かかりつけ薬剤師・薬局とは?算定要件・条件や業務内容について解説

かかりつけ薬剤師・薬局とは?算定要件・条件や業務内容について解説

医薬分業は、医師が診療に専念し、薬物療法については薬剤師が専門的な立場で管理することで、有効で安全な治療を提供することができる仕組みです。

しかし、患者さんが複数の医療機関を受診し、それぞれの門前薬局から薬の交付を受けていては、診療科を横断して患者さんを総合的に診ることはできません。

医薬分業は基本的な部分で重要なシステムですが、院外処方が導入されて60年以上が経ち、超高齢社会がもたらす門前薬局のマイナス面が顕在化してきました。

こうした社会的な課題が、各医療機関と個々の患者さんとの間を一元化して取り持つ「かかりつけ薬剤師・薬局」制度を生むきっかけになったといえます。

今後さらに拡充されていく地域包括ケアシステムの一員として、多くの役割が期待される「かかりつけ薬剤師・薬局」について解説します。

1. かかりつけ薬剤師・薬局とは

「かかりつけ薬剤師・薬局」とは、薬物療法だけでなく、健康や介護に関することなどに豊富な知識と経験を持ち、適切な指導や患者さんの相談に応じることができる薬剤師・薬局のことをいいます。

わが国の令和2年度の65歳以上人口は総人口の3割弱ですが、40年後には4割弱まで増加すると試算されています。

一方で総人口は約1億2千万人から9千万人弱に減少すると推定されており、現役世代1.3人で高齢者一人を支えなければならない社会が到来することになります。このように、高齢者の医療費を削減することは国として喫緊の課題となっています。

高齢者の医療費を削減するためには、できる限り医療の場を病院や施設から在宅へと移しつつ、高齢の患者さんの病態を安全に効率よく改善していく必要があります。

そのためには地域の行政や医療機関が連携して在宅ケアを支援する地域包括ケアシステムの拡充が急務です。

そして、地域包括ケアのなかでもひときわ重要な役割を担うのが、一人ひとりの患者さんと向き合い、薬のことだけでなく健康や生活全般の相談に応じることができる「かかりつけ薬剤師・薬局」です。

社会状況の変化によって、医療は門前薬局を生んだ旧来の医薬分業から、新たな枠組みでの医薬連携へと転換することが求められています。

参照元:厚生労働省/患者のための薬局ビジョン

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1-1.制度の目的

2015年に厚生労働省が公表した「患者のための薬局ビジョン」によると、医薬分業を推進するための院外処方に一定の意義を認めつつも、門前薬局による弊害を指摘しています。

患者さんから真に必要とされる機能を備えた薬局となるべく、「かかりつけ薬剤師・薬局」制度は3つの目的を掲げています。

参照元:厚生労働省/令和4年度調剤報酬改定の概要(調剤)

  1. 立地から機能へ 医薬分業の本質を全うする目的
    立地に依存した門前薬局から、患者さんがご自分のニーズに応じたかかりつけ薬局・薬剤師をもつことで、患者さんの薬剤情報を一つにまとめて把握し、重複投与や相互作用のチェック、残薬整理、24時間および在宅対応などの機能を立地から機能へ 医薬分業の本質を全うする目的提供できるようにすることが、かかりつけ薬剤師制度の目的の一つです。
    これは本来の医薬分業の目的でもあります。
  2. 対物から対人へ業務のシフトを図る目的
    これまで、薬剤師の業務は薬品管理や調剤、投薬などその多くが対物業務でした。「かかりつけ薬剤師・薬局」制度は、専門性を生かした薬剤情報の提供や患者さんからの相談など、コミュニケーションを通じた対人業務へのシフトを目的としています。
  3. 地域における医療チームに参画する目的
    地域包括システムにおいて、かかりつけ医を始めとした多職種やほかの施設と連携して地域包括ケアの一翼を担う存在となることが目的です。患者さんの薬物療法の情報共有や処方医へのフィードバック、処方提案など薬剤師の専門性を発揮する場となります。

