治験コーディネーター(CRC)の平均年収はいくら?薬剤師や看護師と給料を比較

治験コーディネーターの年収はどれくらいなのか、気になる人もいるのではないでしょうか。医師や製薬企業と連携しながら治験を支える治験コーディネーターは、新薬開発に欠かせない専門職です。
本記事では、治験コーディネーターの平均年収や年齢別の年収推移、薬剤師・看護師など他の医療職との年収比較とともに、給料アップを目指す方法や将来性についてお伝えします。
目次
1.治験コーディネーターの平均年収
厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag」によると、令和6年賃金構造基本統計調査の結果に基づく治験コーディネーターの平均年収は430万2,000円とされています。
治験コーディネーターは、医療資格がなくても就業可能な職種ですが、薬剤師や看護師などの資格を持つ人が従事するケースも多く、経験や専門性、就職先によって年収に差が出る傾向があります。
参考:治験コーディネーター|職業情報提供サイト(job tag)
1-1.年齢別の平均年収
同じく厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag」によると、令和6年賃金構造基本統計調査の結果に基づく治験コーディネーターの年齢別平均年収は、以下のとおりです。
| 年齢 | 平均年収 |
|---|---|
| 20歳~24歳 | 355万4,500円 |
| 25歳~29歳 | 393万6,000円 |
| 30歳~34歳 | 418万9,000円 |
| 35歳~39歳 | 450万2,100円 |
| 40歳~44歳 | 500万500円 |
| 45歳~49歳 | 455万4,500円 |
| 50歳~54歳 | 447万5,900円 |
| 55歳~59歳 | 489万6,100円 |
| 60歳~64歳 | 382万8,700円 |
| 65歳~69歳 | 318万3,500円 |
| 70歳~ | 232万1,300円 |
参考:治験コーディネーター|職業情報提供サイト(job tag)
年収のピークは40歳~44歳となっています。この年代は、治験コーディネーターとしての専門性が確立され、治験依頼者や医師との調整力、複雑な治験への対応力などが高く評価される時期です。
また、現場の中心的役割やマネジメント業務を担う場合もあるため、手当や評価によって年収のピークを迎えていることが考えられます。
2.治験コーディネーターの年収は薬剤師や看護師より低い?
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」の結果によると、治験コーディネーターの平均年収は、薬剤師や看護師と比較すると低い水準となっています。
| 職種 | 平均年収 |
|---|---|
| 医師 | 1,338万100円 |
| 歯科医師 | 1,135万5,200円 |
| 獣医師 | 884万7,800円 |
| 薬剤師 | 599万3,200円 |
| 保健師 | 521万2,400円 |
| 助産師 | 580万5,600円 |
| 看護師 | 519万7,000円 |
| 准看護師 | 417万1,700円 |
| 診療放射線技師 | 549万8,500円 |
| 臨床検査技師 | 504万3,400円 |
| 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 視能訓練士 |
444万1,500円 |
| 歯科衛生士 | 405万5,600円 |
| 歯科技工士 | 454万3,600円 |
| 栄養士 | 394万2,600円 |
| その他の保健医療従事者 | 430万2,200円 |
参考:令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1|政府統計の総合窓口 e-Stat
※平均年収は「きまって支給する現金給与額」の12カ月分と「年間賞与その他特別給与額」を合算して算出
治験コーディネーターは、薬剤師や看護師などの医療関連資格を取得している場合がありますが、無資格でも就業できます。国家資格の有資格者と無資格者が混在する職種といえるため、治験コーディネーターの平均年収は、薬剤師や看護師と比較するとやや低くなっていることが考えられるでしょう。
3.治験コーディネーターの仕事内容
治験コーディネーターの仕事内容は、治験の準備からデータ管理、参加者対応まで多岐にわたります。ここでは、治験コーディネーターの仕事内容について解説します。
3-1.治験の準備とスケジュール管理
治験コーディネーターは治験を始める前に実施計画書を確認し、製薬企業が行う説明会に参加します。その後、病院の中で以下のような準備を整えます。
- 効能や副作用の発現状況、服薬状況に合わせた処方提案や服薬指導、処方支援
- 治験薬の管理
- 治験参加者のスクリーニング・選定
- 治験参加者への説明と同意書の取得
- 検査・来院の予定の調整
治験コーディネーターは、医師や看護師、事務との会議で情報共有を行い、治験がスムーズに進むようにサポートします。製薬会社とのやり取りもあり、治験開始前から治験終了まで、全体の流れを管理する「現場の調整役」として中心的な役割を担います。
3-2.データの記録とチェック
治験コーディネーターは、医師の診察に同席して、服薬状況や有害事象を記録したり、症例報告書を作成したりします。症例報告書とは、検査データや副作用情報などをまとめた報告書です。治験コーディネーターが医師の指示のもと、カルテや投薬記録、検査データや所見などの情報から抽出して作成します。
治験は、薬の安全性や効果を確かめるために実施されており、正しいデータを集める必要があるため、治験の実施基準(GCP)から逸脱しないよう対応することが求められます。
3-3.治験参加者の対応と安全の確認
治験参加者が安心して治験を継続できるように、来院の予定を調整したり、検査や薬の説明をしたりするのも、治験コーディネーターの仕事です。体調の変化や副作用があったときは、すぐに医師と相談して対応します。
参加者の不安を減らし信頼関係を築くことが治験コーディネーターの役割であり、治験を安全に進めるために重要なことです。人と接する機会が多い治験コーディネーターには、丁寧で思いやりのある対応が求められます。
参考:治験コーディネーター|職業情報提供サイト(job tag)
4.治験コーディネーターが給料アップを目指すには?
