2.1.製薬会社

一般用医薬品の専門知識を活かして、登録販売者は製薬会社で即戦力として働くことが可能です。

MR(医薬情報担当者)などの求人が出ることがあり、新製品や目玉商品を売り込み、店舗に陳列を増やしてもらうことが主な仕事になります。

給料は、はじめは月20万円〜25万円程度が多いようですが、営業成績によって給与や賞与のアップが望めます。

メリット
営業職であるため、成績が良ければ大幅な収入アップが可能です。土日祝日、年末年始やお盆など、通常カレンダー通りに休めることもメリットになります。

デメリット
営業職は、期間ごとに売上ノルマが定められている場合が多いです。売り込みなどが苦手な方にとっては少々大変かもしれません。

2.2.調剤薬局

医師から処方された薬を扱っている、調剤薬局で働いている登録販売者も多くいます。基本的に処方箋で出される医薬品は薬剤師が取り扱います。

それ以外の第2類、第3類医薬品は登録販売者でも取り扱えるので、役割分担して対応していることが多いです。給料は、経験や能力・年齢によって変わりますが、正社員で月25万円～40万円程度、年収にすると360万円～500万円程度となっています。

パートやアルバイトでは、時給1,500円～2,200円程度です。

メリット
ドラッグストアよりも終業時間が早いため、勤務後の自分の時間が確保しやすいことがメリットに挙げられます。薬剤師が扱う第1類医薬品の知識も得ることができるため、より専門的なスキルを身につけることができます。

デメリット
薬剤師と上手く役割分担ができていない場合、事務作業や雑用ばかりになってしまい、登録販売者としてのスキルが活かせないことがあります。レセプト入力や処方箋の受付などをはじめ、基本的なパソコンスキルが必要になることも多いです。

2.3.介護施設

デイサービスや老人保健施設などの介護施設利用者は、医薬品を服用している高齢者がほとんどです。 このような高齢者に対して、薬の相談やアドバイスを通じて高齢者の健康サポーターとして活躍している登録販売者もいます。

メリット
高齢化が進んでいる我が国では、介護業界における登録販売者の需要が高まってくることが予想されます。介護が必要な人の健康を守るという意味でも、やりがいのある仕事といえるでしょう。

デメリット
高齢者が相手なので、体力に自信がないと業務をこなすのが難しい面があり、ちょっとした油断が事故やケガなどに直結します。また介護需要の高まりにより、介護士やケアマネジャーなどの有資格者が登録販売者を目指す方もいるため、登録販売者だけの資格では就職が厳しくなってくるかもしれません。

2.4.コンビニエンスストア

最近では身近にあるコンビニエンスストアでも医薬品を販売する店舗が増えています。24時間営業の店舗では、夜間に薬を購入する方もいます。

コンビニエンスストアで登録販売者として働く場合、お客様の薬相談の他にも、レジ、在庫管理、店内清掃などの通常業務を同時にこなす必要があります。

給料は、正社員で月収20万円～30万円程度、年収300万円～450万円程度が相場となっています。また、パートやアルバイトでは、時給1,200円～1,400円程度が相場になります。

メリット
コンビニエンスストアは店舗数が多いため、働く場所を選びやすいのが特徴です。また、24時間営業していることがほとんどなので、夜間のみ、早朝のみといったように働く時間を選びやすいこともメリットに挙げられます。

デメリット
コンビニエンスストアは医薬品販売がメインではないため、せっかく得た登録販売者としての知識を活かせないことがあります。登録販売者としてのスキルアップにはあまり向いていないかもしれません。

2.5.通信販売会社

2014年に薬のインターネット販売が解禁されたことから、通信販売会社でも登録販売者の需要は高まっています。

通信販売会社のテレフォンオペレーターとして、お客様の健康や薬の相談を受け、アドバイスをすることが主な仕事になります。

メリット
店舗での接客のように、直接お客様と関わらないため、人見知りの方や接客経験がない方でも、仕事を始めやすいことがメリットに挙げられます。また、品出しやレジ対応などの業務がなく、医薬品に関する仕事に集中しやすい傾向があります。

デメリット
電話対応は対面して接客しなくて済む分、声だけでお客様に満足してもらわなければなりません。話し方やスピード、わかりやすい言葉選びなど、高度なトークスキルが必要になることが多いです。時には電話が長引いたり、クレームを受けたりと精神的に疲労することもあるでしょう。

