登録販売者の仕事はつらい?仕事を辞めたいときに考える転職のポイント

登録販売者の仕事はつらい?仕事を辞めたいときに考える転職のポイント

せっかく登録販売者になったのに、「仕事がつらい…」「もう辞めたい…」と感じてしまう人は少なくありません。なぜこのような状態に陥ってしまうのでしょうか?

登録販売者の仕事で不満にあがりやすいのは、「やりがい」「勤務時間・給与」「重労働」「キャリアへの不安」「ノルマ」などがあります。しかし実は、これらの要因は勤める職場によって大きく変わってくるものです。そのため、こうしたつらさは転職して職場を変えれば解消できる可能性があります。

登録販売者は比較的需要が高く、転職しやすいといわれています。ここでは、登録販売者の仕事がつらいと感じている人に向けて、つらいときの考え方や転職を決断する目安、転職を成功させるためのコツをご紹介します。

<訂正:2023年10月>
本記事において、登録販売者を国家資格とする表記がございました。お詫びして訂正いたします。



1. 登録販売者を辞めたい?それとも今の業務内容が不満?

登録販売者の仕事がつらいと感じるとき、その理由は一体どこにあるでしょうか?
理由にはいくつかのパターンが考えられますが、「登録販売者の職務自体が嫌」もしくは「今の業務内容・職場環境などが嫌」に大別できます。あなたはどちらなのか、今一度考えてみましょう。

登録販売者の仕事は多岐にわたりますが、本質的な職務は「医薬品について勉強する」「患者さんの相談に乗る」「適切な薬をアドバイスし、販売する」といった、医薬品の販売業務です。こうした職務について、自分自身が楽しいと感じるタイミングを、思い返してみてください。

例えば、お客さんから「おすすめの薬を使ったらよく効いた」と感謝されたり、新しい医薬品を上手く陳列できた、勉強会に出席して新しい知識を得た…など、日々の業務や日常の中で仕事にやりがいを感じるタイミングもあるはずです。仕事の中で、何が楽しくて何がつらいのかを冷静に思い返すことは、自分の仕事に関する価値観を整理するにあたってとても大切です。

もし、「医薬品の販売業務そのものは楽しいけれど、それ以外のことがつらい」のであれば、転職して職場環境が変われば、登録販売者としてストレスなく仕事をこなせるかもしれません。
また、「販売業務の一部は苦手だけど、楽しめる部分もある」という場合も、苦手な部分がない、あるいは少ない職場を探すことが可能です。

一方で、登録販売者の職務そのものが嫌になってしまった場合、別の業界や職種で働くという選択になるでしょう。
しかし、あなたにはもともと登録販売者を目指した理由があり、今もやりがいを感じる部分は多少なりとも残っているのではないでしょうか。そうであれば、その部分を活かしつつ、これまでの経験を活かして働ける新たな職場を見つけることも十分に可能です。

2. 登録販売者を辞めたい5つの理由

ここでは、登録販売者を辞めたい理由の中でも特に多く挙げられるものについて、その原因と共に説明します。

理由その1.資格を活かした業務ができない

登録販売者になるために、せっかく医薬品の知識や法律について学んだのに、それを活かした業務が少ない…となると、登録販売者の仕事をしている意味がない、やりがいがないと感じられるかもしれません。

例えば、ドラッグストアでは多くの商品を扱い、次々とお客さんが来るので、品出しやレジ打ちばかりになり、医薬品の販売になかなか携われないケースも。医薬品の担当を任せてもらえるかどうかは店舗によるところが大きいようです。

逆に、スーパーや量販店のドラッグコーナーで働いている人は、店舗によってはお客さんが少なく時間を持て余してしまうかもしれません。また、門前薬局などだと、いつも同じ薬を扱うばかりでマンネリ化してしまう、という悩みが出ることもあります。

理由その2.給与や勤務時間への不満

ドラッグストアやコンビニエンスストア併設型の店舗などは、年中無休で開いているところも多いため、そこで働く登録販売者も勤務時間が長くなりやすく、土日祝の休みや長期休暇も取りづらくなりがちです。

