薬剤師は副業できる?注意点やメリットについて紹介

薬剤師は副業できる?注意点やメリットについて紹介

働き方改革が進められている今、労働者を取り巻く就労環境は大きく変化しています。

とくに、平成30年に厚生労働省が副業の普及促進を目的とした「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を打ち出したことによって、副業がしやすい環境が整いつつあり、副業に興味を持つ人が増えています。

そこで今回は、薬剤師の副業のありかたや、メリットなどについて考えてみましょう。

また、薬剤師が副業をする際の注意点についても解説していきます。

1. 薬剤師の副業は可能?

正社員や非正社員が主たる業務以外の仕事に関わる「副業」。

副業にはさまざまな形態や業務内容がありますが、そもそも薬剤師は副業が認められているのでしょうか?

答えは、「基本的には副業が認められている」です。

ただし、「管理薬剤師」や「公務員薬剤師」の場合は、法律によって原則的に副業が禁じられています。

また、管理薬剤師や公務員薬剤師でなくても、管理職として勤めている場合や、職場の就業規則によって副業が認められていない場合もあります。

逆に言うと、管理薬剤師や公務員薬剤師以外であり、職場の就業規則で副業が禁止されていなければ、副業が可能です。

1-1. 管理薬剤師や公務員薬剤師は副業禁止

店舗の責任者である「管理薬剤師」は、医薬品医療機器等法(薬機法)によって、以下のように薬事に関する兼業が禁じられています。

“薬局の管理者(第一項の規定により薬局を実地に管理する薬局開設者を含む。次条第一項において同じ。)は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならない。ただし、その薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。”

(出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第七条

ちなみに、管理薬剤師の副業が例外的に認められる「都道府県知事の許可」とは、以下のようなケースが想定されています。

  • 非常勤の学校薬剤師を兼ねる場合等
  • 薬局の営業時間外である夜間休日に、当該薬局の管理者がその薬局以外の場所で地域の輪番制の調剤業務に従事する場合
  • へき地における薬局の管理者の確保が困難であると認められる場合において、当該地域に所在する薬局の営業時間外に、当該薬局の管理者が他の薬局に勤務する場合

一方、公的医療機関などに勤める「公務員薬剤師」は国家公務員法または地方公務員法によって以下のように原則的に副業が禁止されています。

“職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。”

(出典:国家公務員法 第百三条

“職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。”

(出典:地方公務員法 三十八条

このように、管理薬剤師や公務員薬剤師の場合は、原則的に主たる業務以外で収入を得ることが法律によって禁じられているため、副業をすることはできません。

1-2. 就労規則によって副業禁止の場合もある

職場にはそれぞれの職場が定めた就労規則があり、その中で副業を禁止している場合があります。

副業の可否やその条件などに関しては、多くの場合、就業規則の中の「服務」に関する項目の中に記載されています。

就労規則で副業が禁止されているにも関わらず、無断で副業に手を付けてしまうと、処分の対象になることもあり得るので注意しましょう。

ただし、就業規則に関しても、働き方改革の流れの中で、その基本的なスタンスが大きく変化しています。

そのきっかけとなったのは、企業が就業規則を作成・変更するひな型として厚生労働省が発信している「モデル就業規則」の副業・兼業に関する部分の改訂です。

従来のモデル就業規則では、労働者の遵守事項として「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」との記載があり、副業は原則禁止がスタンダードでした。

しかし、最新のモデル就業規則では、上記の記載が削除され、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」という新たな記述が加わったことにより、労働者の副業解禁の流れが加速しています。

