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転職で公務員薬剤師をめざすには?仕事内容や転職の方法を徹底解説

省庁や保健所、市町村役場で働く公務員薬剤師は高待遇・高年収・安定というイメージもあり、人気のある業種の一つです。

しかし、公務員薬剤師と言っても、その働き方は千差万別です。転職するとなると、具体的にどうすれば公務員薬剤師になれるのか、どのような仕事をしているのかを理解している薬剤師は少ないのではないでしょうか。

今回は、職場ごとに異なる公務員薬剤師の仕事内容と、転職するための方法をご紹介します。

1. 公務員薬剤師の魅力は、安定感と充実した福利厚生!

公務員薬剤師の魅力は、なんといっても安定感があること。民間企業と違って、リストラや降給の心配がほとんどなく、賞与や手当が充実し、毎年必ず昇給するのも大きなメリットと言えます。

勤続年数が長くなるほど年収も上がり、退職金の額もどんどん高くなっていきます。勤続年数が短い間は、民間企業である調剤薬局やドラッグストアに収入面で負けてしまうこともありますが、生涯年収で考えると公務員薬剤師のほうが有利であると言えるでしょう。

また、福利厚生も充実しており、特別休暇の種類や手当の種類が民間企業よりも多く、法律で定められた休暇や制度は確実に取得することができます。業務時間が明確に区切られるため、子育てと仕事の両立もしやすく、働きやすい環境が整備されています。

さらに、公務員は共済組合が組織され、住宅を新築する際などに使用できる貸付制度や、指定の宿泊施設を低価格で利用できるといった特典もあります。

公務員薬剤師の魅力は、待遇ばかりではありません。民間で薬剤師をしていたときには経験できない仕事も多く、仕事の幅が広がることも特徴の一つです。薬事申請業務などに従事すれば、臨床現場では知り得なかった製薬会社の業務なども理解を深めることが可能です。

衛生検査場や保健所での勤務では、さまざまな検査などを実施しながら、公衆衛生分野において薬学的能力を発揮できます。

2. 公務員薬剤師になるにはどうすればいい?「地方公務員」と「国家公務員」の違いとは?

公的な施設で働く薬剤師には「地方公務員薬剤師」と「国家公務員薬剤師」の2種類があります。それぞれの勤務地や業務は異なり、試験の種類も変わります。希望する職場や職種で必要な条件を確認してみましょう。

2-1. 地方公務員薬剤師

地方公務員として薬剤師が勤務できるのは、県庁の薬務課や保健所、衛生検査場などが挙げられます。どの部署に配属されるかは辞令次第であり、自分が希望している場所で必ず働けるとは限りません。

地方公務員として働くためには、都道府県や市町村が実施する公務員試験に合格しなければいけません。この試験の内容や受験日程は、実施される地域によって異なるため、希望している地域の募集内容をチェックしておきましょう。

一般的に一次試験は筆記試験となり、二次試験は面接となります。双方に合格することで「採用候補者名簿」に名前が記載され、その名簿をもとに内定が出されます。

また、国立病院及び公立病院に応募する場合には公務員試験ではなく、その病院独自の採用試験となることもあります。待遇は「地方公務員に準ずる」とされているので、地方公務員とみなせるでしょう。

公務員試験には応募年齢に上限があるため、応募する前に対象年齢は何歳までかを、しっかり確認してください。
以下、それぞれの部署がどのような業務を担当しているかを紹介します。

2-1-1. 薬務課

各都道府県庁の薬務課では、地域における診療報酬の管理、新規薬局の開設許可、医薬品製造業の認可、毒物・劇物の製造業・販売業の登録、立ち入り検査、監査などを行います。各々の場所で適切な業務が行われ、安全な医薬品の供給ができるかなどを調べます。

2-1-2. 保健所

保健所は、地域保健法において設置義務が定められている施設で、地域の医療施設などが適正に運営されるよう保健・衛生の管理監督業務を行う機関です。具体的な仕事内容は所属する部署によって異なりますが、主に以下のような業務が挙げられます。

