老年薬学認定薬剤師

認定団体:一般社団法人 日本老年薬学会
老年薬学認定薬剤師

老年薬学認定薬剤師とは

老年薬学認定薬剤師は、高齢者が安全かつ有効な薬物療法を受けられるよう、老年医療に関する専門的な知識を有し、薬物治療や生活支援に関わる他職種と連携しながら、高齢者を包括的に支援することができると認められた薬剤師に与えられる認定資格です。

社会の高齢化が進み、薬物療法を必要とする高齢者が増える中、高齢者への安全かつ効果的な薬物療法を実施するうえで求められる専門的な知識と技量を有した薬剤師を育成し、これからの高齢化社会の保健・医療・福祉に貢献することを目的に、日本老年薬学会によって2016年に設立されました。

現在国内では、244人の老年薬学認定薬剤師が活躍しています(2021年10月1日時点)。

老年薬学認定薬剤師の仕事内容

老年薬学認定薬剤師は、高齢者に適切な薬物治療を提供することを専門とする資格です。

高齢者の場合、特に腎機能や肝機能をはじめとする生理機能が低下していることが多いため、薬物治療にあたっては、腎機能や肝機能、体力、嚥下機能を考慮した処方が必要です。

また、認知能力が低下している高齢者もいるため、服薬コンプライアンスの維持や残薬管理にも特別な配慮を要することも少なくありません。

老年薬学認定薬剤師は、そのような高齢者への投薬が、効果的にそして安全に実施できるよう包括的にサポートするのが主な仕事です。

さらに、投薬を受ける高齢者のいる施設や住宅の環境を整えたり、患者さまを取り巻く"医療・介護・福祉"の他職種連携の中で、チームの一員としてさまざまな提案や調整したりすることも大切な業務です。

複数の医療機関を受診し多剤併用、いわゆる「ポリファーマシー」の問題を抱えているケースに対しては、ポリファーマシーによる事故や有害事象を防ぐために、各処方医に対して処方の見直しを提言します。

その他、高齢者に関する最新の研究について情報収集し、エビデンスに基づいた薬物療法を提供することも求められます。

老年薬学認定薬剤師のやりがい

老年薬学認定薬剤師は、専門性が高く、非常にやりがいを感じられる仕事です。

調剤業務を行う薬剤師であれば、誰しもが腎機能・肝機能や認知機能が低下した高齢者に対して、処方の安全性に不安や疑問を抱くことがあると思います。

しかしこれらの問題を解決し、より安全な医療を提案するためには、高齢者の生理機能の特性や生理機能低下に伴う薬物動体の変化を理解し、複雑に絡み合った問題を一つずつ分析する力を持っていなければなりません。

その点、老年薬学認定薬剤師であれば、高齢者が抱えやすい生理機能面の問題や認知機能などの困難に関する知識と経験を有しているので、より安全で確実なソリューションを提案し、時には処方医に対しても処方の見直しの提言を行うなど、積極的な介入ができるのです。

老年薬学認定薬剤師はまだ全国でも貴重な存在なので、老年薬学認定薬剤師未取得の薬剤師や、ケアマネージャーをはじめとする医療スタッフからアドバイスを求められることも多く、専門職として大きなやりがいを実感することができます。

老年薬学認定薬剤師の資格を取得するには?

資格の取得条件

老年薬学認定薬剤師を取得するためには、下記の項目をすべて満たす必要があります。

条件1 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格および見識を備えていること。
条件2 薬剤師免許を取得後 3 年以上経過していること。
条件3 3年度以上引き続いて日本老年薬学会の一般会員であること。
条件4 薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師または日本医療薬学会認定薬剤師であること(注:2024 年度の申請から施行)。
条件5 日本老年薬学会役員(理事、監事、評議員)、所属長(病院長あるいは施設長等)または保険薬局においては開設者の推薦があること。
条件6 業務を通じて高齢者の薬物療法の有効性または安全性に直接寄与した症例を 10 症例報告できること。
条件7 日本老年薬学会の指定する研修等を受講し、30 単位以上を取得していること(申請年度を除く4 年度以内)。
条件8 日本老年薬学会の指定する実技実習などを3 項目以上受講していること(申請年度を除く4 年度以内)。
条件9 日本老年薬学会が実施する認定試験に合格すること。