そのため、その大変さに見合うほどの給与を貰えていないと感じる人も少なくありません。登録販売者の給与は決して悪くなく、パートやアルバイトでも時給あたり数十円~程度の資格手当がつくことが多いですが、ワークライフバランスが取れていないと労力に比べて「割に合わない」と感じやすくなり、離職率も高くなりやすい傾向にあります。そうなってしまうと、残った人はさらにシフトがきつくなる悪循環に陥ることも。
勤務時間については、職場による差が極めて大きく、例えば門前薬局では、病院が土日祝休みならそれに合わせて土日祝は休みという店舗もあります。

理由その3.肉体労働が多い

ドラッグストアやドラッグコーナーでは、品出しなどの肉体労働が多く存在しています。特に大きい店舗ほど、バックヤードに多くのコンテナや段ボールが届き、ひたすら品出しをする作業が続くことになります。
さらに売り場をつくったり、立ちっぱなしでレジ打ちをしたりと、とにかく体力勝負の面が強くなります。

そのうえ登録販売者が足りない店舗では、開店から閉店まで通しで仕事をすることもあり、これらの要因があいまって、重労働がしんどく耐えられない…と思い、辞めることを意識し始める方も多くいます。

理由その4.明確なキャリアプランを描きづらい

登録販売者は、研修や勉強会などで知識を増やすことで専門性を高めていくほか、実務経験を積んで医薬品の発注業務やスタッフのマネジメントなどへと裁量を広げていくこともできます。

しかしキャリアプランの面からみると、多くのドラッグストアやドラッグコーナーではその店舗の店長が最終的なポジションとなり、その先のステージが見えないことが気になる人もいるかもしれません。それ以上のステップアップが望めないため、モチベーションの維持や給与への期待といった面で厳しくなってくるのです。

一方、大手グループ企業であれば、本部に移動してバイヤーになったり、さらに売り上げの多い店舗の店長に異動したりと、多様なキャリアプランを描くことができる可能性もあります。

理由その5.ノルマがある

調剤薬局、ドラッグストアなどの業態にかかわらず、医薬品などの販売ノルマが指定される場合は多々あります。
こうしたノルマは、粗利率の高さやキャンペーンなどをもとに決められるものですが、その達成に対してどの程度プレッシャーをかけられるかは、企業や店舗によってかなり異なるようです。

このような実態はあまり表に出てこないため、他の店舗と比較するのは難しいかもしれません。しかし、あまりに強硬な手段で売るように求められる場合は転職も一つの選択肢に入れるべきかもしれません。

3.退職を検討する前に知っておくべきポイント

登録販売者が「今の職場は辞めたい」「新しい仕事を探そう!」となったときに気を付けてほしいのは、今と同じ業界・業態のみに絞って考えないことです。
今の職場でつらいと感じているポイントを解消できる可能性が高いのはどんな仕事なのか、一度視野を広く持って考えてみましょう。

3.1. 医薬品販売の売り場による違いを知る

今まで医薬品の販売業務をしてきた方の場合、次の職場も同じように販売業務がメインの場所を選ぶことが多いと思います。
しかし、医薬品の販売業務がメインの職場にもさまざまあり、業態や店舗により業務内容や忙しさは大きく異なります。
ドラッグストアは業務内容が多彩で、さまざまなお客さんと交流できますが、品出しなどの肉体労働が多く、営業時間も長いため勤務時間が長くなる傾向にあります。

一方、大型スーパーや家電量販店、ホームセンターなどの一角に設けられたドラッグコーナーは、売り場面積が比較的小さく、ドラッグストアに比べると品出しなどの肉体労働は少ないでしょう。

