ドラッグストアで働く薬剤師とは?仕事内容や年収、薬局との違いについても解説

病院や調剤薬局にお勤めの薬剤師の方は、ドラッグストアに対してどのような印象をお持ちでしょうか? 調剤がない、給料(時給)が高そう、忙しそう・・・。皆さん各々のイメージをお持ちだと思いますが、実際のところはどうなのでしょうか?

そこで今回は、ドラッグストアで働く薬剤師の仕事と職場環境についてくわしくご紹介します。他にはない、ドラッグストアの働き方やメリットを知ることで、今後の選択肢がぐっと広がるはずです。

目次

1.ドラッグストアの定義や特徴

そもそもドラッグストアとは何か? どんな特徴があるのだろう? まずはドラッグストアの概要について簡単におさらいしてみましょう。業態としての明確な基準も設けられています。ご存じのことも多いかと思いますので、不要な方は読み飛ばしていただいて結構です。

1-1.ドラッグストアの定義

ドラッグストアとは、医薬品や化粧品を中心に、健康・美容関連の商品や日用品、加工食品といった商品をセルフサービス方式で小売する事業所のことをいいます。また、次の4つの基準を満たす店舗が、ドラッグストア業態と位置付けられています。

  • 店舗全体の50%以上がセルフ販売方式
  • 医薬品・化粧品・衛生用品・日用品を取り扱っている
  • 医薬品・化粧品の売上構成比が30%以上
  • 医薬品・化粧品を含んだ5つ以上の取扱いカテゴリーがある

1-2.ドラッグストアの特徴

ドラッグストアでは、一般用医薬品、健康食品、化粧品、日用品などの販売を行っているため、働く薬剤師の業務もほかの薬局や病院と大きく異なってきます。

また、既存のドラッグストアで調剤室を併設したり、在宅患者に対して介護用品や日用品も提供したりする店舗も増えています。さらに、資本力や店舗の広さを活用して無菌調剤設備を整備しているドラッグストアもあります。

ドラッグストアには処方箋を持たない方も普段から来訪するため、体組成計や簡易血糖測定器などを設置し、健康状態を知ってもらい管理栄養士や薬剤師が食事療法やサプリメントを提案する健康イベントもさかんに行われています。ドラッグストアにおける薬剤師の仕事は幅広くなっているといえるでしょう。

2.ドラッグストアと薬局との違いは?

ドラッグストアも薬局も医薬品を販売する店舗ですが、業務内容や扱える医薬品などに違いがあります。

参照元:厚生労働省/医療法 第1条の2第2項

2-1.薬局

主な業務

医薬品の「調剤」「販売」「説明・指導」がメインです。薬剤師は、医師からの処方箋に基づいて調剤し、適切に服薬できるように説明や相談に応じることが大切な業務となります。そのため「調剤薬局」とも呼ばれることもあります。

取り扱いできる医薬品

医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品。主に医師の処方箋が必要な医療用医薬品を販売。

特徴

薬剤師が常駐しており、患者さんと対面で医薬品を販売しています。調剤を実施する薬局は「医療提供施設」としても位置付けられています。都道府県知事等から薬局開設者の許可を受けている施設のみ、「薬局」と名乗ることができます。

参照元:総務省/医療提供施設

2-2.ドラッグストア

主な業務

医薬品などの「販売」がメインです。これは制度上、ドラッグストアが「店舗販売業」に分類されているためです。薬局と違って「調剤」はできません。お客さまの要望や必要に応じて、説明しながら医薬品を販売。接客や在庫管理など、店舗運営に関わる業務も大事な仕事です。

取り扱いできる医薬品

OTC医薬品(要指導医薬品・一般用医薬品)のみ。医療用医薬品は販売できません。薬剤師が不在の際には「要指導医薬品」「第一類医薬品(一般用医薬品)」の販売もできません。

