薬剤師1年目での転職が不利な理由|社会人一年目の転職事情と対応策

社会人となったからには、業務に慣れながら薬剤師としての現場経験を積みたいところ。

しかし、どうしても職場になじめず、入社1年目から転職を考えてしまうことがあるかもしれません。

「今の仕事を辞めたいけど、忍耐力がないと思われて転職に不利なのではないか」と悩んでいる方のために、社会人1年目の転職事情についてお伝えします。

1.社会人1年目の薬剤師が転職を考える7つの理由

はじめての就職先で戸惑う社会人1年目には、思いがけない悩みがつきものです。

転職を考えるきっかけにはさまざまな理由がありますが、ここでは代表的な例をご紹介していきます。

理由1. 人間関係になじめない

薬剤師に限らず、人間関係を理由に転職を考える人は少なくありません。

特に、狭い薬局のスタッフは2~3人程度の規模であることが多く、薬剤師の仕事は同僚とのコミュニケーションが欠かせません。

スタッフ同士の関係性がうまくいっていれば問題ありません。ただ、どうしても苦手な人がいたり、周囲とのコミュニケーションがうまくいかないなどの場合は人間関係がストレスになってしまい、転職を考える理由となるでしょう。

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理由2. 患者様やお客様とのトラブルで精神的に疲弊してしまった

薬局やドラッグストアで勤務する場合には、店舗内のスタッフだけでなく、多くの患者様やお客様と接しなくてはなりません。

円滑な服薬指導や相談業務をおこなうためには、良好な人間関係を築く必要があります。

しかし、場合によってはトラブルが起こり、精神的に疲弊してしまうことも。

理由3. 社風が合わない

会社の社風や理念によっては、自分の思い描く医療を実践することができず、悩みをかかえてしまうこともあります。

例えばアットホームな雰囲気ゆえに、業務外の付き合いでストレスを感じてしまうということも珍しくありません。

特にM&Aなどで薬局の母体が変わってしまうと、新しい会社の社風になじめず、転職を考える場合も少なくありません。

理由4. 仕事がハード

勤務先によっては1日の業務量が多く、経験年数を問わずに多くの仕事を任されます。

なかでも、大型病院の院内薬局や門前薬局では1日あたりの来局者数が多く、仕事量も増えがちです。

想定以上の仕事内容に不安を感じたり疲労感が続いたりすると、モチベーションの低下を引きおこしてしまいます。

理由5. 勤務時間が不規則

24時間営業のドラッグストアや土日も開局している薬局、深夜勤務のある病院などにおいては、勤務時間が不規則です。慣れないシフト制度にとまどったりすることもあるでしょう。

また、勤務時間が決められているにもかかわらず、人手不足などによって残業が日常化すれば、ワークライフバランスをうまく取ることができません。こちらも働き方を見直したいと考えるきっかけとなるでしょう。

理由6. お給料が低い

薬剤師が転職を考える理由の1つに、年収に対する不満があります。

奨学金や国試浪人のために、多額の借金を返済しなければならない新卒薬剤師も多いでしょう。1年目の薬剤師の年収は、企業や地域によっても大きく異なります。

また、病院や調剤薬局に比べてドラッグストアや製薬企業は高収入であることから、より良い条件を求めて業種転換を検討する方も少なくありません。

理由7. 教育体制やフォロー体制が構築されていない

薬剤師として、スキルアップやキャリアアップを実現していくためにも、しっかりとした教育体制が整っていることが理想的です。

しかし、薬局によっては教育体制やフォロー体制が整っておらず、手探り状態で業務の対応をしていかなくてはなりません。

そういった職場で不満がたまり、よりサポートを受けられる職場を探して、転職に至るケースがあります。

その他にも、「通勤時間が長い」「産休や育休といった制度が形だけで、運用されていない」「毎日単調な業務の繰り返しで、先が見えない」「局内のチームの一員として認められていない気がする」など、人それぞれに転職を考える理由があることでしょう。

2. 社会人1年目で転職するのはあり?なし?

