薬剤師の繁忙期はいつ?職場による時期の違いも具体的に紹介!

薬剤師の繁忙期はいつ?職場による時期の違いも具体的に紹介!

「忙しくて、休憩が取れなかった。」「薬歴が溜まり、休み時間に書いている。」「業務が長引き、残業が多い。」など思い当たる経験はありませんか?

特に繁忙期はこのような日が多くなりがちです。
あまりの忙しさから身体的、精神的にストレスを感じ慢性的な疲れを感じたり、メンタルに不調をきたしたりする方もいるのではないでしょうか?

しかし、あらかじめ繁忙期が分かっていれば、その時期に向けて気持ちの持ち方や行動を変化させることでストレスに対処できることもあります。

ここでは薬剤師業界の職種による繁忙期の違いや繁忙期によるストレスの解消方法などについて解説します。

1. 薬剤師に繁忙期・閑散期は存在する?

結論からいうと薬剤師に繁忙期・閑散期は存在します。

一般的に冬が薬剤師の繁忙期といえるでしょう。この時期は風邪やインフルエンザなど、健康な方が体調を崩し、通院や来店する機会が集中的に増えるからです。

一方、夏は閑散期と言われています。

流行する病気が少なく、体調を崩す方が少ないからです。

夏風邪や胃腸炎などの病気もありますが、症状が軽い場合が多く、薬剤師の忙しさに直結する場合が少ないといえるでしょう。

2. 薬剤師業界における繁忙期の違い

繁忙期・閑散期は存在しますが、勤務時間、1日通しての働き方や業務内容が業種によって異なるので、繁忙期・閑散期の時期はそれぞれ異なります。

薬剤師業界での就業場所を「ドラッグストア」「病院」「調剤薬局」「製薬会社」と、大きく4つに分けてそれぞれの繁忙期の違いについて解説します。

2-1. ドラッグストア

風邪などの感染症が増える冬の時期は、OTC医薬品を購入する人が増えます。

いままで以上に相談されるケースが増えるため忙しさが増します。

「病院が閉まっていて受診できない」「症状が悪化する前に対処したい」「応急処置的にとりあえず薬が欲しい」など病院に行けない場合やセルフケアのためにドラックストアを利用するのが理由です。

また、ドラッグストアは医薬品だけ取り扱っているわけではありません。

日用品や食品など日常の生活に欠かせない商品も販売しています。

そのため季節の変わり目にセールや商品入れ替え、売り場作りなどが行われるため、店舗業務が増加し、店舗の運営にも携わる薬剤師も多忙となります。

2-2. 病院

診察している科によって患者さんの抱える病気が異なりますので繁忙期も違います。

一年を通じて患者さんはいますが、その中でもより病気にかかりやすい時期というのが存在します。
たとえば内科、小児科の繁忙期が冬の時期なのは、気温が低く乾燥しやすい時期に風邪やインフルエンザなどが流行するためです。

それに連動するように入院患者さんも増えるため病院薬剤師も多忙となります。

GWなどの連休前、お盆や年末年始になると患者さんが増え、繁忙期となるのはどの診療科でも共通ですが、それ以外のときは以下のような時期に忙しくなります。

  • 内科、小児科・・・感染症が増える秋から冬、心疾患が増える冬
  • 耳鼻咽喉科・・・感染症が増える秋から冬、花粉症が増える2~4月
  • 皮膚科・・・汗のトラブルや感染症、虫刺されなどが増える夏

