薬剤師必見!ストレスに対する予防策から解消方法について紹介
薬剤師の仕事をしていて、「人間関係がつらい」「業務量が多い」「待遇が不満」など、ストレスを感じる場面はありませんか?
実は、薬剤師の8割以上が、職務上のストレスを抱えているといわれています。薬剤師が担う調剤、薬歴管理などは、間違いが許されない仕事。ストレスが大きくなるのも、仕方がないことかもしれません。とはいえ、気持ちよく働くためには、できるだけストレスを少なくしたいですよね。
では、どうすればストレスを回避しつつ、薬剤師の仕事をこなすことができるのでしょうか。ここでは、薬剤師が抱えるストレスの原因と、おすすめのストレス解消法を紹介します。
参考:一般社団法人日本薬局学会発行/保険薬剤師における職業性ストレスとインシデントとの関連性
目次
1.薬剤師がストレスを感じる原因は?
まずは、薬剤師が精神的な負担を感じ、ストレスをため込んでしまう原因について考えてみましょう。薬剤師がストレスを感じる主な原因は、次の4つだとされています。
1-1. 職場内の人間関係
薬剤師の中には、いつも同じ場所で、同じスタッフと働く人が少なくありません。そして、そうした環境で人間関係がこじれると、業務にも影響が出てしまいます。
たとえば調剤薬局の場合、比較的同僚が少なく、狭い調剤室の中で長い時間を一緒に過ごすことになります。勤務中だけでなく休憩中も同じメンバーで過ごすことになるので、相性が合わない人がいると、ストレスを感じやすいでしょう。一度うまくいかなくなると、逃げ場もなくなってしまいます。
ドラッグストアの場合は、職場全体の人数が多めですが、登録販売者や一般の販売スタッフなど、違った立場のスタッフと関わることになるため、人間関係が複雑になる傾向にあります。
コミュニケーションの方法を変えることで、改善に向かうケースもありますが、相性というのは簡単には変わらないもの。あまりにつらいようであれば、配置換えや転職などで人間関係をリセットするのも、一つの方法でしょう。
詳細は以下のページをご覧ください。
1-2. 業務内容に対する不満
調剤薬局やドラッグストアの中には、人手不足から一人あたりの業務量が多くなってしまう職場も見られます。薬剤師はミスの許されない仕事であるため、業務量に比例して心理的な負担も大きくなってしまうでしょう。
また、調剤薬局の場合、業務内容が単調すぎてつらいという側面もあります。特に門前薬局では、慢性疾患や生活習慣病に対する継続処方が多く、服薬指導も画一的になりやすいため、一度慣れてしまうとやりがいを感じにくくなるかもしれません。
一方、ドラッグストアでは、調剤だけでなく棚出しやレジ打ちなど、薬剤師に直接関係のない仕事までこなすため、「なんでこんなことまで?」「肉体労働がきつい」と悩むケースがあります。
調剤薬局もドラッグストアも接客業ですから、患者さま対応で悩むこともあります。気難しい方や、体調が悪いことでイライラされている方が来店し、対応に困る場面も多いのではないでしょうか。
もし、特定の業務につらさを感じるようであれば、上司に相談するなどして、その業務を避けたり、減らしたりする方法がないかを考えてみてはどうでしょうか。
1-3. 給与・待遇面での不満
厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の平均年収は578万円となっており、全産業の平均年収である460万円よりも高い水準にあります。
参照元:厚生労働省/令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
参照元:国税庁/令和5年分 民間給与実態統計調査
しかし、薬剤師は人の命や健康に関わる職業であるため、ミスは許されません。医療・医薬品に関して、常に最新の情報を入手しておくことも大事です。そのため、「報酬が責任の重さに見合っていない」と感じる人も少なくないようです。
加えて、「休みがとりづらい」「勤務地や勤務時間などの希望が通らない」など、待遇面に不満がある場合も、強いストレスの原因になります。
ただし、給与・待遇面での不満は、転職などで環境を変えるしか解決の道がないかもしれません。
1-4. 日々のノルマに追われている
ドラッグストアでは、ノルマを課せられるケースも多く、その点も薬剤師がストレスを感じる一因になっています。