2.かかりつけ薬剤師・薬局に求められる3つの機能

厚生労働省では、かかりつけ薬剤師・薬局が持つべき機能として、「服薬情報の一元的・継続的把握」「24時間対応・在宅対応」「医療機関等との連携」の3つをあげています。

医療機関と連携し、在宅医療や夜間休日でも患者さん対応が可能な体制を整え、副作用や効果を継続的に確認し、多剤・重複投薬を防いで正しい薬学的管理をおこなえるようにすることが機能として求められます。

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参照元:厚生労働省/かかりつけ薬剤師・薬局の推進について

2-1.患者さんに対して専属の薬剤師がつく

かかりつけ薬剤師・薬局は、一人の患者さんに対し一人の専属の薬剤師が担当する制度です。

かかりつけとして担当する薬剤師は、患者さんがおかかりのすべての医療機関の服薬情報を一元的かつ継続的に把握し、多剤や重複投薬の有無、相互作用の防止、副作用の発現などについて、適切な薬学的管理や指導をおこなわなければなりません。

2-2.薬局が閉まっている時間帯や在宅も対応

かかりつけ薬剤師・薬局は、薬局が閉まっている夜間や休日も含め、24時間体制で患者さん対応が求められます。

担当している患者さんの急な体調変化や薬の副作用、飲み間違い、服用のタイミングなど、さまざまな事柄に対して電話などで相談を受け、必要に応じて調剤や交付もおこないます。

また、地域包括ケアシステムにおける在宅対応も、求められる機能の一つです。かかりつけ薬剤師・薬局制度のもとでは、24時間対応が可能となるよう体制づくりも必要となります。

2-3.医療チームとの連携

かかりつけ薬剤師・薬局は、担当する患者さんの薬物療法に対し、服用前から服用後までの情報を管理することが求められます。

処方内容を確認し、必要があれば処方医に問い合わせをしたり、服用後に患者さんから得た情報を医療機関や医療チームの他職種にフィードバックしたり、残薬調整など処方変更につなげることもあります。

また、薬物療法に関することだけでなく、健康全般の相談やほかの医療機関への受診をおすすめすることなども、かかりつけ薬剤師・薬局の果たすべき機能の一つです。

地域包括ケアシステムにおいては医療チームとして多職種と連携し、患者さんを多角的にサポートできる体制を整えておくことが求められます。

参照元:厚生労働省/患者のための薬局ビジョン

3.かかりつけ薬剤師・薬局の業務内容

「かかりつけ薬剤師・薬局」としての機能を発揮するため、日常の業務内容は薬中心の対物業務から患者さん中心の対人業務へと軸足を移すことになります。

これまでは、処方箋を受け取り薬剤の調製と薬袋の作成、報酬算定、監査を経て交付するまでが主な薬剤師の業務でした。

しかし、これからの「かかりつけ薬剤師・薬局」は、複数の医療機関による処方内容をチェックし、重複投与や相互作用を考慮した疑義照会と処方提案をおこない、服薬指導をより丁寧に、薬学管理をするうえでは在宅訪問をおこなうなど、ペイシェントオリエンテッド(患者最優先)な業務が中心となります。

こうした「かかりつけ薬剤師・薬局」の業務に従事する上で重要なポイントをいくつかあげてみます。

3-1.かかりつけ薬剤師の情報の開示

ほかの保険薬局や医療機関に対し、かかりつけ薬剤師の情報を伝えるためにお薬手帳に薬剤師名や勤務する薬局名などを記載します。

また、患者さんにも、かかりつけ薬剤師をもっていることを伝えるように話しておきます。

3-2.患者さんの同意を得ること

患者さんに、かかりつけ薬剤師が必要と判断した理由、業務内容、かかりつけ薬剤師をもつことの意義・役割、かかりつけ薬剤師指導料の費用などを説明し、同意書を提出してもらうことが必要です。