治験コーディネーターとして給料アップを考えるなら、専門性の強化や業務の幅を広げることが重要です。ここでは、治験コーディネーターが給料アップを目指すための具体的な方法をお伝えします。
4-1.資格取得で専門性を証明する
治験コーディネーターに関連する資格として、薬剤師や看護師などの医療資格のほかに、日本SMO協会が認定する公認CRCがあります。一定以上のスキルや知識があることを証明できるため、給与交渉や昇進時に有利に働く可能性があるでしょう。
医療資格がない人でも取得を目指せる上に、職場によっては資格手当がつくこともあるため、給料アップに直結する可能性があります。資格取得は、専門性の裏付けとして信頼性を高められるため、給料アップの手段のひとつとなります。
4-2.マネジメントや教育業務に挑戦する
治験コーディネーターとしての経験を積んだ後は、リーダーやマネジャー職へのステップアップを目指すのもよいでしょう。役職に就いてチームの運営や人材育成などの業務を担うことで、組織への貢献度が高まります。
役職に就いていない場合は、業務の改善や効率化に関する提案をしてみてはいかがでしょうか。通常業務以外の業務を積極的に行うことで、給与アップにつながる可能性があります。さまざまな業務に積極的に関わる姿勢は、昇格や昇給のチャンスを広げるでしょう。
4-3.治験領域の幅を広げる
がんや希少疾患、精神科など、治験の領域によって業務の難易度が異なります。複数領域に対応できる治験コーディネーターは、社内外からの評価が高くなりやすいでしょう。難度の高い案件を受けられることに対しての昇給も期待できます。
領域ごとに知識や経験を積み、対応力のある治験コーディネーターを目指すことも収入アップのカギとなるでしょう。
4-4.転職や勤務地変更で条件を見直す
キャリア形成においては、同じ職場に長く勤めることも大切ですが、待遇改善を目指すなら転職も選択肢のひとつです。都市部や人材が不足している地域のSMO(治験施設支援機関)、大規模医療機関などでは、給与水準や手当が高めに設定されていることがあり、勤務地の変更によって給料アップが目指せるケースもあります。
求人情報を定期的にチェックし、自分の経験やスキルに見合った条件を探すことが重要です。
5.治験コーディネーターの将来性
治験コーディネーターは、治験を円滑に進められるよう、医師・製薬会社・治験参加者の間をつなぐ重要な役割を担うとともに、正確な記録と丁寧な対応が求められます。
また、治験の質を保つためには現場での調整役が不可欠であることから、治験が続く限り治験コーディネーターは必要とされるでしょう。
そのため、今後も一定の需要が見込まれる職種といえます。ここでは、治験コーディネーターの将来的な展開と需要が高い分野についてお伝えします。
5-1.治験コーディネーターの将来的展望
創薬力の底上げは国家戦略として位置付けられており、政府は2025年から「創薬力向上のための官民協議会」を開催するなど、創薬力強化に向けた取り組みを行っています。
厚生労働省の「治験・臨床試験の推進に関する今後の方向性について 2025年版とりまとめ 参考資料集」によれば、研究従事者・研究支援人材のキャリアパス構築やインセンティブ付与に向けた検討も行われています。
こういった流れから、治験コーディネーターの活躍の場は今後広がることが予想されますが、新薬開発の分野に偏りがあることから、将来性に差が出る可能性は考えられます。
5-2.治験コーディネーターの需要が高い分野
日本SMO協会の調査によると、日本国内では、抗がん剤、中枢神経用薬、代謝性医薬品などの分野で治験件数が増加傾向にあります。これらの分野は、疾患の複雑性や患者数の制限、長期的な観察が必要であることから、治験の設計や運営において高度な知識と経験が求められます。
また、患者対応の難度が高く、倫理的配慮や多職種連携が不可欠であるため、経験豊富な治験コーディネーターの存在が治験の円滑な進行につながるでしょう。
これらの領域の知識や経験がある治験コーディネーターは、治験の質を担保する上で欠かせない存在です。今後も、医療機関や治験施設支援機関からのニーズが高いと考えられるでしょう。
参考:日本SMO協会データ2024(2025年4月実施)|JASMO
6. 治験コーディネーターの年収と将来性
治験コーディネーターの平均年収は約430万円です。年齢や経験によって収入の相場は変動し、40代前半が年収のピークとなる傾向があります。薬剤師や看護師と比較すると平均年収はやや低めですが、資格取得やマネジメント業務への挑戦、治験領域の拡大によって年収アップを目指すことは可能でしょう。
また、治験コーディネーターは新薬開発に不可欠な職種であり、創薬力向上は国家戦略でもあるため、今後も安定した需要が見込まれます。特にがんや中枢神経領域など専門分野では活躍の場がさらに広がると考えられるため、需要の高い分野の知識や経験を積むことが大切です。
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