2-3. 調剤薬局

複数の受診科を持っている病院の前の調剤薬局では基本的に、病院の繁忙期と同じタイミングが繁忙期です。

たとえば内科、小児科など感染症の流行る冬の時期は、患者さんが増えるため特に忙しい時期となります。

在宅患者さんを中心に受けている調剤薬局の繁忙期は在宅の性質上、あまりないといって良いでしょう。

調剤薬局で対応可能な患者さんをある程度コントロールしており、その中で忙しさの波はあります。

しかしその忙しさは時期的なものではなくあくまでも患者さんの状況次第となります。

2-4. 製薬会社

製薬会社に勤める場合の薬剤師の繁忙期は、所属している部署や担当業務によってまったく異なります。

連休前やお盆休みなど特定の休み前後が特に忙しいなど決まりはありません。

研究者であれば新薬発売前、製薬会社と医療機関の橋渡し役目を担う開発者やMRであれば新薬が発売される前後が忙しいです。

CRA(Clinical Research Associate)と呼ばれる臨床開発モニターでは、厚生労働省への書類の提出期限などで時間に追われるなど特に忙しい時期は存在します。

3.薬剤師の繁忙期がつらいといわれる理由

繁忙期に突入してから残業が続いたり、休みが取れなかったり、忙しさから思うように仕事ができなかったりする繁忙期。

業務量の増加などでストレスが溜まり、1日の業務を振り返ると一気に疲れがやってくることもあるのではないでしょうか。

ここでは、薬剤師の繁忙期がつらいといわれる理由を探っていきます。

3-1. 単純に業務量が多い

業務量が多い

繁忙期は普段と比べて、こなす業務量が多くなります。

業務が滞ることなくこなせれば良いのですが、個人の能力を超えるほどの業務が溜まってしまう場合があります。

調剤や投薬、医療従事者との連携など優先するべき業務は一通りこなせても、薬歴管理、資料作成など自分だけで行う後処理が溜まるため、業務負担が増え、つらくなることもあるようです。

3-2.人間関係が悪化する

あまりの忙しさから人間関係がギスギスして悪化するというのはよくあるパターンです。

「休憩が取れない」「残業が続いている」「疲れがたまっている」、このような状態では自分のことで手一杯になるのは明らか。

「自分は一生懸命やっているのに、あの人は…」など、他人の仕事ぶりなどが気にかかり、些細なことから対人関係にひびが入り、つらくなることもあるようです。

4.繁忙期のストレスを解消する方法

ただやみくもに業務をこなすだけでは、いつか身体と心がついていかない時がくるかもしれません。

そんなとき、繁忙期のストレスを解消できる方法をためしてみませんか?

ここでは繁忙期のストレスを解消する方法を4つに絞ってご紹介します。

4-1. 業務フローの見直しやツール導入で効率化を図る

業務フローの見直しやツール導入で効率化を図る

あまりの忙しさから自分のことで精一杯になり、個々の業務に捉われがちになることもあると思います。

しかし繁忙期を乗り越えるためには自分の業務だけではなく業務全体の効率化を図ることが重要です。

そのためには業務フローの見直しツールを導入することが必要ではないでしょうか。

全体業務フローの効率化が図れれば、個人の負担が減るばかりか、働く環境も改善されるはずです。

コミュニケーションツールやスケジュール確認、進捗管理のタスク管理ツールなど、効率化に必要なツールを導入して全体業務の効率化を目指していきましょう。

4-2. 上司や同僚、家族など身近な人に相談してみる

ひとりでストレスを抱え込まずに周りの人に相談してみるのも一つの方法です。
信頼できる上司や同僚がいる場合、職場の状況を理解しているので話の内容をすぐに理解してくれ、解決への糸口が見つかり、ストレスが緩和されるかもしれません。

しかし、踏み込まれたくない職場の内部まで話が進む可能性があるので慎重に相談することが必要です。

一方で職場とは一切かかわりのない家族や友人に相談する方法もあります。

心からあなたのことを思って話を聞いてくれ、また必要なときにはアドバイスしてくれるためストレスが緩和されやすいでしょう。

ただ職場の状況を正しく理解するのはむずかしいため、具体的な業務改善など専門性の高い悩みの相談ではなく、人間関係の悩みなど職場外の方が聞いても第三者の意見としてアドバイスしやすい相談をするのがよいでしょう。