薬事衛生

薬局・店舗販売業・卸売販売業・医療機器販売業・毒物劇物一般販売業等に対しての許可・監視・指導等の対応を行います。

食品衛生

食品製造業者・飲食店などに対する許可・監視・指導等の対応を行います。

環境衛生

上下水道や旅館・ホテルといった宿泊施設、温泉や銭湯といった公衆浴場、クリーニング店、理容室・美容室などサービス業に対する環境衛生施設の新規開設許可や、立入検査を行います。

保健所への転職を考えている方は、以下のページも参考にしてください。

2-2. 国家公務員薬剤師

国家公務員として働く薬剤師の業務は、主に薬事行政に関わるものです。新規医薬品・医療機器の承認や保険業務の円滑な運用、食品や化学物質の衛生管理などを行っています。

国内のみではなく、国際団体の職員とも応対する必要があるため、英語力も必要です。地方行政施設への出向や外国にある日本大使館での勤務の可能性もあるため、地方や外国で働くこともあります。

国家公務員として薬剤師が働くためには、各省庁が実施している国家公務員採用試験に合格しなければいけません。

国家公務員試験の中でも薬剤師が受験するのは、厚生労働省が実施している国家公務員総合職(旧国家1種試験)が一般的です。

基本的に一次試験は筆記試験となり、二次試験は面接や論文の提出が求められます。国家公務員試験の場合では、試験とは別に、応募している省庁に訪問する「官庁訪問」が行われます。
業務見学や省庁に対する知識を深める目的もありますが、実質的に最終面接の役割となるため、拒否すれば不採用になります。

また、国家公務員薬剤師は、以下に示す医薬品開発、医薬品の製造管理のほか、医薬品の審査や承認、安全対策などの薬事行政、食品安全分野(食品のリスク評価、安全監視等)、化学物質分野(国民の健康に関わる化学物質の安全対策等)など幅広い分野・領域の業務に携わります。

2-2-1. 医薬品開発

研究開発分野において、企業や大学が医薬品を開発しやすい環境を整えたり、研究予算を確保したりします。具体的には、医薬品の研究開発の促進、医療系ベンチャー企業の支援などを行います。

2-2-2. 製造管理

医薬品の品質、有効性、安全性などが保たれるよう、医薬品メーカーなどに対して、医薬品の製造管理および品質管理の監視・指導などを行います。

2-3. 麻薬取締官との違い

麻薬取締官は、厚生労働省地方厚生局麻薬取締部に所属する国家公務員です。麻薬を取締り不正使用者や密売人を摘発するなど、薬物が乱用されないために活動することを任務としています。特別司法警察職員としての権限がある点で、一般の国家公務員薬剤師とは異なります。

麻薬取締官になるには、厚生労働省が実施する麻薬取締部の採用試験に合格する必要があります。薬剤師の資格を取得していること、国家公務員採用一般職試験の第1次試験の合格者であることなどが応募条件です。

麻薬取締官の仕事内容や資格の取得の詳細については、以下のページも参考にしてください。

3. 公務員薬剤師のメリット

公務員薬剤師として働くことには、民間で薬剤師として働くことに比べ、大きく2つのメリットがあります。

3-1. 安定した収入や働き方ができる

まずは、収入や働き方が安定していることです。民間の薬局やドラッグストアで薬剤師として勤務する場合には、業績の悪化などによって勤務先が倒産したり解雇されたりする可能性があります。その点、公務員であれば倒産の心配はありませんし、昇給やボーナスの支給も安定しており、勤続年数や役職に応じて収入が上がっていくので、安心して働き続けることができます。

3-2. 福利厚生が充実している

収入面だけでなく、公務員の場合は福利厚生制度が充実しているというメリットもあります。特別休暇の種類や手当の種類が民間企業よりも多く、法律で定められた休暇は確実に取得することができます。

例えば育児休暇は原則として1年間としている企業が多いですが、公務員薬剤師は3年間取得することができます。女性にとっては、結婚・出産を経ても働きやすい環境だといえるでしょう。

4. 公務員薬剤師のデメリットとは?

