管理薬剤師とは?薬剤師との違いや資格取得の注意点について

管理薬剤師とは?薬剤師との違いや資格取得の注意点について
薬剤師であれば、一度は経験してみたい「管理薬剤師」。調剤薬局の店舗や、薬剤部の管理・運営を担う責任あるポストであり、一般の薬剤師に比べて年収が高いといわれています。

管理薬剤師とは、いったいどのような仕事内容なのでしょうか。管理薬剤師になるための要件や仕事内容、メリットとデメリット、気になる年収などをまとめて解説します。
実際に管理薬剤師としての新たなスタートを切った薬剤師の体験談・失敗談もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

1.管理薬剤師とは

管理薬剤師とは、法律によって設置が義務付けられている薬局各店舗の責任者、または製造業では拠点ごとの責任者のことです。職場によっては薬局長と呼ばれていることもあります。
管理薬剤師の主たる業務内容は、各店舗または各拠点の管理業務であり、一般的な薬剤師とは異なります。管理薬剤師に求められる業務、資格や資質などについて詳しくみていきましょう。

1-1.薬剤師との違い

管理薬剤師は、一般の薬剤師が行う調剤・服薬指導・販売業務も行うことがありますが、管理薬剤師にしか行えない業務があるという点において、一般の薬剤師とは大きな違いがあります。
管理薬剤師に課せられる主な業務に、「管理業務」、「適正な使用のための情報提供業務」、「薬局開設者への意見申述の義務」その他、副作用情報の収集・報告などの業務があります。

また、収入面でも一般薬剤師との違いがあります。
中央社会保険医療協議会による、第23回(令和3年実施)医療経済実態調査(医療機関等調査)によると、一般薬剤師の年収の全国平均は、472万402円(基本給415万3662円+賞与56万6740円)であったのに対し、管理薬剤師の年収の全国平均は、721万7054円(基本給645万6788円+賞与75万265円)であり、一般薬剤師と管理薬剤師とで年収に大きな差があることが分かります。

参照元:厚生労働省/中央社会保険医療協議会、第23回(令和3年実施)医療経済実態調査(医療機関等調査)

また、第23回医療経済実態調査の報告(令和3年実施)によると、保険薬局に勤務する一般薬剤師の平均年収が約472万円であったのに対し、管理薬剤師の平均年収は約720万円であり、一般薬剤師の年収を大きく上回っています。

参照元:厚生労働省/第23回医療経済実態調査の報告

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2.管理薬剤師になるための資格要件や方法

2.管理薬剤師になるための資格要件や方法
以前は、管理薬剤師になるために特別な資格が求められることはなかったのですが、令和元年の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等(薬機法)の一部を改正する法律」の公布により、現在、管理薬剤師になるには相応の能力や経験が求められるようになっています。
管理薬剤師になるための資格要件や方法について詳しく見てみましょう。

2-1.管理薬剤師になるための要件

まず、管理薬剤師の基本的な要件としては、「原則として、薬局における5年以上の実務経験があり、中立的かつ公共性のある団体(公益社団法人薬剤師認定制度認証機構など)の認証を受けた認定薬剤師であること」が推奨されています。
つまり、管理薬剤師になるためには、「薬局での5年以上の実務経験」と「認定薬剤師の資格」の2つの要件を満たすことが原則的に求められます。

さらに、令和元年の薬機法改正では、働き方に関する要件も加わっています。
具体的には「(管理薬剤師は)薬局等を実地に管理しなければならない」と定められているため、薬局や店舗など、一つの施設で一定時間以上勤務する必要があります。
管理薬剤師に求められる勤務時間について、明確に定めている法律はありませんが、一般的に1日あたり8時間(1週あたりおよそ40時間)勤務する必要があります。

さらに、管理薬剤師は原則的に兼業や副業は認められていないので、一つの施設に限り勤務しなくてはなりません。
このような勤務条件やこれまでの実務経験および認定資格については、現状として、法律による定めはありません。
とはいえ、管理薬剤師は非常に責任ある立場であり、判断力など、多彩な能力が必要なため、実際の業務にあたっては、薬局などを適切に管理・指導できる知識や経験が求められることになります。

参照元:厚生労働省/令和元年の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等の一部改正について
参照元:日本薬剤師会/薬局における法令遵守体制整備の手引き
参照元:厚生労働省/「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」
について

参照元:厚生労働省/改正薬機法の施行に向けた対応状況について

表:管理薬剤師になるための要件

項目 要件
資格 薬剤師資格 必須
認定薬剤師の資格 推奨
実務経験 薬局での5年以上の実務経験 推奨
勤務形態 管理する施設にて1日あたり8時間(1週あたりおよそ40時間)勤務する必要あり
薬剤師としての兼業・副業 不可

参照元:厚生労働省/「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」について
参照元:厚生労働省/改正薬機法の施行に向けた対応状況について

2-2.5年未満の場合はどうなる?