薬剤師不足が続いていることや、「第二新卒」の受け入れをおこなう企業が増えていることを考慮したとしても、正直なところ、1年目の転職は不利と言わざるを得ません。

多くの場合、採用担当者は長期間安定して働ける人材を探しており、最初の会社において1年未満で退職した人と、1年以上の実績がある人では、与える印象は大きく異なります。

1年未満で退職したという経歴によって、「根気がない」「長続きしなさそう」と思われたり、「コミュニケーション能力に問題があるのではないか」と思われたりする可能性もあります。

相応の理由があって1年目で退職したのであっても、転職先の採用担当者にはなかなか理解されにくいのが現状です。

また、中途採用者を募集する企業のほとんどは、ひと通りのスキルを身につけた人材を求めています。社会人1年目に中途退職した現場経験の少ない応募者を積極的に採用することは、それほど多くありません。

薬剤師としての経験を身につける上でも、可能であれば、最低1年間は転職をひかえることがおすすめです。

しかしながら、この「1年間」にとらわれるあまり、無理をして心身を害してしまったのでは元も子もありません。どうしても今の職場が耐えられないという方は、思い切って転職することも必要です。

また、一部の条件を満たしている場合は、社会人1年目でも転職市場で不利にならないこともあります。次項でくわしく解説しているので、確認していきましょう。

3.社会人1年目でも転職市場で不利にならないケース

早期退職によって与えるイメージの多くは、ネガティブなものが多いのが現状です。しかし、状況によっては、やむを得ず転職に至ることもあるでしょう。

例えば、以下のような理由で転職を決断した場合、応募時にきちんと説明することで、不利になりがちな早期退職の印象を変えることができます。

ケース1. 会社側の大幅な業績悪化

会社や薬局の業績が悪化し、事業縮小によるリストラや勤務条件の変更などによって、転職が免れない場合があります。

薬局の閉局やM&Aなどの会社都合をきっかけとした転職であれば、社会人1年目の転職であっても、転職市場で不利になることはそうないでしょう。

ケース2.配偶者の転勤

「配偶者の転勤」という理由は、やむを得ない事情として理解されます。

ただし、短期間で次の転勤が決まるような状況では、長く働いてほしいと考える採用担当者からは敬遠される可能性があります。面接の際には予定される滞在期間を明確にし、きちんと説明するようにしましょう。

ケース3. 病気など(現在は回復している)

以前の職場を1年未満で退職していたとしても、体調不良による休職や退職であれば納得される理由となります。もちろん、現在は回復しており、今後の業務に支障がないことが前提です。

医療系職種である薬剤師の業界では、病気に対する理解も得られやすいため、隠さず正直に伝えるようにしましょう。ただあくまでも、体調を万全にして復職することが大切です。

ケース4. 人間関係があまりにも悪い

人間関係があまりにも悪く、指導を拒否されたりいじめやパワハラを受けたりするという場合には、職場に問題があると判断されるため、1年未満で転職したとしても不利になることはそうありません。

人間関係の悪さを伝えるためには、「1年以内に○○%が離職している」など、過去の離職率などを客観的に示すことがおすすめです。

4.転職すべきかどうかを考える7つのポイント

社会人1年目は、仕事そのものに慣れるまでの時間がかかります。

やむを得ない状況を除き、すぐに退職を決意するのは考えものです。よほどの理由がない限りは、1年目の転職は不利であり、次の就職先がすぐに決まるとは限らないことも覚えておきましょう。

実際に、辛い職場環境での勤務にどれだけ悩んだとしても、転職先に応募する履歴書には、1年未満に退職したという「結果」しか書けません。場合によっては、応募書類に書かれた経歴だけで判断されてしまい、書類選考の段階で落とされてしまうこともあります。

社会人1年目だからこそ、慌てて転職を決断する前に、一度立ち止まって考える時間を作ることが大切です。今後のキャリアアップにつなげるためにも、転職を考えた際は、落ち着いて次の7つのポイントについて考えてみましょう。

