新人薬剤師によくある悩みとは?解決方法やキャリアの考え方まで紹介

新人薬剤師によくある悩みとは?解決方法やキャリアの考え方まで紹介
新人薬剤師の皆さん、新しい生活はいかがでしょうか?意気揚々と働いている方、職場に少しずつ慣れてきて、疑問や悩みが出てきた方もいらっしゃるかと思います。職場に相談できる方がいればいいのですが、新人が少ない現場では「これって新人なら当たり前?」と、何となく聞けず、すっきりとしないまま働き続けることもあります。
ここでは、新人薬剤師によくある悩みを紹介し、解決方法やキャリアの考え方についても触れていきます。

1. 新人薬剤師によくある悩み

悩みといっても、環境によるもの、自分自身によるものなど、さまざまあります。特に、新人の薬剤師では、職場における同僚の薬剤師や関係職種とのコミュニケーション、また、自分自身の知識や経験が足りない今後のキャリアについて、悩む方が多いです。それぞれ項目に分けて確認していきましょう。

1-1. 職場でのコミュニケーション

人間関係の悩みは、どの職場でも多くあります。コミュニケーションがうまくとれないこと自体が悩みにもなりますし、良好なコミュニケーションが悩み解消の糸口にもなります。

特に薬剤師は、病院やクリニック、調剤薬局など、職場の種類も幅広く、コミュニケーションをとる相手も、医師や看護師などの医療職、患者さまやお客さま、関係機関など多岐に渡ります。もちろん、同僚の薬剤師や上司など、同業種とのコミュニケーションも不可欠です。学生時代の付き合いとは異なるため、職場におけるコミュニケーションで悩む方も多いようです。

1-2. 知識・経験の不足

薬学の専門教育を終え、薬剤師国家試験に合格し、晴れて「薬剤師」としての人生をスタートした皆さん、これまでの知識や経験で現場の仕事をこなすことはできていますか?多くの方は、首を横に振ると思います。

哲学者の中村雄二郎によって提唱された「臨床の知」という考え方がありますが、何か物事が起きたときに、それを教科書などで習った方法で把握するのではなく、その場に立ち会った方の主観的な認知や感情の枠組みから把握していくという考え方です。医療現場でも使われているので、聞いたことがある方もいるかも知れません。

座学や実習では足りず、フィールドでしか学べないものもあります。実際に働いてみると、自分の知識の足りなさや、経験が不足していることに気づかされます。これは「新人」であれば、薬剤師に限らず、どの職業でも向き合う悩みであり、むしろ、そこに気づくことが成長の第一歩になります。

1-3. 薬剤師としてのキャリア

知識や経験の不足に悩むのと同じくらい、今後のキャリアについて悩む方がいます。

先に紹介したように、薬剤師には、病院やクリニック、調剤薬局やドラッグストア、また大学や企業の研究員として働くフィールドもあります。働き方が多様であるからこそ、キャリアの積み重ね方も多様にあります。大学時代の同級生と会い、お互いの職場の話をすると「自分の働き方はこれでいいのか…」「専門性は活かせているのか…」「この職場でいいのか…」と悩みが出てきてしまうものです。

そして、この悩みの原因は、職場環境にあることが多く、なかなか職場の同僚に相談しにくいというのも特徴です

2. 悩みの解決方法

悩みの解決方法
悩みを解決する方法は人それぞれですが、ここでは、そのヒントになる方法を3つご紹介します。職場で働きながら実践することができ、今後の薬剤師人生にも役に立つ方法です。

2-1. 患者さまとのコミュニケーション

悩みの中には、職場でのコミュニケーションや知識・経験不足というものがありました。

コミュニケーションの悩みは、現場で培っていくという方法があります。人見知りの方であっても、患者さまと話すことを繰り返すうちに、自然と会話に慣れていき、その成功体験を積み重ねることで、自信にもつながります。まずは、真摯に患者さまと向き合い、コミュニケーションを図ることを大切にしましょう。薬剤師との信頼関係があってこそ、安心して服薬し、ちょっとした不安や疑問も質問できるようになります。

また、薬剤の知識だけでは、十分に薬物治療を進めることはできません。実際の患者さまと向き合い、病気や薬に対する気持ちを知るようにしましょう。薬の効果についても、実際に服薬した患者さまから学ぶことは多くあります

2-2. 同僚・上司とのコミュニケーション

薬剤師としての業務やキャリアの積み方、理想と現実のギャップなど、職場にある悩みは、同じ場を知る同僚や上司に聞くことが一番です。些細なことでも質問したり、相談したりできるよう、日頃からのコミュニケーションが大切です。同じ職場を知っているからこそ、具体的なアドバイスをもらえたり、「僕が、新人の頃も…」と悩みを乗り越えるヒントをもらえたりすることもあります。コミュニケーションを図らなくては、何に悩んでいるかを知ってもらうこともできません。恥ずかしいと思わず、一歩前へ進んでみましょう。

ここで課題となるのが、社会人としてのマナーです。新人薬剤師は、社会人としても「新人」です。同僚や上司とのコミュニケーションにおいて、良好なコミュニケーションをとるには、基本的なビジネスマナーも必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。

2-3. 知識不足はどう補う?

