女性薬剤師のキャリアプランの描き方とは?職場の悩みや働き方について

女性薬剤師のキャリアプランの描き方とは?
薬剤師の男女比はおおむね女性6割、男性4割で、薬剤師の主たる職場である調剤薬局は女性の多い職場となっています。薬剤師は国家資格であり、現在は求人倍率も高いため、短時間労働への移行や休職からの復職や再就職など、結婚や出産によるライフスタイルの変化にも対応しやすい女性向きの職種といえるでしょう。

しかし 、2000年代の半ばから薬科大学・薬学部が大幅に増えており、将来的には薬剤師の供給過剰が起こるのではないかと危惧されています。また、医療や医薬品技術の高度化、医薬分業の進展もあり、薬学以外のスキルや現場対応力を身につけた、より質の高い薬剤師像が求められるようになりつつあります。

そこで、女性薬剤師として成長するためのキャリプランや、職場での悩み、働き方などについて考えてみたいと思います。

1.女性薬剤師の数は男性よりも多い?

2018年の厚生労働省の統計によれば、全国約31万人の薬剤師のうちおよそ6割が女性です。1960年代末ごろまでは男性のほうが多かった薬剤師ですが、1970年代に入ると女性の社会進出に合わせて女性薬剤師も増加していき、1974年を境に男女比が逆転、1990年代以降は女性が約6割を維持しています。

参照:平成30(2018)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況
   男女共同参画局 第1節-1 高度経済成長期から国際婦人年頃まで

女性薬剤師が増えた背景には、勤務する場所が決まっていて規則的な生活がしやすいことや、結婚や出産などで休職した後も再就職や転職の機会を得やすいことなどがあるようです。

2.女性薬剤師の平均年収

令和元年度に行われた厚生労働省の調査によれば、女性薬剤師の平均年収(残業代、手当、賞与等含む)は約535万円とされています。

転職適齢期といえる30歳代女性薬剤師の平均月額賃金(いわゆる基本給)が約34.2万円なのに対し、全産業における30歳代女性の基本給は約25.2万円ですから、薬剤師は女性の職業としてはかなり高収入の部類に入るといえます。また、勤務先は大企業よりも100人未満の小規模事業者のほうが、より年収が高くなる傾向にあるようです。
参照:賃金構造基本統計調査/評判号1:職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額

3.女性薬剤師の職場の悩み

女性薬剤師の職場の悩み
人間関係と収入に関する悩みは薬剤師に限らず、どんな職業においても永遠の課題ですが、女性薬剤師には薬剤師ならではの人間関係の悩みがあり、さらに女性の多い職種として収入面や働き方に関する悩みもあるようです。女性薬剤師としてこれらの悩みにどう向き合うか、キャリアプランを立てる上でも重要なポイントです。それでは、女性薬剤師によくある人間関係と収入の悩みについて考えてみましょう。

3-1. 人間関係の悩み

ある薬学専門大学の卒業生215名を 対象にした調査によると、女性では最も多い約60%にあたる83名が調剤薬局勤務と回答しています。また、男女を問わず最も多い悩みは「人手不足」と答えていますが、薬剤師に限らず仕事が忙しく個人が負担を大きく感じるほど人間関係は悪くなる傾向にあります。
参照:薬剤師の社会学 : 調査から見えた薬剤師のジェンダー化

加えて、薬剤師にとって重要な仕事に医師への疑義照会があり、これを負担に感じる女性薬剤師は少なくありません。反対に薬剤師からの疑義照会にストレスを感じる医師も多く、時として医師からハラスメントまがいの対応をとられるケースも見受けられます。

いったん悪化してしまった人間関係を修復するのはむずかしいものです。たとえ業務が忙しくとも面倒に思わず、常日頃から周囲とのコミュニケーションを円滑にしておくことが良好な人間関係を築くコツです。コミュニケーション能力を高めることは、将来のキャリアアップに必ず役立ちますので、やっかいな人間関係をもスキルアップの機会に転じるポジティブさを持ちましょう。

