薬剤師の職務経歴書の書き方とは?フォーマットや自己PRの例文を紹介

薬剤師の職務経歴書の書き方とは?フォーマットや自己PRの例文を紹介

薬剤師の転職では、履歴書と併せて職務経歴書の提出を求められることがあります。職務経歴書は自由度が高い分、いざ書こうとすると「どういった形式で書くべきか」「自己PRに何を盛り込むか」と、書き方を迷いやすい書類です。しかし、基本フォーマットやポイントを押さえることができれば、自分の経験や強みが伝わりやすく、読みやすい職務経歴書に仕上げられるでしょう。

本記事では、職務経歴書の役割と履歴書との違い、編年体形式とキャリア形式の使い分け、基本フォーマット、採用担当者の目に留まりやすくなるポイントについて解説します。状況・経験別に自己PRの例文も紹介しているので、参考にしてください。

目次

1. なぜ職務経歴書が必要なのか

職務経歴書が必要な理由は、履歴書だけでは伝わりにくい実務経験やスキルを応募先に伝えるためです。採用担当者は、職務経歴書から「応募者が即戦力として活躍できる人材か」「どのようなスキルや強みを持っているか」を確認します。

職務経歴書には、職歴や働く中で身に付けたスキルなどを記載するため、実務経験を問われない新卒採用では、原則として提出は不要です。中途採用では、応募先によって履歴書とともに提出を求められる場合があるため、求人票や募集要項で必要書類を確かめておく必要があります。

1-1. 履歴書との違い

履歴書と職務経歴書は、役割が異なります。履歴書が略歴や基本情報を伝える書類であるのに対し、職務経歴書は実務経験やスキルを詳細に伝える書類です。

記載する項目にも違いがあります。一般的に記載が必要とされる主な項目は、次の表のとおりです。

項目 履歴書 職務経歴書
日付 ○ ○
個人情報(氏名・生年月日・住所・電話番号) ○ △(氏名のみ)
写真 ○ ×
学歴 ○ ×
職務要約 × ○
職歴 ○ ○
免許・資格 ○ ○
保有スキル × ○
志望動機 ○ △(任意)
自己PR ○ ○
本人希望欄 ○ ×

参考:履歴書と職務経歴書の違いとは?|マイジョブ・カード(厚生労働省)

2. 職務経歴書の書き方は主に二つ

職務経歴書の職歴欄の書き方には「編年体形式(時系列順)」と「キャリア形式(業務・プロジェクト別)」の二つがあります。経歴やアピールしたいポイントによって使い分けるのが基本です。ここからは、編年体形式とキャリア形式の特徴を解説します。

2-1. 編年体形式(時系列順)

編年体形式は、経歴を時系列に沿って書く方法です。これまでのキャリアの流れが分かりやすいため、同じ業界や職種で働いてきた人に向いています。管理薬剤師への昇格や在宅業務への関与など、役割や担当業務の変化を示しやすい書き方です。履歴書と照らし合わせながら読み進められるため、採用担当者にとって見やすい形式といえるでしょう。

2-2. キャリア形式(業務・プロジェクト別)

キャリア形式は、担当してきた業務やプロジェクトごとに経験をまとめる書き方です。転職回数が多い人や異業種への転職を目指す場合に向いており、特定の分野での実績やスキルをアピールしやすいのが特徴です。例えば、臨床開発、学術、品質管理、薬事など、複数の領域を経験してきた企業薬剤師であれば、担当した業務とそこで培ったスキルを個別に整理して示しやすい形式でしょう。

3. 【薬剤師向け】職務経歴書の基本フォーマットと書き方

職務経歴書において「日付・氏名・タイトル」「職務要約」「職務経歴」「自己PR」は欠かせない項目です。それぞれの項目をどのように書けばよいのか見ていきましょう。

3-1. 日付・氏名・タイトル

書類の冒頭には「職務経歴書」とタイトルを書きます。その下の行に、日付と氏名を右寄せで記載するのが一般的です。日付は、郵送する場合は投函(とうかん)日、メールで送付する場合は送信日、持参する場合は提出日を書きます。年号は、基本的に西暦と和暦のどちらでも問題ありませんが、履歴書など一緒に提出する書類と表記を合わせましょう。