知識不足の補い方はさまざまあります。先にご紹介したように、患者さまや同僚、上司などとのコミュニケーションから蓄えていく方法もありますが、積極的に自分自身で勉強の機会を設けることも重要です

なぜなら、薬物治療をはじめ、日々更新し続ける医療情報を広く知っていく必要があるからです。そのためには、セミナーや勉強会への参加、インターネットなどを利用し調べる方法などがあります。日頃からアンテナを高く持ち、分からないことがあれば、その都度メモをし、調べるようにしましょう。学ぶためには、自分自身の「知識不足」に気づくことが、第一歩になります。知識不足を感じているのであれば、それは大きな一歩です。ぜひ、知識を補っていきましょう。
もっと詳しく、知識不足の補い方を考えたい方は、こちらの記事をご覧ください。

3. 薬剤師としてキャリアはどう考えるべき?

薬剤師としてキャリアはどう考えるべき?
薬剤師としてのキャリアプランを考えてみましょう。皆さんは、どのような薬剤師なりたいですか?新人薬剤師には、悩みもつきものですが、夢もたくさんあります。1年後には、3年後には、10年後には…と思い描く姿があると思います。

ここでは、キャリアの基本的な考え方を抑えていきましょう。

3-1. 薬剤師としての専門性を高める

キャリアの重要な要素は、薬剤師としての専門性です。医療が高度化する中で、薬剤師の専門性が求められる現場が増えてきました。自分自身の知識や経験を増やしていくことで、専門性は高まり、より求められる薬剤師へと成長していくことができます。

そのためには、一つの現場で長く勤め、より深くその領域を知ることも必要ですし、反対に、多くの職場を経験し、幅広く薬剤師の働き方を知る方法もあります。どのような薬剤師になりたいかというビジョンを描き、その専門性を高められる職場で経験を積むようにしましょう

3-2. 患者さまとのコミュニケーションも大切

薬剤師のキャリアは、知識や業務実績だけではありません。かかりつけ薬剤師やかかりつけ薬局が求められる昨今、患者さまの生活に寄り添える人材が必要とされています

複雑化した薬物治療をしながら、地域で生活する患者さまも多くいます。その方の人生に寄り添い、不安を解消できるようなコミュニケーションが大切です。信頼関係は、日頃の積み重ねです。患者さまの想いに寄り添い、笑顔で関わり、ときに深刻な想いにも真摯に向き合える、「人柄」としてのキャリアも積み重ねていきたいものです。

3-3. 転職したくなった場合の考え方

キャリアを考えていくと「いまの職場で働き続けていて、いいのかな…」という気持ちも生まれてきます。転職したくなったときには、慎重に自分自身と向き合い、「いい会社」を探すのではなく「合う会社」を探すのがポイントになります。今後のキャリアとして何を優先したいのか、妥協できるポイントは何なのか、整理していきましょう。安易な転職は、ミスマッチを招き、不本意に転職を繰り返すことにつながる可能性があり、注意が必要です。

4. 転職エージェントに登録・相談してみるのも一つの手段

転職を考える際には、同僚や上司に遠慮してしまい、なかなか相談ができないものです。そうすると、ひとりよがりの転職活動になってしまいがちです。視野の狭い転職活動ではなく、視野を広く、より自分に「合った会社」を探せるよう、転職エージェントに相談してみることをおすすめします。

薬剤師の専門性が活かせる職場やキャリアが積める職場、また、スタッフ同士の仲が良く雰囲気の良い職場など、転職先に求める要素はさまざまです。転職エージェントに登録をし、相談を進めることで、イメージを具体化していくことができます。専門のキャリアアドバイザーが相談に乗ってくれるため、客観的に想いを整理することもできます。

また、職場見学の調整や、希望をすれば、キャリアアドバイザーが見学に同行してくれることもあります。職場見学は、思い描くビジョンと職場とのミスマッチを防ぎ、その職場の雰囲気を掴むことができます。
職場見学の必要性やポイントについては、こちらの記事をご覧ください。

5. まとめ

新人薬剤師の職場での悩みは、多岐に渡ります。些細なものもあれば、仕事を続けられるか否かを左右する大きなものまであります。ここでは、よくある悩みや解決方法を紹介してきました。

自分自身のがんばりでは、なかなか解決できないこともあります。そのようなときは、転職にチャレンジし、新しい職場で薬剤師人生を送ることも大切です。一人で悩まずに、転職エージェントに相談してみてください。

この記事の著者

ライター

小川 優

保健医療関係の資格、職務経験、知識をもとに、テレビやラジオだけでなく、Webライティングなどを通して多くの方に積極的に情報を発信。
Webライティングでは医療情報サイトを中心に、栄養や疾患など幅広く健康に関する記事を執筆。

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