かかりつけ薬剤師をやめたいと思ったら…解決策やメリット・デメリットをご紹介
かかりつけ薬剤師は、医療に関する豊富な知識や経験を持ち、患者さまの担当薬剤師として活動する薬剤師です。
高齢化が進むなか、かかりつけ薬剤師の需要は高くなっていますが、業務の負担が大きいことから、やめたいと考える方も少なくないようです。
ここでは、かかりつけ薬剤師をやめたいと思ったときの解決策や、やめることのメリット・デメリットなどを詳しく紹介します。
目次
1. かかりつけ薬剤師をやめたくなる原因
かかりつけ薬剤師をやめたくなる原因となるのは、主に以下の4つです。
1-1.24時間対応によるストレスや体調の変化
かかりつけ薬剤師がやめたくなる原因の一つ目は、24時間対応によるストレスや体調の変化です。
かかりつけ薬剤師は患者さまの専属薬剤師となるので、勤務時間外や開局時間外であっても原則として24時間、電話相談に応じるなど担当する患者さまの健康をサポートする必要があります。
患者さまの中には、緊急ではないのに、頻繁に電話をかけてくる方もいます。
そのため、ストレスや体調の変化を生じることも多く、仕事を続けていくことに限界を感じて、やめたくなるというケースもあるようです。
1-2.患者さまとの相性
患者さまとの相性も、かかりつけ薬剤師をやめたくなる原因の一つです。
担当する患者さまの中には、対応が難しい方や何かとクレームが多い方もいます。しかし、受け持ち患者の変更は、患者さま側からの依頼ややむを得ない事情がある場合でなければ認められません。
そのように患者さまと相性が合わないことで仕事がつらくなり、かかりつけ薬剤師をやめたいと考えるようになることもあるようです。
1-3.長時間勤務や労働条件への不満
長時間勤務や労働条件に対する不満なども、かかりつけ薬剤師をやめたくなる原因です。
かかりつけ薬剤師は専属薬剤師として多くの患者さまを抱えているため、業務をこなすために残業が必要になる場合も多く、有休が思うように取得できないという状況になりがちです。
こういった状況が改善されない不満から、かかりつけ薬剤師をやめたいと思うようになるようです。
1-4.ノルマを設定されている場合もある
薬局によって設定してされている、かかりつけ薬剤師のノルマもやめたくなる原因の一つになるようです。
特に、かかりつけ薬剤師指導料は診療報酬の点数が高いことから、「患者さまにお声掛けをして、かかりつけ薬剤師の同意書を●●件獲得する」といったノルマが設定されているケースが多いようです。
ノルマを達成できなければ、会社からのプレッシャーもきつくなるので、それに耐えきれずにやめたくなるのだと思われます。
2.かかりつけ薬剤師をやめたいと思ったら
かかりつけ薬剤師をやめたいと思った場合の対処法には、主に以下の4つがあります。
まずは、これらの対策をとってみて、やめずに済むかどうかを検討してみましょう。それでも状況が改善せず、かかりつけ薬剤師を続けるのが難しいようであれば、やめるという選択肢もあり得るでしょう。
2-1. 環境について上司に相談してみる
まずは、職場の環境改善について信頼できる上司に相談してみることです。
24時間対応によってストレスや体調の変化を生じるケースやきついノルマが設定されているケースは、会社の人員配置の偏りなどが原因で勤務時間やノルマが他のエリアの薬局よりもひっ迫している可能性があります。
そうした現状を上司に共有してもらうことで、問題の解消につなげるといいでしょう。
エリアマネージャークラスや管理職の薬剤師には、かかりつけ薬剤師を経験してきた方も多いので、会社全体としてのバランスを考えた改善策を講じてくれると可能性があります。
2-2. 先輩に相談してみる
患者さまとの相性が原因で、かかりつけ薬剤師をやめたいと思っている場合は、職場の先輩に患者さまとの接し方について相談してみましょう。
経験豊富な先輩に相談することによって、患者さまとうまく接するためのヒントが見つかれば、問題の解消につながっていくはずです。
2-3. マニュアルの見直しをする
職場で定められている業務マニュアルの見直しも、かかりつけ薬剤師をやめたいと思ったときの対処法の一つです。
長時間勤務や労働条件への不満から、かかりつけ薬剤師をやめたいと思うケースも少なくありません。
そのような場合には、職場のチームに呼び掛けてマニュアルの見直しを行い、全体の業務の効率化や改善ができる点を話し合いましょう。
そうすることで、過度な業務負担などが減り、かかりつけ薬剤師をやめたいと思う気持ちの解消にもつながりやすいでしょう。
2-4. キャリアプランを考えてみる
かかりつけ薬剤師をやめたいと思った場合、薬剤師としてのキャリアプランを考えてみるのも対処法の一つです。