特徴

薬剤師が常駐しているとは限らず、セルフ販売が基本です。しかし、最近では薬局を併設するドラッグストアが増えています。調剤室があり、薬剤師が常駐。医療提供施設としての薬局と、医薬品から化粧品・日用雑貨まで幅広く取り扱うドラッグストアの機能を併せ持ち、地域の健康拠点としてのニーズに応えようとしています。

3.ドラッグストアで働く薬剤師の役割や主な仕事内容

ドラッグストアの薬剤師業務は、主に処方箋を持たないお客さまへの医薬品の販売です。お客さまのお悩みや健康状態などをヒアリングし、最適なOTC医薬品をご提案。ときには、サプリメントや衛生商品などをおすすめすることもあります。医薬品のみならず、あらゆる商品を扱うドラッグストアだからできる仕事でしょう。

また、ドラッグストアでの勤務は仕事内容が広範囲にわたります。医薬品の販売だけでなく、接客やレジ打ちなどの販売に関わる業務、商品補充やPOPの作成といった売場づくりの業務に関わることもあるでしょう。勤務経験が長くなると、商品の発注や店舗の管理などの店舗運営業務に携わることもあります。

ドラッグストアのみの店舗の場合は調剤をする機会はありませんが、調剤薬局が併設された店舗の増加にともない、ドラッグストア勤務でも調剤するケースが増えています。調剤から販売、店舗運営に関わるまで、専門性を生かしながら幅広い業務の役割を担うのが、ドラッグストアで働く薬剤師の仕事といえるでしょう。

4.ドラッグストアで働く薬剤師の給与はどれくらい?

ドラッグストアは給与(時給)が高いと考える方が多いと思います。事実その傾向があります。令和4年賃金構造基本統計調査によると、50代までの薬剤師の平均年収はおよそ550万円となっています。
※「所定内給与額」×12カ月+「年間賞与そのほか特別給与額」で算出

一方、ドラッグストアの年収は同様に500万円ほどが相場といわれています。加えて、店長クラスになると600〜700万円、更に上のマネージャーなど管理職ともなると、1,000万円の大台に乗ることも珍しくないようです。

また、役職にもよりますが、都心部よりも地方のほうが年収は高い傾向が見られます。関東エリアでは年収700万円台までの求人がほとんどですが、地方では年収1,000万円までの求人も見られます。

ベースの給与が高いことは前提として、伸びしろもあります。病院や調剤薬局で働かれている薬剤師の方が転職によって年収を伸ばすことは、十分に可能といえるでしょう。

薬剤師の年収について詳しくはこちらをご覧ください。

参照元:厚生労働省/令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
参照元:政府統計の総合窓口/令和4年賃金構造基本統計調査

5.ドラッグストアで働くメリット

病院や調剤薬局勤務にはないキャリアプランとは? ドラッグストアならではの働き方や待遇とは? 仕事もプライベートも充実する、ドラッグストアで働く際のうれしいメリットをくわしくご紹介します。気になっている項目があれば、ぜひチェックしてみましょう。

5-1.多様なキャリアプランが期待できる

ドラッグストアでは、薬剤師として処方箋を持っていないお客さまの相談にのることがあります。OTC医薬品とはいえ、服用中の薬との飲み合わせやお客さまの希望などに応じて最適な提案が求められます。処方箋がないからこその難しさはありますが、OTC医薬品の専門家としてキャリアを積むことができます。

また、ドラッグストアで働く薬剤師は、販売員として接客や販促業務も担当することとなります。レジ打ちや商品補充等の販売業務のほか、POP制作や売場づくりなどの販促業務も大切な業務です。これは、病院や調剤薬局での勤務ではなかなか経験できない仕事です。

売場での経験を積めば、副店長や店長などのポジションへのキャリアアップもできるでしょう。管理職となれば、店舗運営やマネジメント業務なども任されるようになり、年収アップも期待できます。

