薬剤師の転職で検討したい「準社員」とは?求人で確認すべきこと

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薬剤師の求人情報に掲載されている「準社員」という雇用形態。正社員とどう違うのか気になっている人も多いのではないでしょうか。

正社員と準社員の違いがわかれば、転職先の選択肢も広がるはず。今回は、準社員という働き方と、そのメリット・デメリットについてお伝えします。

1.「準社員」とは

そもそも「準社員」という雇用形態は、正社員や契約社員と違い、労働基準法で定められたものではありません。あくまでも、企業が独自に設定しているものであり、企業によって勤務条件や待遇が異なります

一部では「限定社員」などと呼ばれることもあり、場合によっては契約社員とほぼ同義で使われたり、パートやアルバイトなどを含めたりする場合もあるようです。

その名のとおり、正社員に準ずるというポジションとして募集されますが、収入その他の勤務条件が必ずしも正社員に「準ずる」とは限らないため、事前の確認が必要です。

2.準社員と正社員の違い

では、実際に、準社員と正社員では、待遇面でどのような違いがあるのかを、具体的に確認してみましょう。

2-1.給与・福利厚生面

規定が企業によって異なるため、一概には言えませんが、正社員と比べ、準社員の年収は低い傾向にあります。勤務時間や役職等の違いもありますが、設定される基本給の段階で差が出ていることが多いようです。

また、昇給や賞与、退職金の有無についても、正社員と異なる設定になっている企業もあります。給与体系が月給制ではなくパートのような時給制の場合もあり、働く時間や日数によっても異なります。

2-2.雇用期間

正社員として採用されたら、解雇や自主退職がない限り、決まった雇用期間があるわけではありません。一方で準社員は、企業によって雇用期間が設定されることがあります

有期の場合であっても、契約社員とはまた違った期間設定になることもあり、規定によって大きく幅があるようです。もちろん期限が設けられていない場合は、正社員と同様に働き続けることが可能です。

また正社員登用制度により、準社員から正社員にランクアップして再雇用が行われている企業もあります。

2-3.勤務時間

正社員の場合には、定時での勤務のほか、残業や休日出勤が求められることもあるでしょう。しかし、準社員は、勤務時間が限定されていることが多く、基本的に残業などが発生しません

そもそも準社員の定義として、勤務時間を限定する内容を盛り込むところが多く、この点が正社員との大きな違いともいえるでしょう。1日の勤務時間の違いや、勤務する曜日の限定などにより、週の勤務時間はおのずと正社員よりも短くなります。

2-4.転勤の有無

チェーン店や複数の支店を持つ大手企業の正社員は、転勤を命じられることがあります。しかし、準社員の場合、一時的にヘルプに行くことはあっても、転勤を指示されることはほとんどありません

2-5.福利厚生

正社員が享受する福利厚生と同等の利益が受け取れるところもあれば、準社員にはその一部が適応されるといった場合もあります。職務内容が限定される分、福利厚生にも差が出るというのはある程度仕方のないことかもしれません。

2-6.権限や責任

準社員という立場でも、正社員と同等の業務を担当できる企業もありますが、一般的に正社員に対して準社員のほうが職務の幅が狭く、職権や権能においても制限されることが多いかもしれません。

たいていの場合、準社員が責任を負うようなポジションにつくことはないでしょう。

3.「準社員」求人で確認すべきこと

改めて、準社員待遇での転職を考える場合、正社員との違いだけでなく、企業によって異なる契約内容についても、具体的に確認しておかなければなりません。

転職先の候補として、準社員採用の企業が残った場合には、以下の点について必ず確認しておきましょう。

チェックポイント1.給与や福利厚生の面で正社員に準ずるかどうか

どんな企業であれ、正社員と準社員の待遇の差が大きければ、よりメリットのある働き方を考えなければいけません。なかでも、給与、福利厚生の面は注目すべきポイント。生活に関わる部分であり、転職による収入減を避けたい場合には、注意が必要です。

また、収入というと給与だけを見てしまい見落としがちなのが、社会保険や雇用保険等の福利厚生面です。準社員であっても完備されている企業がほとんどですが、念のためチェックしておきましょう。