例えば、初任給が低いことがあげられます。他業種からの転職となれば、公務員になった直後は、収入が減少する可能性を想定しておく必要があるでしょう。
とは言え、初任給が低めでも、昇給率が民間とは異なるために、数年で逆転する可能性も高く、役職につくことで基本給も上がります。
住宅ローンのような継続的な支払いの予定がある人にとっては、転職後、数年の我慢が必要になるかもしれません。
ほかにも、以下に挙げるようなデメリットがあります。

4-1. 異動移動や転勤がある

公務員薬剤師の業務におけるデメリットとして、2~3年周期で部署異動が行われることが挙げられます。

公務員は分野におけるスペシャリストを目指すのではなく、どんな業務にも対応できるジェネラリストを理想としています。そのため、基本的には、さまざまな部署を経験することになります。

部署異動は同じ施設内とは限らず、場合によっては転勤になってしまうこともあるでしょう。

地方公務員であれば、転勤になっても勤務している地域内でおさまりますが、国家公務員の場合は、全国規模で転勤の可能性があります。転勤が難しいという方は、地方公務員薬剤師を目指すのがいいでしょう。

4-2 副業は禁止されている

公務員薬剤師は、地方公務員法や国家公務員法によって副業を行うことが禁止されています。民間企業では、副業が認められる場合もありますので、その点では収入面などに影響が生じるといえるかもしれません。

5. 公務員薬剤師に転職するには

現在の仕事から公務員薬剤師に転職するためには、上述したような地方公務員試験、もしくは国家公務員試験に合格する必要があります。

仕事と並行しながら公務員試験に向けた受験勉強を行うのであれば、ある程度の準備期間が必要です。

また、転職したい勤務先によって、受けるべき試験内容や年齢制限が異なるため、事前にしっかり準備を行いましょう。

5.1.国家公務員薬剤師の場合

国家公務員薬剤師に転職したい場合、厚生労働省の総合職である「薬系技術職員」の採用試験を受験することになります。

毎年3月下旬から受付が始まり、4月下旬に1次試験(基礎能力試験・専門試験)が行われ、合格すると5月下旬~6月中旬に小論文などの筆記試験や適性検査、面接による2次試験が行われます。6月下旬に最終合格者が決まり、10月1日以降に内定が出ます。

5.2.地方公務員薬剤師の場合

地方公務員薬剤師に転職したい場合は、各自治体の地方公務員採用試験を受ける必要があります。

試験の内容は、教養試験、専門試験、英語試験、面接や小論文などです。試験内容や募集開始時期、応募期限などは自治体によって異なるので、各自治体の職員採用ページをチェックしておきましょう。

公務員への転職は、募集される人数が少ないため、狭き門であるのも事実です。安定した職場として人気があり、倍率がとても高くなってしまううえ、試験内容も高難度です。

さらに、薬剤師向けの試験は、一般教養のほかに専門分野の試験も課され、大卒程度以上の設問が用意されることもあります。希望される場合は、しっかりと準備をした上で臨むようにしましょう。

6. 転職する際の注意点

公務員薬剤師への転職を検討するにあたっては、以下の2点に注意する必要があります。

6.1 年齢制限がある

民間の薬局やドラッグストアへの転職では、特に年齢制限が定められていませんが、薬剤師公務員試験の受験資格には年齢制限があります。公務員薬剤師への転職を希望するなら、早めに活動を始める必要があるということです。

年齢制限は国家公務員試験の場合が30歳まで、地方公務員は20代後半~30代前半と各自治体によってばらつきがあるので、受験する自治体の受験資格を確認しておきましょう。

6.2 募集人数が少ない

公務員薬剤師は、民間とは異なり、そもそも募集人数が多くありません。

例として、平成27年度から令和2年度までにおける厚生労働省の薬系技術職員の採用実績は各年度5~9名程度です。狭き門になることは覚悟しておいたほうがいいでしょう。

7. 自分に合う働き方を見極めよう

ここまで紹介してきたように、公務員薬剤師は一般の薬剤師とは全く異なったキャリアを重ねていくことになります。現在、調剤薬局やドラッグストアで薬剤師として働いている方が薬剤師としての専門キャリアを積みたい場合は、公務員薬剤師ではなく、病院薬剤師などへの転職が向いているでしょう。

また、公務員薬剤師は採用自体が狭き門であり、国家公務員薬剤師の場合は全国への転勤も伴います。

こうしたことも考慮し、薬剤師として自分に合った働き方は何かを見極めたうえで、公務員薬剤師への転職を検討することが大切です。

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