登録販売者の資格は意味がない?必要性やメリットを考察

登録販売者の資格は意味がない?必要性やメリットを考察

登録販売者は、薬局やドラッグストアなどで、一般用医薬品の販売等を担当することができる資格ですが、資格を取得する意味がないという意見もあるようです。どうして登録販売者の資格は意味がないと言われてしまうのでしょうか。
ここではより詳しく登録販売者資格の活かし方を知ることで、本当に意味がないのかという疑問を解消すると共に、登録販売者の必要性やメリットについて詳しく解説します。

1. 登録販売者の資格とは

登録販売者とは医薬品医療機器等法に基づいた資格です。登録販売者になるには、都道府県が実施する試験に合格し、登録をする必要があります。
厚生労働省の「令和2年度登録販売者試験実施状況」によりますと、令和2年度は52,959人が登録販売者試験を受験し、21,953人が合格しました。合格率は41.5%と、例年合格率40%前後の試験です。

登録販売者の主な仕事は医薬品の販売ですが、すべての医薬品を販売できるわけではありません。一般用医薬品のうち第2類医薬品(指定第2類医薬品を含む)及び第3類医薬品に限り、販売等が認められています。

といっても第1類医薬品の商品数は約120程度。第2類医薬品の商品数は約8,610、第3類医薬品の商品数は約2,594と、第1類医薬品はその他に比べて非常に少ないことが分かります。
このことから登録販売者は薬局やドラッグストアに並んでいるほとんどの医薬品の販売が可能だと言えるでしょう。(平成22年5月12日時点)

参照元:厚生労働省/一般用医薬品のリスク区分

登録販売者の資格取得や主な就職先などについては、こちらをご覧ください。

2.登録販売者の資格は意味がない?そう思われる理由とは

登録販売者の資格は、なぜ意味がないと思われているのでしょうか。その原因についてご紹介します。

2-1.薬の販売以外の業務もこなす必要がある

登録販売者の主な仕事は薬の販売であり、医薬品を購入するために薬局やドラッグストアを訪れたお客様に対して、効果や副作用に関して説明するカウンセリング業務をおこないます。
多くの人の健康や薬の相談に乗り、感謝されることも多いので人の役に立っていると実感できる仕事だと言えるでしょう。

ただ、お客様が多く来店する忙しい職場では、薬のカウンセリング販売以外の業務もこなす必要があります。品出しやレジ打ちに追われて医薬品の効果や副作用などを説明するカウンセリング販売業務に携われないこともあり、せっかく登録販売者の資格を取得したのに専門的な仕事ができない状況だと、やりがいがないと感じる方もいるでしょう。

2-2.薬剤師と比べられてしまう

薬剤師は処方箋に基づき調剤を行うことができ、第1類医薬品も販売が可能です。
一方、登録販売者は調剤業務が行えず、第2類医薬品・第3類医薬品のみ販売ができます。このように、登録販売者は行える業務の内容に制限があるため、同じ薬局やドラッグストアで勤務する薬剤師と比較されてしまうことがあります。

2-3.キャリアアップにつながらなかった

登録販売者の資格は意味がないと言われてしまう原因の一つに、キャリアアップにつながらなかったというものがあります。薬局やドラッグストアで働いている無資格のスタッフが、業務内容の拡大を目的として登録販売者の資格を取得したが役職や待遇に変化が起きなかった場合です。
人材が不足していない店舗であれば資格を取得しても、登録販売者としての業務が求められないこともありますので、職場の状況を鑑みて資格所得を検討するのが懸命でしょう。

3.登録販売者の資格が必要な理由

ここでは登録販売者の資格が求められる社会的な背景について紹介します。

3-1.健康情報の正しいアドバイザーとして

登録販売者がいれば、薬局やドラッグストアに薬剤師が不在でも一部の医薬品を販売することが可能です。
インターネットなどでさまざまな健康情報が提供されている昨今、登録販売者が消費者の相談に乗り、正しい情報を適切に提供することは医薬品の適正使用において重要です。
登録販売者の仕事は情報社会である今、非常に重要な役割を持っていると言えます。

3-2.セルフメディケーションをサポート

2017年に導入されたセルフメディケーション税制は、「自身の健康の維持増進、疾病の予防への取り組みを一層強化=セルフメディケーション」を推進するものです。

具体的には、一般医薬品の購入費が医療費控除の特例として認められます。これにより、薬局やドラッグストアで医薬品を買い求める人は多くなることが予想され、店頭でのカウンセリング需要も高まると言えるでしょう。そうした背景の中で、登録販売者の資格はより一層必要性が増し「頼れるアドバイザー」として活躍の場が広がります。