3-2. 職務要約

職務要約は、経歴を短くまとめた項目です。職務経歴の前に書くことで、採用担当者が書類全体に目を通さなくても応募者の大まかなキャリアが伝わりやすくなります。要点を絞り、200~250文字程度で簡潔にまとめるのが基本です。

3-3. 職務経歴

職務経歴では、主に以下の内容を書きます。

  • 勤務先の基本情報
  • 担当業務
  • 生かせる知識・スキル・資格

勤務先の基本情報には、企業名や事業内容、設立年月日、資本金、従業員数、売り上げなどを記載します。薬局や病院の場合は、処方箋枚数や処方科目、薬剤師・医療事務の人員体制などを書きましょう。

担当業務には、具体的な業務内容を記載します。調剤業務の他、病棟業務や麻薬管理、在宅訪問指導、医薬品安全管理などが該当します。

生かせる知識・スキル・資格は、応募先へのアピールにつながるものを選んで記載します。薬剤師業務に関連する知識・スキルに限らず、PCスキルや語学力などもアピールの材料になります。

3-4. 自己PR

自己PRには、自分の強みや長所を記載します。仕事への向き合い方や意欲、強みを裏付ける実績や具体的な経験談などを盛り込みましょう。応募先が求める人物像と、自分の強みが結びつくところを意識して書くことがポイントです。アピールしたい強みが複数ある場合は、見出しを立てて分けると読みやすくなります。

4. 【状況・経験別】薬剤師の職務経歴書の自己PR例文

いざ自己PRを書こうとしても、内容に悩むこともあるでしょう。初めての転職やブランク明けの復職の場合、そもそも何をアピールしたらいいのか迷うかもしれません。キャリアアップや異業種・他職種への転職では、自己PRの完成度が選考を左右する場合があります。ここからは、状況・経験別に自己PRの例文をご紹介します。

4-1. 初めての転職・経験が浅い場合

初めての転職では、アピールにつながる実績が少ないと感じるかもしれません。しかし、薬剤師経験が浅くても、日々の業務の中で気を付けていることや工夫していることは伝えられるはずです。例えば、調剤過誤を防ぐために意識していることや、服薬指導で心がけている配慮など、仕事への向き合い方を具体的に書くのがよいでしょう。

病院薬剤師として、調剤業務や注射薬の混合調製、病棟での服薬指導に携わってきました。分からないことをそのままにせず、先輩薬剤師へ確認したり、医師へ問い合わせたりして、調剤過誤を起こさないように取り組んでいます。服薬指導では、患者さんの様子や表情に気を配り、不安を残さない説明を心がけてきました。一つ一つの業務に丁寧に向き合う姿勢を、貴院でも大切にしていきたいと考えています。

4-2. キャリアアップを目指す場合

キャリアアップを目的とした転職では、目指す役職につながる強みを伝えましょう。例えば、管理薬剤師を目指すのであれば、リーダーシップやマネジメント能力が求められます。その役職に就いた経験がなくても、在庫管理や業務改善など、店舗運営に貢献した実績は十分なアピールポイントになります。

調剤薬局において、調剤業務や服薬指導に加えて、在庫管理や業務改善にも取り組んできました。在庫管理については、使用期限が近い医薬品の一覧を自主的に作成して発注量の調整を提案し、廃棄額を前年から2割減らしました。また、日頃から店舗全体の動きに目を配り、スタッフ全員が働きやすい環境か意識して行動しています。今後は店舗の運営に責任を持つ立場で、患者さんにもスタッフにも頼られる薬局づくりに携わりたいと考えています。

4-3. 異業種・他職種へ転職する場合

異業種や他職種への転職では、これまでに身に付けたスキルのうち、転職先でも生かせるものを伝えることが大切です。応募先の仕事内容を調べ、自分の経験と重なる部分を探しましょう。