この先パートや派遣などに働き方を変えたいと思ったときも、シフト制で時給の高いドラッグストアが選択肢のひとつになり得ます。もし経験があれば、転職しても多くのドラッグストアで歓迎されるはずです。
薬剤師という専門性を活かしながら、多様なスキルアップやキャリアプランが期待できるのが、ドラッグストア勤務の魅力です。

5-2.大手では研修制度などが充実している場合もある

大手のドラッグストアでは、社内研修の制度が充実している企業が多くあります。OTC医薬品についての専門知識を高める研修、売場スタッフとしてのコミュニケーション力・接客のスキルアップを目的として行われる研修など、実にさまざまな研修が実施されています。ときには、製薬メーカーの担当者を交えた医薬品の新商品勉強会が開催されることも。調剤併設型の店舗では、調剤に関する研修も充実しています。

大手独自の充実した研修制度を利用し、自身のスキルアップにつなげられるのは実に魅力的です。また、大手では店舗によって教育水準に大きなムラがないのも安心。堅実に知識の習得とスキルの向上を目指すことができるのです。

5-3.やりがいを感じやすい

ドラッグストアで働く薬剤師の魅力は、やはり給与面。労働時間の長さや人材不足、薬剤師業務以外の対応など忙しい面はありますが、病院や調剤薬局と比べても給与が高い傾向にあります。高い給与を望む場合には、やりがいにつながる要因の一つといえるでしょう。

また、OTC医薬品の専門家として知識やスキルを身につけることができるのも、ドラッグストア勤務ならではのやりがい。セルフメディケーションが推進されている時代、薬剤師は医療用医薬品だけではなくOTC医薬品についての知見も求められます。お客さまの悩みをうかがいながら最適な医薬品をご提案していく業務は、他の職場では得られ難い経験です。

5-4.福利厚生が充実している企業も多くなっている

人材不足が続いているドラッグストア業界。優秀な薬剤師を採用するため、社内の福利厚生を充実させて、求職者にアピールする企業が増えています。

社会保険の完備はもちろん、産休・育休制度や時短勤務制度、介護休業制度などを整備し、どんな方でも働きやすい職場づくりを目指している企業がほとんど。また、会員制福利厚生サービスを導入し、保養施設やレジャー施設などを社員がお得に利用できるよう工夫している企業もあります。

特に大手のドラッグストアチェーンでは、競うように「福利厚生の充実」をはかっています。気になる項目がある場合には確認してみましょう。

5-5.ワークライフバランスが実現しやすい

ドラッグストアは多くがシフト勤務ですが、実はシフト調整しやすい店舗も多く、プライベートとの両立もしやすいといわれています。

なぜなら、病院や調剤薬局に比べて1店舗あたりのスタッフ数が多いから。
ドラッグストアは土日祝日も営業している店舗が多く、営業時間も長いですが、スタッフの数も多いため、シフト調整がしやすいといわれています。最近では新卒採用にも力を入れており、薬剤師の人数に余裕がある企業も増えてきました。ただしパート勤務の場合は、店舗によって最低勤務日数・時間などが異なるため、就職前にしっかり要望を伝えることが重要です。

また、大手のドラッグストアチェーンの一部では、福利厚生の一環として、年に1〜2回ほど連続して数日の休暇を取れるという制度を導入しているところもあります。旅行などに行きたい方は、こうした制度がある企業を選ぶとよいかもしれません。

6.ドラッグストアで働くデメリット

ドラッグストアでの勤務はメリットがたくさんありますが、もちろんデメリットもあります。

その一つが、長時間勤務の可能性があることです。ドラッグストアで働く薬剤師は、OTC医薬品の販売以外にも多くの業務があります。

レジ打ちや商品補充等の販売業務、POP制作や売場づくりなどの販促業務、発注や在庫管理などの経営補助など多岐に渡ります。そのため、店舗によっては一人当たりの業務量が多くなり、長時間勤務になる場合も。深夜営業で夜勤のシフトが発生する店舗もあるため、体力に自信がない方はきついと感じることがあるでしょう。

