登録販売者は独学で合格できる?勉強のコツや気をつけるべきポイント

登録販売者は独学で合格できる?勉強のコツや気をつけるべきポイント

薬剤師不足や医薬品の販売方法の多角化により、医薬品販売のスペシャリストである登録販売者に注目が集まっています。

昨今の登録販売者試験の受験者数の推移をみると、2017年度は6万1126人(前年対比14%増)、2018年度は6万5500人(前年対比7%増)、2019年は6万5288人(前年対比-0.3%)であり、増加傾向にあることがわかります。
つぎに登録販売者試験の合格率をみると、2019年度で43.4%と約5人に2人が合格しています。しかしこれは言い換えれば、5人のうち3人は不合格ということです。

その命運を分けるのは、「勉強法にある」と言っても過言ではないでしょう。

参照元:厚生労働省HP《これまでの登録販売者試験実施状況》

1.独学で合格は可能?

登録販売者試験の受験は、「実務経験の縛り」や「年齢制限」がありません。どなたでも受験が可能です。そこで気になるポイントは、独学でも合格可能か?ということです。

1.1. しっかりと対策をすれば合格は可能

結論から言うと、独学でも合格は可能です。実際に独学で勉強し、合格されている方は多くいます。
登録販売者の試験内容は、厚生労働省の「試験問題の作成に関する手引き」という文書の中から出題されることになっているため、試験範囲が厳密に決まっています。
そのため、それに対応したテキストなどをしっかりやりこめば、合格することが可能です。ただし独学でやるからには、肝となるポイントを押さえつつ勉強する必要があります。

1.2. 計算式は一切なし!内容は暗記が中心

薬や人体に関することなので、理系でないと難しいのではないか?というと、そうではありません。薬の名前や内臓の名称などは覚えなければなりませんが、計算式や化学式などを書いて解くいわゆる「理系の問題」は一切出てきません。登録販売者の試験勉強はとにかく「暗記」が中心となります。

そのため、理系で専門的なことを学んでいなくても、合格することは十分可能です。
転職時のメリットについて気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

登録販売者に有利な転職先と、資格のメリット・デメリットを詳しく紹介しています。

2. 独学で勉強するメリット

登録販売者試験の勉強を独学で行おうと考えている方に独学のメリットをご紹介します。

2.1. メリット1. コストが抑えられる

独学で勉強する最大のメリットは、「コストが抑えられる」ということです。登録販売者の試験対策講座の相場は約4万円ですが、自分でテキストや過去問題集を購入する場合、1冊約2,000円程度と費用を大幅に安く抑えることができ、経済的です。

テキストや問題集にも費用をかけたくないという方には、登録販売者試験対策の無料サイトや、スマホの無料アプリもありますのでそれを活用してもよいでしょう。

2.2. メリット2. 自分のペースで学習ができる

独学であれば、まとまった時間が取れなくても、仕事や家事の合間などスキマ時間を有効に活用して自分のペースで焦らずに学習することが可能です。
また、10分や15分と限られた短い時間で学習することで、より集中力が上がり、記憶に残りやすいという効果も得られます。

2.3. メリット3. 自分で教材を選ぶことができる

教材や参考書には、「読みもの」形式のものや「チャート式」、「正誤問題集」などさまざまなタイプがあり、人によっても好みの違いや得意不得意があるものです。独学なら、自分が取り組みやすいタイプの教材を自由に選ぶことができます。書店へ行って実物を手に取り、好みの教材が見つかれば学習効率もアップします。

3. 独学で勉強するデメリット

独学で勉強するとなると、それなりにデメリットもあります。どんなデメリットがあるか、あらかじめ知っておきましょう。

3.1. デメリット1. テキストや問題集選びが困難

登録販売者試験のテキストは数多く出版されているため、自分に適したテキストや過去問題集はどれなのか、選ぶのに迷うと思います。
書店で実際に中身を確認してみたり、ネットでの購入を検討しているのであれば、詳しいレビューを参考にしたりと慎重に選ぶようにしましょう。

3.2. デメリット3. スケジュールの自己管理

独学の場合、試験当日までの学習スケジュールを自分で立て、管理することが必要となります。たとえば受験日から逆算して、「この日までにこの項目を終了させよう」「1日に○○分勉強すればこの日までに終わる」といった計画を自分で組まなければなりません。

突然の予定でスケジュールを組み立て直さないといけなくなったり、スケジュールを立てるのが苦手な方にとっては負担となる場合もあります。

3.3. デメリット3. 疑問点の自己解決

テキストで勉強を進めていると、どうしても分からない問題に直面することがあります。独学だと、調べれば調べるほど更に分からない事が増えていくなど、疑問を解消するのに時間がかかります。

