薬剤師は週休3日で働ける?メリット・デメリットや制度について解説

薬剤師は週休3日で働ける?メリット・デメリットや制度について解説

「もっとプライベートの時間がほしい」「育児や介護と両立できる働き方を選びたい」と考える方にとって、「週休3日」は魅力的なのではないでしょうか。求人は多くはありませんが、近年は薬剤師でも週休3日で働ける職場が増えつつあります。

本記事では、週休3日制の仕組みや給料がどのように変わるのかを解説します。併せて、薬剤師が週休3日で働くメリット・デメリット、実現するための方法を具体的にお伝えします。

1. 薬剤師は週休3日で働ける?

薬剤師の職場では、シフト制や週休2日制、完全週休2日制が中心です。でも、週休3日制を採用する企業の正社員求人も、少数ながら存在します。

厚生労働省の令和7年就労条件総合調査によると「何らかの週休3日制」を採用している企業は0.9%、完全週休3日制は0%でした。一方で「何らかの週休2日制」は92.6%、完全週休2日制は65.5%を占めており、週休2日制が主流なことが分かります。なお、本調査は全産業を対象としたもので、医療分野に限ったものではありません。

ただ近年は、個人の生活や価値観に合った働き方を選べることが重視されるようになり、医療分野でも少数ながら週休3日で働ける求人が見受けられるようになっています。

参考:令和7年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

1-1. 選択的週休3日制とは?

「週休3日制」は1週間に3日の休日を設定することで、「選択的週休3日制」とは、働く人の希望に応じて週休3日の働き方を選べる制度です。育児・介護との両立や学び直し、副業、地域貢献などに取り組む時間を確保しやすくすることを目的としています。企業にとっても、人材確保や離職防止、満足度向上につながることが期待されています。

なお、選択的週休3日制は希望すれば週休2日の働き方に戻れることが前提です。最初から週休3日を条件に雇用契約を結ぶ形は含まれません。

参考:働き方・休み方改革取組事例集(2025年3月発行)|厚生労働省

1-2. 週休3日で働くと給料は減る?

週休3日で働くことで給料が減るかどうかは、制度のタイプによって異なります。

厚生労働省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」では、週休3日制を以下の三つのタイプに分類しています。

労働時間 給料 働き方の例
タイプ1(選択的週休3日制) 維持 維持 1日10時間×週4日(週40時間)
タイプ2(選択的週休3日制) 削減 削減 1日8時間×週4日(週32時間)
タイプ3(週休3日制) 維持 維持 生産性を高めて短い時間で成果を出す

給料が減らないのは、1日あたりの労働時間を増やして週の総労働時間を保つ「選択的週休3日制」です。例えば、会社の規定で週当たりの労働時間が40時間と定められている場合、1日10時間・週4日働くことで、総労働時間は変わらず、給料も維持されます。

その一方、1日の労働時間はそのままに労働日数を減らす「選択的週休3日制」では、給料が減ることになります。1日8時間×週4日の週32時間と、働く時間の合計が週40時間の5分の4となり、給料もあわせて下がるのが一般的です。

また、労働時間を減らしながら給料を維持する「週休3日制」もあります。このタイプでは、基本的に短い時間でこれまでと同じ成果を出すことが求められるため、業務の効率化が欠かせません。

参考:選択的週休3日制の紹介|働き方・休み方改善ポータルサイト(厚生労働省)

2. 薬剤師が週休3日で働くメリット

薬剤師が週休3日で働くメリットは、以下の通りです。

  • プライベートの時間が増える
  • スキルアップの時間を作れる
  • 副業がしやすくなる

それぞれのメリットについて、見ていきましょう。

2-1. プライベートの時間が増える

週休3日制によって増えた休日は、プライベートの時間に充てられます。趣味や旅行にまとまった時間を使ったり、家族と充実した時間を過ごしたりと、暮らしにゆとりが生まれやすくなるでしょう。育児・介護と仕事を両立させやすくなるほか、役所や銀行での平日しかできない手続きも済ませやすくなります。

2-2. スキルアップの時間を作れる

薬剤師は、最新の医療情報を収集したり、認定・専門資格の取得を目指したりと、働きながら学び続けることが求められる職種です。週休3日の働き方なら、学び直しや資格取得といったスキルアップの時間を確保しやすくなります

例えば研修認定薬剤師は、所定の研修を受講し定められた単位を取得することで認定を受けられます。研修の受講にはまとまった時間が必要となるため、学習の計画を立てる上で休日が1日多いことは大きなメリットです。さらに、在宅医療やがん領域などの専門分野の勉強や学会参加などもしやすくなるでしょう。

2-3. 副業がしやすくなる

休日が増えると、副業に挑戦しやすくなります。薬剤師の資格を生かせる副業として、メディカルライターや派遣薬剤師、医療分野の翻訳、薬学生の家庭教師などが挙げられます

本業とは異なる仕事に携わる中で、新たな知識やスキルが身に付き、自分の可能性を広げられるでしょう。

ただし、管理薬剤師や公務員として勤務している場合は、原則として副業が認められていないため注意しましょう。いずれも該当しない場合も、あらかじめ職場の就業規則で副業の可否を確かめておく必要があります。


3. 薬剤師が週休3日で働くデメリット

週休3日にはメリットがある一方で、注意したい点もあります。デメリットを把握しておくことで、自分に合う働き方かどうかを判断しやすくなります。ここからは、薬剤師が週休3日で働くデメリットを解説します。

