薬剤師の転職失敗例と失敗しないために確認すべき8つのポイント
「いざ転職してみたら前の職場の方が良かった…」「就業条件の確認が不十分だった!」など、転職で失敗して後悔する薬剤師は多くいます。では、なぜ転職に失敗してしまうのでしょう?
その一つには、「目的を明確にしないままで、事前の調査不足や転職に求める条件が曖昧であること」が考えられます。
そこで今回は、実際の失敗談とともに、薬剤師の転職で失敗しないためのポイントと確認すべきことを紹介していきます。転職を検討している人は一度確認しておくことを強くおすすめします。
目次
1.薬剤師の転職 実際の失敗談
「転職しても合わずにすぐに辞めてしまう」――そういったミスマッチを繰り返し、キャリアに傷がついてしまうと、転職活動をしても採用されにくく、良い条件の職場に就職することができないという悪循環になってしまう例があります。
ここからは転職に失敗した薬剤師の体験談を見ていきましょう。
例1.20代女性「現職をとにかく辞めたくて、時期を急ぎすぎた」
新卒から大手の調剤薬局に正社員として勤めていましたが、残業の多さと職場の人間関係に嫌気が差してしまいました。
「一刻も早く辞めたい」という気持ちで転職を考えたために、転職先の情報収集を怠って、条件に十分に納得しないままに転職先を決めてしまったのです。
その結果、自宅からのアクセスや給与面に不満を感じたまま、転職先の調剤薬局に勤めることになりました。
勤務してみると、通勤疲れや給与面の不満、入社してからわかった人間関係による疲れも加わり、「こんなはずではなかった…」という思いが募り、半年後にはまた転職を考え、次の職場を探すことになってしまいました。
例2.20代男性「未経験で転職したが、研修制度がまったくなかった」
大学卒業後、調剤薬局で3年間勤務したのち、OTCの知識を得て健康管理に強い薬剤師としてキャリアアップしたいという気持ちからドラッグストアに転職しました。
ただ、OTCについて学ぶために転職をしたのに入社してから「ドラッグストアでの研修制度が全くないこと」を知りました。
加えて、現場では毎日品出しや直近の仕事に追われ、OTC薬品に関しての知識を学ぶ時間がほとんどありませんでした。
スキルアップを考えていたのに学ぶ機会が少ない現状に不満を感じ、入社してから1年がたった今では、2回目の転職を考えています。
例3.30代女性「待遇だけで決めたら、職場の雰囲気が…」
結婚後子供が生まれ、勤めていた調剤薬局を退職。子供も小学校に入学し子育ても落ち着いてきたので、将来の資産をつくるために給与などの待遇が良い大手の調剤薬局に転職しました。
ただ、転職後の職場ではスピード感が常に求められ、職員間のコミュニケーションも少なく、自分には合わない雰囲気の職場でした。
以前の職場とは全く違う社風や職場の雰囲気に馴染めないままに1年が過ぎ、今では退職を考えています。
採用担当者の人柄や待遇の良さなど、プラス面だけを見て、転職先の職場環境をしっかりリサーチしなかったことを反省するばかりです。
例4.40代女性「思ったより残業が多く、体調を崩しがちに」
以前勤めていた調剤薬局を出産と子育てのために退職していました。子供が大きくなり時間に余裕が出てきたので、将来のために待遇が良いドラッグストアに転職しました。
給与面や福利厚生などの待遇に魅力を感じて転職を決めましたが、もともとの勤務時間も長い上に転職時に考えていたよりも残業が多く、残業が3時間以上ある日も頻繁にありました。
勤務を続けるうちに疲れから体調を崩しがちになり、部活などが忙しい子供のサポートが必要となったことで、もう一度転職をすることを決心しました。
2.転職に失敗してしまう薬剤師の特徴
転職に成功する薬剤師と失敗してしまう薬剤師。どこで差が生まれるのでしょうか?