前職ではMRとして、医療従事者に新薬の情報提供を行ってきました。医師や薬剤師と信頼関係を築くため、相手の立場や置かれた状況に合わせた話し方や言葉遣いを心がけてきました。これまでの経験で培ったコミュニケーション力を生かして患者さんの疑問や不安を解消し、前向きに薬物治療に取り組める環境づくりに貢献します。

4-4. ブランクからの復職・雇用形態を変える場合

復職を目指す場合、出産や子育て、介護などで仕事から離れていた間の経験を自己PRとして記載することもできます。育児や介護の経験は、患者の気持ちを理解する上で役立つことがあるからです。加えて、ブランク期間中に業務で必要な知識を学び直していれば、復職への意欲も伝わるでしょう。

パートから正社員のように、雇用形態を変えることを目的とした転職の場合は、これまで担ってきた業務や実績を示し、担当する業務の幅を広げて貢献したいという前向きな姿勢を伝えましょう。

調剤薬局に5年間勤務した後、出産に伴って退職し、子育てに専念してきました。保護者の立場で診察や服薬指導を受けていると、子どもに気を取られて説明に集中できず、確認したいことを聞きそびれてしまうことがありました。そういった経験から、患者さんやご家族が質問しやすい雰囲気づくりの大切さを実感しました。復職後は、患者さんの気持ちをくみ取りながら、一人一人に寄り添った服薬指導に努めたいと考えています。


参考:職務経歴書における自己PR欄の必要性と書き方について|マイジョブ・カード(厚生労働省)

5. 採用担当者の目に留まる!作成時のポイントと注意点

職務経歴書を作成するときのポイントや注意点は以下のとおりです。

  • A4用紙1〜2枚にまとめる
  • 自己PRは「具体例」で説得力を持たせる
  • 専門用語は控えめにして、実績は数字で示す
  • 守秘義務(個人情報)に配慮する
  • 誤字脱字をチェックし、レイアウトを整える

各項目について解説します。

5-1. A4用紙1〜2枚にまとめる

職務経歴書は、A4サイズの用紙1~2枚にまとめます 。採用担当者は限られた時間で複数の応募書類に目を通すため、要点がまとまっていない職務経歴書はマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。伝えたい内容を絞り、要点の分かりやすい構成を心がけましょう。

5-2. 自己PRは「具体例」で説得力を持たせる

自己PRは、具体例を交えて書くと説得力が増します。

例えば「患者さんの悩みに寄り添う対応を心がけています」といった抽象的な表現だけでは、実際の行動が採用担当者に十分に伝わらない可能性があります。「歩行が難しい患者さんの元へ自ら出向いて服薬指導をした」「今まで使ったことのない薬を処方されたという患者さんから不安な点を聞き取り、薬の必要性や副作用を丁寧に説明した」といった具体例があると、働く姿が伝わりやすくなるでしょう。

5-3. 専門用語は控えめにして、実績は数字で示す

職務経歴書では、専門用語を控えめにし、実績を数字で示すことが大切です。

前職では当たり前に使っている専門用語や略語であっても、職場が変われば伝わらないケースも少なくありません。業態や職場が違っていても正しく伝わる言葉に置き換える必要があります。

また、自己PRに記載する実績には、具体的な数字を入れましょう。「在宅患者を○名担当していた」「業務手順を見直して、調剤ミスを0件に抑えた」といった書き方であれば、アピールしたいポイントが伝わりやすくなります。

5-4. 守秘義務(個人情報)に配慮する

職務経歴書を書くときは、守秘義務への配慮が欠かせません。

守秘義務とは、仕事を通じて得た情報を外部に明かしてはならない義務のことです。薬剤師は業務の中で、患者さんの病歴や処方内容といった個人情報を扱います。実績を具体的に書こうとするあまり、守秘義務違反に当たる恐れがある情報を記載しないように注意しましょう。

5-5. 誤字脱字をチェックし、レイアウトを整える

全ての項目を一通り書き終えたら、誤字や脱字がないかチェックしましょう。見出しや箇条書きを活用して、読みやすいレイアウトを意識することも大切です。文字を詰め込みすぎず、適度に余白を持たせると、すっきりした印象を与えられます。