※ただし、日本老年薬学会の設立が2016年であり、研修や実技実習などの提供も2017年度から開始されたたばかりのため、条件3、7、8を満たしていなくても、2018年度申請までは暫定的に老年薬学認定薬剤師としての認定を受けることができました。この暫定期間に老年薬学認定薬剤師の暫定認定を受けた場合は、2019年度以降に条件3、7、8の要件を満たし、本認定への移行申請が必要です。

資格の取得方法

上記の条件1~8をすでに満たしている、あるいは満たす見込みである場合は、まず認定試験に申し込んで受験し(3月、於:都内)、合格後に認定申請(4~5月)をおこない、資格を取得することになります。
認定試験の申込から受験、試験合格後の認定申請の流れ、および各種費用は以下の通りです(2022年度の場合)。

日程 手続き 費用
2022年1月9日~31日 老年薬学認定薬剤師試験受験申込 受験料5,500円(税込)
4月1日~5月31日 認定試験合格者のみ認定申請 審査料11,000円(税込)
非公開 審査合格者のみ登録申請 登録料11,000円(税込)

2022年度老年薬学認定薬剤師試験の出題範囲は以下のとおりです。

1 加齢に伴う身体・精神の変化
2 加齢に伴う薬物動態の変化。
3 高齢者薬物療法  精神疾患、神経疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、高血圧、脂質異常症、腎疾患、糖尿病、褥瘡、消化器系疾患、泌尿器疾患、筋骨格疾患
4 フレイル
5 サルコペニア
6 栄養療法
7 高齢者の処方見直しへのアプローチ
8 高齢者の身体能力に合わせた服薬支援
9 多職種との連携
10 感染対策

※2017~2018年度の暫定期間にすでに認定を受けている場合は、上記認定試験は免除され、代わりに移行措置に係る試験(Web 試験)に合格することで、本認定への申請ができます。

老年薬学認定薬剤師の資格は、認定を受けた翌年度から数えて5年度目に更新する必要があります。更新の申請受付期間は、認定申請受付期間と同じで、Web上で申請します。

更新に必要な条件は以下の通りです。

条件1 業務を通じて高齢者の薬物療法の有効性または安全性に直接寄与した症例を10症例報告できること。
条件2 日本老年薬学会の指定する研修などにおいて、40単位以上取得していること。
条件3 更新に係る試験(Web試験)に合格すること。

更新申請にかかる費用は、審査料 11,000 円(税込)、登録料 11,000 円(税込)です。

老年薬学認定薬剤師を仕事で活かす

高齢者は、循環器系疾患や生活習慣病、骨粗鬆症などの特有の疾患や、認知機能の低下、代謝機能の低下などを合併しているケースが多く、多剤併用によるポリファーマシーの問題や有害事象が生じやすいと考えられています。

実際、高齢者によく処方される薬剤の中には、患者の腎機能や肝機能の状態に応じて、投与量を調節しなくてはならないものや、転倒リスクを考慮して慎重に投与すべきものもあります。

今後さらに社会の高齢化が進み、医療を必要とする高齢者が増加する日本では、老年医療に精通した薬剤師が必要とされる場面は間違いなく増えると予想されます。

老年薬学認定薬剤師の資格があれば、病院、在宅医療、介護施設などのさまざまな医療の現場で、リーダー的存在として高齢者の健康や福祉に貢献することができるでしょう。

また、高齢者の医療に精通した専門家としての希少性も高く、管理職や教育係としての勤務や昇給も目指すことができます。将来、専門性を備えた認定薬剤師として第一線で活躍したい人にとって、ぜひ取得しておきたい認定資格です。

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