3-1. 1日の労働時間が長くなる場合がある

総労働時間を変えずに休日を増やす選択的週休3日制では、1日あたりの労働時間が長くなります。例えば、週の所定労働時間が40時間のまま週休3日(出勤日が4日)になると、1日あたりの労働時間は10時間になります。調剤や監査、服薬指導といった業務が長時間に及べば、疲労がたまりやすくなることがあるかもしれません。

上乗せした時間は残業ではなく所定労働時間として扱われるため、長く働いても残業代が増えるわけではありません。給料を維持できる代わりに1日あたりの業務負担が重くなるため、自分の体力や生活リズムに合うかを見極めることが大切です。

3-2. 給料が減る可能性がある

総労働時間が減るタイプの週休3日では、働く時間が短くなる分、給料が下がる場合もあります。賞与や退職金が月給を基準に決まる職場では、その額にも影響する場合があるでしょう。

週休3日で長期的に生活が成り立つかどうかは、毎月の手取り額だけでは判断しにくいものです。給料が下がっても暮らしを維持できるか、収入と支出の両面から見通しを立てておくとよいでしょう。

3-3. 求人数が限られる

週休3日の求人は増えつつあるものの、まだ少なく、選べる職場は限られます。自宅から通える範囲に勤務先がなかったり、希望する業種で募集が出ていなかったりするケースも考えられます。週休3日を優先するほど選択肢は狭まり、勤務地や仕事の内容、給料といった条件で折り合いをつけなければならない場面も出てくるでしょう。

4. 薬剤師が週休3日で働くには?

週休3日の薬剤師求人は多くありません。正社員での募集が見つからない場合は、アルバイトやパートなど勤務形態を変更することも、選択肢の一つになるでしょう。ここからは、薬剤師が週休3日を実現するための具体的な方法を紹介します。

4-1. アルバイト・パートや派遣社員として働く

週休3日を実現するには、アルバイト・パートや派遣社員など、正社員とは異なる勤務形態を選ぶ方法があります。アルバイト・パートや派遣社員は、正社員に比べて勤務日数や時間を調整しやすい働き方です。特に派遣社員は、時給が高めに設定される傾向があり、勤務日数が少なくても一定の収入を確保しやすい特徴があります。

一方で、正社員からアルバイト・パートや派遣社員に変更すると、責任や権限の範囲、福利厚生が変わることがあります。給料や賞与の扱いも、あらかじめ確認しておくことが大切です。

また、派遣社員の場合、勤務先の業績や状況によっては契約が更新されないこともあります。契約が終了すれば、次の勤務先を探す必要があるため、長く同じ環境で働き続けたい人には向きません。

働き方を変える際は、収入と待遇の両方を確かめた上で判断する必要があります。

4-2. 選択的週休3日制を採用している自治体で公務員薬剤師を目指す

週休3日制を取り入れている機関や自治体であれば、公務員薬剤師として週休3日を選べる場合があります。

国家公務員は、2025年度から原則として全職員が選択的週休3日制を利用できるようになりました。フレックスタイム制を活用し、総労働時間を保ったまま、土日のほかに週1日まで休日を増やせる仕組みです。

地方公務員でも導入が進みつつあります。2025年2月の朝日新聞の記事によると、職員が週休3日を取得できる制度をすでに導入したか、導入を予定している自治体は16都府県もあるそうです。保健所や病院、行政機関で働く公務員薬剤師も、対象になる可能性があります。ただし、制度を利用できるかどうかは勤務先や勤務形態によって異なるため、志望する自治体の制度を確かめておきましょう。

参考:テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方に関する研究会〜最終報告(概要)〜|人事院
参考:職員の週休3日制、16都府県が導入済み・予定 柔軟な働き方広がる|朝日新聞

4-3. 求人サイトや転職エージェントを活用して求人を探す

週休3日の求人を効率良く探すには、マイナビ薬剤師などの求人サイトや転職エージェントを使う方法がお勧めです。前述のとおり、週休3日の求人は数が限られているため、必ずしも希望に合った求人が見つかるとは限りませんが、該当する求人が少ない条件こそ、エージェントに頼るメリットが大きくなります。

転職エージェントは、求人サイトには載らない非公開の案件を抱えていることがあります。希望する働き方を伝えておけば、条件に合う求人が出たときに紹介してもらえるため、求人を探す負担も軽くなるでしょう。

また、履歴書や職務経歴書の作成のサポートも受けられます。面談で聞き取った内容を基に、書き方や伝え方を具体的に助言してもらえます。さらに、採用後の労働時間や給料、賞与といった条件についてもエージェントが交渉してくれるため、希望に近い働き方を実現しやすくなります。

5. 選択的週休3日制の仕組みを理解し、自分に合う働き方を見つけよう

近年は、個人の生活や価値観に合った働き方を選べることが重視されるようになり、医療の分野でも、週休3日の求人を見かける機会が増えています。希望に応じて週休3日を選べる選択的週休3日制では、給料が減るかどうかは制度のタイプによって変わります。

正社員での募集が見つからない場合は、アルバイト・パートや派遣社員など、勤務形態を変更する方法を検討してみましょう。また、選択的週休3日制を採用している自治体であれば、公務員薬剤師として週休3日を選べる場合があります。週休3日の求人を効率良く探すには、求人サイトや転職エージェントを使う方法がお勧めです。

収入や待遇などを踏まえて、自分に合う働き方を探してみてください。

この記事の著者

薬剤師

篠原 奨規

2児の父。調剤併設型ドラッグストアで勤務する現役薬剤師。薬剤師歴8年目。面薬局での勤務が長く、幅広い診療科の経験を積む。新入社員のOJT、若手社員への研修、社内薬剤師向けの勉強会にも携わる。音楽鑑賞が趣味で、月1でライブハウスに足を運ぶ。

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