薬剤師の年収相場まとめ|転職で年収を上げるための4つのポイント
薬剤師の仕事は、他の職業と比べて高収入を得やすいとされています。だからといって、今の年収に満足している薬剤師ばかりではありません。転職によってさらなる収入増をねらう人も多いのではないでしょうか。
今回は、薬剤師の年収相場を改めて確認し、より高い収入を得るための方法について考えてみましょう。
目次
1.薬剤師の年収相場
厚生労働省が毎年発表する「賃金構造基本統計調査」では、職種や勤務年数ごとにさまざまな業種の給与額や年間賞与額を見ることができます。データによると、2017年度の薬剤師の平均年収は約515万円。
医療現場で働く業種で平均月収額を比べてみると、医師の約96万円をトップに、薬剤師が約36万円、看護師が約33万円、理学療法士・作業療法士は約28万円、栄養士が約24万円となっています。医師には届きませんが、薬剤師の平均月収は看護師同様に高い傾向にあることがわかります。
同じく、ボーナスなど年間賞与では、平均して医師が約94万円、看護師は約83万円、薬剤師が約79万円となっています。理学療法士・作業療法士は約70万円、栄養士は約59万円で、医療現場を支える職業のなかでも医師・看護師に並び、薬剤師は高収入を得られる仕事といえるでしょう。
2.マイナビ薬剤師が300人にリサーチ!
ここでは職場ごとの相場を見てみましょう。マイナビ薬剤師が、現役の薬剤師300人にリサーチした結果、調剤薬局と病院勤務の平均年収は以下のようになりました。
調剤薬局勤務の場合 - 平均年収583.8万円(平均年齢41.6歳、フルタイム勤務の25~65歳の男女)
病院薬剤師の場合 - 平均年収521.7万円(平均年齢42.1歳、フルタイム勤務の25~65歳の男女)
薬剤師全体の平均年収と比べ、どちらもやや高い数字となっていますが、調剤薬局と病院を比較すると、大きな差が出てしまいました。
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3.年収アップのために転職を考える人は何が不満?
他の職種と比べ、比較的高収入を得られやすいとはいえ、必ずしもすべての薬剤師が現在の年収に納得しているわけではありません。
上述した年収の相場は、調査対象となった薬剤師全体の平均値であり、実際には、性別や勤続年数、職種や職場の規模などによって差があります。
では実際に、転職によって年収を上げたいと考える人は、どんな点に不満があるのでしょうか。
3-1.昇給率が悪い
初任給は高く設定されているものの、その後の昇給率が低く、長く働けば働くほど、同期との差が出てしまうことに不満が出るケースがあります。
経験も実績もある中堅の薬剤師にとって、そのスキルが収入に反映されなければ、モチベーションも下がってしまうでしょう。そのまま続けて働いても生涯年収に変化が見られず、転職を考えるかもしれません。
3-2.仕事量と収入が比例しない
仕事がハードな割に、収入が上がらないというのも不満の原因になります。
たとえば、調剤薬局で勤務している場合、年々、在宅医療やかかりつけ薬局業務などが増えているのに、以前と収入は変わらない、という人も多いようです。仕事に対する評価が収入に反映されず、不満が募ります。
3-3.役職手当が少ない
年収アップを期待して管理職を目指したのに、責任だけが重くなり、手当が少ないというケースもあります。
現在の職場でステップアップし、管理薬剤師や店長などになったとしても、思ったほど収入に結びつかないのであれば、転職を考えることになるかもしれません。
4.転職でより高い年収を手に入れるためにやっておきたいこと
さまざまな不満が引き金となり、さらなる年収アップを目指して転職を考えたとしても、希望に合った転職先に採用されるとは限りません。また、年収アップだけを目的に転職しても、結果として年収と仕事のバランスが取れず、のちのち後悔する可能性もあります。
まずは、自分が転職によって、どんな環境を得たいのかを分析するとともに、より良い転職先に求められるよう自身のスキルを見直してみましょう。
4-1.経験とスキルを身につける
転職の多くが中途採用であり、即戦力が求められます。さらに、高い年収を期待するのであれば、転職先に見合ったスキルは欠かせません。
20代で転職を考える場合、経験の不足から年収に反映されづらい可能性があり、早い段階での転職を考えるのであれば、何かしらの強みを持っておく必要があるでしょう。
基本となる調剤スキルはもちろんのこと、在宅医療の経験を積んだり、マネジメント力を身につけたりして、評価される存在となれるようスキルアップを行いましょう。
転職エージェントや医薬品メーカーが主催するセミナーや研修会に参加するのもおすすめです。
4-2.資格を取る
近年、医療現場では、特定の病気に対する専門的な知識が求められています。薬剤師においても、専門的な知識を身につけた認定・専門薬剤師資格は採用にも有利になりやすく、収入アップにもつながります。
たとえば、がん専門薬剤師や感染制御専門薬剤師などの資格は、チーム医療への貢献ができるとともに、勤務先の病院では診療報酬での点数加算にもつながります。勤務先の利益に直結するものであり、収入面においても評価されやすい傾向にあります。
資格取得にはさまざまな条件があり、研修を受ける時間も考慮して、早めに取り組んでおくとよいでしょう。
4-3.コミュニケーション能力を磨く
どんな職場であっても、共通して求められているのがコミュニケーション能力です。患者さんとのやり取りをする際はもちろんのこと、同僚、上司、医師、看護師など、医療現場における人間関係を良好に保てる人材は好感度が高くなります。
また、コミュニケーション能力が高い薬剤師であれば、チーム医療などにも関わりやすく、収入増とともにキャリアアップにも役立つことでしょう。日ごろからコミュニケーション能力を磨けるよう意識しておきましょう。
4-4.新しい知識を身につける
現在のスキルや経験に加えて、転職先で役立つ+αの知識を学ぶのもおすすめです。病院勤務であれば、担当する診療科以外にも手を広げ、幅広く対応できるよう知識を蓄えておくのもよいでしょう。
また、医師の講演会や薬剤師会が主催するセミナーなどに参加し、医療に関する幅広い知識を習得するのも一つの手です。加えて、普段は取り扱わないようなさまざまな医薬品に関する情報を集めたり、最新の医療に触れる機会を作ったりして、自分自身の専門性を高めましょう。
また、マネジメントスキルとして、ITや財務関連について学んでおくと、キャリアアップの可能性も開けます。現状に甘えず、より高度な知識を身につけて、収入アップを目指しましょう。
5.年収アップに欠かせない「薬剤師としての基本+α」
収入アップを目的とした転職を考えるなら、まずは現在の職場環境、自分のスキルなどを分析し、現職において経験を磨くことから始めてみましょう。身についたスキルや能力を生かすのはもちろんのこと、+αの強みを持つことで、収入増が期待できます。
転職の準備が整えば、最終的に給与交渉が必要になることもあるでしょう。高い専門性があれば、自信を持って交渉できる根拠となり、結果的に、希望に近い条件を得られる可能性が高くなります。
面接中に給与の話は切り出しにくいと思う人なら、転職エージェントの利用がおすすめです。「マイナビ薬剤師」なら、面接同行のサポートもあり、その場での給与交渉もスムーズです。
転職での年収アップ成功を目指して、できるところから取り組んでいきましょう。
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