また、ドラッグストアは多くの場合がシフト勤務です。病院や調剤薬局と比べて薬剤師の数が多いためシフトの調整がしやすいですが、他のスタッフの休暇希望が重なると思い通りに休みが取れない場合も。土日祝日に営業している店舗も多いため、家族や友人と休みが合わないといった悩みが発生することもあります。

7.ドラッグストアで求められるスキル

ドラッグストアで働くにあたって、薬剤師は販売スタッフや医薬品の相談役など、調剤業務にとどまらず幅広いスキルや経験が求められます。ドラッグストアが求めていることを把握し、転職活動の際にはアピールできるようにしましょう。ドラッグストアの薬剤師に求められるのは、主に次のようなことです。

7-1.スキル1. 小売業の販売スタッフである意識

ドラッグストアで働く薬剤師は、販売スタッフとしてお客さまからの相談に応じたり、医薬品だけでなく健康食品や日用品など数々のアイテムを把握し、在庫管理をしたりしなければなりません。

常に、新しい医薬品についても情報を仕入れ、お客さまに説明できるようにすることが求められます。

7-2.スキル2. お客さまのガイド役としてのコミュニケーションスキル

病院内薬局や調剤薬局とは異なり、ドラッグストアの薬剤師は、処方箋に基づいた服薬サポートだけでなく、一般用医薬品やサプリメント、健康食品などさまざまな商品をお客さまにすすめるガイド役となります。症状や悩みを上手に聞き出し、適切な商品を提案できるコミュニケーションスキルが求められます。

7-3.スキル3. 独特のビジネスマナー

調剤業務だけでなく接客業的な一面もありますので、薬剤師の対応力が店舗の評判に影響するといえます。お客さまに対してスマートな接客を行い、「また相談したい」と思ってもらえるように努めることが大切です。また、ドラッグストアには、薬剤師のほかにも販売スタッフやビューティーアドバイザー、栄養士、アルバイトなど多様な職種の人々が働いています。ほかの職種のスタッフとも上手に連携し、店舗の評判や売上に貢献する必要があります。

8.ドラッグストアで働くのに向いている人

ドラッグストアでの勤務は、同じ薬剤師であっても病院内薬局や調剤薬局での勤務とは業務内容や職場の雰囲気がかなり異なります。ドラッグストアに向いているのは、どのようなタイプの薬剤師なのでしょうか。順番に見ていきましょう。

8-1.医薬品の知識をもっと深めたい

ドラッグストアでは、さまざまな要指導医薬品や一般用医薬品、健康食品、サプリメントなどを扱っています。さらに調剤併設型であれば医療用医薬品も扱うことになります。

商品の選択肢の多さに加え、多種多様な健康の悩み、背景を持つお客さまがやってくることも特徴です。クリニックの門前薬局などであればよく出る薬は決まってくるものですが、ドラッグストアではそうもいきません。医薬品はもちろん、サプリメントや健康食品などの周辺領域も含めて最新の製品情報をアップデートし、相互作用や禁忌などについて勉強を続けていく熱意が欠かせないといえるでしょう。

8-2.地域医療に貢献したい

ドラッグストアで働く薬剤師は、お客さまとの距離が近いため、ちょっとした相談を受けることも少なくありません。たとえば「病院に行くほどではないが不調を抱えている」「介護中の家族の体調が気になっている」など、小さな不安や悩みを抱えながらドラッグストアに来店するお客さまは多くいらっしゃいます。

薬剤師がお客さまから上手く話を引き出し、主体的に提案することができれば、医療機関や薬局ではすくい上げることのできない地域のニーズに応えることができます。より地域に密着したドラッグストアという業態だからこそ、他ではできない細やかな対応が可能になるといえるでしょう。