ノルマの厳しさは店舗にもよりますが、厳しい企業だと「他のスタッフの前でプレッシャーをかけられる」「ボーナスを減額される」「自腹で購入する雰囲気になる」ということもあると聞きます。中には、推奨品に対して「この製品を患者さまにすすめたいと思えない」といったストレスを抱える人もいるようです。
なお近年は、調剤薬局でも、「かかりつけ薬剤師の同意書取得〇件」などのノルマを設定するケースが見られます。特に大手チェーンに多い傾向ですが、「患者さまに営業トークのような声かけをするのはつらい」と感じる人は少なくありません。
薬剤師にとって、強いストレスの原因になりかねない「ノルマ」ですが、その実態は職場によってさまざま。転職エージェントなどでこまめに求人情報をチェックすれば、ノルマを気にせずに働ける職場が、きっと見つかるはずです。
詳細は以下のページをご覧ください。
2.ストレスに対する予防策とは
ここまで、薬剤師がストレスを感じる原因を4つ取り上げて解説してきましたが、予防策を講じることで、ストレスを軽減できる場合もあります。以下では、ストレスの予防策について考えてみましょう。
2-1. ストレスを発生させない環境を作る
薬剤師のストレスの原因である、「人間関係」「業務内容」「待遇」「ノルマ」のうち、待遇やノルマは多くの場合、自分で変えることはできません。しかし、人間関係や業務内容については、自分で改善することが可能です。
人間関係の場合なら、苦手な同僚に対しても挨拶をきちんとして、最低限の会話ができる状態を維持しましょう。一方で、「休憩中は一緒になっても無理に雑談しようとしない」と決めれば、気持ちが楽になるはずです。
苦手な同僚とのコミュニケーションがうまくいかず、業務に支障が出ている場合は、連絡ボードやチャットツールなどでやりとりできないか、職場に提言するのはどうでしょう。
「嫌われているように感じる」「無視されている」など、相手からの悪意を感じるようであれば、「気にしない」ように心がけるのがいちばんです。
業務内容については、職場の環境を整えることで、ストレスの緩和につながることがあります。たとえば、調剤室やDI室は折を見て整理整頓し、効率よく業務が行えるようにしましょう。
忙しいせいで雰囲気が悪くなっている場合は、全員でこまめな休憩を心がけたり、ストレッチを取り入れたりすると、雰囲気がやわらぐかもしれません。
3.薬剤師のストレスの解消方法
前述したように、仕事上のストレスには、自力で変えられないこともたくさんあります。そして、たまった鬱憤が限界を迎えてしまうと、薬剤師としての業務にも支障をきたしかねません。
では、そうならないためには、どうすればよいでしょうか。ここでは、薬剤師のストレス解消方法について紹介します。
3-1. 身近な人に相談する
仕事上の悩みを抱えてしまったときは、誰かに相談するのがいちばんです。一人で抱え込まず、職場の上司や同僚に相談してみましょう。
悩んでいることが人間関係であれば、その原因となっている人物とは別の同僚に相談することで、橋渡し役をお願いできる可能性もあります。業務内容や待遇、ノルマへの不満についても、誰かと共有できるだけでも気分が変わりますし、具体的なアドバイスがもらえるかもしれません。
職場内ではいいづらい愚痴であれば、学生時代の同期や先輩、後輩に連絡してみるのはどうでしょうか。薬剤師のつらさを理解している人に話を聞いてもらえば、きっと気持ちが晴れるはずです。
家族や友人に話を聞いてもらうのも効果的です。業務の背景を知らないからこその、新鮮なアドバイスをもらえるかもしれませんし、話しているうちに自分の考えが整理されていくかもしれません。何より、つらさを受け止めてもらえることが、大きな救いや癒しになるでしょう。
3-2. 没頭できる趣味を見つける
仕事でストレスが多いときは、業務時間が終わったあとも、あれこれと考えこんでしまうものです。しかし、職場を離れたら気持ちを切り替え、嫌なことを引きずらないほうがストレスの低減につながります。
たとえば、没頭できる趣味があれば、仕事のモヤモヤを手放すのに役立つでしょう。
スポーツや文化系の習いごと、ライブ、旅行などは、多くの人にとってストレス解消に役立つ趣味となっています。「夢中になれる趣味が見つからない」という人は、「難しそうだから」「一緒にやる友だちがいないから」などと深く考えず、目についたものをとりあえず始めてみるのがおすすめです。