薬剤師業界もまた、従来の就業規則に縛られず、より柔軟性を持って働ける職場が増えています。

2. 薬剤師の資格を活かせる副業とは

他業種と同様に、これからの薬剤師は副業やダブルワークといった自由な働き方が増えてくることが予想されます。

そのような場合には、薬剤師の資格を活かして活躍できることが理想的です。薬剤師の資格を活かせる副業をいくつか見ていきましょう。

2-1. メディカルライター

医療分野のトピックを専門に扱うことのできるメディカルライターは、薬剤師の資格を活かせる副業の一つです。

健康増進に意識を向ける人が増えている今、多様化・高度化する医療技術や新薬の情報を、一般向けに分かりやすく発信できる人材のニーズが高まっています。

薬剤師の資格があれば、有識者として確かな情報が発信できるというメリットがあり、場所や時間にとらわれず、隙間時間にライター活動ができることも魅力です。

2-2. 単発や掛け持ち

単発の副業、つまり急な欠員の補充や、繁忙期のみの人員確保などの理由で薬剤師を急募している薬局・病院・ドラッグストアなどでの短期間のパートやアルバイトなどで稼ぐ副業です。

派遣薬剤師としてあらかじめ登録しておき、予定の空いたタイミングで1日だけ働く方法もあります。

あるいは、メインで努めている職場の定休日などに、他の薬局・病院・ドラッグストアなどにパートやアルバイトとして入り、掛け持ちの副業をしているという人も少なくありません。

薬剤師として普段従事している業務内容と共通しているので、始めやすい副業です。

2-3. 翻訳

語学が得意な薬剤師の中には、海外の医療記事や薬剤の添付文書、特許出願関連の申請書などの翻訳業務を副業にしている人もいます。

翻訳業務は、もちろん薬剤師ではない一般の翻訳者が担当することもありますが、医学や薬剤情報に特化した内容の場合は、専門的な基礎知識がないと対応が難しいものです。

医薬分野に関する知識と経験のある薬剤師なら、より正確な翻訳が期待できるので、単価も高めに設定されている場合が多く、効率よく稼ぐことができます。

2.4. 家庭教師

薬剤師としての資格と経験を活かし、理系科目の家庭教師を副業とする、あるいは薬剤師国家試験やCBTを控えた薬学生や受験生を教える専門の家庭教師を副業にしている人もいます。

家庭教師の仕事は、たくさん生徒を抱えてしまうと時間のやりくりが難しくなりますが、時給が高い傾向があるので、副業といえどもそれなりに稼ぐことができます。

3.薬剤師が副業をするメリット

薬剤師が副業をすることによってどのようなメリットが期待できるでしょうか。副業によって得られるメリットを具体的にみていきましょう。

3-1.在宅で副業が可能

副業にはさまざまな業務が考えられますが、メディカルライターや医薬系翻訳の副業なら、ほぼ在宅しながら自分のペースで稼ぐことができます。

また、家庭教師の副業でも、インターネットを使ったオンライン授業を取り入れれば、在宅での就業が可能です。通勤時間が節約できるので、その分を自分の時間として活用することができるというメリットがあります。

3-2. スキルアップができる

一つの職場や一つの業種にとどまらず、さまざまな副業を通して経験を積むことで、さらなるスキルアップが期待できます。

他業種で副業するとなれば、必然的に新たな知識やスキルを身に着けることになり、楽しみながら自分の可能性を広げることができるでしょう。

また、薬剤師として本業とは別の店舗や薬局で副業をする場合でも、本業とは違った職場環境で働き、より多くの人と接することで、人脈や視野が広がるというメリットがあります。

3.3. 収入がUPする

本業とは別に副業をすることにより、年間の収入をUPさせることができます。たとえば、本業だけに頼っている場合は、手取りを10万円アップさせたいと思っても、長い時間と努力を要します。

しかし、副業の場合は、頑張って積み重ねた分だけプラス収入として稼ぐことができます。

結婚や育児などのライフイベントに備えて、臨時収入を得たい場合や、趣味や資格取得のための費用を確保したい場合など、副業をうまく活用するのも一つです。

4. 副業のデメリット

薬剤師によってメリットの多い副業ですが、当然のことながら、副業によるデメリットもあります。副業にありがちなデメリットについてみていきましょう。

4-1. プライベートな時間が減ってしまう

副業は、本業での業務がない時間帯や休暇などに行うことになります。副業をするということは、通常であれば友人や家族と過ごしたり、自分の趣味に使ったりしていた時間を削らなくてはなりません。

