緩和薬物療法認定薬剤師

■緩和薬物療法認定薬剤師とは

緩和薬物療法認定薬剤師は一般社団法人 日本緩和医療薬学会(JPPS)によって認定される薬剤師資格です。がん対策においては、がんの予防、治療、緩和という3つの柱に沿って医療を推進することが明確になり、改めて緩和医療の重要性が注目されるようになりました。
緩和医療において、薬物治療は欠かせないものであり、医療用麻薬の適正使用や支援など、薬剤師が持つ専門的なスキルへの期待が高まっています。緩和医療に携わる職種として、知識と技術の向上、がん医療の均てん化に対応できる人材の育成を目指して、緩和薬物療法に貢献できる知識・技能・態度を有する薬剤師が認定されています。2010年に開始され、認定者は658名(2018年4月現在)。

仕事内容

病院などの医療機関や在宅において、がん治療を行う患者さんの状況を確認しながら、個々の症状や状態に合った薬物療法を提案・実践することが主な業務です。副作用情報などを含めた、治療薬の情報を患者さんとその家族に提供します。薬物治療のみならず、社会的、精神的にも健やかに生活できるように支援することも、大切な役割です。
また、研究活動や学会発表を行うことで、普段からがん緩和療法における知識やスキルを習得し、医師をはじめとする医療関係者への情報提供を行うこともあります。緩和療法で用いられる薬剤は、使用方法や副作用が複雑なものも多く、専門的なアドバイスが求められるでしょう。

資格の取得条件

緩和薬物療法認定薬剤師の資格を取得するためには、下記の項目をすべて満たす必要があります。

条件1 ・日本国の薬剤師免許を有し、
薬剤師として優れた見識を備えていること。
条件2 ・申請時において、薬剤師としての実務歴を
5年以上有する日本緩和医療薬学会の会員であること。
条件3 ・申請時において、薬剤師認定制度認証機構により
認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、
日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、
あるいは日本医療薬学会認定薬剤師のいずれかであること。
条件4 ・申請時において、引き続いて3年以上、
緩和ケアチームまたは緩和ケア病棟を有している病院、
診療所等のいずれかの施設において緩和ケアに
従事している薬剤師であること(所属長の証明が必要)、
あるいは申請時において、引き続いて3年以上、
麻薬小売業者免許を取得し、かつ、
がん診療を行っている在宅療養支援診療所等の
医療機関と連携する保険薬局等に勤務し、
緩和ケアに従事していること
(依頼する医師および薬局開設者の証明が必要)。
条件5 ・過去5年以内に、認定対象となる講習等を
所定の単位(計100単位、毎年20単位)以上
履修していること。
過去5年以内に、がん疼痛緩和と医療用麻薬の
適正使用推進のための講習会
(厚生労働省、麻薬・覚せい剤乱用防止センター等主催)に
1回以上参加していること。
条件6 ・薬剤師として実務に従事している期間中に、
本学会年会あるいは別に規定する学術集会に
おいて緩和ケア領域に関する学会発表を
2回以上(少なくとも1回は発表者)行っていること。
条件7 ・病院等に勤務する薬剤師は
緩和ケア領域薬剤管理指導の実績について
本学会所定の様式に従い30症例以上提示できること。
・保険薬局に勤務する薬剤師は
緩和ケア領域服薬指導等の実績について
本学会所定の様式に従い15症例以上提示できること。
条件8 ・所属長(病院長あるいは施設長等)または
保険薬局においては開設者の推薦があること。

資格の取得方法

上記の申請条件を満たしたうえで、緩和薬物療法認定薬剤師認定試験を受験して、書類選考と試験に合格することで認定されます。

認定期間 試験料
5年 20,000円
更新審査料
10,000円

緩和薬物療法認定薬剤師を仕事で活かす

緩和薬物療法認定薬剤師は、おもにがん治療における化学療法を実施している病院などの医療機関でニーズが高い資格です。現在では施設や在宅で緩和ケアを行う患者が増えており、保険薬局に勤務する薬剤師においても活躍の場面が出てきています。緩和薬物療法に用いる薬剤は取り扱いが難しく、薬物治療の選択肢も増えているので、専門知識を持つ薬剤師の活躍が期待されています。