多くの場合、「転職の理由を明確にしたかどうか」「十分に転職先について企業研究をしたかどうか」が明暗を分けます。
ここからはそんな転職に失敗しやすい方の特徴をまとめていきます。
特徴1.転職理由や優先順位が曖昧
転職理由や優先順位が曖昧だと、転職に失敗しやすくなります。あれもこれもと条件をつけていると転職先が見つかりづらくなるので、これだけは外せないという条件の優先順位を決めておきましょう。
時給2,500円以上かつ通勤時間20分以内…など要望が多すぎると理想の転職先はなかなか見つかりません。通勤時間・勤務時間・給与……いずれかは妥協しなければいけないのが現実です。
だからこそ、転職先を選ぶ際の優先順位を明確にしておきましょう。ご自身の優先順位を紙に書き出してみると、優先順位が明確になりやすいので試してみてください。
これを怠ると、せっかく内定をもらったのは良いものの、自分にとって大事な条件が揃っておらず、転職先の職場でのミスマッチを感じる原因になりやすいのです。
特徴2.職場の雰囲気や状況を事前に確認しない
転職の動機として、「勤めている薬局の人間関係や待遇」「休暇の取りやすさ」「職場の忙しさ」などに問題があることがほとんどです。
それにもかかわらず、人間関係や待遇などの実態について事前に確認せず、同じような環境の薬局に転職したら、結局は同じように悪い状況に陥ってしまいます。
「次の職場は自分の求める条件を満たしているのか」「雰囲気はどうか」「現在の職場より好待遇なのかどうか」……など職場の環境を事前によく確認することが大切です。
可能であれば一度職場見学をしたり、面接時に雰囲気を自分の眼と肌で感じてみたりすることをおすすめします。
特徴3.給与と待遇だけで決めてしまう
仕事を選ぶときに給与と待遇は確かに重要です。給与が高く、待遇が良い職場の方がモチベーションも上がる可能性が高いでしょう。
ただし、給与が高い場合には、何か理由があることも多いので注意しなければいけません。給与が高いということは、「離職率が高い」「人手不足」「業務が忙しい」などの理由で、人材が集まらないため給与を上げて募集をかけている可能性もあるからです。
また待遇が良く、「住宅手当」「研修補助」などの制度が手厚かったとしても、果たしてそれが自分にとって優先順位が高いものか考えてみましょう。
何か一つの部分で待遇が良かったとしても、「残業が多い」「休めない」「人間関係が悪い」といった問題が隠れているかもしれません。なぜ給与や待遇が良いのか、その理由も確認しておきましょう。
特徴4.昇給や残業など、細かい条件を確認していない
昇給や残業などの細かい条件は面接の時に確認を怠りがちですが、これもミスマッチの原因になります。
まずは、就業時間と勤務曜日、残業の長さなどの勤務形態についてです。一般企業の就業時間は9:00~17:00が多いですが、薬局の場合は遅くまで営業していることがほとんどです。
薬局が営業している限りは、シフト制の場合には交代で夜遅くまで勤務したり、早番だったとしても残業をする可能性もありますので、薬局の営業時間をしっかりと確認しておきましょう。
また、薬局の場合には土日が休みとは限りません。日曜は輪番制になることが多いですが、月に何回出なければいけないか、週休2日は守られているかなども確認すべき項目です。
昇給については、会社によって新卒優先で中途入社の薬剤師は昇進がしにくいというところもあります。
転職後に「こんなはずでは……」といった状況になりやすい部分なので、確認が漏れやすい条件を予めリストアップし、面接の際にしっかりと確認するようにしましょう。
特に転職後の給与面については入社後に社内の人に相談するのが難しいものです。そのため、入社前に給与面の確認をしっかりとしておくことが重要です。
特徴5.未経験の転職で研修がない会社を選ぶ
たとえば、「製薬会社のMRをしていた方が薬局の薬剤師へ転職する」のように未経験で薬剤師に転職する場合には、転職先を慎重に選ぶことが大切です。
未経験の場合には、調剤スキルを身につけることから始まるので、最初の研修制度が整っている薬局を選んだ方が無難かもしれません。
調剤薬局の場合、OJT研修や実際に働く店舗が質問したい時に聞きやすい環境にあるかが大事です。
中小企業では、大手程の研修制度はありませんが、OJT研修で一人前になるまで教えてくれる企業や、年の近い人を教育担当に付けてくれて聞きやすい環境を作っている企業も多くあります。
会社規模だけではなく、未経験者の入社実績があるのか、実務実習を受け入れているか、等も判断基準の1つにすると良いでしょう。
特徴6.一人で情報収集して決めてしまう
転職活動の際、転職エージェントを使わずに一人で情報収集して決めてしまうのも危険です。選択肢が狭くなるばかりでなく、条件交渉も自分一人で行わなければならないというデメリットもあります。
転職エージェントでは転職先の情報を豊富に持っており、マイナビ薬剤師であれば転職のプロがあなたの希望にあった転職先をピックアップしてご紹介させていただきます。そのため、活用した方が失敗も少なくなるでしょう。