3-3.地域包括ケアシステムにより、店頭でのカウンセリング販売強化に期待される

日本は後期高齢化社会が進み、国は医療の場を施設や病院から地域へと、自治体を中心としたケアシステムの構築を急いでいます。

地域包括ケアシステムでは薬局や薬剤師は「かかりつけ」としての健康相談や医薬品の説明を求められる場面が多くなることで、登録販売者は店頭で一般医薬品のカウンセリング販売を担う場面が増えることが予想されます。

4.登録販売者の資格を取得するメリット

ここでは登録販売者の資格を取得することでどのようなメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。

4-1.転職する際に有利に働くことも

登録販売者の資格があると転職の際に有利に働くこともあります。登録販売者の資格を取得していると、薬局、ドラッグストア、大型スーパーマーケット、など全国どこでも一般医薬品販売のプロとして重宝されます。

または製薬会社、医薬品業界や医療、介護業界などでも、資格がない方と比べると、一般的な医薬品の特性や人体の働きを理解しているため、活躍が期待されます。

そうしたことを企業側もよく理解していますので、資格があれば、30代、40代など転職が難しいとされる年齢でも正社員への道が開かれたりするなど、転職へ有利に働くことがメリットといえるでしょう。

4-2.資格手当など給与のアップが狙える

職場や地域によって異なりますが、資格を取得していると基本給とは別に資格手当が支給されることがあります。
登録販売者の資格を取得することで仕事への熱意を見せられ、自身の評価がアップするので昇給につながる可能性があることもメリットといえます。

4-3.資格を活かしたキャリアステップが可能

登録販売者の資格を取得することで一般用医薬品販売の専門家として業務の幅が広がります。登録販売者の資格があれば、第2類医薬品または第3類医薬品を販売し、実務経験を積むことで店舗管理者の道が開けてきます。

店舗管理者になることで医薬品販売の責任者として、一人で一般医薬品の販売やカウンセリングが行えるだけでなく、店舗運営や店舗の従業員の監督や指導にも携わる、いわば管理職としてのキャリアステップが見えることもメリットです。

4-4.活躍の場が幅広い

登録販売者は医薬品に関する基本的な知識から人体の働き、薬事に関する法規と制度まで、幅広い知見を持っています。
その知見を活かして登録販売者の就職先としてよく知られている薬局やドラッグストアはもちろん、それ以外でもコンビニエンスストアや漢方薬局、製薬会社の営業職、介護施設など幅広い場での活躍が期待されることもメリットでしょう。

4-5.独立開業可能

漢方薬は、そのほとんどが第2類・第3類医薬品に分類されており、登録販売者の資格があれば漢方薬局の開業を行えます。開業には初期費用が必要になりますが、やりがいは大きなものとなるでしょう。

ただし、漢方薬の服薬指導は患者の体力や体質によって大きく異なるため、非常に難しいものとされています。漢方の種類や生薬は種類がかなり豊富ですので、漢方に関する専門知識を持つ薬剤師からアドバイスをもらったり、書籍やテキストで学習したりと継続した努力が必要となりますが、やりがいも大きく、憧れの独立開業を目指せるのも大きなメリットでしょう。

5.まとめ

登録販売者の資格は、薬局やドラッグストアをはじめ医薬品を取り扱う大型スーパーや家電量販店など多岐にわたって活かすことができます。その他、製薬会社や介護、医療業界などへの転職にも有利に働きますので、資格を取得していると活躍の場が広がります。

さらに地域包括ケアシステムにより、薬剤師が患者さんのアドバイザーとなるため、店頭においては登録販売者による一般用医薬品の効果や副作用の説明などのカウンセリング販売ニーズはさらに高まるでしょう。

また、医療費削減のために今後ますますセルフメディケーションが重要となります。そこで登録販売者がお客さまの話をしっかり聞いたうえで、症状に最適な一般用医薬品を推奨したり、健康維持に役立つアドバイスをしたりするカウンセリング販売業務が一層期待されます。

登録販売の資格が必要かどうかは、職場環境やその方自身の考え方によって異なりますので、一言で必要がないと片付けることはできません。

ただ登録販売者は、医療費削減に向けて、体の調子が気になる方や軽度な症状の方を重症化させないことを店頭でサポートできるのです。その社会的な意義と自身のキャリアアップの両立をサポートできることを考えると登録販売者は、意味がある資格だといえるのではないでしょうか。

登録販売者の将来性に関してはこちらを参考にしてください。

この記事の監修

ライター

中村さいり

元精神科看護師。専門の心のケアを中心に医療業界に携わった経験を生かして一般の方にわかりやすく医療、健康、看護の領域などを執筆。

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