ポイント1.今の職場で悩みを解決する方法はないか

転職を決断する前に、今の職場で悩みを解決する方法がないかを熟考しましょう。

勤務条件や人間関係などの悩みであれば、上司や同僚に相談したり、異動願を出して環境を変えてみたりすることで解決する場合もあります。

ポイント2.時間とともに解決される悩みではないか

今は負担に感じていても、将来的な問題解決の道があるかもしれません。

例えば「雑用が多くて、業務に集中できない」といった理由では、自分の後に中途や新卒が入り、後輩ができることで解消される可能性があります。「嫌な上司がいる」とすれば、次の人事異動でその上司が異動する可能性もあります。

一過性の悩みである可能性についても、一度冷静に考えてみることも大切です。

ポイント3.転職をすれば、本当に悩みが解決するのか

人間関係やスキルの問題が転職理由であれば、新しい職場でも同じような悩みが生まれるかもしれません。

転職の繰り返しを避けるためにも、まずは悩みの本質を見つめ直し、原因を探るようにしましょう。

ポイント4.自分に問題があるのではないか

スキル不足、経験不足によって、他者に認められていないように感じるのであれば、転職をしたとしても悩みは解決できないかもしれません。

努力をしても解決できなかった場合は面接時に説明できますが、自分自身の努力不足が原因の場合はマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。

まずは今の自分を振り返り、本当に自分にできることはないのか、もう一度考えてみましょう。

ポイント5.逃げの転職ではなく前向きな転職か

「なんとなく合わない気がする…」といったあいまいな理由は、単に目の前の仕事から逃げているだけかもしれません。

なんとなくという理由で辞めてしまうと、面接の際に印象が悪くなるだけでなく、たとえ採用されたとしても、また同じ理由で辞めてしまう可能性もあります。

「スキルアップがしたい」や「給与アップを目指したい」といった前向きな目的を持った転職であれば、可能性が開けます。

ポイント6.学ぶ機会が本当に少ないのか

研修や指導の体制に不満をかかえ、学ぶ機会を求めて転職を希望する薬剤師も少なくありません。学ぶ機会が本当にないのか、よく考えるようにしましょう。

社内だけでなく、薬剤師会の勉強会やe-ラーニングなどを活用することもおすすめです。また、上司や先輩に相談すれば、良いアドバイスをもらえるかもしれません。

ポイント7.他の薬剤師と比較してみたか

自分の労働環境の良し悪しを、客観的に判断することも大切です。社会人1年目はさまざまな知識やスキルを身につけなくてはならず、負担が増えがちです。

誰もが通らなくてはならない道でもあるので、まわりと自分の環境を比べてみることをおすすめします。

周辺の病院や薬局の薬剤師に、労働条件や年収など聞くことができるとよいでしょう。

5.1年目や第二新卒での転職は、マイナビ薬剤師が徹底サポート

社会人1年目の転職は、本人にとっても将来を考える大きな悩みどころです。

1年未満の転職は不利になってしまいがちですが、それでも「転職しかない」のであれば、より良い職場を見つけるしかありません。

第二新卒のポテンシャルに期待してくれる職場も増えているので、新しい職場で再スタートを目指しましょう。

しかし、第二新卒歓迎の職場を自力で探し出すのは難しく、応募先探しには時間がかかります。

そんなときに利用してほしいのが、マイナビ薬剤師です。薬剤師転職のエキスパートであるマイナビ薬剤師では、不安な1年目の転職に対しても、多くの求人先から、希望に近い条件を探し出すことができます。

面接では、なぜ1年目で転職したいのかという理由を明確に説明できることも不可欠ですが、マイナビ薬剤師ではこれらのフォローもおこなっています。

社会人1年目での転職を成功させるためにも、私たちマイナビ薬剤師にぜひご相談ください!

この記事の監修者

薬剤師専任キャリアアドバイザー

中村 貴大

薬剤師の転職サポート歴7年。
調剤薬局、病院、ドラッグストアなどの法人担当だけでなく、多くの求職者様の転職活動を成功に導いた経験と知識を活かし、転職活動を開始される皆さまを全力でサポートさせていただきます。

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