転職エージェントに強引に転職先を決められてしまうことはありません。無料で利用できるので、ぜひとも有効に活用していきましょう。
3.転職に失敗しないためのポイント
転職活動をするときには、失敗をしないよう転職先を見つけることが重要です。さらに、希望した職場に採用されなければ元も子もありません。
どのように転職活動を行うのが正解なのか、ポイントを絞ってご紹介します。
また、転職エージェントからもらう求人票には企業の情報が詰まっています。勤務地や給与だけではなく、次のポイントについても確認漏れがないように気をつけてください。
ポイント1.希望条件の中で優先順位を決めておく
転職先を選ぶときに、あれもこれもと条件をつけていくと転職先が見つからなくなってしまいます。
全ての条件を満たす薬局を見つけられることは非常にまれなため、多くの場合はなにかを妥協しなければ転職先を決められなくなるでしょう。
そこで大事なのは条件のなかで優先順位を決めることです。「これだけは絶対に外せない」というポイントを絞って転職先を探す方が、選択肢も広がるため見つけやすくなります。
また、転職を手厚くサポートしてくれる転職エージェントに相談する際にも、条件をまとめて伝えることで、転職先を的確に紹介しやすくなります。
まずは、「勤務地」「給与」「科目」など自分の中で重要度の高い条件を洗い出してみましょう。
希望条件の中でご自身の優先順位を書いておくようにすると、転職エージェントに希望を伝える際にも伝えやすいのでおすすめです。
ポイント2.数字などの客観的な情報を集める
転職先を感覚で決めるのは危険です。転職先の先輩や知人がうまくいっているとか、役職をもらえているなどの噂を耳にすることは良くありますが、いずれも表面的な情報だけで転職を決めてしまうのは良くありません。
たとえば、「給与が良い」という噂で入社をしてみたら、「実は残業時間が30時間を超えていた」ということも少なくないのです。
こういった情報や噂に惑わされないようにするには、感覚ではなく明確な数字のデータで客観的に判断することが必要です。
- 年収・ボーナスの有無
- 休暇日数・有給休暇の取得率
- 月当たりの残業時間
- 薬剤師の数と事務員の数
- 処方箋枚数とメインの科目
- 現場薬剤師の平均年齢と離職率…
こういった数字をしっかりとチェックすることで転職先の状況を把握しやすくなります。
ポイント3.勤務エリアの給料相場を確認する
薬剤師の給与は一概には言えませんが、地域によって差が見られる傾向があります。薬剤師の需要と供給が合わず、人手不足になっている地域では給与は高めです。
逆に都市部のように薬剤師が充足している場合には、給与は平均的な金額かそれ以下になることもあります。
将来開業を検討しているため、資金を貯めたいという人は給与の高い過疎地域を選ぶのも手です。場所によっては、「寒冷地手当」のように地域特有の補助が出ることもあります。
ただし、給与相場は年齢や労働時間にも左右されるので、地域差だけで比較しないようにしましょう。
ポイント4.職場見学などで現場を体感する
転職先の候補を転職エージェントから紹介されたら、それぞれの転職先について念入りに情報収集をしましょう。
もし不明な場合には遠慮なくエージェントの担当者に聞いてみることをおすすめします。
- 薬剤師数
- 処方応需枚数
- 科目
- 有給消化率
- 手当および補助
- 研修制度
- 勤務時間
- 残業の有無
- 福利厚生
- 転勤の有無
- 昇給率
- キャリアアップの可能性
- 仕事内容
これらについては確認しておくようにしましょう。
また、面接時のスタッフの雰囲気や上司の印象なども大事な検討項目になります。時間が許されるのであれば職場を見学させてもらうと雰囲気を掴みやすいでしょう。
ただし、人間関係だけは事前の調査では確認することが難しいところです。人間関係で悩むことが多い方は少人数の職場ではなく、人間関係の結びつきが大きな組織の職場を選んでおくのも手です。
転職で失敗する多くの薬剤師は、転職先のリサーチが充分でない場合が多いです。
職場見学などを行い、実際に現場でどのような業務を行うのか、すでに働いている先輩の様子はどうかなど、しっかりと自分の目でみておくと良いでしょう。
ポイント5.転職時期のタイミングを計る
転職のタイミングを計ることが転職を成功させるには重要です。たとえば、職場の人間関係が上手くいかないまま、我慢して勤務をして精神状態や体調を崩してしまっては大変ですし、社会復帰に時間がかかってしまいます。
ただし、もし職場の異動で問題が解決するなら、人事の担当者に相談してみるのも一つの手です。
一人で抱え込んで焦って転職すると、次の転職先でまた同じ状況になったときに、自分の中での解決法がないために同じ失敗を繰り返すことになりかねません。
今の職場が辛いのは、「忙しいからなのか」「人間関係が問題なのか」と、自己分析を行って転職を考えている理由を明確にすると、自分にマッチした転職先が見つかりやすくなります。