▼参照元
厚生労働省/一般用医薬品のインターネット販売について

2.6.日用品メーカー会社

日用品メーカーは、医薬品と関係ないイメージですが、殺虫剤や除草剤、掃除薬品などの日用品のなかには医薬品に含まれるものもあります。

そのような日用品の商品開発や販売などの仕事が、登録販売者の主な仕事になります。

メリット
企業によっては、登録販売者の資格支援制度を設けている場合があり、仕事をしながら資格取得の勉強をすることができます。

デメリット
日用品は幅が広いため、医薬品だけに関われるとは限りません。会社によっては、登録販売者としてのスキルアップが難しいこともあります。

2.7.ホームセンターやスーパー

全国各地に展開しているホームセンターやスーパーでも一般用医薬品を取り扱う店舗が増えてきています。

一般用医薬品を買いに来たお客様に対して、薬や健康の相談、接客をおこなうのが登録販売者の主な仕事になります。

給料は、月18万円～26万円程度、年収にすると270万円～390万円程度が相場です。パートやアルバイトでは、時給1,000～1,500円程度となります。

メリット
大型店舗は、駐車場が大きかったり、駅から近かったりなど通勤しやすい場所に多い傾向があります。また、医薬品ブース専属として働ければ、商品の仕入れや配置などに関わることができ、店舗の売上に貢献することもできるでしょう。

デメリット
土日や祝日は多くのお客様が来店されるため、土日休みが取りにくいことがデメリットに挙げられます。店舗によっては扱う一般用医薬品の数が少ないこともあり、一般用医薬品以外の商品対応をしなければならないこともあります。

2.8.家電量販店

最近では大手家電量販店でも一般用医薬品を取り扱う店舗が増えてきています。ホームセンターやスーパー同様に、一般用医薬品を買いに来たお客様対応が登録販売者の主な仕事になります。

メリット
家電量販店は、時給が高い傾向にあり、登録販売者は時給1200〜1500円程度と、高い給料が期待できます。大手家電量販店では、福利厚生や各種手当なども充実していることも多いです。

デメリット
多くの方が家電を購入、または見る目的で来店されるため、一般用医薬品だけを購入しにくるケースは少ないかもしれません。せっかく得た登録販売者のスキルや知識を発揮する機会が少ないのがデメリットに挙げられます。

2.9.漢方薬局

漢方薬を専門に取り扱っている薬局でも登録販売者もして働くことが可能です。登録販売者は漢方薬を調合できませんが、お客様の症状や体質の相談を受け、適切な漢方薬をすすめることが主な仕事になります。

メリット
一般的な薬局やドラッグストアでは、お客様と深く関わることは少なく、数分程度の接客で終えることがほとんどです。
漢方薬局では、新規のお客様や新たな症状で悩んでいる方に対して、長い時間カウンセリングをおこなうこともあります。それなりの知識が求められますが、専門家としてのやりがいを得られやすいことがメリットに挙げられます。

デメリット
漢方薬に関する知識を深めることができますが、それ以外の一般用医薬品や西洋医学に関する知識を学ぶ機会はあまりありません。幅広く知識を得て、スキルを磨いていきたい方にとっては物足らなく感じることもあるでしょう。

2.10.サロンや化粧品会社

登録販売者としての知識を活かし、美容アドバイザーという立場でエステサロンや化粧品会社などで働く登録販売者も増えています。健康や美容に関するドクターズコスメといった商品の説明や接客が主な仕事になります。

メリット
美容に興味のある方にとっては、やりがいを感じながら仕事をすることができるでしょう。美容アドバイザーという立場でいることで、自分自身の健康管理や美容意識をさらに高めることにもつながります。

デメリット
サロンでは施術対応が求められたり、化粧品会社の場合は、対応するお客様の層や扱う商品が限定されたりするため、幅広く医薬品の知識を得たいという方には不向きかもしれません。

以上、登録販売者のドラッグストア以外の就職先の例を紹介しました。
登録販売者が活躍できる場は多数あります。
実際の登録販売者の求人をみてみたい方はこちらをご覧ください。
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3.1.実務・業務経験が満たせない場合がある

製薬会社や介護施設で勤務する場合、正規の登録販売者の要件を満たせなくなる可能性があります。

正規の登録販売者として働くためには、過去5年以内に通算して2年以上、もしくは1年以上の実務・業務経験が必要です。

過去5年以内の実務・業務経験が通算1年以上2年未満の場合は、継続的研修並びに追加的研修を修了しなければ、正規の登録販売者として認められません（過去に店舗管理者または区域管理者として業務に従事した経験がある場合は除きます）。

この実務・業務経験にカウントされるのは、薬局、店舗販売業または配置販売業における実務・業務経験に限られますので、製薬会社や介護施設で長い期間働いてしまうと、「正規の登録販売者」から「研修中の登録販売者」となってしまう場合があります。

研修中の登録販売者は、取り扱える医薬品に制限があり、待遇面に差が出たり、転職活動に不利になったりすることが多いようです。

将来的に、ドラッグストアなどに戻って正規の登録販売者として働きたいと考えている方は、正規の登録販売者を維持できる働き方をすることが望ましいでしょう。

3.2.転職エージェントを利用する

登録販売者はドラッグストアだけではなく、さまざまな業界からも需要があり、求人件数も多いのが特徴です。求人件数が多いゆえに、自分の希望とマッチした就職条件を見つけ出すのは少々大変かもしれません。

複数の就職先と比較しながら検討したいと考えている方は、転職エージェントを利用することをおすすめします。

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