チェックポイント2.仕事内容に正社員とどのような差があるのか

薬剤師としてのキャリアパスを考える場合、準社員であっても、どのような業務を担当するのか、仕事の幅が正社員とどの程度違うのかについても確認しておきましょう。特に、勤務時間が限定される場合、希望する業務が担当できない可能性も考えられます。

たとえば、正社員と規則や日常業務は同じでも、勤務日数は週3日、曜日固定といった条件の場合、自分が出勤しない曜日に応需する診療科や在宅業務などがあれば、関連業務を担当することはできません。

チェックポイント3.正社員になれる可能性があるか

準社員から正社員になれる可能性があるかどうかも、事前に確認しておくと安心です。現在のワーク・ライフ・バランスを考えたうえで、準社員という働き方を選んだとしても、その後の環境変化によっては、働き方を見直したいと考えるかもしれません。

キャリアを継続し、安定して長く働き続けるためにも、準社員から正社員、または準社員からパートなどと柔軟な対応が受け入れられるかどうかについても事前にリサーチしておきましょう。

4.薬剤師の場合、どのような働き方を「準社員」と呼んでいる?

薬剤師という職種においては、調剤薬局やドラッグストアを中心に準社員という雇用形態が採用されています。応募のハードルを下げる目的で設けられていることもあり、業務内容に関しては、正社員と大きな差がないケースがほとんどです。

ただし、勤務時間は正社員より短く、勤務地を限定しているため転勤の不安がありません。そのため、正社員のようにフルタイムで働くのが難しい人や転勤をしたくない人にとっては、準社員としての働き方も魅力的な選択肢のひとつとなります。

5.準社員で働くメリット

薬剤師としてのキャリアパスを考えるうえで、準社員で働くメリットについても確認しておきましょう。

5-1.ブランクからの復帰でも働きやすい

出産や育児、介護などの事情により、一時的に仕事を離れてしまった薬剤師にとって、ブランクからの復帰には不安がつきものです。

パートやアルバイトといった短時間の勤務から慣れていく方法もありますが、正社員に近い業務を担当しつつ、短時間で働ける準社員であれば、収入も確保しやすく、復帰によるストレスを軽減してくれることでしょう。

5-2.子育てと両立しやすい

準社員は基本的に残業がなく、週30時間勤務といった限定された時間で働くことになります。そのため、子育て中のパパ・ママさん薬剤師にとっては、家庭との両立を行いやすく、働きやすい環境にあります。

また、月・水・金のみの勤務など、決まった曜日だけで働くような条件下では、スケジュールも立てやすく、体力的にも負担が少ないのも魅力です。

5-3.転勤の可能性が少ない

大型チェーン店に勤務する場合、正社員には転勤の不安が付きまといます。しかし、準社員としての募集は、ある程度限定された地域での勤務になることが多く、近隣の店舗への異動はあっても、引っ越しを伴うような転勤になることはほとんどありません。

持ち家から離れたくない人や子どもの転校を避けたい人にとっては、より良い環境といえるでしょう。

6.準社員として働くにあたって

正社員とは異なる準社員ならではのメリットがあるため、希望する働き方や条件が合致すれば、積極的に応募してみるのも一つの手です。しかし、準社員としての勤務条件や待遇は会社によって異なるため、事前のリサーチが欠かせません。

職場選びを失敗しないためにも必ず条件を確認したうえで、候補に加えましょう。とはいえ、チェックしたい給与面や勤務時間、福利厚生といった細かい情報を得るためには、1人の力では難しいこともあります。

そんなときは、マイナビ薬剤師へご相談を。正社員はもちろん、準社員としての働き方や、扶養範囲内での収入確保など、希望の条件に合わせた情報収集が可能です。

「準社員で働きたい」という人はもちろん「準社員について知りたい」という人もまずは気軽にお問合せください。

この記事の監修者

薬剤師専任キャリアアドバイザー

中村 貴大

薬剤師の転職サポート歴7年。
調剤薬局、病院、ドラッグストアなどの法人担当だけでなく、多くの求職者様の転職活動を成功に導いた経験と知識を活かし、転職活動を開始される皆さまを全力でサポートさせていただきます。

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