薬剤師3年目で転職するメリットとは?転職のポイントやデメリットについても紹介

薬剤師3年目で転職するメリットとは?転職のポイントやデメリットについても紹介

薬剤師として3年間働くと、薬剤師に求められる知識や経験も身につきます。また、仕事にも慣れて、少しずつゆとりが出てくるため、今の職場環境や今後のキャリアについて考え始める方も多いのではないでしょうか。

ここでは「薬剤師3年目」は転職する際に有利になるのか、メリットやデメリット、転職活動時の注意点などについてご紹介します。

1.薬剤師の3年目は転職を考えるタイミング

薬剤師3年目は転職を考える絶好のタイミングといえます。

3年目は、薬剤師に必要な知識や経験を積むことができているため、即戦力として採用されることも多いです。

「もっと待遇の良い職場で働きたい」「今とは異なるフィールドで薬剤師として活躍したい」など、3年目を迎え、生まれてきた想いを形にするよいチャンスです。

自分らしい薬剤師としての働き方を手に入れるため、なぜ転職をしたいと思ったのか、具体的にどのような働き方をしていきたいのか、自分のキャリアプランを考えていきましょう。

1-1.就職3年目での離職率は3割を超える

就職後3年目で転職をする方は一般的に多いといわれています。これはほかの業種においても同様で、薬剤師に限ったことではありません。

厚生労働省の令和2年度の調査によると、就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者が36.9%、新規大卒就職者が31.2%とされており、3年目までに転職を考える方が多いことがわかります。

また、令和3年雇用動向調査結果の概況にある、産業別の入職と離職によると、「医療・福祉」の離職者数は「宿泊業、飲食サービス業」「卸売業、小売業」についで3位となっています。

「医療・福祉」業界の離職率が比較的高いことからも、薬剤師も3年目までに転職を考える方が多い傾向にあるのが伺えます。

データからもわかるよう、薬剤師は3年目を迎える頃に転職を考える方が増え始めていくのです。

参照元:厚生労働省/新規学卒就職者の離職状況
厚生労働省/令和3年雇用動向調査結果の概況-

1-2.薬剤師の有効求人倍率は比較的高い

転職を考えるときに重要なことは、どの程度求人があるのかということです。

転職を希望しても、なかなか採用枠がなければ、その想いを叶えることはできません。

結論からいうと、薬剤師はほかの職業に比べ、有効求人倍率が高い職業です。

有効求人倍率とは、企業側がエントリーしている有効求人数に対して、働きたいと思っている有効求職者数との関係を示し、1よりも大きければ、仕事を求めている方よりも求人数が多いことになります。

令和4年11月の有効求人倍率は、職業全体で見ると1.27倍に対して、医師・薬剤師などは2.18倍で、2倍弱の差があり、比較的、ほかの職業より転職しやすいといえるでしょう。

参照元:厚生労働省/一般職業紹介状況(令和4年11月分)について
厚生労働省/一般職業紹介状況[実数]

2.転職をしたいと思う主な理由

漠然と転職をしたいと思っていても、具体的な一歩を踏み出すことは難しいです。ここでは、転職したいと思う主な理由を3つご紹介します。

2-1.職場の人間関係

転職の理由で多く聞かれるのは、職場の人間関係における問題です。

もちろん、薬剤師だけに限った問題ではありません。しかし、毎日一緒に仕事をする人との関係が築けなければ、大きなストレスを抱えてしまうでしょう。

一度悪化してしまった人間関係を修復するのは簡単ではありません。上司や同僚との関係が悪くなったことから職場を変えたくなる方も大勢います。

また、薬剤師が働く職場は狭い調剤室などです。そのため、どうしても密接に関わらなければならず、より人間関係が重要になってきます。

このような理由から、人間関係の悩みを解消し、すがすがしい気持ちで働ける環境を求めて転職を希望する方が多いようです。

2-2.年収をアップさせたい

今の職場より年収をアップさせたいという理由で転職をする方も大勢います。薬剤師の年収は、働く場所や地域によって格差があるのをご存じでしょうか。

2022年公開の政府統計(2021年度調査結果)では、全国の薬剤師の平均年収は580.5万円ですが、都道府県別で比較をすると、最も年収が高いのは山口県で667.1万円、最も平均年収が低いのは山形県で477.7万円となっています。

また、職場別に平均年収をみてみると、調剤薬局では583.8万円、病院薬剤師では521.7万円となっています。

このように環境によって差が生じるため、現在の年収よりも高い就職先を求めて転職を考える方も多いようです。

薬剤師の平均年収などを知りたい方は、こちらを参考にしてみてください。
>薬剤師の平均年収・給与(給料)はいくら?全国の薬剤師年収ランキング

参照元:厚生労働省/第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告
厚生労働省/第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告
厚生労働省/令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況

2-3.今の仕事でやりがいを感じられない

3年目を迎えて、今の自分が置かれている立場や仕事内容にやりがいを感じられないのも、転職する理由に挙げられます。

患者さまとの信頼関係を築いたり、スキルアップを図ったりするのが薬剤師のやりがいと感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、実際は単調な調剤業務の繰り返しや、患者さまと関わる機会の少なさなど、期待していた仕事とは違うと感じる場合もあります。