8-3.柔軟に対応できる

病院内薬局や調剤薬局に比べて、ドラッグストアでは業務範囲がかなり広くなります。また、接客の比重が高くなり、若い人から高齢者まで、さらには健康意識の高い人から重い病気をかかえている人まで、さまざまなお客さまに対応することも特徴です。薬局であれば1人ひとりの患者さんに順番に対応してしっかりと話を聞き、それから調剤に集中することができます。

一方、ドラッグストアで売り場に立つ場合は、通常のレジ業務や品出しをこなしながらお客さまに対応し、瞬時にその背景や知識レベルを見極めながら接客することが求められます。さらに、その対応中に他のお客さまから話しかけられて対応しなければならないシーンも考えられます。そうした点から、ドラッグストア勤務では複数の業務を並行して処理し、要領よく対応していくスキルが求められているといえるでしょう。

9.今後のドラッグストアの役割はどう変わる?

今までは医薬品や化粧品、日用雑貨などの販売が主たる業務だったドラッグストア。近年、セルフメディケーションの推進や在宅医療に力を注ぐドラッグストアが増えてきました。それにともない、かかりつけ薬剤師の重要性も注目されています。ドラッグストアは、地域の健康拠点としての役割を期待され始めています。

9-1.かかりつけ薬剤師

高齢化が進む中、ふくらむ医療費の削減を目指し、医療の現場が病院から在宅へ移りつつあります。在宅でのケアを必要とする患者さんのために、地域の行政や医療が連携する上で、必要とされているのが「かかりつけ薬剤師」の存在です。

かかりつけ薬剤師とは、1人の患者さんに対し1人の薬剤師が担当する制度。いつも行く、かかりつけ薬局の薬剤師が専属で担当することで、患者さんの服薬情報を一元管理。適切な薬学的管理や指導を行います。

患者さんにとっては自分専任の薬剤師の存在が心強く、24時間対応が求められる在宅医療の現場でも対応が可能に。健康への悩みなども相談しやすくなります。また、薬局・薬剤師にとっては患者さんの服薬指導を適切にサポートしやすくなり、必要な薬の在庫管理などもスムーズに。薬局の売上にも貢献できます。

調剤併設型のドラッグストアも地域の医療を支える薬局として、「かかりつけ薬剤師・薬局」の対応を進めています。ドラッグストアに求められる役割が、広がりを見せているのです。

かかりつけ薬剤師について詳しくはこちらをご覧ください。

参照元:日本薬剤師会/かかりつけ薬剤師・薬局とは?

9-2.セルフメディケーション

セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当すること」です。2017年、一定の条件を満たした場合に年間のOTC医薬品の購入が控除されるというセルフメディケーション税制が導入されて以来、セルフメディケーションへの取り組みが活発化してきました。

「自分の健康を自分で守るために、生活習慣を整えて健康を維持する」「軽度の不調はOTC医薬品を上手に利用して、手当て・治療する」そんなセルフメディケーションの取り組みに、薬剤師のサポートが求められています。

なかでもOTC医薬品は、ドラッグストアで購入するケースが多いため、ドラッグストアで働く薬剤師のサポートは特に重要です。お客さまの症状や悩みをヒアリングし、数あるOTC医薬品の中から最適なものをご提案し、適切に使用できるよう指導することが求められます。また、生活や食事についてもアドバイスすることもあるでしょう。ときにはサプリメントや衛生用品の利用をおすすめするなど、あらゆる角度から健康管理をサポートします。地域の方々のセルフメディケーションを後押しする役割が期待されています。

参照元:日本薬剤師会/「セルフメディケーション」について
参照元:厚生労働省/セルフメディケーション税制を知っていますか!?
参照元:厚生労働省/セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について

9-3.在宅医療

在宅医療とは、医師や看護師などの医療チームで患者さんの自宅や施設を訪問して行う医療のこと。社会の高齢化や介護の必要性の高まりにともない、ニーズが増えてきています。