3-3. 休みをしっかりとる
仕事で疲れを感じたときは、心身をしっかり休ませることを第一に考えましょう。疲れているとイライラが大きくなって、いつも以上につらく感じてしまうからです。
特に睡眠不足は、精神状態を悪化させてしまう原因となります。まずは、しっかり眠ることを心がけてください。
仕事もあるし、プライベートでもタスクは山積み。ゆっくり睡眠間をとるなんて無理……。そんな状態の方は、「あれもこれも」と何かに追われている状況が、ストレスになっている可能性もあります。思い切って、プライベートのタスクを放り出してみてはどうでしょう。
プライベートのタスクなら、友人や家族、パートナーに手伝ってもらうことで十分取り返せるはず。ときには、肩の力を抜いて過ごす時間も必要です。
また、生活サービスや時短家電を導入するなどして、休息の時間を捻出するのもよい方法です。
3-4. 体を動かしてみる
疲れをとるためにのんびりしよう、ゆっくり寝ようと思っても、悩みや迷いが頭の中をぐるぐると回って、眠れないこともあるでしょう。その場合は、逆に体を動かしたほうがリフレッシュできるかもしれません。
アウトドアやスポーツが好きなら、休日を利用してたっぷりと体を動かしましょう。「本格的な運動は苦手」という人であれば、近所をいつもよりも大股歩きで散歩したり、ヨガやストレッチの動画を見ながら体を動かしたりするだけでも十分です。その後、ゆっくりとお風呂につかれば、よりリラックスできますよ。
3-5. 異動できないか検討する
薬剤師にとって、大きなストレスの原因となっている「人間関係」は、配置換えや異動によってリセットすることが可能です。職場が変わらずとも、勤務時間帯を少しずらすだけで、「人間関係」や「業務内容」に変化をつけられるかもしれません。
ただし、「待遇」「ノルマ」など、企業の仕組みそのものにストレスの根源がある場合は、異動してもさほど変化は望めません。単店舗の職場であれば、そもそも異動自体が不可能です。その場合は、転職も視野に入れてみましょう。
4.転職で働く環境を変えてみよう
薬剤師の職場は、人数の少ない閉鎖的な環境が多いだけに、一度ストレスを抱えてしまうと、なかなか脱却できない傾向にあります。
一方で、薬剤師のストレスの原因である「人間関係」「業務内容」「待遇」「ノルマ」は、業種・職場によって大きく異なるため、転職して職場環境を変えれば、問題を一気に解決できる可能性もあります。
「ストレスが大きくて耐えられそうにない」という人は、解決策の一つとして転職を検討してはいかがでしょうか。
薬剤師専門の転職エージェントであるマイナビ薬剤師を利用すれば、無料で登録ができる上に、公開・非公開の求人情報が豊富にそろっています。登録したからといって即座に転職しなければならないわけではありませんし、「こういう求人もあるのか、いざとなったら面接を受けにいこうかな」という候補が見つけるだけでも、心が軽くなるかもしれません。
また、マイナビ薬剤師では、薬剤師専門のキャリアアドバイザーが応募書類・面接のアドバイス、面接スケジュールの調整、条件交渉など幅広くサポートしてくれるので、安心して転職活動を進められます。
5.まとめ
適度なストレスは、ほどよい緊張感につながったり、成長の糧になったりすることもあります。しかし過剰になれば、心身を疲弊させ、仕事にも私生活にも悪い影響をおよぼしかねません。
近年の研究では、薬剤師が仕事でストレスを抱えていたり、仕事を辞めたいと感じていたりすると、重大なミスが起きやすくなるという報告もあるくらいです。
参考:一般社団法人日本薬局学会発行/保険薬剤師における職業性ストレスとインシデントとの関連性
今回、紹介したように、ストレスの原因・程度によっては、職場環境の改善で予防できる可能性があります。また、身近な人に相談したり、余暇の過ごし方を工夫したりすることで緩和できるストレスもあるでしょう。
ただ、「ストレスが大きすぎてもう無理」「仕事にいきたくない」と感じる場合は、離職・転職などの根本的な対策が必要です。まずは、転職エージェントに相談してみるなどの対策から始めてみてはいかがでしょうか。それによってストレスが軽減され、よい変化につながるかもしれませんよ。
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