また、クレーム対応や返品処理なども、比較的少ない傾向があります。少人数で回している店舗が多く、一人勤務が多い店舗もあることが特徴です。

薬局では、薬局事務もしつつ、OTCの購入希望者を対応することになります。近くにある病院の専門科などによって、取り扱う品目が大きく変わってきます。

3.2. 医薬品販売(接客)以外で経験や知識を活かす

「患者さんに薬を販売する」以外の仕事に転職したい場合、登録販売者の資格は必要ないのでは?と思っていませんか。実は、医薬品販売以外にも、登録販売者としての経験や知識を活かせる仕事はあります。
例えば、製薬会社などの営業職は、自社の製品について病院や店舗で説明する必要があるため、基礎知識のある登録販売者は歓迎されます。近年はインターネットで一般用医薬品や化粧品を販売する会社が増えており、そのオペレーターとしての需要も高まりつつあります。
また、介護施設や訪問介護などの介護業界やエステサロンなどの美容業界でも、利用者の方やお客さんから質問を受けた場合、登録販売者の知識や、これまで医薬品の説明をしてきた経験を活かすことができるでしょう。

ドラッグストアや薬局などで勤めている人にとっては、登録販売者にこうした業界からの需要があることは盲点かもしれません。

このように、登録販売者として活躍できる職場は思った以上に幅広いと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのがこちらの関連記事です。
上記で紹介した職場以外にも、登録販売者が活躍できる就業先例をいくつか紹介しています。

「今の職場環境が辛く感じてしまうけれど、せっかくの資格を活かさないのはもったいない」
そう感じている方も、活躍の可能性を広げるチャンスを見つけられるかもしれません。

4. 登録販売者の転職を考えたら転職エージェントを活用すべき?

登録販売者の転職を決断したら、まずは近隣のドラッグストアや薬局などへ視察に出かけたり、求人情報サイトを検索してみたりする人が多いことでしょう。しかし最近は、転職エージェントを活用している人も増えているようです。

4.1. 転職すべきかどうか客観的にアドバイスをもらえる

「転職したい!」と考えたものの、本当にそれが最良なのか、もう少し今の職場で我慢すべきなのか…と迷いますよね。そんなときは、まずは転職エージェントに登録し、面談してみるのがおすすめです。
同僚には早々相談できないし、家族はあなたを客観的に見ることがなかなか難しいもの。その点、転職エージェントなら、あなたのキャリアや転職市場の状況を総合的に見たうえで、心強いアドバイスをしてくれます。

4.2. 希望にかなう求人を紹介してもらえる

ハローワークや一般の求人情報サイトでは、あなたが自分で検索をして求人を探し、連絡をとらなければなりません。
一方、転職エージェントでは求人の検索はもちろん、非公開求人の紹介や面接日の調整なども代わりに行ってくれるので、忙しくてもスムーズに転職活動を進めることができます。

さらに、年収などの条件交渉や内定の辞退・承諾の連絡など、自分から直接伝えにくいことも転職エージェントが行ってくれるので、自分の希望を追い求めやすくなります。

また、時期によって求人の募集状況も変動するため、転職のタイミング等も非常に重要になってきます。
転職エージェントに登録すれば、業界に精通したプロのアドバイザーに相談できるので安心です。

登録販売者の転職時期や最適なタイミングについての関連記事はこちら。

4.3. マイナビ薬剤師のキャリアアドバイザーにまずは相談

転職エージェントを利用する場合、まずはあなたの職務経歴などの情報を登録し、それから面談をして希望を聞いてもらうという流れになります。利用は無料で、面談をしたからといって強引に転職させられる…ということはありません。まずは相談してみるのがよいでしょう。

転職エージェントのサービスは複数社から提供されていますが、登録販売者の転職活動では、薬剤師の転職支援に実績のあるエージェントを選びましょう。
キャリアアドバイザーは実際にさまざまな調剤薬局やドラッグストア、製薬企業などに足を運んで密接なつながりを持っています。また、キャリアアドバイザーは利用者と直接会って話をしたうえで、要望を踏まえた最適な企業を紹介してくれます。

この記事の監修

ライター

青柳 加奈子

出版社勤務を経て、医学ニュース通信社に所属。編集・執筆の実務経験11年。
医学、医薬を専門としており、特にがんや生活習慣病などの領域が得意。

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