ただし、登録販売者試験の勉強は「暗記が中心」なので、分かりやすく説明されたテキストを選べば比較的安心です。

4. 独学で勉強する際に気をつけるポイント

ここから、独学の際に気をつけるべきポイントをご紹介します。これを知っておくだけで効率よく勉強ができ、学習スケジュールの作成にも役立ちます。

4.1. 最新版のテキストを活用する

登録販売者試験は、厚生労働省による「試験問題作成に関する手引き」から作成、出題されます。
「試験問題作成に関する手引き」の内容は、1年に一度、3月~4月ごろに一部の改訂が行われる場合があるため、できるだけ最新版のテキストを使用すると良いでしょう。
なお、「試験問題作成に関する手引き」の改訂の有無は、厚生労働省のホームページで確認することができます。2019年(平成31年度、令和元年)、2020年(令和2年)は改訂がありませんでしたので、この場合「2018年度(平成30年度)改訂に対応」と記載しているテキストが最新版です。(2021年3月現在)

4.2. 優先すべき項目を見定める

登録販売者の試験項目は、「医薬品に共通する特性と基本的な知識」「人体の働きと医薬品」「主な医薬品とその作用」「薬事関係法規・制度」「医薬品の適正使用・安全対策」の5つです。

この5つの項目のなかで優先すべきは「主な医薬品とその作用」です。試験での出題数が40問と、全体の3分の1を占めており、合格のカギを握る項目だからです。

この項目では、ひたすら薬の名前や作用についての問題がでてきます。普段、見聞きしない薬の名前やカタカナ羅列を短期間で覚えるのは至難の業。最優先で覚えることが重要です。

次に優先すべき項目は「人体の働きと医薬品」と「薬事関係法規・制度」です。こちらも並行して進めていきましょう。ただ、どの項目も細かい部分まで問われるので、いかに丁寧に暗記できるかにかかっています。

4.3. 「足切り」に注意しよう

登録販売者の試験では、全体で70%以上の「合格点」を取れていても、各項目で一定の点数を取れないとその時点で不合格になる「足切り」が設けられています。
「足切り」の基準は各項目35~40%程度ですが、各都道府県によって異なり、試験実施後に発表となっています。そのため、1項目も手を抜かずに、満遍なく勉強することが必要です。

4.4. 一つのテキストをやりきる

どのテキストも厚生労働省の「試験問題作成に関する手引き」を元に作成されているので、どれを選んでも内容は変わりません。
テキストを見比べ自分が分かりやすいと思ったものを選んだら、それを最後までやりきるのが一番です。

4.5. 自己管理を徹底する

独学の場合、学習スケジュールは全て自分自身が徹底管理することになります。ライフスタイルを考慮しながら、無理のないスケジュールを立てましょう。

試験日が決まったら、大まかに1週間でどこまで進めるか、1カ月でどこまで完了するのかなど、目標を掲げて進めていきましょう。

試験日が近づいてきたら、過去問題集を解いて時間配分を確認したり、苦手な項目の最終チェックを行うなど余裕を持ったスケジュールを組み立てられるといいでしょう。

5.段階別勉強方法

これから紹介するのは、登録販売者試験の勉強を効率よく進めるための「段階別勉強方法」です。地道ではありますが、着実にレベルアップができます。

第一段階:全体のスケジュールを立てる

試験勉強を始めるにあたって、まず大切なことは試験当日までの全体的なスケジュールを明確にしておくことです。“試験当日まであと何ヵ月あるか”、“普段の1日の生活のなかで、勉強にあてることができる時間はどのぐらいあるか”、を一度見直し、そこから全体のスケジュールを立てることがとても大切です。
この作業がしっかりできていれば、たとえば “仕事が忙しい平日は、こつこつと暗記問題を中心に学習し、まとまった時間が取れる休日には、集中して演習問題や過去問題集に取り組む” など具体的な学習計画の組み立てにも役立ちます。また、試験当日まで3ヵ月、2ヵ月、1ヵ月などの時期ごとの目標を設定し、それにむけて取り組むことで、無理なくレベルアップすることができます。受験直前になって焦らないように、しっかりと計画を立てておきましょう。

第二段階:まずはテキストに目を通す

まずテキストに目を通しましょう。このとき重要なのは「ノートに書き写さない」ということです。
書いてまとめるにはテキストの分量や情報が多すぎるため、非効率的だからです。テキストの重要なところにマーカーを引き、補足を書き込むだけにとどめましょう。

第三段階:暗記をしつつ、過去問題集を確認する

暗記がある程度できたら、過去問題集を解いてみましょう。間違ったもの、分からなかったものはテキストで確認するようにしてください。

「間違った問題に印をつけ、解いた日付を記入」「過去問題集にテキストの対応するページを記入」などの工夫を加えておくと、後で見直しするときに役に立ちます。苦手な分野の洗い出しができ、受験直前に取り組むべき問題の指標になります。

第四段階:これまでの復習、反復確認

最後に、今までの復習、反復がレベルアップに重要となってきます。テキストをある程度読んだあとに、読んだところの過去問題集を解き、採点を行い見直して暗記をする、そしてまた過去問題集を解き直す。

