薬剤師が個人薬局に転職するメリットと注意点|事前確認すべきポイント

薬剤師が個人薬局に転職するメリットと注意点|事前確認すべきポイント

調剤薬局には、個人で経営している薬局とチェーン店があります。同じ調剤薬局であっても、経営元が異なれば、働く環境や条件が変わります。転職先を選ぶ際にも、それぞれの特徴や違いを知ることで、より希望に適した働き方が選べることでしょう。

今回は個人薬局での働き方に注目し、そのメリットと注意点をご紹介します。

1.経営元によって異なる調剤薬局の種類

調剤薬局とは、医療機関から発行された処方箋をもとに保険調剤を行う薬局のこと。主となる業務内容は同じでも、個人経営の薬局と大手が運営するチェーン薬局では働き方が異なります。

近年は院外処方の増加により、チェーン店が多いドラッグストアも調剤に参入していますが、本来、調剤薬局は一般用医薬品を販売せず、日用品を取り扱うようなところではありませんでした。

しかし、セルフメディケーションの推進によって、一般の調剤薬局でもOTCを取り扱うケースが増えており、ドラッグストアと調剤薬局の垣根は低くなっています。

とはいえ、チェーン薬局と個人薬局では、待遇や将来性、働きやすさなどに大きな違いがあります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分の希望を明確にしながら、どんな働き方がしたいのかを考えてみましょう。

1-1.チェーン展開している薬局の特徴

複数の店舗を持つチェーン店といっても、すべてが全国展開をする大手ばかりというわけではありません。一定地域内に集中して5~20店舗を構える中堅チェーンもあり、その多くが門前薬局となっています。一方で、大手チェーンでは門前薬局以外にも、在宅専門薬局などを展開し、上場している企業もあります。

また、待遇面や教育制度においては、大手の方が充実している場合が多いです。
さらには、大手は福利厚生が充実している分、年収が低い傾向もあるので、どちらも確認することが重要です。

チェーン店で働く際の大きな特徴として、転勤の可能性があることが挙げられます。中堅規模であれば、一定の地域内で勤務ができますが、全国展開する大手であれば、県をまたいだ転勤もありえます。一ヵ所で落ち着いて働きたい人にとっては、大きなデメリットになるでしょう。

1-2.個人薬局の特徴

一方で、個人で経営している薬局は、大規模な展開はなく、1~2店舗程度の小規模な運営です。古くから地域に根差して続いている薬局が多いのが特徴的で、オーナー自身も薬剤師出身であったり、現役で薬剤師として勤務していたりして、スタッフの入れ替わりも少ない傾向にあります。

そうした背景もあり、福利厚生や教育制度が充実していないケースが多いのが残念なところ。スタッフ間の距離が近く、柔らかい雰囲気で働けるのが利点です。

2.個人薬局に転職するメリット

個人薬局での勤務は、患者さんやスタッフとのコミュニケーションがとりやすいのが大きな魅力です。地域に根差して経営しているため、古くからのなじみの患者さんが多く来店し、信頼関係が築けているという安心感があります。

チェーン薬局では味わえない濃い関係で治療に関わることができるでしょう。多店舗展開していないので、転勤がないのも働きやすさのポイント。所属しているスタッフは少人数で、その地域で生まれ育った人がほとんどであり、アットホームで働きやすい環境といえます。

また、個人薬局は、代表との距離も近く、風通しの良い職場が多いのも特徴です。ルールががちがちに決まっていないので、柔軟性がある傾向があります。規模の関係で、代表が一人ひとりをしっかり見てくれている風土が多いのもメリットではないでしょうか。
また、将来独立も考えている方におすすめしたいポイントは、経営者との距離が近いことです。経営のノウハウを知りたいとお考えの方は、選択肢の1つにしてみてください。

さらに、個人薬局では薬剤師の応募が少なく人材不足になりやすいため、比較的高い年収が設定されているのもメリットのひとつです。

3.個人薬局へ転職する注意点

ただし、個人薬局への転職には不安定な要素もあります。小規模な経営スタイルでは、近隣に大手の調剤薬局やドラッグストアが出店してきた場合、淘汰(とうた)されてしまう可能性があります。

また、オーナーの高齢化によって店舗を売却されてしまったり、大手にM&Aで吸収されてしまったりして、将来的に経営元が変わってしまうかもしれません。そうなると待遇面にも変化が出てしまい、年収が低下するといった可能性があるのも事実です。

また、経営が安定している場合でも、個人薬局では薬剤師としてのスキルが偏りやすく、役職も多くは用意されていないため、キャリアパスに限界がある点においても理解しておく必要があります。

4.個人薬局で働くなら、事前に必ず雰囲気をチェック

個人薬局での勤務は、アットホームな雰囲気が魅力ですが、一方で、その雰囲気が自分に合わなければ、かえってストレスになってしまいます。人間関係に問題が生まれたとしても、別の店舗に転勤するといった対策もできず、逃げ場もありません。

就職してからイメージと違ったと悩むことがないように、できれば直接薬局に行って、事前に雰囲気を確認しておきましょう。

4-1.個人薬局への転職は事前の情報収集が必須!

個人薬局に転職を考えるのなら、情報収集は欠かせません。職場の雰囲気や担当する業務、患者さんの層などを事前に把握しておけば、失敗する可能性が低くなります。

とはいえ、個人薬局の内部情報を得るのは難しいもの。待遇面をはじめ、より詳しい情報を得たいと思うのであれば、転職のプロの手を頼ってみましょう。

求人先の薬剤師数やヘルプ体制、社風まで把握している「マイナビ薬剤師」にご相談ください。

この記事の監修者

薬剤師専任キャリアアドバイザー

中村 貴大

薬剤師の転職サポート歴7年。
調剤薬局、病院、ドラッグストアなどの法人担当だけでなく、多くの求職者様の転職活動を成功に導いた経験と知識を活かし、転職活動を開始される皆さまを全力でサポートさせていただきます。

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