かかりつけ薬剤師は高いスキルや知識を持っており、その分、収入も多く得ることが可能ですから、さまざまなキャリアプランを描くことができるでしょう。
かかりつけ薬剤師になるためには、3年以上の薬局勤務経験、該当する薬局に1年以上勤務している、認定薬剤師を取得しているなどといった要件があります。
現在、かかりつけ薬剤師として働いている方は、これらの要件を満たすために実績やキャリアを重ねてきたわけですから、簡単にかかりつけ薬剤師をやめてしまうのはもったいないと言えます。
ですから、かかりつけ薬剤師をやめたいと思っても、すぐにやめるという結論を出すのではなく、これまでの経験を活かしたキャリアプランを立て、今後自分が薬剤師としてどのようなスタイルで働いていきたいのかを考えてみることをおすすめします。
3.かかりつけ薬剤師をやめるメリット・デメリット
次に、かかりつけ薬剤師をやめることには、どのようなメリット・デメリットがあるのかを見ていきましょう。
3-1. メリット
かかりつけ薬剤師をやめることのメリットは、以下の通りです。
-
ストレスや責任から解放される
かかりつけ薬剤師をやめれば、ストレスや責任から解放される点がメリットです。
かかりつけ薬剤師は24時間対応で患者さまの専属薬剤師として働くことになるため、大きなストレスを感じますし、責任も負わなければなりません。 -
自分のライフスタイルに合わせた働き方が選べる
かかりつけ薬剤師をやめると、自分のライフスタイルに合った働き方を選べるのがメリットです。
かかりつけ薬剤師として働くことには大きなやりがいもありますが、結婚、出産・育児などライフステージが変わった場合は、多忙なかかりつけ薬剤師をやめることで、自分のライフスタイルに合った薬剤師の働き方ができるでしょう。
3-2. デメリット
一方、かかりつけ薬剤師をやめるデメリットには以下のようなものがあります。
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収入が減少する
かかりつけ薬剤師をやめると、収入が少なくなる可能性があります。
診療報酬点数が高い「かかりつけ薬剤師指導料」が算定できると、薬局の売上アップにつながるので、かかりつけ薬剤師は一般の薬剤師よりも給料が高く設定されている場合が多いようです。かかりつけ薬剤師をやめてしまうと、給料の上乗せ分はなくなり、一般の薬剤師と同程度になります。 -
会社からの評価が下がり、キャリア形成に影響を及ぼす
かかりつけ薬剤師をやめることで会社からの評価が下がり、やめずに継続した場合と比べ、キャリアアップや昇給に影響を与えかねません。
かかりつけ薬剤師として多くの患者さまを受け持つことは、薬局の売り上げアップにもつながることから、評価につながりやすい実績となります。かかりつけ薬剤師をやめると、その実績がなくなるので会社からの評価が下がる可能性があると言えるでしょう。
4.自分の心身に合った働き方を目指そう
かかりつけ薬剤師というのは、地域住民の健康サポートなどに貢献しやすく、非常にやりがいが大きい仕事であると言えます。
とはいえ、かかりつけ薬剤師に求められる役割は多岐にわたり、24時間対応、在宅対応をしなければならないなど、業務にかかる負担は決して小さくありません。
無理をして働くことで、心身に支障を来すようなことになっては元も子もありません。
かかりつけ薬剤師としてやりがいを感じながら働くだけでなく、子育て・介護、地域とのつながり、個人の時間も充実させるなど、健康で豊かな生活が送れるようにワークライフバランスを重視することも大切です。
こうした点も考慮したうえで、自分の心身に合った働き方を目指していきましょう。
ライフスタイルの変化でフルタイム勤務が難しくなった場合でも、薬剤師の仕事をあきらめることはありません。薬剤師のスキルを活かしながら、ワークライフバランスを考えた働き方もあるので、以下のページをぜひ参考にしてください。
5.まとめ
かかりつけ薬剤師は患者さまの担当薬剤師として活動する薬剤師で、やりがいが大きく、需要も高くなっています。一方、24時間対応が必要など業務の負担が大きいため、やめたいと考える方も少なくないようです。
かかりつけ薬剤師をやめたいと思った場合は、やめることにともなうメリット・デメリットを比較検討したり、解決策をとってみたりして、やめるべきかどうかを見極めましょう。
自分1人ではかかりつけ薬剤師をやめるべきかどうか判断しにくい、薬剤師としてどのような働き方をするのがいいのか迷っているという場合は、薬剤師に特化した転職エージェント「マイナビ薬剤師」を活用するといいでしょう。
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