6. 職務経歴書の正しい提出マナー

職務経歴書は、郵送やメールで提出する他、面接時に持参する場合もあります。提出方法ごとの正しいマナーを解説します。

6-1. 郵送する場合

郵送で提出する場合、書類を折らずに入れられる大きさの封筒を選びましょう。封筒の表面には宛名(会社名・部署名など)を書いた上で、赤字で「応募書類在中」と記載するのが一般的です。裏面には自身の住所と氏名を記載しましょう。書類は「添え状・履歴書・職務経歴書・その他の提出書類」の順番でクリアファイルに挟み、封筒に入れて郵送します。

6-2. メールで送付する場合

メールでの提出を求められた場合は、特に指定がない場合、PDF形式で送付します。ファイル名は「職務経歴書_氏名.pdf」のように、一目でその内容が分かる形式にしておきましょう。メールの件名も、応募書類の送付だと分かるように「○○職応募書類のご送付(氏名)」等と設定し、本文では簡潔に用件を伝えます。

6-3. 面接に持って行く場合

面接時に職務経歴書を持参する場合も、封筒に入れて持っていくのが基本です。提出を求められた際にすぐ渡せるように、かばんの取り出しやすい場所に入れておきましょう。採用担当者に直接渡すときは、封筒から書類を取り出し、相手が読みやすい向きにして渡します。

7. 職務経歴書はパソコンと手書きどちらがいい?

職務経歴書を書く方法は、パソコンと手書きのどちらの方法でも構いません。それぞれのメリットと注意点を踏まえて、自分に合う方法を選びましょう。

7-1. 手書きで作成するメリットと注意点

手書きの職務経歴書は、応募への意欲や個性を伝えやすく、読みやすくきれいな字で記入すれば、丁寧な印象を与えられる点がメリットです。

一方で、文字が読みにくいと逆効果になることがあります。また、誤字脱字に気付いたときは、修正テープを使わず、新しい用紙に書き直してください。

7-2. パソコンで作成するメリット・注意点

職務経歴書をパソコンで作成する方法は、入力を誤ってもすぐに修正しやすい点がメリットです。データとして保存しておけば、他の応募先に提出するときにも活用できます。

ただし、レイアウト崩れやフォントのばらつきなどに注意が必要です。修正した際に改行の位置がずれたり、追記した箇所だけ書体が変わっていたりすると、読みにくい書類になってしまいます。提出前に全体を見直し、体裁を整えましょう。

7-3. 作成ツールの活用もおすすめ

一から職務経歴書を作成するのは、簡単なことではありません。

マイナビ薬剤師が提供している「職務経歴書作成ツール」では、画面に従って入力を進めるだけで、職務経歴書を作成できます。項目ごとに書き方のポイントや例文が用意されているため、初めて作成する人でも進めやすい設計です。レイアウトを自分で調整する手間もかかりません。

会員登録は不要で、無料で利用できます。ぜひ活用ください。

職務経歴書作成ツール

8. 職務経歴書は薬剤師の実務経験と強みを伝える大切な書類

職務経歴書は、履歴書では伝えきれない実務経験やスキルを示すための書類です。略歴や基本情報を伝える履歴書とは役割が異なり、職務要約や保有スキルなど、記載項目にも違いがあります。

初めて転職する場合や経験が浅い状況であっても、日々の業務で心がけていることがアピールポイントになります。ブランクからの復職時には、仕事を離れていた間の経験が自己PRにつながることもあるでしょう。

基本フォーマットや項目ごとの書き方のポイントを押さえて、自分の経験や強みが伝わる職務経歴書を作成しましょう。

参考URL

履歴書・職務経歴書の書き方|ハローワーク インターネットサービス

この記事の著者

薬剤師

篠原 奨規

2児の父。調剤併設型ドラッグストアで勤務する現役薬剤師。薬剤師歴8年目。面薬局での勤務が長く、幅広い診療科の経験を積む。新入社員のOJT、若手社員への研修、社内薬剤師向けの勉強会にも携わる。音楽鑑賞が趣味で、月1でライブハウスに足を運ぶ。

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