薬剤師がもらえる手当にはどんな種類がある?初任給や年収の相場も紹介

薬剤師がもらえる手当にはどんな種類がある?初任給や年収の相場も紹介

薬剤師の収入は、手当の有無によって差が出ることがあります。そのため、就職先がどんな手当を設けているのか、把握しておくことは大切です。

また、薬剤師がもらえる資格手当や管理薬剤師手当などは、原則として所得税の課税対象となります。手当がそのまま収入になるわけではないため、税金の仕組みを正しく理解しておくことも大切でしょう。

本記事では、一般的な手当について解説するとともに、薬剤師に支給される手当の種類や初任給・年収の相場、給料アップを目指す方法についてもお伝えします。

1.手当とは?

手当とは、一般的に企業が基本給とは別に従業員へ支払う賃金のことです。薬剤師の場合、資格手当や役職手当、夜勤手当など、職務や勤務条件に応じて多様な手当が支給されます。

また、薬剤師は資格職であるため、資格手当に相当する金額が基本給に組み込まれるケースもあるでしょう。調剤薬局や病院勤務では、夜勤・休日出勤手当が加わることもあります。

1-1.課税・非課税となる手当

手当は原則として給与所得に含まれるため、基本的には所得税の課税対象となりますが、一部非課税となる手当もあります。具体的には以下のとおりです。

課税対象となる手当 ● 残業手当
● 休日出勤手当
● 職務手当
● 地域手当
● 家族(扶養)手当
● 住宅手当 など
非課税となる手当 ● 通勤手当のうち一定額以下
● 出張や転勤に伴う旅費で通常必要と認められるもの
● 宿直・日直手当のうち一定額以下

参考:No.2508 給与所得となるもの|国税庁

非課税となる手当を除き、薬剤師が受け取る資格手当や役職手当などは原則として給与所得となるため、給与明細上でも源泉徴収の対象となっています。

2.薬剤師がもらえる主な手当の種類

薬剤師は専門資格が必要な職種ということもあり、勤務先や役割に応じて多様な手当が支給されます。ここでは、薬剤師がもらえる代表的な手当について解説します。

2-1.薬剤師資格手当

薬剤師資格手当は、薬剤師免許を有することで支給される手当です。調剤薬局や病院などでは、資格保持者に対して毎月一定額の資格手当が加算されるケースのほか、資格手当に相当する金額が基本給に含まれているケースもあります。

2-2.認定薬剤師資格手当

薬剤師の中には、「認定薬剤師」や「専門薬剤師」といった資格を取得する人もいるでしょう。職場によっては、これらの追加資格を取得した薬剤師に対し、資格手当が支給される場合があります。がん専門薬剤師や感染制御認定薬剤師など、専門性が高い資格ほど手当額が大きくなる職場であれば、積極的に認定資格の取得を目指すと給料アップが望めるでしょう。

2-3.管理薬剤師手当・役職手当

管理薬剤師手当は、薬局や病院で管理薬剤師として勤務する薬剤師に対して支給される手当です。主任や課長など役職に応じた役職手当もあり、組織運営や部下の指導など管理業務を担うことへの評価として支給されます。

2-4.通勤手当

通勤手当とは、通勤にかかる交通費を補填するための手当です。ほとんどの企業で設けられている手当でしょう。公共交通機関利用の場合は実費精算が基本で、一定額までは非課税扱いとなります。自動車通勤の場合も距離に応じて支給されることがあります。

2-5.時間外手当・残業手当

時間外手当・残業手当とは、所定労働時間を超えて勤務した場合に支給される手当です。薬局や病院では繁忙期や夜間対応で残業が発生することがあり、労働基準法に基づき割増賃金が支払われます。

参考:割増賃金の基礎ととなる賃金とは?|厚生労働省

2-6.休日手当・深夜手当

休日手当・深夜手当とは、休日出勤や深夜勤務を行った場合に支給される手当です。特に病院薬剤師は24時間体制の勤務が必要なため、深夜勤務手当が給与に含まれるケースが見られます。

2-7.精皆勤手当

精皆勤手当(皆勤手当・精勤手当)とは、欠勤や遅刻・早退などがなく、勤務態度が良好である場合に支給される手当です。

一般的には、皆勤手当は遅刻や早退の有無に限らず欠勤がない場合に支給されるのに対して、精勤手当は欠勤・遅刻・早退がない場合に支給される手当とされています。

2-8.住宅手当

住宅手当とは、薬剤師が勤務先近くに転居する場合や、家賃負担を軽減する目的で支給される手当です。病院や薬局では生活支援の一環として導入されることがあります。

2-9.地域手当

地域手当とは、勤務地の地域特性に応じて支給される手当です。物価水準が高い都市部での生活費負担を軽減したり、豪雪地域や寒冷地など生活環境によるコストがかかる地域での暮らしを支援したりするのが目的です。勤務地によって生活コストに差が出る場合があるため、不公平感を緩和するために設けられている手当といえます。

3.薬剤師の手当を含めた初任給・年収の相場

薬剤師の手当を含めた初任給や年収の相場については、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」で調査されています。「きまって支給する現金給与額」には、基本給に加え、資格手当・役職手当・通勤手当・精皆勤手当などが含まれています。

