薬剤師が年収1000万円を狙うには?年収アップを目指す秘策も紹介

年収1000万円以上を稼いでいる薬剤師は少数です。実現するのは簡単ではありませんが、職種や勤務地、働き方を工夫することで、その水準に近づける可能性はあります。
本記事では、厚生労働省の調査データをもとに、薬剤師の年収分布や平均年収、年齢別の傾向について解説します。さらに、年収1000万円以上を目指せる働き方の例や、年収アップを実現するための具体的な方法についてお伝えします。
目次
1. 薬剤師の年収1000万円以上の割合は?
年収1000万円以上を実現している薬剤師は、決して多いとはいえません。
厚生労働省が公開している「薬剤師の需給動向把握事業」報告書では、全国の薬局および病院で働く薬剤師を対象に、働き方の実態を把握する目的で実施された自記式調査の結果が掲載されています。2019年1~12月の期間において、年収1000万円を超えている薬剤師の割合は、薬局薬剤師で2.3%、病院薬剤師では0.6%でした。
また、薬局薬剤師では500~600万円、病院薬剤師では400~500万円がボリュームゾーンとなっており、年収1000万円は分布の上位に位置する水準であることが分かります。
| 年収帯 | 薬局薬剤師(割合) | 病院薬剤師(割合) |
|---|---|---|
| 200万円未満 | 12.8% | 1.7% |
| 200万円~300万円未満 | 7.3% | 3.2% |
| 300万円~400万円未満 | 9.2% | 11.7% |
| 400万円~500万円未満 | 13.9% | 29.7% |
| 500万円~600万円未満 | 21.6% | 25.7% |
| 600万円~700万円未満 | 17.9% | 11.1% |
| 700万円~1,000万円未満 | 14.8% | 16.3% |
| 1,000万円以上 | 2.3% | 0.6% |
参考:「薬剤師の需給動向把握事業」報告書 令和3年3月31日|厚生労働省
2. 薬剤師の平均年収は?
平均年収は、薬剤師の年収水準を測る目安となる指標の一つです。「薬剤師の需給動向把握事業」報告書によると、薬局薬剤師の平均年収は488万円、病院薬剤師は512万円でした。
参考:「薬剤師の需給動向把握事業」報告書 令和3年3月31日|厚生労働省
薬局薬剤師の平均年収がやや低い背景としては、年収200万円未満の薬剤師が比較的多いことが挙げられます。この層にはパートタイマーなどの非常勤薬剤師が含まれており、勤務形態の違いが平均年収に影響していることが考えられるでしょう。
さらに、年収水準は年齢によっても異なります。厚生労働省が発表した令和6年賃金構造基本統計調査によると、企業規模計(従業員10人以上)における年齢別の薬剤師の平均年収は、以下の表のとおりです。
| 年齢 | 平均年収 |
|---|---|
| 20歳〜24歳 | 399.9万円 |
| 25歳〜29歳 | 501.0万円 |
| 30歳〜34歳 | 564.4万円 |
| 35歳〜39歳 | 614.1万円 |
| 40歳〜44歳 | 646.1万円 |
| 45歳〜49歳 | 667.3万円 |
| 50歳〜54歳 | 744.7万円 |
| 55歳〜59歳 | 709.3万円 |
| 60歳〜64歳 | 685.3万円 |
| 65歳〜69歳 | 559.4万円 |
| 70歳〜 | 466.0万円 |
※年収は「きまって支給する現金給与額」×12カ月+「年間賞与その他特別給与額」で算出
年齢別に見ると、20代から30代にかけて平均年収の伸び幅が比較的大きく、キャリア初期に年収水準が変化しやすいことが分かります。40代から50代前半にかけては平均年収が高い水準で推移し、その後は徐々に低下する傾向が見られます。
3. 薬剤師が年収1000万円以上を目指せる働き方の例
年収1000万円以上の薬剤師は少数ですが、職種や地域、働き方次第で実現できるかもしれません。ここからは、薬剤師が年収1000万円以上を目指せる働き方の例として「外資系の大手製薬企業・CRO(開発業務受託機関)」「人材不足の地域の管理薬剤師」「独立・開業」について解説します。ただし、これらの働き方はあくまで高い収入水準を目指せる一例であり、必ず年収1000万円以上が得られるわけではない点にご注意ください。
3-1. 外資系の大手製薬企業・CRO
薬剤師が年収1000万円以上を目指す選択肢の一つとして、外資系の大手製薬企業やCROで働くことが挙げられます。例えば、CRA(臨床開発モニター)やMR(医薬情報担当者)といった職種です。
CRAは、新薬の有効性・安全性を確認するための治験において、病院との調整やモニタリング、報告書の作成などを行う仕事です。また、MRは、医師や薬剤師などの医療従事者に対して自社医薬品の情報提供と現場からの情報収集を行い、適正使用を促進する役割を担います。
特に外資系企業では、年功序列型ではなく、個人の成果を重視する評価制度を導入している傾向があります。営業成績やプロジェクトの進捗に応じてインセンティブが支給されることもあり、成果次第では年収1000万円を超えるケースも珍しくありません。
製薬企業やCROで働くには、薬剤師としての知識に加えて、高いビジネススキルや英語力などが求められます。
参考:臨床開発モニター|職業情報提供サイトjob tag
参考:医薬情報担当者(MR)|職業情報提供サイトjob tag
3-2. 人材不足の地域の管理薬剤師
薬剤師が不足している地域では、管理薬剤師として働くことで高収入を実現できる場合があります。
厚生労働省が行った「第25回医療経済実態調査(令和7年実施)」によると、管理薬剤師の平均年収は約725万円でした。特に人材確保が困難な地域や小規模な薬局では、好条件の求人が出ることもあり、条件次第では年収1000万円を超える可能性もあります。