先にも述べたように、管理薬剤師になるための「薬局での5年以上の実務経験」と「認定薬剤師の資格」の要件については、現段階では「推奨」されるものであり、法律によって定められた義務ではないのが現状です。

しかしながら、やむを得ず実務経験5年未満の薬剤師を管理者として選任する場合は「管理薬剤師として責任ある業務を行うために必要な能力および経験」を有した者でなくてはなりません。
その場合「必要な能力および経験」をどう評価し、管理者にふさわしいと判断したか、その判断基準を明確に説明できる必要があります。

3.管理薬剤師の主な仕事内容

管理薬剤師は、法律によって定められている管理業務の他、それらに付随したさまざまな業務を行います。
管理薬剤師の代表的な仕事内容は、次の4つです。

3-1.医薬品の管理業務

管理薬剤師は、管理している施設が取り扱っている薬品に関する不備や品質のチェックを行い、適正に保管しなくてはなりません。
その他、医薬品の回収や、麻薬・覚せい剤原料、向精神薬、指定薬物など、届け出が必要な物質の届け出・保管を行います。
これらが適正に管理できるように、施設の不備や陳列の改善も行います。

3-2.使用者への情報提供業務

医薬品が適切に使用できるよう、医薬品に関する情報を把握し、使用者に提供することも管理薬剤師に課せられた業務の一つです。
医薬品に関するカウンセリングや、副作用が出た場合の対処など、使用者へのアフターケア業務を行います。

3-3.現場の薬剤師など従業員の管理

管理薬剤師は、現場のリーダーとして、他の薬剤師やスタッフの接客態度、法令順守や情報提供の状況などについて、監督・指導し、常に従業員を適切に管理しなくてはなりません。

3-4.意見申述の義務

令和3年(2021年)8月1日の改正薬機法施行により、管理薬剤師に新たに”意見申述”の義務が課せられています。
管理薬剤師自身が保健衛生上の問題点に気づき、改善のための措置などの意見がある場合は、現場責任者として薬局開設者(オーナーなど)に書面により報告しなくてはなりません。

参照元:厚生労働省/「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」について

3-5.職務内容と責任は業種によっても異なる

管理薬剤師を置く施設には、薬局、ドラッグストアなどの一般販売業、医薬品販売業、医薬品を扱う工場などさまざまです。
厚生労働省は、管理薬剤師が負うべき責務について、業種別に定めています。
それぞれの業種において、管理薬剤師が担う職務内容と責任について詳しく見ていきましょう。

3-5-1.①「薬局における管理薬剤師等の責務の内容」について

薬局の管理薬剤師が担う責務は次の3つです。

  • 管理業務
  • 適正な使用のための情報提供業務(管理薬剤師自ら行うか又は他の薬剤師に行わせる)
  • その他(副作用情報の収集、報告など)

参照元:厚生労働省/管理薬剤師等の責務の内容について

それぞれ詳しく見てみると、管理薬剤師が行うべき管理業務としては、主に従業員の業務内容や態度などの監督や、医薬品や設備・物品の管理などの業務が挙げられます。
特に高度な専門知識が求められる事例や、一般の従業員が対応できないような事例を、薬局の代表者として対応することが求められるでしょう。
また管理している医薬品や設備に問題が発生した場合は、適切な対応を行うとともに、薬局のオーナーに意見申述する必要があります。

適正な使用のための情報提供業務は、管理者に求められる責務ではありますが、他の薬剤師に行わせることもできます。
その他(副作用情報の収集、報告など)では、薬局の代表者として、調剤に必要な情報を入手できる体制を整え、情報収集に努めることや、厚生労働省への副作用発生状況を報告することが求められます。

3-5-2.②「一般販売業の店舗における管理薬剤師等の責務の内容」について

ドラッグストアや医薬品を扱うスーパー、コンビニなどの一般販売業に勤める管理薬剤師も、国から求められている責務は薬局の場合と同様に次の3つです。

  • 管理業務
  • 適正な使用のための情報提供業務(管理薬剤師自ら行うか又は他の薬剤師に行わせる)
  • その他(副作用情報の収集、報告など)

参照元:厚生労働省/管理薬剤師等の責務の内容について

ただし一般販売業の場合は、薬局よりも日用品やサプリメント、健康食品など多岐にわたる商品を扱うため、実際の業務としては、医薬品以外の商品の管理などにも管理薬剤師が関わるケースが一般的です。
そのため、一般販売業の店舗の管理薬剤師には、医薬品に限らず、幅広い商品知識が要求されます。