参考:賃金構造基本統計調査 調査の概要|厚生労働省

3-1.【職種別】初任給と年収

医療関連職種の初任給の参考として、各職種の20~24歳の「きまって支給する現金給与額」および平均年収を比較すると、以下のとおりです。

職種 きまって支給する
現金給与額
年間賞与その他
特別給与額
平均年収

薬剤師 33万2,300円 1万1,400円 399万9,000円
医師 42万2,600円 1万8,400円 508万9,600円
獣医師 36万6,500円 0円 439万8,000円
保健師 31万9,500円 74万6,600円 458万600円
助産師 31万2,700円 44万5,500円 419万7,900円
看護師 31万5,200円 49万4,800円 427万7,200円
准看護師 22万9,500円 36万7,500円 312万1,500円
診療放射線技師 28万3,800円 43万6,500円 384万2,100円
臨床検査技師 26万2,200円 44万0,000円 358万6,400円

※年収=きまって支給する現金給与×12カ月+年間賞与その他特別給与額で算出
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種|政府統計の総合窓口 e-Stat

職種によって資格取得までにかかる年数や就職する平均年齢は異なるため、あくまで参考値ではありますが、薬剤師の初任給は医療系職種の中でも比較的高水準であることがうかがえます。

3-2.【年代別】薬剤師の平均年収

年代別の薬剤師の平均年収は以下のとおりです。

年代 平均年齢 きまって支給する
現金給与額
年間賞与その他
特別給与額
平均年収
20~24歳 24.5歳 33万2,300円 1万1,400円 399万9,000円
25~29歳 27.5歳 36万7,900円 33万9,500円 475万4,300円
30~34歳 32.4歳 40万9,100円 38万700円 528万9,900円
35~39歳 37.7歳 42万7,000円 40万500円 552万4,500円
40~44歳 42.5歳 44万9,100円 42万4,300円 581万3,500円
45~49歳 47.8歳 47万1,900円 45万1,800円 611万4,600円
50~54歳 52.4歳 52万5,600円 50万1,300円 680万8,500円
55~59歳 57.3歳 52万4,300円 50万5,300円 679万6,900円
60~64歳 62.5歳 50万900円 48万9,500円 650万300円
65~69歳 66.7歳 41万3,700円 40万6,700円 537万1,100円
70歳~ 74.8歳 36万2,400円 35万6,800円 470万5,600円
全体 40.9歳 43万800円 82万3,600円 599万3,200円

※平均年収=きまって支給する現金給与×12カ月+年間賞与その他特別給与額で算出
参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種|政府統計の総合窓口 e-Stat

薬剤師の平均年収は年齢とともに上昇し、50代がピークとなっています。

4.薬剤師が給料アップを目指すには?

薬剤師の給与は基本給に加え、さまざまな手当によって構成されています。そのため、給料アップを目指すのであれば、「手当を増やす」「給与水準の高い職場を選ぶ」といった方法があるでしょう。ここでは、薬剤師が給料アップを目指す方法についてお伝えします。

4-1.管理薬剤師になって「役職手当」をもらう

薬局や病院では、管理薬剤師に任命されると役職手当が支給されることがあります。管理薬剤師は、医薬品の管理や従業員の指導など責任が重い役職です。そのため、通常の薬剤師よりも給与が高く設定されており、月数万円程度の手当がつくのが一般的でしょう。

また、管理薬剤師は組織運営に関わるため、給料アップだけでなくキャリアアップにも直結します。管理薬剤師としての経験は、転職する際のアピールポイントとなるでしょう。

4-2.認定薬剤師資格を取得して「資格手当」をもらう

薬剤師には「認定薬剤師」「専門薬剤師」などの資格制度があります。これらを取得すると資格手当が支給されるケースがあり、給与アップにつながる可能性があります。例えば、がん専門薬剤師や感染制御認定薬剤師などが挙げられるでしょう。

また、専門性が高い資格ほど手当額が大きくなる職場もあります。そのため、自身が目指したい薬剤師像と合わせて、職場の給与制度を確認し、計画的に資格取得を目指しましょう。

4-3.給与水準が高い会社に転職する

同じ薬剤師でも、勤務先によって給与水準は大きく異なります。例えば、大手の製薬企業やドラッグストアなどは従業員の待遇・福利厚生が充実している傾向にあり、高収入を得られるケースがあります。また、病院薬剤師は給与水準が高くなくとも、夜勤手当や休日手当によって収入アップが望めることもあるでしょう。

そのため、給料アップを目的とした転職活動では、求人票に記載されている「基本給」だけでなく「手当の種類と金額」も確認することが重要です。特に一定額が支給されることが多い資格手当や地域手当は、年収への影響も大きいといえます。

5. 薬剤師の手当を理解して収入アップにつなげよう

薬剤師の給与は基本給に加え、資格手当・役職手当・通勤手当など多様な手当で構成されています。これらの手当は原則課税対象となるため、収入や税金にも直結する要素です。

また、薬剤師の平均年収は約600万円、初任給も約400万円と、医療系職種の中では高水準です。さらに年収アップを目指すのであれば、管理薬剤師として役職手当を得る、認定薬剤師資格を取得して資格手当を増やす、給与水準の高い職場へ転職するなどの行動を起こすことが必要でしょう。薬剤師は手当の仕組みを理解し、必要に応じてキャリアや働き方を見直してみることが、収入アップと安定した生活設計につながります。

この記事の著者

薬剤師ライター

秋谷 侭美

薬剤師ライター。病院・薬局で幅広い診療科を経験。現在は2児の子育てをしながら、Webライターとして活動中。専門的な資料や情報をわかりやすくかみ砕き、現場のリアルに寄り添う言葉で伝えることを大切にしている。同じ薬剤師として、日々の悩みやモヤモヤに共感しながら、少しでも役立つヒントや気づきを届けられるように試行錯誤中。

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