このまま同じ場所で働いていても、状況が変わらなければやりがいを求めて転職するのも一つの選択肢です。

このように、現状よりもやりがいを感じられる環境で働きたいとの思いから転職する方も多いようです。

2-4.現職の働き方と理想のライフスタイルとのギャップ

理想と現実とのギャップも転職を考える主な理由でしょう。

多くの憧れや目標をもって働き始めた職場でも、2年以上働くと理想だけではない現実が見えてきます。現実が見えてくることは良いことでもあるのですが、理想と現実にギャップが生まれてしまうと「違う場所で働いてみたい」と転職への想いが募り始める時期ともいえるでしょう。

また、3年目はライフスタイルも変わりやすい時期であるため、今の働き方と、自分の理想とするライフスタイルに差が出てくることで、転職を考える方も多いようです。

2-5.薬剤師としてのキャリアを模索するため

転職理由には、薬剤師としてのキャリアの模索があります。

薬剤師として働ける場所は、病院や薬局だけでなく、ドラッグストアや一般企業など、多岐に渡ります。

これからのキャリアを考えて、別の業種へ転職する方も少なくありません。自己研鑽をして、知識や経験を身につけていくためには、それを得られるような職場環境が重要になります。
今後の薬剤師としてのキャリアビジョンを踏まえて、転職を考える方も多くいるようです。