3-3.一元的かつ継続的な薬剤情報の管理

患者さんが受診している医療機関の情報を把握し、服用中の薬剤などについて、一元的かつ継続的に管理します。

患者さん一人につき1冊のお薬手帳に薬剤情報を集約することで、重複処方、多剤投与、相互作用、残薬調整、副作用の発現などについて早期に対処できるようになります。

また、処方薬だけでなく市販薬やサプリメント、嗜好品などについても情報を把握し、患者さんの健康を全般的にサポートします。

さらに、患者さんに検査値の結果を提供してもらい、服薬指導や生活指導などにつなげることも業務となります。

3-4.服薬指導やサポート、処方医へのフィードバック

患者さんの年齢や病態、日常生活レベル、ライフスタイル、家庭環境などの情報を含め、理解度に応じた服薬指導をおこないます。

提供した服薬指導や患者さんから得た情報は薬剤服用歴に記載し、必要があればほかの薬剤師や地域連携の他職種とも情報共有ができるようにします。

服薬指導だけでなく、服用後の状況を訪問や電話などでヒアリングをおこない、必要があれば処方医へフィードバックしたうえで処方変更や処方提案につなげます。

3-5.24時間体制での対応や継続的な薬剤の管理・整理

患者さんからの相談や問い合わせなどに対し、かかりつけ薬剤師は24時間体制で応じます。そのために、かかりつけ薬剤師の連絡先を伝えておく必要があります。

ただし、令和2年の診療報酬改定により、あらかじめ患者さんに説明しているのであれば、やむを得ない事由以外でも、同じ薬局の別の薬剤師が対応することも可能となりました 。

参照元:厚生労働省/令和4年度調剤報酬改定の概要(調剤)

継続的な薬剤の管理業務では、患者さんがお持ちの薬を定期的に薬局に持参してもらったり、ご自宅に訪問するなどして薬剤を整理したり、整理する方法を指導します。

飲み忘れや飲み間違いなどがないように、患者さんのアドヒアランス向上につなげる業務です。

4.かかりつけ薬剤師になるには

かかりつけ薬剤師指導料およびかかりつけ薬剤師包括管理料を算定するためには、薬局に、かかりつけ薬剤師としての要件を満たす保険薬剤師がいなければなりません。その要件について説明します。

4-1.薬局勤務経験が3年以上

かかりつけ薬剤師になるには、保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験が必要となります。

また、病院薬局など保険医療機関の薬剤師としての勤務経験が1年以上ある場合は、1年を上限とし保険薬剤師としての勤務経験の期間に含めることができます。

4-2.同一薬局に32時間以上勤務

かかりつけ薬剤師になるには、一つの薬局に1週間に32時間以上勤務していることが必要です。

ただし、すでにかかりつけ薬剤師がいる薬局では、育児休業、介護休業、家族の介護などで勤務時間が短くなった場合には、育児・介護休業法の規定によって週 24時間以上かつ週4日以上の勤務でも、かかりつけ薬剤師の要件に当てはまります。

4-3.該当の薬局に1年以上在籍している

かかりつけ薬剤師としての届出を提出する場合、該当する薬局に1年以上勤務している必要があります。

以前は「当該薬局に6か月以上在籍」とされていましたが、「地域包括ケアシステムにおいて顔の見える関係を築くには短すぎる」などの議論があり、平成30年10月1日以降は「1年以上在籍」と改められました。

参照元:厚生労働省/平成30年度診療報酬改定

4-4.認定薬剤師を取得している

かかりつけ薬剤師は、一定以上の専門的な薬物療法の知識や情報を有している必要があります。そのため、 薬剤師認定制度認証機構が認証している認定薬剤師制度等の認定薬剤師を取得している必要があります。

4-5.医療に関わる地域活動の取り組みに参加している

かかりつけ薬剤師・薬局に必要な要件の一つに「医療に係る地域活動の取組に参画していること」があります。

地域活動の具体的な基準は定められていませんが、おおむね行政や薬剤師会が主催する地域向けの研修会や地域包括ケアシステムでの会議などへ主体的・継続的に参加することが該当するようです。

参照元:厚生労働省/疑義解釈資料の送付について(その3)

5.かかりつけ薬剤師・薬局のメリット

かかりつけ薬剤師・薬局のメリットは、薬剤師にとっては診療報酬のアップにつながり、患者さんにとっては薬物治療の安全性と効果の向上、健康に関する生活上の相談相手ができることです。

