知識不足と感じたら…薬剤師のための勉強方法についてご紹介

知識不足と感じたら…薬剤師のための勉強方法についてご紹介
忙しい薬剤師業務に追われる日々の中、わからないことに直面し知識不足を感じることはありませんか?
薬剤師業務を行うには、薬学的な専門的知識に基づいたスキルや実践で学んだことに基づくコミュニケーションなどに代表されるようなスキルが必要とされます。

ここでは専門的な知識に関しての勉強方法の具体例と、実践で学ぶ必要があるスキルについてご紹介します。

1.薬剤師のための勉強方法とは

薬剤師のための勉強方法とは
日本では、毎年100品目を超える薬が新たに承認されており、2019年も130品目(新有効成分含有医薬品39品目を含む)の新薬が認可されました。

薬剤師を続けていくには、どんなに経験を重ねた薬剤師であっても日々更新されていく最新医療情報を収集し生涯にわたって勉強し続ける必要があります。

一言で勉強方法と言ってもいろいろとありますので、勉強方法や勉強するための情報収集の方法をご紹介していきます。

1-1. セミナーや講演会に参加する

企業や団体が主催する医薬関連のセミナーや講演会に参加する方法があります。これらは演者の主張をリアルタイムで聴くことができ、またそのテーマに興味を持った人が集まるので、情報交換の場として活用できる場合もあります。

開催情報を掲載したWebページもありますので、興味がある分野のセミナーや講演会の情報を収集したり学会に所属して学術大会に参加したりするのもよいでしょう。

  • 日本薬剤師研修センター
    薬剤師の生涯学習を推進し支援することを目的として設置された財団法人で、研修や各種認定制度があります。
  • 薬事日報
    薬事行政、医療、学術の報道など幅広い情報や、業界情報として研修、セミナー、催し物も紹介しています。
  • 日本薬剤師会
    薬剤師の生涯学習のための生涯学習支援システム(JPALS)や、学術大会・研修会などを開催しています。

1-2. Webやアプリで勉強する

医療に関するさまざまな情報の収集にはWebやアプリが有効です。薬剤師を対象としたコンテンツも多くあり、業務や知識の習得を目的する情報がWebやアプリとさまざまな形で提供されています。スマートフォンで利用できることから通勤時間や休憩時間など隙間時間にも手軽に勉強できます。

例えば、アプリでいえば薬剤情報やガイドラインを手軽に確認できる医師向けの臨床支援アプリ「HOKUTO」や、ウェブサイトでは「日経DIオンライン」や「CareNet」など、医療関連や薬物療法の最新のニュースを掲載しているサイトもあります。

ウェブでの薬剤師に関する情報収集に最適なサイトが、マイナビ薬剤師が発信している薬剤師の情報コラムサイト「薬読」です。医療や製薬業界の最新情報から、薬剤師の悩みや転職・スキルアップに関することまで幅広く取り扱っています。

1-3. 診療ガイドラインを読む

診療ガイドラインとはエビデンス(科学的根拠)に基づいて最適と思われる治療法を提示する文書と定義されており、患者と医師が治療法を決める上で重要な判断材料として用いられています。

診療ガイドラインは、医師が処方した薬剤をもとに医師の処方意図、治療方針、患者の重症度などの推察に役立てることができます。インターネット上から利用できるガイドラインも多く存在していますので、ご自身に関連する専門科のガイドラインを読んでみることをおすすめします。

1-4. 参考書から学ぶ

薬剤師が勉強する際に必要とする参考書の内容は多岐にわたります。疾患、薬の比較、薬歴の書き方、服薬指導についてなど例を挙げきれないほどです。
知識が不足している分野や興味のある分野があるのであれば、その分野について書かれている参考書をもとに学ぶことができます。

また、働いている職場によって必要とされる知識やスキルが異なるので同僚や先輩、上司がおすすめする参考書を尋ねてみるのも一つの方法です。
ここでは用途別に薬剤師のスキルアップに役立つ書籍を紹介しております。

【薬の知識を増やしたい方】

  • 薬がみえるシリーズ 医療情報科学研究所
    テキストとイラストが記載されており、読みやすい薬の本です。

【薬歴を書くことに苦手意識のある方】

  • 誰も教えてくれなかった実践薬歴
    薬歴を通した実践的な薬学管理を実際の症例をもとに解説した一冊です。

2.実践的なスキルは現場で学ぶほうが良い

日々の業務を行うには薬学に関する専門的な知識以外にも現場で必要とされるスキルがあります。現場で必要とされるのは、組織人として仕事を推し進めていく実践的なスキルです。このスキルはコミュニケーション能力、チームワーク、リーダーシップなど対人に対するスキルと経験や技術、その経験に基づく勘などが挙げられます。

薬学的知識や技術などを中心としたスキル(テクニカルスキル)に対して、対人に対する前述したようなスキルは「ノンテクニカルスキル」と言われチームで行う医療の現場では必要なスキルとして注目されています。

もちろん現場で学ぶことが多い「ノンテクニカルスキル」ですが、医療者向けのプログラムも存在しています。薬剤師を対象としたものには、薬学ゼミナール生涯学習センターにより17年度から薬剤師に必要なノンテクニカルスキルを醸成する講座が開始されています。

3.学ぶ上でのポイントは?

