し、知識到達度確認試験に合格することが求められます。試験の出題範囲には、ドーピングに関する薬剤の知識はもちろんのこと、法律や制度といった周辺知識も含まれています。出題範囲が広いと思う方もいるかもしれませんが、基本的には事前に行われる基礎講習会や実務実習で習った内容をしっかり覚えておけば問題はないです。

また、インターネットを使用した資格取得制度となっているため、試験会場で受けるのではなく、インターネットにつながるパソコンがあればどこからでも解答することができます。
こうした点から、受講の前提である薬剤師の資格を持っている方であれば、比較的簡単に取得できる資格だといえます。

資格の更新について

スポーツファーマシストの認定証の有効期限は4年間です。ただし、資格維持のためには毎年、e-ラーニングで実務講習を受ける必要があります。認定更新は可能ですが、4年目のうちにe-ラーニングで基礎講習と実務講習を受け、もう一度、知識到達度確認試験を受ける必要があります。
このとき、初回認定時と同額の受講料(7,600円)と認定料(21,000円)がかかります。

公認スポーツファーマシストを仕事で活かす

公認スポーツファーマシストの資格はどのような業界で活かすことができるのでしょうか?公認スポーツファーマシストが役立つ職場や業界から取得するメリット、最新の転職事情についてご紹介します。

公認スポーツファーマシストが役立つ職場や業界は?

公認スポーツファーマシストは、スポーツチーム(競技団体)やスポーツドクターと連携する薬局など関連医療機関を中心に需要がある資格です。
スポーツで活躍している人が、基礎疾患などで薬物治療を受けるときや、急な体調不良で医薬品を使用しなくてはならなくなったとき、スポーツファーマシストに相談することができれば安心です。

使う薬剤の種類や量、投与方法、その人の競技種目などから、ドーピングの規則違反になるのかを確認し、もし該当する場合は対応する方法も相談することができます。こうした相談を受ける専門家として、競技団体に専属で所属するスポーツファーマシストも誕生しはじめていますし、スポーツドクターのいる整形外科の処方箋を多く受ける薬局で働くスポーツファーマシストも活躍しています。

また、ドーピングへの世間の意識の高まりを受けて、一般の薬局やドラッグストアでも、スポーツに打ち込む患者さんからの相談のニーズは少なくありません。さらに、スポーツと薬の関係に詳しくなることで、さまざまな薬を飲んでいる中高年の患者さんに対して運動面で適切なアドバイスをできるようになることも期待されています。

地域の学校教育においても、スポーツファーマシストには医薬品の適正使用を啓発する講師としての活躍が期待されています。例えば学校薬剤師として、ドーピング防止の授業などを依頼される方もいます。

公認スポーツファーマシストを取得するメリット

スポーツファーマシストの資格を取得すれば、スポーツをしている患者さんなどから相談を受けたときに自信をもって業務に当たることができます。
また、薬局にとっても、スポーツファーマシストに認定された薬剤師が在籍していることはアピールポイントの一つとなります。

例えば看板などを掲載して患者さんに宣伝することができ、さらにはドーピングへの不安がある人は、日本アンチ・ドーピング機構のウェブサイトからスポーツファーマシストの在籍する薬局を検索することができます。こうした点から、新しい患者さんを得るきっかけになるかもしれません。
なお、スポーツファーマシストの資格を持っていれば、地域の講演などを依頼されやすくなり、講師として貴重な経験を積むことができる可能性もあります。

公認スポーツファーマシストの転職事情

スポーツファーマシストは、他の認定薬剤師などの資格と比べると比較的簡単に取得でき、活躍する場もまだ少ない資格です。競技団体の専属薬剤師や、スポーツドクターと連携する薬局薬剤師といった仕事は、割合としては決して多くないからです。しかし、「スポーツが好きで、いずれ薬剤師としてスポーツにかかわる仕事にも携わりたい」と志している方は、ぜひ取得しておくべき資格といえるでしょう。
そうした特定の求人以外では、スポーツファーマシストを取得したからといって転職で有利になるケースはあまり多くないようです。

しかし、そうした場合でも、転職活動で「自己研鑽を続けている」ことを客観的に伝える材料にはなります。さらに資格習得をきっかけにドーピングに関する相談を積極的に受けたり、講演をしたりといった実績を積んでいけば、さらにアピールポイントを増やすことができるでしょう。

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