3-5-3.③その他病院での管理薬剤師のお仕事

病院などの薬剤部には、管理薬剤師を設置しなくてはならないという法的な決まりはありませんが、多くの場合「薬局長」や「薬剤部長」となり、薬品管理や、一般の薬剤師を束ねるリーダーとしての業務を行います。
病院では、入院患者さんのカルテを照会しながらの処方や、点滴薬の調剤など、調剤薬局では行わない業務も行います。
他の医療者との連携をスムーズにするために、院内のカンファレンスへの参加、あるいは若手薬剤師の教育・指導を行うなど、病院ならではの業務があるのも特徴です。

3-5-4.④その他工場での管理薬剤師のお仕事

医療用医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、試薬などを製造する工場にも、管理薬剤師を設置することが義務付けられています。
ここでの主な業務は、製品の品質保持のための管理業務ですが、その他にも製造過程の監督、各種許可申請などの事務手続きなどに従事することもあります。
工場内に複数の薬剤師が在籍している場合は、すべての薬剤師の監督・指導を担います。

4.管理薬剤師に求められるスキルや知識

4.管理薬剤師に求められるスキルや知識
管理薬剤師は、薬局などの適正な運営を監督・指導する立場の管理職です。実際の職場で管理薬剤師に求められるスキルや知識について詳しく見ていきましょう。

4-1.リーダーシップやマネジメント能力

管理薬剤師には、職場に勤務する薬剤師を束ねるリーダー的役割が求められます。
薬局長として、各薬剤師に調剤の指示を出したり、常時監督を行い、適切に指導したりする必要があります。薬剤師や他のスタッフの指導・管理に加えて、薬局の適切な運営もリードしなくてはならないため、経営面や人材面でのマネジメント能力や知識も求められます。

4-2.クレーム処理能力

管理薬剤師には、医薬品による副作用に関する苦情や相談を受け、適切に情報提供を行い、対処する義務があります。
自身が管理する薬局の処方や接客に対するクレームが寄せられた場合は、薬局の責任者としてクレーム処理を率先して引き受けることもあり、柔軟なクレーム処理能力が求められます。

4-3.コミュニケーションスキル

管理薬剤師には、患者さんへの服薬指導におけるコミュニケーションスキルに加え、職場の責任者として、他の薬剤師やスタッフ、取引先や処方医、店舗のオーナーなど、職場に関わるすべての人と円滑にコミュニケーションができるスキルも求められます。

4-4.医薬品に関する知識

管理薬剤師には、あらゆる治療法や医薬品に関する豊富な知識が求められます。
調剤に従事する一般の薬剤師や若手薬剤師からの医薬品に関する疑問や、患者さんからの服薬方法や副作用に関する心配事があれば、豊富な知識に基づいて適切にアドバイスする力が求められます。
処方医から医薬品に関する相談を受けることもあるので、責任者として意見交換ができるよう、常に専門知識をアップデートする必要があります。

4-5.情報収集能力

医学の進歩により、これまでになかった新しい治療法や新薬が次々に登場しています。
また、昨今ではジェネリック医薬品の供給不足や製造中止などのニュースが飛び込んでくることもあります。
管理薬剤師は、いかなるときも、患者さんの利益につながる判断ができるよう、医薬品に関する最新情報を収集する能力が求められます。

5. 管理薬剤師の年収

冒頭でも紹介したように、管理薬剤師は一般の薬剤師よりも高収入です。もちろん業種や地域によっても異なるものの、保険調剤薬局を例に挙げると、一般薬剤師の年収の全国平均は、472万402円(基本給415万3662円+賞与56万6740円)であったのに対し、管理薬剤師の年収の全国平均は、720万7054円(基本給645万6788円+賞与75万265円)であり、大きな差がありました。
管理薬剤師の方が、一般薬剤師に比べて基本給も賞与も高いことが分かります。

参照元:厚生労働省/中央社会保険医療協議会、第23回(令和3年実施)医療経済実態調査(医療機関等調査)

6.管理薬剤師になるメリット・デメリット

6.管理薬剤師になるメリット・デメリット
管理薬剤師は役職的なポジションも収入も高い職業です。しかし、より責任のある立場になるため、メリットだけではなく、当然デメリットも存在します。
管理薬剤師になるメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。

