薬剤師・製薬業界のインターンシップとは?参加して職場の雰囲気をつかもう

薬剤師・製薬業界のインターンシップとは?参加して職場の雰囲気をつかもう
学年が上がるにつれ、実務実習に、国家試験対策、卒業研究など多忙を極める薬学生ですが、4年生、5年生になると「インターンシップ」という話題を耳にするようになります。就職活動が本格化する5年生の3月の前に、実際に働く現場を体験できるインターンシップは、進むべき職業や職種を決める上でも大変参考になるものです。

ここでは、薬学生が就活を進める上で、積極的に参加したいインターンシップについて詳しく解説します。

1. 薬剤師・製薬業界のインターンシップとは

インターンシップとは、学生が興味のある企業などで、実際の業務や職場環境に触れることができる就業体験をする制度のことです。学生にとっては、企業や業種研究を深め、どの業務が自分に合っているのか適正を知ることができる貴重な機会となります。

このインターンシップは、薬剤師を目指す学生に向けて、製薬業界でも開催されており、一般的に薬学生向けのインターンシップは1日~数日程度の短期間で、自社の説明や見学、グループワークなどがメインですが、企業や病院、薬局によっては、独自のユニークなプログラムが用意されていることも少なくありません

2. 薬学生の主なインターンシップ先

一口に薬学生向けのインターンシップといっても、その職種はさまざまです。

ここでは、薬学生が主にインターンシップ先に選択している、薬局やドラッグストア・病院・製薬会社を取り上げ、それぞれの特徴について紹介していきます。

2-1. 薬局やドラッグストア

薬局やドラッグストアのインターンシップの期間は1日~3日間と短い傾向があります。

内容は、店舗見学、OTC医薬品の販売見学、調剤体験のほか、企業によっては、漢方ケアや在宅での服薬指導見学、トリアージ体験など、独自のプログラムが用意されているところもあります。

2-2. 病院

病院のインターンシップも1日(1day仕事体験)や2~3日程度と短めなところがほとんどですが、中には1週間程度実施するところもあります

内容は、病棟業務の見学や体験、薬剤師との現場体験、チーム医療体験、カンファレンスへの同席、服薬指導の見学、薬剤師との座談会などを体験できるところも多くあります。抗がん剤調剤や入院調剤を体験できる病院もあります。実務実習だけでは難しい本物の体験を通して、より深く病院薬剤師の働き方を理解できる機会になるでしょう。

2-3. 製薬会社(MR職)

製薬会社のインターンシップは3日~1週間、なかには1ヵ月程度と、病院や薬局よりも長めなところが多いようです。

医療従事者に医薬品について説明するMR(医薬情報担当者)のインターンシップは、自社の説明や見学、グループワーク、社員との交流がメインですが、MR営業に同行させてもらえるなど、仕事内容をより深く理解できる内容のものもあります。製薬会社のインターンシップは非常に人気が高く倍率も高いため、本格的な選考が行われる企業も少なくありません。

3. インターンシップ先の選び方

薬学生は、他の学部生より比較的多忙なため、インターンシップも1日型や1~3日程度と短期間のものがほとんどですが、開催されているインターンシップの数は膨大。1つの企業や薬局、病院に複数のコースが設けられているところがほとんどです。

自分のスケジュールに合い、興味のあるインターンシップを選ぶのが一番ですが、薬局であれば「大学病院前」と「地域密着型」など2~3タイプを選ぶことがおすすめです。

病院も薬局も製薬会社もそれぞれに個性があります。関わる患者さんやお客さんの数や層、求められる業務や価値観も異なります。どのタイプが自分に適しているか知るためにも、複数の体験をしてみるとよいでしょう

4. 薬学生がインターンシップに参加するメリット

多くの薬学生が参加するインターシップですが、忙しさゆえに、参加に消極的になる学生もいるようです。

しかしながら、多種多様な企業や病院、薬局での職業体験は、大学の授業や実務実習だけでは決して得ることのできないメリットが多くあります。ここでは、インターンシップに参加するメリットについてご紹介します。