学ぶ上でのポイントは?
不足している知識が明らかな場合はそれを補う勉強をすることができます。しかし不足している知識がわからず、漠然と知識不足を感じている方は、学びの種を見つけてみてはいかがでしょうか。
学びの種をみつけ、実際の現場で生きたスキルとして使うために、学ぶ上での4つのポイントをご紹介していきます。

3-1. 分からないと思ったらすぐにメモをとる

分からないことをそのままにせず、分からないと思ったらすぐにメモをとる習慣をつけましょう。「すぐに」ということがポイントです。一般的に人は忘れる動物と言われますが、記憶に関する研究でも1日たてば75%を忘れるということが言われています。
このことからも忙しい日々の中で、わからないと思ったことを覚えておくことは難しいです。わからないことはすぐにメモしておき、後でまとめて調べるとよいでしょう。

3-2. 先輩や上司に質問してみる

身近にいる先輩や上司も同じような課題に直面したり悩みを抱えたりした経験があるかもしれません。このようなことから「メンター制度」を導入している組織も多く存在しています。

このメンター制度とは経験豊かな先輩社員が後輩社員と双方向の対話を通じてキャリア形成上の課題解決や悩みの解消を援助して個人の成長をサポートすることを目的としています。

制度として導入している組織があることからもわかるように、経験不足から課題の解決や悩みの解消を自身で行うことが難しい場面はあります。そういったときは先輩や上司に時間をとっていただき、質問してみるとよいでしょう。直面している課題や悩みを解決する糸口が見つかるかもしれません。

3-3. 常にアンテナを張っておく

毎年100品を超える新医薬品が承認される医療業界において、薬剤師は新医薬品を含めた医療情報にアンテナを張り続けなければなりません。その上で、常に知識や技術を更新していかなければならないのです。

そのように学び続けて得た知識を、患者さんや施設のスタッフさん、またはドクターやナースと、さまざまな立場の方々にしっかり伝わるようにコミュニケーションを図らなければならず、相手の反応に注意深くアンテナを張り巡らさなければなりません。
ですから薬剤師として勉強を積み重ねている勤務中や仕事のための情報収集の時はもちろん、人との何気ない会話やニュースなどさまざま情報に触れたときも常にアンテナの感度を高めておくことが重要です。

3-4. しっかりと計画を立てておく

計画を立てる際は具体的で明確な目標を立てるようにしましょう。目標を設定することで行動の方向が決まり、目標を成し遂げるための手段や方法を考えると言われています。また目標を立てることがモチベーションにつながることも分かっています。

4.不安になったら環境を変えてみよう

ここまで知識不足を解消する方法をご紹介してきました。しかし、これらに前向きに取り組むことができそうにない環境に身を置いている方もいると思います。
働く環境を改善することで勉強に前向きになれる場合もあります。そのような方は、薬剤師業界全体のキャリアプランニングを得意とする転職エージェントへの相談をおすすめします。

「マイナビ薬剤師」は、薬剤師に特化した転職サービスです。マイナビ薬剤師に登録すれば、求人情報の照会や転職支援だけでなく、新しい職場に転職した後もかかりつけのアドバイザーとしてしっかりとした支援を行っています。

また、キャリアを重ねたのでこれ以上は実践でのスキルアップが望めないなど、新たな環境を必要としている方もいらっしゃるのではないでしょうか。マイナビ薬剤師では、薬剤師専任のキャリアアドバイザーが一人ひとりに仕事における希望や実践でのスキルアップを可能とする求人情報を提供しています

転職活動時には、求人情報の選び方から面接の日程調整、条件交渉など、転職に必要なプロセスを全面的にサポートいたしますので、在職中の薬剤師の方も現在の仕事への負担が少なく転職活動を行うことができます。

そのほかにも、今すぐ転職は考えていないけれど、先輩や上司に相談できる雰囲気がない場合や先輩など周りの薬剤師から知識不足に関するアドバイスではなく指摘ばかりで自信をなくしてしまう場合などあると思います。

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5.まとめ

日々の薬剤師業務において、知識不足によって不安を覚えることがあると思います。不安は焦りを生んでしまいますが、知識やスキルは一朝一夕で身につくものではありません。できることは目の前の一つひとつに向き合い、焦らずにじっくり取り組んでいきましょう。

いろいろな勉強方法を試したり、周囲に相談したりしながら模索することが、自身の薬剤師としての考え方や立場が確立されていきます。それがあなたの思い描く薬剤師像へと繋がっっていくと思います。もし、現在の環境によってそれが難しい場合、新たな環境を探してみるのも一つの方法です。

この記事の著者

薬剤師・ライター

田中 遥

薬学部を卒業後、調剤薬局や病院で薬剤師として約7年間勤務する。
その後、薬剤師としての仕事を再び見つめ直すため薬学研究科修士課程に入学。修士課程修了後は、夫に帯同しアメリカへ。

現在は、子育てをしながら調剤薬局に勤務。様々な経験から得た視点を強みに薬剤師を生かした記事を執筆。

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