高年収が見込まれる一方で、管理業務を担う責任の重さや、休みを取りにくい点が負担となることがあるかもしれません。また、勤務地が地方である場合、都市部とは異なる生活環境に慣れる必要がある点も、あらかじめ理解しておきたいところです。
参考:第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告|厚生労働省
3-3. 独立・開業
より高い収入を目指す場合、薬局を開設して経営者になる方法もあります。企業に雇われて給与を得る立場から事業の利益を得る立場へと変わることで、会社員の給与体系とは異なる収入構造になります。経営が軌道に乗れば、年収1000万円以上、さらには2000万円以上を実現できる可能性もあるでしょう。
独立・開業のメリットとして、理想とする薬局づくりや自由な働き方の実現、努力次第で大幅な収入アップが望めることなどが挙げられます。ただし、制度改定による収益の不安定化に加え、人材確保や資金繰りといった課題に直面することもあるでしょう。経営者として、こうしたリスクを踏まえた判断と責任が求められます。
4. 薬剤師が年収アップを目指す方法
今すぐに年収1000万円といった大きな目標を実現できなくても、環境を変化させたり日々の業務を工夫したりすることで、少しずつ年収を高めていくことは可能です。ここからは、薬剤師が年収アップを実現するための具体的な方法を解説します。
4-1. 管理薬剤師になる
年収をアップする方法の一つが、管理薬剤師になることです。管理薬剤師は、医薬品の在庫管理やスタッフの指導など、幅広い業務を担います。業務内容が増える分、責任も大きくなりますが、その対価として役職手当が支給されるのが一般的です。
また、管理職としての経験は、キャリアアップや転職の場面で有利に働くこともあり、将来的な選択肢を広げることにもつながります。
4-2. 資格手当をもらう
会社によっては、認定薬剤師や専門薬剤師など、特定の資格を保有している薬剤師に対して、資格手当を支給する制度を設けていることがあります。こうした制度がある会社では、資格取得を目指すことで年収アップを実現できる可能性があります。
中でも、かかりつけ薬剤師の算定要件となっている研修認定薬剤師は、店舗の収益に関わることがあるため、評価されやすい認定資格です。また、資格取得にとどまらず、実務の中で知識やスキルを発揮できれば、評価が高まり昇給につながるケースもあるでしょう。
4-3. 給与交渉する
評価面談や契約更新のタイミングを活用し、給与について会社と話し合うことで、年収アップにつながることがあります。ただし「生活が苦しいため給与を上げてほしい」といった主観的な要望だけでは、雇用主の納得を得るのは難しいかもしれません。
給与交渉を進める上で重要なのは、客観的な実績を示すことです。例えば、かかりつけ薬剤師指導料の算定件数の前年比増加や、在宅業務を担当したことによる店舗の収益改善への貢献など、できるだけ数字で示せる成果を提示して、給与交渉を進めましょう。
4-4. 夜勤や休日出勤をする
職場環境によりますが、夜勤や休日出勤は収入を増やす手段として有効です。病院の当直や、24時間対応を行っている調剤薬局での夜間勤務では、労働基準法に基づいて夜勤手当などが支給されます。また、在宅医療に力を入れている薬局では、夜間や休日のオンコール対応(電話待機や緊急出動)に対して、手当が支給されるケースも珍しくありません。
ただし、夜勤や休日出勤が続くと生活リズムが不規則になりやすく、身体的な負担が大きくなる点には注意が必要です。疲労が蓄積し、本来の業務に支障が出てしまっては本末転倒となるため、無理のない範囲で取り組むことが重要でしょう。
4-5. 副業をする
本業の収入に加えて、副業によって年収を伸ばす考え方もあります。
例えば、在宅でできる仕事として注目されているのがメディカルライターです。医療情報を一般向けに分かりやすく発信する仕事で、場所や時間に縛られにくく、隙間時間を活用して取り組めます。その他、医学・薬学分野の翻訳や薬学生向けの家庭教師など、薬剤師としての専門性を生かせる仕事は少なくありません。
ただし、管理薬剤師や公務員薬剤師は、法律上、原則として副業が制限されています。また、就業規則によって副業が認められていない場合があるため、事前に確認しておくことが不可欠です。
4-6. 給与水準の高い会社に転職する
現在の職場で昇給が見込みにくい場合や、評価制度に納得がいかない場合には、給与水準の高い会社への転職を検討してみるのもよいでしょう。薬剤師の年収は、個人の能力だけでなく、業種(病院、調剤薬局、ドラッグストアなど)や企業規模、地域によって相場が異なります。
ただし、年収の高さだけで転職を決めることには、注意が必要です。年収を高く設定している背景には、残業時間が多い、転勤の頻度が高い、少人数体制で業務負担が大きいといった事情が伴うことも少なくありません。年収だけでなく、業務量や福利厚生、職場の雰囲気なども含めて総合的に判断することが、転職後のミスマッチを防ぐポイントです。
5. 年収1000万円以上は少数だが、働き方次第で実現可能
年収1000万円以上を実現している薬剤師は、薬局薬剤師で2.3%、病院薬剤師で0.6%とされており、決して多いとはいえません。しかし、外資系の大手製薬企業やCROで成果を上げる、人材不足の地域で管理薬剤師として働く、薬局を開設してオーナー薬剤師として経営に携わるなど、働き方次第で高い収入を得られる可能性はあります。
今の年収や役割を踏まえた上で、将来どのような立場や働き方を目指すのかを整理してみましょう。
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