かかりつけ薬剤師・薬局が一人ひとりの患者さんの健康を見守ることが、社会全体のメリットへとつながるのです。

5-1.薬剤師側のメリット

薬剤師が「かかりつけ薬剤師」となる3つのメリットについて解説します。

  1. かかりつけ薬剤師・薬局最大のメリットは報酬アップ
    かかりつけ薬剤師・薬局の最大のメリットは、なんといっても報酬のアップが見込めることです。

    ただし、患者さんの同意が得られなければ、かかりつけ薬剤師・薬局になることはできませんので、一人でも多くの患者さんから指名されるよう24時間対応・在宅訪問対応を前提としたより密接な服薬指導と管理が求められます。

    改定前 改定後
    かかりつけ薬剤師指導料 73点 76点
    かかりつけ薬剤師包括管理料 281点 291点
    施設基準 なし 会話のやりとりが周囲に聞こえないようパーテーションで区切る等、患者のプライバシーに配慮されていること。
    残薬管理 残薬が確認された場合はその理由も把握すること。また、残薬が相当程度認められる場合は、処方医に連絡し投与日数等の確認を行うよう努めること。 残薬の理由を把握すること、相当程度認められた場合の処置に加えて、残薬が一定程度認められている場合は、患者の意向を確認の上、残薬の状況と理由をお薬手帳に記載し、処方医に対して情報提供するよう努めること。

    参照元:厚生労働省/令和2年度診療報酬改定の概要(調剤)

    薬剤師包括管理料は、特定疾患を有する患者さんで「かかりつけ医」を持っている方が対象です。かかりつけ薬剤師は服薬状況を常にかかりつけ医に情報提供し、必要に応じて処方提案をします。

    薬剤師指導料が算定されるのはその他の患者さんです。

    高齢化社会が進行する中で、特定疾患の患者さん、及び一般の患者さん双方から頼りにされ、かかりつけ薬剤師・薬局として指定されることで報酬アップにつながります。

  2. 早くかかりつけ薬剤師としての経験を積むことでキャリアアップを
    すべての団塊の世代が75歳以上になる2025年問題を控え、国はすべての薬局を「かかりつけ薬局」にすることを目標としています。ということは大半の薬剤師が、あと数年後にはかかりつけ薬剤師になる可能性があるわけです。

    そうした状況下において、早くからかかりつけ薬剤師として患者さん専任の薬剤師としてトータルでの薬管理の経験や24時間対応、そして医師や病院と連携した医療チームの一員としての患者をサポートする経験を積むことが重要です。

    かかりつけ薬剤師の経験を早くから積むことで、高齢医療や服薬に関するエキスパート薬剤師としてキャリアアップにつなげられる可能性が高まります。

    参照元:厚生労働省/かかりつけ薬剤師・薬局の推進について

  3. 患者さんや医療従事者から頼りにされる
    内閣府が調査した「令和2年度薬局の利用に関する世論調査」によると、かかりつけ薬剤師・薬局を決めている患者さんは徐々に増えており、特に高齢になるほど多くなる傾向にあります。

    こうした患者さんのほとんどが、「かかりつけ薬剤師・薬局を決めていてよかった」と感じているそうです。

    「生活状況や習慣などを理解してくれた上で、薬についての説明などをしてくれた」「重複処方されていた薬を医師に知らせて薬の種類を減らしてくれた」など、患者さんの感謝の声が多数聞かれます。