3-2. 年収アップが難しい場合もある

一般的に薬局では社員研修や管理職研修を経て、管理薬剤師やエリアマネージャーへと昇進することで収入が増えていきます。多くの同僚が働く薬局内で一つのポストを争うわけですから、出世コースからはずれると大幅な収入アップは望めなくなるでしょう。また、数年後には薬剤師が余剰になるという予測もあり、右肩上がりの昇給はむずかしくなるのが現実です。

また、女性薬剤師の場合は結婚や出産を機に退職してしまい、キャリアが途絶えることで収入が停滞してしまうこともありがちです。

今後は認定薬剤師や専門薬剤師などのエキスパートを目指す、医療情報システムの資格を取得するなど、プラスアルファのスキルを身につけないと年収アップはむずかしくなってくるでしょう。

4.女性薬剤師のメリットとは

薬剤師は求人倍率が高いため就職が比較的容易で、パートタイマーから正社員まで幅広い求人があり、自分が望めばキャリアアップも可能です。働く職場も薬局、ドラッグストア、病院など多くの選択肢があります。

ここからは、女性薬剤師にとってのメリットである、柔軟な働き方、再就職のしやすさ、キャリアアップの可能性について考えてみましょう。

4-1. 柔軟な働き方が可能

薬剤師の職場は薬局、ドラッグストア、病院など多数の選択肢があり、通勤の距離や自分の好みで勤務先を選ぶことができます。勤務地は一定であり、正社員でも異動や出張などはほぼありません。残業もほとんどないので、生活のリズムを保ちやすい点がメリットです。

また、ライフスタイルに合わせて勤務形態や勤務時間が選べるのも大きなメリットです。正社員でキャリアアップを目指すこともでき、パートタイマーですきま時間を生かして働くこともできます。ライフスタイルに合わせて、土日だけ、週3日だけ、平日の昼間だけ、など好きなときに働ける柔軟性は大きなメリットでしょう。

4-2. 再就職がしやすい

令和2年12月の医師・薬剤師等の有効求人倍率 は2.05倍で、前年同月から1.68ポイント下落していますが、それでも売り手市場であることは間違いありません。高い求人倍率を背景として「より収入のいいところへ」「より高いキャリアを求めて」転職が当たり前にある業界です。
参照:一般職業紹介状況(令和2年12月分及び令和2年分)について/職業別一般職業紹介状況[実数](常用(含パート))

そのため、薬剤師を確保したい雇用主側は、柔軟な勤務時間や勤務体制を用意し、再就職時の研修や復職のサポート体制などの充実を図っています。結婚や出産などのライフイベントで退職、休職を選ぶことの多い女性薬剤師にとって、再就職がしやすいことは大きなメリットです。

再就職に向けて、産休や育休から復職する際の働き方や求人については別の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考としてください。

4-3. キャリアアップが可能

女性薬剤師にとって産休や育休はキャリア形成において悩みの種になるイメージが強いと思いますが、じつはキャリアアップのためのチャンスでもあります。休職中は通常勤務時にくらべると収入は減りますが、自由に使える時間は増えるので自己研鑽に充てることができます。

近年、社会の変化やテクノロジーの進歩によってリモート環境が整い、オンラインでのセミナー、講習などが増えているため、家にいながら資格取得などのスキルアップにも挑戦しやすくなりました。また、最近では男性も育休が取得しやすい企業が増えているため、パートナーの協力も得やすく、女性薬剤師は休職期間をキャリアップにつなげやすいというメリットがあります。

5.キャリアプランの描き方のポイント

キャリアプランの描き方のポイント
今から約60年前、薬剤師法が制定されたころの薬剤師の役割は「調剤」と「用法の指示」だけでした。しかし、時代は変わり薬剤師は医療チームの一員として、あるいはかかりつけ薬剤師として、患者、医療者、製薬企業などと向き合う多面的な役割が求められるようになっています。