薬剤師が転職する理由については、こちらも参考にしてみてください。

3.薬剤師が3年目で転職するメリット

転職をするタイミングとして「3年目」はどうなのでしょうか?ここでは、3年目で転職するメリットをご紹介します。

3-1.即戦力枠でチャレンジできる

3年目の薬剤師は、就職先から即戦力と期待されて転職できるのがメリットです。

新卒や2年目までの薬剤師の場合は、経験やスキルがまだ不十分と判断されてしまう場合もあります。

一方、3年目を迎える薬剤師はある程度経験を積み、知識やスキルも身についているであろうと見込まれます。

採用する側も即戦力を求めている場合が多いため、3年目の薬剤師は比較的転職しやすいといえるでしょう。

3-2.やる気やポテンシャルを見てもらえる

3年目の薬剤師は、将来性を期待されて転職しやすいメリットがあります。

新卒で入り3年目となると、年齢的にも若い方が多く「今後の成長が見込める」「ポテンシャルがある」と判断されやすいのが特徴です。

また「新しい環境にチャレンジしたい」「経験を積んで成長したい」と、やる気を評価してもらえる場合も少なくありません。

逆に年齢や経験が上がってしまうと、ポテンシャルや今後の成長を期待しにくくなってしまいます。

そのため、やる気やポテンシャルの部分においても3年目の転職はベストのタイミングであるといえるでしょう。

3-3.異業種・未経験分野にチャレンジしやすい

3年目の薬剤師は異業種や未経験分野にチャレンジしやすい時期です。

新卒からある程度経験を積んだことで、ほかの分野に興味を持ったり、更なる成長をしたいと思ったりする薬剤師も多いのではないでしょうか。

病院、調剤薬局、製薬会社など、薬剤師の働く環境は多岐にわたります。将来を見据えて、いろいろな経験を積み、自分の方向性を探るのも良いでしょう。

3年目だと年齢的にも若く、まだまだ転職もしやすいため、チャレンジする目的で転職できるのもメリットです。

4.薬剤師が3年目で転職するデメリット

薬剤師3年目で転職するデメリットとしては、キャリア不足と判断される場合もあることです。

医療機関や調剤薬局によっては、丸3年で研修プログラムを設けている場合があります。

研修プログラムを終える前の転職となってしまうと、「経験不足」「一人立ちには厳しい」と捉えられてしまうことも少なくありません。

また、認定薬剤師の要件にも「実務経験3年以上」とあるように、3年間勤め上げることが一つの節目になります。

3年目で転職してしまうと、3年に満たなくなってしまうため、第二新卒という評価をされる可能性が出てきます。

さらに3年目の転職は、早期退職というイメージを持たれてしまう場合もあります。

退職理由によっては、「採用しても数年で辞めてしまうのではないか」「長続きしないのではないか」と捉えられてしまう可能性もあるため要注意です。

採用する側に納得してもらえるような、説得力のある理由を考えておく必要があるでしょう。

転職を考える際には、新卒入社3年未満という「第二新卒」を優先するのか、実務経験3年以上という「即戦力」というキャリアを優先するのか検討するようにしましょう。

5.転職活動を成功させるためのポイント

いざ転職活動を始めようとしても、何も考えずに動いてしまうと失敗する可能性もあります。

そこで、転職活動を成功させるためのポイントを6つ紹介していきます。

5-1.転職せずに問題解決する方法も検討してみる

転職活動を始めるときには、はじめに、転職しないで問題を解決する方法はないか考えることが大切です。

人間関係などの職場環境で悩んでいるのであれば、上司などに相談して解決できる問題なのか、転職しなければ解決できない問題なのかを具体的に整理してみましょう。

まずは、会社に在籍中に解決できる問題をしっかり認識し、できることから行動してみましょう。

5-2.転職先が決まるまでは退職しない

転職先が決まっていない状態で、退職をするのは控えましょう。

転職活動には時間と体力を使うため、仕事をしながら実施するのではなく、辞めてから次の職場を探そうと考える方も少なくありません。

しかし、自分に合った転職先が見つかるまでには一定の時間がかかります。

早々に退職し、次の職場が決まらないことに焦ってしまい、丁寧な転職活動ができなければ元も子もありません。

転職活動のための退職はせずに、今の仕事をしながら見つけていくことをおすすめします。

5-3.転職理由や目的を明確化しておく

自分が転職を決めた理由や目的を言語化できるように明確にしておきましょう。

特に面接において、転職理由は必須の質問項目です。はっきりした理由を述べられなければ、面接官に良い印象を与えられないでしょう。

また、正直過ぎる理由を述べるのもあまり好ましくありません。

「終業時間が遅い」「忙し過ぎる」など、現職場の不満だけを挙げてしまうと、転職後同じ状況になったら辞めてしまうのではないかと思われるかもしれません。

前向きな理由や新たにチャレンジしたいことを挙げるのがおすすめです。

5-4.スキルや経験の棚卸しをしておく

これまで得てきたスキルや経験などの棚卸しをしておくようにしましょう。

棚卸しとは、在庫の数と品質を確認する作業のことをいいますが、自分が持っているスキルには何があるのか、どのレベルまでこなせるのかを再確認しておくことは転職において重要です。

次の職場で活かせるスキルがあれば転職先へのアピールにもつながります。逆に自分にない経験を学べる職場に転職をするのなら「チャレンジしたい」という前向きな理由にもなるでしょう。

自分が持っているスキルや経験などをすぐに挙げられるように整理しておきましょう。

5-5.情報収集を徹底的におこなう

転職する際には、徹底的に情報収集をおこなっておきましょう。求人票や募集サイトには待遇や休日などが記載されていますが、さっと読むだけでは不十分です。

確認が不十分だと「実際に働いてみたら手取り額が少なかった」「希望通りに休みがとれない」など、転職後に後悔する場合も少なくありません。特に加入保険や福利厚生、有給休暇取得状況などは職場によってさまざまです。

掲載されている情報だけだと、内情まで深い情報を得られません。見学の際に質問をしたり、知人から話を聞いたりして、後悔のないように情報を集めましょう。

5-6.転職エージェントを活用する

転職活動を始めるときには転職エージェントを活用するとよいでしょう。初めて転職をする際には、何から始めれば良いか、どのように動けば良いかとわからないことが多々あります。

また仕事をしながら転職活動をする場合、十分に時間をかけられないため効率よく進められないことも想定されます。

転職エージェントを活用すれば、3年目の薬剤師ならではの悩みと向き合ってきたキャリアアドバイザーから適格なアドバイスが受けられ、最適な転職先を紹介してくれます。

初めての転職活動を一人で進めるのは、情報も少なく、ノウハウも分からず、難しい道のりです。転職のプロフェッショナルに相談しながら、転職活動をおこなうことをおすすめします。

6.転職エージェントを活用の際には早めの相談を

転職エージェントを活用する場合は、早めに相談するのがおすすめです。仕事を辞めてから転職先を探そうとする方もいますが、転職活動は思っているより時間がかかります。

動き出すのが遅ければ、自分の条件を満たしてくれる転職先をほかの人に先取りされてしまうかもしれません。

また、3年目の薬剤師は、転職や今後のキャリアビジョンは膨らんでいるものの、まだイメージが漠然としている方も多いと思います。

そこでマイナビ薬剤師では、薬剤師専任のキャリアアドバイザーが、今抱いている新しい職場への想いやキャリアビジョンを伺い、あなたの薬剤師人生を一緒に考えていきます。

早めに相談すれば、必要な書類作成や面接の対策、転職先の情報収集などに時間をかけられるため、万全の体制で転職活動に臨めます。

後悔しない転職をするために、理想的な職場で働くために、マイナビ薬剤師の無料登録をして転職活動を始めてみませんか。

転職の流れとポイントについて詳しくは下記をご覧ください。
>はじめて転職する薬剤師が知っておくべき転職活動の流れとポイント

7.まとめ

薬剤師3年目は、転職を考えるターニングポイントです。このタイミングで転職することで、自分の希望する働き方に一歩近づくことができます。

薬剤師としてどのようなキャリアを積んでいきたいか、どのような待遇の職場で働きたいかが見えてきている3年目だからこそ、自分なりの働き方を大事にしていきましょう。

初めての転職活動には不安がつきものです。一人で悩まず、転職活動の専門家に相談をしながら、あなたらしい薬剤師人生をつくっていきましょう。

理想に近づける新しい一歩を応援しています。

この記事の著者

メディカルライター

長崎 燿一郎

医療従事者として、病院やクリニックを中心に医療現場で約20年勤務。現在は整形外科クリニックで働く傍らwebライターとしても活動し、5年目を迎える。医療・健康分野を中心に執筆実績多数。

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