4-1. 製薬業界・薬剤師を理解できる

どれだけ机上で業界研究をしても、実際の現場での体験に勝る情報源はありません。患者さんへの対応の仕方一つを取っても、各病院や薬局で異なりますし、仕事への考え方そのものが違う場合もあります。インターンシップを通して、現場で働く先輩薬剤師の姿やリアル声を聞くことで、業界や仕事ついて理解が深まることもインターンシップの大きなメリットです。

4-2. 社会人として働くイメージができる

実務に近い体験や環境に接することで、数年後に働く自分の姿をイメージしやすくなります。企業によっては、必ずしも仕事を体験できるプログラムが用意されているとは限りませんが、グループワークや仕事の疑似体験ができるプログラムも多く何らかの形で仕事を体感できるでしょう。

また、実際に職場に立つと、「言葉づかいに問題はないか」「立つ位置はここでいいのか」「髪型や服装はどうするべきか」など、普段は意識したことのないことが気になるものです。社会人としてのマナーや知識を身に着けるためにも、インターンシップはよい機会になるでしょう。

4-3. 職業選択の材料になる

現場の先輩薬剤師と実際の業務に触れ、仕事の流れを垣間見ることで、どの仕事が自分に合っている仕事なのか判断でき、「自分はどんな仕事にやりがいを感じるのか」「何が苦手なのか」などの自己分析ができるようになり、就職後のミスマッチを防ぐことにもつながります

また、漢方やアロマ、未病分野へのアプローチなど、興味は持っていても実務実習では取り扱わなかった分野を体験できるチャンスもあるかもしれません。視野を広げながら、どの職業を選ぶのが自分にとってベストなのかを考える機会になります。

5. 薬学生のインターンシップのスケジュール

インターンシップに参加するタイミングは特に決まっていませんが、毎年インターンシップサイトは5年生の4月にオープンされるため、その頃から活動を意識しはじめる薬学生が多いようです。なかには、早めに業界研究をスタートし、3年生や4年生で参加する学生もいます。

インターンシップの大まかなスケジュールは次のようになっています。

  • サマーインターン(7月中旬~9月の夏休み期間に実施)
    エントリー:5~6月 選考:6月~7月中旬
  • オータム・ウィンターインターン(10月~2月末)
    エントリー:9月~10月 選考:9月~10月
    エントリー:11月~12月 選考:1月~2月
    *ウィンターインターンは2月末で終了

このスケジュールはおおよその目安で、期間中のエントリーで日程を調整するインターンシップも多くあります。

企業や病院、薬局によってインターンシップのスケジュールは異なりますので、気になっているインターンシップがある場合は、積極的に情報を収集し、早めにエントリーするようにしましょう

6. 薬剤師・製薬業界では学生以外にもンターンがある?

インターンシップと聞くと、学生が対象のようなイメージがありますが、近年では、社会人や子育て中のママも参加できるインターンシップが増えており、転職や復職に活用することができます

社会人にとって、転職前に気になる業務を体験できるインターンシップは自分のキャリアプランを描くためにも大変役立ちます。自分が持っているスキルや知識がどの程度活かせるのか、製薬業界が自分に向いているのかなどを確認でき、転職の方向性もつかみやすくなることは、大きなメリットと言えるでしょう。

また、出産や育児で一度退職したママ薬剤師を対象にしたインターンを募集している薬局も少なくありません。調剤体験や服薬指導のロールプレイングなど、現場復帰をサポートするプログラムなどを用意しているところもあります。

7. まとめ

薬学生にとって、インターンシップは、製薬業界や薬剤師の業務を知り、数年後、実際に自分が社会人として働く姿をイメージして、進むべき道を選択するためにも重要な役割を持っています。大学では学べない多くのことを吸収でき、仕事への視野を広げ、自己成長にもつながるでしょう。薬学生は、インターンシップの日程を確保するのも大変なことですが、最近では、土日開催のインターンシップも増えており、スケジュール調整もしやすくなっています。

インターンシップはこれからという薬学生はもちろん、既卒生、社会人の方でも、製薬業界や薬剤師の仕事に興味がある方は、ぜひ、登録してみることをおすすめします。

この記事の著者

メディカルライター

山原 佳代

大学卒業後、医療機器メーカーに就職。その後、介護企業、広告代理店等を経てライターとして独立。
医療、ヘルスケア関連の広告物やメディアの記事執筆、ドクターへの取材、薬機法を考慮したコピーライティングを中心に活動している。

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