この繰り返しを行うことで確実に力がつき、自然と知識が深められるはずです。過去問題集を解いて間違えた問題は、必ずテキストで復習することが合格への近道です。
また、意外に見落としがちなのですが、過去問題集に取り組むときは、その内容が最新かどうかを確認しなくてはなりません。特に、薬機法などの法律関連の項目の一部は、毎年3~4月に改訂されることがあるため注意が必要です。厚生労働省扱う最新の「試験問題作成に関する手引き」に目を通し、今年はどの項目が更新されたのかを必ずチェックするようにしましょう。

6. 勉強時間の目安

登録販売者の試験に合格するために必要な勉強時間の目安はどのぐらいでしょうか?
1日に必要な勉強時間は、当然合格を目指す期間によっても大きく変わってきます。合格者は1日あたりどのぐらいの時間、勉強に取り組んでいるのか、勉強期間ごとの目安をみていきましょう。

6.1. 1ヵ月の場合

登録販売者の試験に合格するためには、成分名などをはじめとする大量の「暗記」が求められます。試験まで3ヵ月以上かけて勉強に取り組むのが一般的ですが、それを1ヵ月でこなそうとすると、1日あたりかなりの時間を勉強にあてる覚悟が必要です。
しっかり集中して毎日4時間以上勉強に取り組み、その上、合間時間や移動時間などでの暗記をトータル2時間以上積み重ねることを基本とし、さらに休日には、ほぼすべての自由時間を勉強に費やす必要があります。
とはいえ、大量の暗記は一気に詰め込んだからと言って、一度で憶えられるわけではありません。1ヵ月という短い期間では、トータルの勉強時間がどうしても不足してしまいます。絶対に不可能というわけではありませんが、よっぽど暗記が得意で、かつ効率よく学習ができる人でなければ合格するのは難しいでしょう。

6.2. 3ヵ月の場合

まずテキストに目を通しましょう。このとき重要なのは「ノートに書き写さない」ということです。
書いてまとめるにはテキストの分量や情報が多すぎるため、非効率的だからです。テキストの重要なところにマーカーを引き、補足を書き込むだけにとどめましょう。

6.3. 6~12ヵ月の場合

試験まで6~12ヵ月ある場合は、1日あたり2~4時間の勉強時間が目安です。ただし、勉強期間が長いからといって油断するのは禁物で、取り組む時間を決めて、毎日欠かさず継続することが大切です。
また、試験までの期間が長すぎると、モチベーションが維持できずに学習効率が低下したり、始めの頃に憶えたものを忘れてしまったりすることも起こり得ます。試験までの期間が長い場合は、しっかりとした計画を持って取り組むことが成功のカギになります。

7.例年の試験内容について

登録販売者試験は、厚生労働省によって出題範囲や出題数が規定されていますが、試験内容は各都道府県で作成しているため地域ごとに異なります。

7.1. 例年の試験日

各都道府県によって異なりますが、試験は毎年8月下旬から12月中旬頃に行われます。通常であれば、日程は例年大きな変化はありませんが、新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、試験が延期または中止する場合も考えられます。また、受験に際して、自治体によっては人の移動に伴う感染拡大防止を理由に、自治体内に居住または勤務・通学している人以外の申請を受け付けていないところもあります。最新の実施状況については、各都道府県の公式ホームページなどで確認しておく必要があります。

7.2.試験項目

試験項目は大きく分けて以下の5つです。合計120問、240分の試験です。

  • 医薬品に共通する特性と基本的な知識:20問(40分)
  • 人体の働きと医薬品:20問(40分)
  • 主な医薬品とその作用:40問(80分)
  • 薬事関連法規・制度:20問(40分)
  • 医薬品の適正使用・安全対策:20問(40分)

7.3.合格ライン

登録販売者試験の合格ラインは全体の正答率が70%程度です。全部で問題数は120問(1問1点)ありますので、84点程度で合格となります。
しかし、前の項目でも説明した「足切り」の基準点に満たない場合は不合格になるので注意が必要です。
全体で70%、且つ各項目で35%~40%以上の正解率で合格となります。この合格基準は都道府県全て共通となっているので、ひとつの項目だけでなく、満遍なく勉強をすることが重要です。

参照元:《厚生労働省HP》登録販売者試験実施要項

資格試験に合格したら、いよいよ転職先を探すことになります。
下記の記事で時期も見据えつつ転職成功までの活動計画を立ててみましょう。
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8. まとめ

登録販売者の試験日は、自治体ごとに決められており、年1回のチャンスです。一度で試験に合格するためには自身の居住地の試験日をあらかじめ確認し、そこから逆算して計画を立てることが大切です。
特に独学で合格を狙うのであれば、いかに計画性をもって勉強を進めるかが命運を分けるといってもよいでしょう。試験の出題範囲は広く、たくさん暗記しなければならないことがあるため、最低でも2~3ヵ月の勉強期間を確保し、毎日無理なく勉強できるような計画を立てるようにしましょう。

この記事の監修

‌医‌学‌博‌士・医‌学‌研‌究‌者

榎‌本‌ 蒼‌子

最終学歴は京都府立医科大学大学院医学研究科博士課程卒業。
2011~2015年 京都府立医科大学にて助教を勤め、医学研究および医学教育に従事。

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