ポイント6.求人票で、退職金や残業時間なども確認する
退職金について、会社ごとの規定は異なりますが、勤続3年以上になれば退職金が出る会社も多いでしょう。ただし、中小企業や小規模の薬局では会社の規定で退職金を支給しないケースもあります。
退職金の有無は、事前に確認しておくことが大事です。また、定年まで働くのであれば退職金にこだわる必要がありますが、ステップアップの過程であればこだわり過ぎる必要もありません。
その分、年収が多い方が得ということもあるので、自分がどれだけ勤続するかを含めて検討するようにしましょう。
また、給与と同じくらいに大事なのが、「就業時間や曜日」「残業の長さ」などの勤務形態についてです。
一般企業であれば9:00~17:00の場合もありますが、薬局の場合は遅くまで営業していることもあります。土日も営業している場合もあるので、勤務時間や週休2日は守られているかなども確認すべき項目です。
ポイント7.年間休日数は業種で大きく異なるので注意する
製薬会社の場合、年間休日が120日以上あることが多いですが、薬局や病院では年間休日が減る傾向にあります。たとえば、薬局によっては毎日開局している場合もありますし、病院も土日勤務となることがあります。
薬剤師の仕事で年間休日120日以上取ることができる職場先は限られており、特にドラッグストアだと比率は少なくなる傾向があるようです。
年間休日が多い職場を選ぶならば調剤薬局または企業を選ぶ方がおすすめです。企業の場合には自分の裁量の範囲でスケジュールを決めやすいので有給休暇も使いやすくなります。
なお、正社員であれば年間休日が多くても給与は基本的に大きく変動しませんが、勤務条件にもよるため、念のため確認しておいたほうが良いでしょう。
ポイント8.退職理由は無理に伝えず、前向きな転職理由を伝える
直属の上司に退職の理由を伝えると、上司から退職する理由を聞かれる場合があります。
転職理由が人間関係に関することや待遇に関することであれば、人材不足の職場では、改善をするからと退職希望者を引き止めにかかることもよくあります。
ただ、当人にとっては職場を辞めるまでに自分の中で十分に考えてきたはず。上司がそれを引き止めても、固い意志があるのなら思い留まる必要はありません。
マイナスな理由を告げるよりも、前向きな転職理由を伝え円満に退職することで、転職をスムーズに進めることができます。
4.失敗を防ぐために転職エージェントを活用しよう
人材不足の薬剤師の業界では、転職先を見つけることは難しくないかもしれません。ただ、求人票に書かれていないことが原因で「自分に合っていない」「思っていたのと違った」と転職後に後悔することも少なくないでしょう。
転職先のミスマッチで辛い思いをしたり、転職を繰り返して経歴に傷がつき、希望の転職先への就職が難しくなったりすることは避けたいですよね。
特に初めての転職は大変ですが、新たなことにチャレンジできる大きなチャンスとなります。
転職での失敗や後悔を回避するためにおすすめなのが、転職エージェントの活用です。面接対策や入社前の条件交渉などは、なかなか一人では難しいものです。
信頼できる転職エージェントに相談すれば、しっかりとコミュニケーションをとることでミスマッチを防ぎ、満足できる転職活動のサポートをしてくれます。
中でも「マイナビ薬剤師」は、多くの薬剤師の転職活動をサポートしてきた転職のプロ。気をつけるべきポイントのアドバイスをさせていただいたり、希望の条件に合った求人を見つけさせていただきます。
加えて、求人票に書かれていない内容についても職場へ確認させていただきます。
4-1.情報収集にも転職エージェントを!
キャリアアップのための転職はもちろん、今の勤務先に不満や限界を感じている場合は特に、転職に失敗して後悔するということはできるだけ避けたいものです。
とはいえ、様々な理由から失敗してしまう人が多いのも事実です。原因としては、情報収集の不足と十分な検討をせずに決めてしまうことが挙げられるでしょう。
情報収集については、情報提供のエキスパートである転職エージェントに任せると安心です。薬剤師転職に特化し、情報力と経験のあるマイナビ薬剤師なら、じっくりとあなたの話を伺って最適な転職先をご提案させていただきます!
一人の転職活動では知ることのできない情報を入手できるので、ぜひマイナビ薬剤師に一度ご相談ください!
毎日更新!新着薬剤師求人・転職情報
おすすめの薬剤師求人一覧
転職準備のQ&A
内定・退職のQ&A
薬剤師の円満退社・内定準備に関するその他の記事
※在庫状況により、キャンペーンは予告なく変更・終了する場合がございます。ご了承ください。
※本ウェブサイトからご登録いただき、ご来社またはお電話にてキャリアアドバイザーと面談をさせていただいた方に限ります。
「マイナビ薬剤師」は厚生労働大臣認可の転職支援サービス。完全無料にてご利用いただけます。
厚生労働大臣許可番号 紹介13 - ユ - 080554