4-3. 休暇を取得し自分の好きなことをする

つらいと感じたら、思い切って休暇を取ってみましょう。疲れやストレスが溜まっていたら誰でも休みたいと思うもの。

休暇をとることで引け目を感じるかもしれませんが、そんな時こそ勇気をもつことが大事です。
繁忙期でも休みを目標に頑張れることもあります。

ゆっくり休暇をとって自分の好きなことをしてストレスを解消しましょう。

4-4. 思い切って転職を考えてみる

上司や身近な人に相談してみたり、休みを取ってリフレッシュしたりしてみたものの、問題が解決しないままストレスを感じ続けている…。そんなときは転職を考えてみても良いでしょう。

転職を視野にいれて活動することで、少し気持ちが楽になるはずです。

自分にとってよりよい転職先を見つけるためには薬剤師専門の転職エージェントを利用することがおすすめです。

マイナビ薬剤師では豊富な求人と情報の中からあなたに合った転職先を紹介するだけでなく、入社までのサポートなどの転職活動をバックアップしてくれます。

繁忙期によるストレスや人間関係での悩みを繰り返さないよう、頼れるところは頼って上手にマイナビ薬剤師を活用していきましょう。

5. 転職する場合は「繁忙期」と「閑散期」を見極めよう

一年の中で求人数が増える時期があります。
希望の条件にあった求人に巡り合えるチャンスが高くなるので、その時期に合わせて転職活動をするのがおすすめです。

まず狙いたいのは冬の「繁忙期」前の秋頃。風邪や感染症などの流行期を見据えて繁忙期前に薬剤師を補充しようと、求人が増える傾向にあります。

レアな求人や好条件の求人が増えるのもこの時期の特徴です。

また「繁忙期」まっただ中の冬に急募の求人が出ることがあります。

薬剤師不足を埋められなかった企業が好条件の求人を出すことが多いため、見逃せない時期です。

多忙のため研修やトレーニングに時間をかけられないので、即戦力となりうる薬剤師が求められる傾向があり、実務経験がある薬剤師に有利な求人といってよいでしょう。

条件の良い転職先を探しているのならば、高年収、高時給の求人が増える「繁忙期」の冬が狙い目です。

さらに、「閑散期」である夏も求人が増える時期があります。

夏のボーナスをもらった後に退職する人が増えるため、欠員を埋めようと求人が増えるのです。

一般的に閑散期にあたるので、研修や引継ぎなどをしっかり行ってもらえることが多いです。
ブランクがある、実務経験が浅い薬剤師には「閑散期」である夏に転職活動をすることがおすすめです。

「繁忙期」と「閑散期」を見極めた転職活動をすると、最適な転職先に出会える確率が高くなりますので、その時期に活動することがベストです。

転職する場合に知っておくと有利な繁忙期と、閑散期の見極め方が気になる方はこちらの記事もお読みください。

6.まとめ

薬剤師の繁忙期の時期は、病院や調剤薬局、ドラッグストア、製薬会社などの職種によって異なることが分かりました。

ドラッグストアの繁忙期はセール期間や風邪など体調を崩しやすい冬の時期にあたりますが、日常的なセールや季節的なセールのタイミングなどお店の運営スケジュール次第ともいえます。

病院や調剤薬局は診療科にもよりますが、一般的に風邪や感染症などの病気が増える冬の時期が繁忙期です。

製薬会社は開発や研究などの職種や担当業務などによって繁忙期はまったく異なります。

このような業種によって異なる繁忙期にストレスを上手に発散しながら乗り越えられるなら良いのですが、ストレス解消がむずかしいと思ったら思い切って転職を考えてみるのも一つの手段です。

転職は人生の転機。ベストな時期とタイミングで転職活動をすることが大切です。

ひとりで悩まず、転職エージェントを活用することで納得のいく転職を実現しましょう。

この記事の著者

薬剤師・ライター

黒木 真綾

大学卒業後、大手調剤薬局勤務。その後、大手ドラッグストア勤務を経て、再度調剤薬局にて薬局長(管理薬剤師)として勤務。現在に至る。
薬剤師として約22年働き、そのうち72%の16年間は薬局長として業務に携わる経験を活かして執筆活動を行っている。

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