AIが活躍するニュースタンダード時代にこそ求められる人材であり続けるために、女性薬剤師ならではの視点からキャリアプランを考えてみましょう。

5-1. 今後の自分がどうしていきたいか考える

調剤は自動化が進み、用法指示もAIやロボットなどコンピュータ化が進むなか、薬学以外の知識や技術を抜きに薬剤師のキャリアプランを考えることはできません。しかし、「どんなことを学べばいいのか」「知識や技術を身につける方法がわからない」そんな風に思われる方もいると思います。

どんなプランであれ、立案においてまず考えるべきは「計画」の最終形、つまりゴール設定をすることです。今の自分から見て「あこがれの人」や「理想の上司」、あるいは著名な経営者などでもいいでしょう。まずは自分が目標とする人物像を設定することをおすすめします。「なりたい自分」をみつけることから始めましょう。

5-2. 目標を達成するための手段を考える

薬剤師のキャリアプランにおいて、基本は薬剤師としての専門性を磨くことです。そのためにするべきことは明らかで、あとは「やる気」と「時間の使い方」次第です。しかし、「なりたい自分」になろう、と思うならば、そのゴールに向けて別の努力も必要です。

「なりたい自分」に必要なもの、例えば語学や会話術を身につける、経営や店舗運営に興味があるなら簿記やインテリアデザインなどに挑戦する、などが考えられます。また、介護や運動に関する知識や栄養学、サプリメントについての知識を身につけて、健康サポート薬局でのステップアップを目指すのもいいでしょう。

薬剤師としての自分にプラスアルファした「なりたい自分」になるために必要なもの、あるいは自分が好きなものや挑戦したいことをみつけることで、目標を達成するために必要な手段がみえてくるはずです。

5-3. 中間目標を決めておく

ゴールを設定しても、そのゴールにとらわれ過ぎない柔軟性も必要です。スタート時点とある程度時間が経過したあとでは社会の見え方も変わるでしょうし、求められるものも変わります。ですから、最終的なゴールに至るまでの中間地点を設定しておくことはとても重要です。

ゴール地点を定めるだけでなく、途中経過の目標も定めておきましょう。そして途中経過の目標に到達した時点で、次の目標やその先の道筋、ゴールについても軌道修正していくことをおすすめします。

5-4. ライフスタイルの変化に合わせてアップデートする

女性薬剤師がキャリアプランを立てるとき、結婚や出産など大きなライフイベントはあらかじめプランに入れておく必要があります。結婚においては家庭と仕事を両立させるためにどうすればいいか、パートナーとよく相談してプランを修正しましょう。

出産はキャリアアップの機会ととらえ、産休・育休中にどんなことができるかあらかじめ考えておく必要はありますが、一つの考えにとらわれすぎず適時修正していきましょう。大きなライフイベントはキャリアプランの転換点と考え、変化に合わせてアップデートしていくことが大切です。

6.自分のキャリアプランに合わせて転職も考えてみよう

思い描くキャリアプランと現在の勤務先の方向性が一致しているのか、今の勤務形態でキャリアプランを実践していくことは可能なのか、そんな迷いが生じた際は思い切って転職することを検討してみてはいかがでしょうか。

ただ、自分のキャリアプランに適した勤務先とはどんなところなのか、キャリアプランを実践するための環境や時間がとれるのか、自分ひとりの力で多くの求人情報から見つけだすのは時間もかかり、仕事をしながら進めていくのは難しいでしょう。

そんなとき頼りになるのが転職エージェントであり、なかでも豊富な経験と実績に裏打ちされた「マイナビ薬剤師」は、薬剤師の転職に特化したプロ集団としてあなたに的確なアドバイスと提案をもたらしてくれるでしょう。あなたのキャリアプランをもとに、まずは専門家と相談してみることをおすすめします。

7.まとめ

女性薬剤師には、慢性的な人手不足による業務の負担や医師との葛藤など、薬剤師ならではの悩みがあります。また、一般的には高収入を得やすい職業ですが、入職後の昇給は十分とはいえないかもしれません。その代わり、勤務先や勤務時間などの選択肢は多く、柔軟な働き方が可能です。

収入と時間のトレードオフを選択できる女性薬剤師ならではのメリットを存分に活用し、「なりたい自分」になるためのキャリアプランを描くことが重要ではないでしょうか。

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