6-1.メリット1.キャリアアップにつながる

管理薬剤師になれば、医薬品に関する幅広い知識や正しい商品管理の方法、薬局の経営や法律に関する知識などが自然と身に付くので、一般の薬剤師として勤務していたときとは違った視点を持てるようになります。
管理薬剤師という責任ある職務をこなすことで、薬剤師としての大きな自信とキャリアアップにつながるでしょう。

6-2.メリット2.年収アップの可能性も

管理薬剤師になると、多くの場合役職手当が支給されるので、年収がアップする可能性が高いようです。
ただし手当の名称や金額は職場によって異なるので、管理薬剤師になった場合にどれぐらいの収入アップが見込めるか、事前にリサーチしておきましょう。

6-3.メリット3.転職にも有利な経験を積むことができる

管理薬剤師は、医薬品取り扱い業務以外にも、施設の責任者として経営マネジメントや人材の育成に関わる機会も多くなります。
このような経験は、将来転職したいと考えるようになったときに大いに役立ちます。なぜなら、マネジメントを経験した管理薬剤師は貴重な人材なので、薬局以外の幅広い産業からの需要が見込めるからです。
転職時の職場の選択肢も広がり、より有利な条件で転職できる可能性があります。

6-4.メリット4.仕事へのやりがいをより感じることができる

自分自身の知識やスキルを最大限に発揮し、管理薬剤師という責任ある立場で働くことで、これまでよりも自信とやりがいを感じることができるようになります。
他の薬剤師や経営者から助言を求められるような機会も多いので、現場のリーダーとして充実したワークライフになるでしょう。

6-5.デメリット1.仕事の負担と責任が重くなる

管理薬剤師になると、どうしても仕事の負担と責任が重くなってしまいます。
薬剤師の指導や教育、医薬品の在庫管理や各種届出など、管理薬剤師にしかできない業務を行いながら、現場の調剤対応をしているという方もいます。

また、管理薬剤師は、シフト管理に関わることも多いため、薬剤師が不足している場合や、出勤できる薬剤師が少ない土日など、シフト管理者として不足分のカバーに入らなくてはならなくなることもあり、想定外に出勤が増える場合があります。

6-6.デメリット2.薬剤師としての副業ができなくなる

薬事法の定めにより、管理薬剤師は1つの施設のみに従事しなくてはならず、薬剤師としての副業や兼業は原則的に認められていません。
一般の薬剤師の場合は、2つの薬局をかけもちしているケースがあるのですが、管理薬剤師になると、かけもち勤務はできなくなります。

7.管理薬剤師を目指すには、どうしたらいい?

管理薬剤師になるためにはどうすればよいのでしょうか?薬剤師としてのキャリアパスを頭に描きながら、管理薬剤師へと確実にステップアップするための方法を見ていきましょう。

7-1.まずは「やりたい」という意思表示がカギ

現在、管理薬剤師になるためには、次の2つの要件を満たすのが原則です。

  • 薬剤師としての実務経験が少なくとも5年以上
  • 認定薬剤師の資格を有している

薬剤師になったばかりの方にとっては、高いハードルに思えるかもしれませんが、これらの要件は、本人に意欲があり、努力次第で達成できるものです。ただし、実務経験を積むにしても、認定薬剤師の資格を取得するにしても、周囲の協力を得た方がはるかに目標を達成しやすくなります。

管理薬剤師としてのキャリアアップを目指したいなら、施設の経営者や上司などに「管理薬剤師をやりたい」という明確な意思表示をしておくことが成功のカギになります。

7-2.目指す方法1.現職場での内部昇進

管理薬剤師を目指す方法の1つ目は、現在勤めている職場で薬剤師としての経験を重ね、内部昇進とともに管理薬剤師のポストに就く方法です。
管理薬剤師になることを前提に、認定薬剤師取得のためのさまざまなサポートや研修を受けられる制度を設けているところもあるので、うまく活用しましょう。

7-3.目指す方法2.転職の際に管理薬剤師の求人を選ぶ

管理薬剤師を目指す方法の2つ目は、転職によっていきなり管理薬剤師にステップアップする方法です。
管理薬剤師になるための2つの要件をすでに満たしているなら今すぐにでもチャレンジすることができます。

現在勤めている職場に年配の薬剤師が多かったり、家族経営のため昇進が難しかったりする場合に、転職を利用して管理薬剤師のポストを狙います。
薬剤師関連の求人を見てみると、管理薬剤師の中途採用は少なくありません。条件の合う職場が見つかったら、管理薬剤師として思い切って転職するのもよいでしょう。