効率の良い稼ぎ方を工夫しなければ、プライベートな時間が極端に減ってしまうことが考えられます。

4-2. 扶養に入っている場合は注意しなければいけない

もともと家族の扶養に入りながら、パートやアルバイトとして薬剤師業務についている人の場合は、副業によって収入がアップすることで、扶養から外れてしまう可能性があるので注意しなくてはなりません。

一般的によく知られているのが、社会保険料の壁「130万円」を超えることによるデメリットです。

副業をすることで、年間収入が130万円を超えてしまうと、家族の扶養を出て、自分で国民年金と健康保険料を負担することになります。

場合によっては、手取りが減ってしまうこともあるので、注意が必要です。

5. 副業を選ぶポイント

副業のメリットとデメリットを知ったうえで、副業を始めるとなったとき、副業を成功させるためには、どのようなポイントに注目すればよいのでしょうか。

薬剤師が副業を選ぶ際に押さえておくべきポイントをみていきましょう。

5-1. なぜ副業をしたいのか目的は明確か

薬剤師が副業を選ぶにあたって最も大切なことは、「なぜ副業をしたいのか」という副業を行う目的が、自分の中で明確になっているかどうかです。

ただ漠然と副業をするのではなく、「薬剤師としてのスキルアップのため」あるいは「社会経験を積み、人脈を広げるため」、「○○~○○の期間に臨時収入を得るため」といった明確な目標があることがとても大切です。

今自分がいるライフステージや、家族や生活との関係、将来のビジョンなどを念頭に置いて、副業を考える視点を持つようにしましょう。

5-2. 無理のない範囲でできるかどうか

副業は大切なプライベートな時間と労力を削って取り組むものであり、体力的にもそれなりの負担がかかります。

副業に励むあまり、本業がおろそかになり、メインの職場との関係が悪くなったり、生活習慣が乱れてしまったりしては本末転倒です。

目先の収入にだけとらわれることなく、無理のない範囲で続けていける副業なのかどうかをしっかりと見極めるようにしましょう。

6. 副業する前に転職を考えるのも一つの手

あなたが副業を始めてみようと考えた理由や、副業の目的は何でしょうか。

薬剤師が副業を考えるタイミングというのは、多くの場合、「現在の収入に不満があり、もっと稼ぎたい」と感じるとき、あるいは「職場の人間関係や就労環境に変化が欲しい」、「薬剤師としてもっとスキルアップしたい」と感じるときだと思います。

確かに、副業を始めれば、臨時収入を得たり、新しい環境に触れたりすることが良い刺激になり、プラスの影響が得られる可能性があります。

とはいえ、副業によるプラスの影響の多くは一時的なものに限られるうえ、副業自体が大きな負担になってしまうことも少なくありません。

そのような失敗をしないためには、これを機に思い切って転職してみるのも一つの選択肢です。

転職をすれば、収入のアップや、自身のスキルアップの希望を叶えることもできますし、キャリア面ではより長期的なスパンでのメリットが期待できます。

「こんな職場なら働いてみたい」と思えるような理想の職場を目標に、転職先をリサーチしてみてはどうでしょうか?

薬剤師が転職を考える際は、専門の転職エージェント「マイナビ薬剤師」を活用することをおすすめします。

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7. まとめ

社会全体がより柔軟で自由な働き方へとシフトする中、薬剤師も副業をしやすい環境が整いつつあります。

薬剤師が副業をはじめる際は、まず副業をすることが法律や就労規則に抵触しないかどうか、今一度確認しましょう。

もし副業を考える場合は、漠然と始めるのではなく、一度自分の置かれている職場環境や待遇を見直すとともに、「副業によって何を得たいのか」というビジョンを明確にしておくことがとても大切です。

また、薬剤師としての将来のキャリアを考えた場合は、一時的なメリットが得られる副業よりも、より長期的なメリットが期待できる転職を選んだ方が良いケースもあります。

転職エージェントによるプロのアドバイスも参考にしながら、副業の在り方を考えてみましょう。

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