    また、適切な服薬管理をおこなうことで医師や看護師など他の医療職からの信頼につながることも、かかりつけ薬剤師に達成感とやりがいを与えてくれます。

    参照元:内閣府/薬局の利用に関する世論調査

5-2.患者さんのメリット

患者さんにとって「かかりつけ薬剤師・薬局」を持つメリットは、かかりつけ薬剤師の3つの機能そのものです。

  1. 患者さん専任の薬剤師がすべての薬を管理してくれるから安心して服用いただける
    一人の患者さんを一人の専任薬剤師が担当し、患者さんが使用する複数の処方薬、OTC薬をすべて把握した上で、重複・多剤投薬や飲み合わせ、効果と副作用の確認を継続しておこなうため安心して服用いただけます。
  2. 休みの日や夜間でも薬の相談ができ、自宅への訪問も可能
    薬局が開いていない休日・夜間でも、電話などで薬についての相談ができ、必要ならば処方箋による薬の交付もおこないます。来局がむずかしい患者さんの場合は、ご自宅を訪問して服薬指導や残薬の確認をおこないます。
  3. 薬剤師だけでなく医師や病院とも連携してトータル的なサポートをおこなう
    薬を処方した医師や医療機関と連携して情報を共有し、患者さんに対して医療チームとしてのサポートをおこないます。

    また、地域包括ケアシステムの一員として、食事や運動、介護などについての相談もうけます。

    患者さんにとって「かかりつけ薬剤師・薬局」はいちばん身近な医療者として、患者さん一人ひとりの健康を見守ってくれる存在なのです。

参照元:内閣府/薬局の利用に関する世論調査
日本薬剤師会/日本薬剤師会の政策提言

6.かかりつけ薬剤師・薬局の今後の展望

2015年に厚生労働省が打ち出した「患者のための薬局ビジョン」において、薬局のあり方の変化が求められ、はじめて「かかりつけ薬剤師」という言葉が使われました。

制度がスタートして7年が経過した現在、かかりつけ薬局・薬剤師の今後の展望はどのように変化していくのでしょうか。

令和2年の診療報酬改定において、かかりつけ薬剤師指導料は73点から76点へ、かかりつけ薬剤師包括管理料は281点から291点へと拡充されました。

また、地域におけるかかりつけ薬局を評価する地域支援体制加算においても、かかりつけ薬剤師指導の実績が加味されるなど、かかりつけ薬剤師の存在意義が高まっていることは明らかです。

2025年に団塊の世代約800万人がすべて75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」まであとわずか。

年間の医療費と介護費は2018年から約20兆円増加すると考えられています。現役世代の負担は重く、社会保障費をいかに軽減するかが国としての大きな課題です。

2025年問題から10年後の2035年には、団塊の世代は要介護状態の方が多くなる85歳を迎え、一般的な外来受診がかかりつけ医になることから、日常生活圏内すべてにかかりつけ薬剤師・薬局が存在し、かかりつけ機能が発揮できるよう薬局の再編が進められています。

さらには、かかりつけ薬剤師・薬局から1歩進んだ健康サポート薬局によって、未病の段階で地域住民の健康を維持していく方策も進められています。

健康サポート薬局もまた、地域包括ケアシステムのなかで機能することが前提となっています。

ICTの活用によるオンラインでの服薬指導や、薬剤師が看護師の仕事の一部を担うタスクシェアが検討されるなど、規制緩和も着実に進んでいます。

かかりつけ薬剤師・薬局の役割はさらに広がり、予防医療やセルフメディケーションなどの未病領域から看護の領域まで、患者さんの病気と健康に関するより広範囲な職務へ発展していくものと考えられます。

参照元:厚生労働省/今後の高齢化の進展
厚生労働省/かかりつけ薬剤師・薬局の推進について

7. まとめ

かかりつけ薬剤師とは、患者さんにご自分のニーズに合わせた薬局を選んでもらい、患者さんと薬剤師が1対1の関係で、一元的かつ継続的に、服用前から服用後のフォローアップまで薬物療法を管理し、24時間体制で全般的な健康サポートと地域包括における医療連携を行う制度です。

本来の医薬分業の目的を果たすための制度でもあり、2025年にはすべての薬局がかかりつけ薬局の機能を有することが進められています。

かかりつけ薬剤師の届出を提出するには、勤務時間や研修認定の取得などの要件がありますが、今後の薬局・薬剤師のあり方を考えるうえで必要なスキルといえるでしょう。

この記事の著者

ライター

朝倉 哲也

資格の知見を活かして、サプリメントや健康食品に関する記事など、書籍や雑誌で執筆を行っている。

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