そんな在宅医療の現場で、医師や看護師らと連携しながら活躍しているのが「在宅医療薬剤師」です。在宅医療でももちろん投薬治療が必要なケースがあります。そんなときに、薬剤師自らが患者さんの自宅や施設を訪問します。薬をお届けし、服薬指導や薬の管理についてアドバイスを行います。

調剤薬局を併設しているドラッグストアでも、地域の健康拠点として在宅医療の力になれるよう取り組んでいます。在宅医療薬剤師の資格取得を推進したり、医師や看護師との連携を取りやすい仕組みを整えたりしています。ドラッグストアは在宅医療を支える存在としても、注目されているのです。

在宅医療薬剤師について詳しくはこちらをご覧ください。

10.調剤薬局や病院内薬局からドラッグストアへの転職で注意すべきこと

調剤薬局や病院で働いていた薬剤師がドラッグストアへ転職する場合、どんなポイントに注意すべきなのでしょうか? また、どんなスキルや経験をドラッグストアの業務で生かすことができるのでしょうか?
転職を検討する際、事前に知っておくと安心です。それぞれくわしく見ていきましょう。

10-1.調剤薬局からドラッグストアへの転職

調剤薬局からドラッグストアへ転職する場合は、やはり調剤室併設型のドラッグストアだと転職後も大きく貢献できるでしょう。調剤業務やかかりつけ薬剤師としての経験をそのまま生かすことができますので、お客さまとのコミュニケーションや服薬サポート面においても問題ないはずです。

また、ドラッグストアでは、調剤業務に加えてレジ打ちや品出し、商品の管理などの業務も任されることが多くなります。導入研修が充実したところも多く、労働環境も改善されているためドラッグストアへ転身する方も増えています。制度や実態を把握して会社を選ぶことをおすすめします。

10-2.病院からドラッグストアへの転職

病院で働く薬剤師は、周囲の薬剤師とだけではなく、医師や看護師をはじめとするさまざまな医療スタッフと連携して業務を行っていた経験があると思います。ドラッグストアの薬剤師も、たとえば栄養士と連携して食事面のアドバイスや健康サポートを行うなど、他職種のスタッフとの連携が求められます。そういったスタッフとうまくコミュニケーションをとり、業務を回していくスキルや経験が役立つといえるでしょう。

また、調剤薬局からドラッグストアへの転職と同様に、さまざまな商品を取り扱う販売員としての経験などに不安がある場合は、志望先選びの際によく検討してみることをおすすめします。

11.まとめ

これまで、ドラッグストアで働く薬剤師について説明してきました。ドラッグストアでは業務の幅が広いことから、さまざまな商品や販売業そのものに興味関心がある方が向いています。逆に、医薬品だけの知識を突き詰め、深めていきたい方は、病院や調剤薬局勤務の方が良いのかも知れません。

もちろんそれだけではなく、収入面などさまざまな理由からドラッグストアに魅力を感じている方もいらっしゃるでしょう。転職を検討する際には、企業と店舗ごとの情報を入念に調査することが大切です。思っていた業務と違う、想像していたより大変、やりたいことができない、といったミスマッチを防ぐために。ぜひ利用してみたいのがマイナビ薬剤師です。

マイナビ薬剤師は、人材紹介サービスの一つです。所属するキャリアコンサルタントが求職者のお悩みをヒアリングし、最適な転職を提案させていただきます。キャリアコンサルタントは企業と直接関わりがあるため、求人票に載っていないドラッグストアの雰囲気や職場の様子などもお伝えすることができます。

ドラッグストアの薬剤師に興味がある方や薬剤師の専門性を生かしながら仕事の幅を広げていきたい方は、ぜひマイナビ薬剤師に相談してみませんか? 薬剤師として、新しい道が待っています。

この記事の著者

医療健康ライター・コピーライター

荒川 智世

広告代理店、制作プロダクション勤務を経て、2022年よりフリーランスのライター・コピーライターとして活動。登録販売者の資格を持ち、記事執筆や広告コピーの制作などに10年携わる。主に医療・健康分野を得意とする。

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