8.転職を機に管理薬剤師を目指す際に注意すること

転職を機に管理薬剤師へとステップアップする際に、事前に調べておくべきことや注意しておくポイントを押さえていきましょう。

8-1.職務内容や役割を確認しておく

一口に管理薬剤師と言っても、現場で管理薬剤師の担う職務は業種ごとに異なります。管理薬剤師として勤める場合、実際の職場で、どのような役割を担うことになるのか、しっかり下調べをしておきましょう。
また、病院などの場合は、調剤部長や薬局長などのいわゆる管理職としての就職になることもあります。
実際にどのような業務内容なのか、職務権限や教育義務の有無など、事前に確認する必要があります。

8-2.労働条件や研修制度の有無を確認する

労働条件や研修制度の有無を確認することも大切です。
労働条件に関しては、給与面での待遇だけでなく、有給休暇の取りやすさや勤務形態などを事前に調べておきましょう。

管理薬剤師の中途採用を行っている企業の中には、管理薬剤師になるための要件は満たしているものの、まだ管理薬剤師としての業務経験がない方を採用し、即戦力としてのスキルを身に付けるための研修制度を用意しているところもあります。
実務経験に不安のある方は、研修制度の有無や内容、研修期間も確認しておくとよいでしょう。

8-3.職場の薬剤師の定員を確認する

職場の薬剤師の定員も調べておきたい事項です。所属している薬剤師が極端に少ない職場だと、人手不足のカバーのために、残業や出勤が多くなってしまうことがあります。
なぜなら、管理薬剤師としての業務をこなしながら調剤・処方の対応もしなくてはならなくなり、多忙になる可能性があるからです。

9.管理薬剤師を目指した転職での体験談・失敗談

実際に管理薬剤師を目指して転職した方の体験談と失敗談をご紹介します。

9-1.転職の体験談

体験談1. 年収600万円以上と年収もやりがいもアップ

「薬剤師として長く勤めてきましたが、前の職場では昇進に時間がかかるため、思い切って管理薬剤師としての転職に挑戦しました。
管理薬剤師として転職した現在は、薬剤師や患者さんからも頼られる機会が増え、充実したワークライフを送れています。
年収は600万円以上に一気にアップしたので、日々やりがいを感じています」

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体験談2. 管理薬剤師をしていたという経験が転職で強みに

「以前、調剤薬局で管理薬剤師をしていたことがあるのですが、その経験を生かして、今回は全く異なる業種の管理薬剤師として転職に成功しました。
条件の良い求人で、競争率も高かったのですが、管理薬剤師として教育やマネジメントに関わった経験が強みになり、採用を勝ち取ることができました」

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9-2.転職の失敗談

失敗談1. 思ったより給与が上がらず、副業NGのため実質年収ダウン

「薬剤師として一度は管理薬剤師をやってみたいとの思いで転職しましたが、実際に転職してみると、役職手当は出るものの残業代が出ないため、希望していたほど給与はあがりませんでした。
一般の薬剤師として働いていたときは、パートを掛け持ちして稼いでいたのですが、現在は副業NGのため、実質的には年収が以前よりもダウンしてしまいました…。転職する前にしっかり下調べをしておくべきでした

失敗談2. 薬の管理より人間関係の相談の方が予想以上に難しかった

「ドラッグストアの管理薬剤師として転職したのですが、ドラッグストアではシビアな売り上げノルマがあるため、職場は常にピリピリした雰囲気でした。
店舗のスタッフをマネジメントする立場として、スタッフから職場での人間関係の相談を受けることが多く、予想以上にきついです

10.管理薬剤師の求人を探す

管理薬剤師へのステップアップを成功させるにはどうすればよいのでしょうか。失敗しない求人探しの方法をご紹介します。

10-1.「マイナビ薬剤師」でも管理薬剤師の求人を掲載中

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10-2.キャリアや年収アップの相談もキャリアアドバイザーにお任せ

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11.まとめ

管理薬剤師は、調剤薬局の店舗やドラッグストア、薬剤部の管理・運営を担う責任あるポストです。一般の薬剤師に比べて役職的なポジションも収入も高いため、大変やりがいがある一方で、医薬品に関する高度な知識やコミュニケーションスキル、マネジメント能力など、多角的な能力が求められます。
また、管理薬剤師になるためには、原則的に「薬局での5年以上の実務経験」と「認定薬剤師の資格」の2つの要件を満たす必要があります。

管理薬剤師として転職したい方、将来的に管理薬剤師を目指しているという方は、管理薬剤師に必要な要件やスキルを念頭において、自己研さんと情報収集に励みましょう。

この記事の著者

医学博士、医学研究者

榎本 蒼子

最終学歴は京都府立医科大学大学院医学研究科博士課程卒業。2011~2015年 京都府立医科大学にて助教を勤め、医学研究および医学教育に従事。

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