第4回 2020年度診療報酬改定 在宅業務と薬局機能 調剤基本料見直しによる薬局への影響は?
2020年度診療報酬改定の解説の最終回では、保険薬局の調剤報酬について在宅業務と、調剤基本料にフォーカスします。在宅医療では大きな見直しはありませんでしたが、調剤基本料ではここ数回の改定の流れを受け、調剤基本料2、3の範囲が拡大されました。調剤基本料とその加算である地域支援体制加算、後発医薬品調剤体制加算を中心に、見直しのポイントを振り返ります。
在宅業務では緊急訪問を見直し
オンライン服薬指導料を新設
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の新たな区分
在宅業務は、今回の改定では大きな変更はありませんでしたが、緊急訪問については現場に即した見直しが図られました。訪問薬剤管理指導の対象ではない疾患の急変などで、医師の求めに応じて緊急で訪問し薬学的管理・指導を行った場合を、「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2(200点)」として新たに評価。同管理指導料の1(従来の同管理指導料)と合わせ、月4回まで算定可能としています(図1)。
図1 患者の状態に応じた在宅薬学管理業務の評価
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
緊急時の訪問薬剤管理指導について、医師の求めにより、計画的な訪問薬剤管理指導の対象とはなっていない疾患等に対応するために緊急に患家に訪問し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合について新たな評価を行う。
現 行
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
- 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料 500点
(新設)
注1 訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師が、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものの状態の急変等に伴い、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医の求めにより、当該患者に係る計画的な訪問薬剤管理指導とは別に、緊急に患家を訪問して必要な薬学的管理及び指導を行った場合に、月4回に限り算定する。
見直し後
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
- (1)計画的な訪問薬剤管理指導に係る疾患の急変に伴うものの場合 500点
- (2)1以外の場合 200点
注1 1及び2については、訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師が、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものの状態の急変等に伴い、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医の求めにより、当該患者に係る計画的な訪問薬剤管理指導とは別に、緊急に患家を訪問して必要な薬学的管理及び指導を行った場合に、1と2を合わせて月4回に限り算定する。
外来と在宅のオンライン服薬指導料の違い
また、在宅患者へのオンライン服薬指導の評価も設けられました。対面で服薬指導を行ったことのある患者を対象とするなどの要件は、外来でのオンライン服薬指導と同じですが、「在宅患者訪問薬剤管理指導料 在宅患者オンライン服薬指導料(57点)」は、医師がオンライン診療時ではなく、計画的な訪問診療時に交付した処方箋を対象とするという点などが異なります(図2)。
図2 情報通信機器を用いた服薬指導の評価
在宅患者へのオンライン服薬指導料
- (新) 在宅患者訪問薬剤管理指導料 在宅患者オンライン服薬指導料 57点(月1回まで)
- (1)在宅時医学総合管理料に規定する訪問診療の実施により処方箋が交付された患者、かつ、
- (2)在宅患者訪問薬剤管理指導料が月1回算定されている患者
- ・ 保険薬剤師1人につき、在宅患者訪問薬剤管理指導料1から3までと合わせて週40回に限り、週10回を限度として算定できる。
- ・ 薬機法施行規則及び関連通知に沿って実施すること
- ・ 服薬指導計画を作成し、当該計画に基づき実施すること
- ・ オンライン服薬指導を行う保険薬剤師は、原則として同一の者であること
- ・ 訪問診療を行った医師に対して、在宅患者オンライン服薬指導の結果について必要な情報提供を文書で行うこと
- (1)薬剤服用歴管理指導料の4に係る届出を行った保険薬局であること
新型コロナウイルス感染症の特例措置で、すでに在宅患者へのオンライン服薬指導を利用した薬局もあるかもしれません。今後、改正医薬品医療機器等法(薬機法)の施行後に、在宅業務で導入する際は、要件の違いに留意してください。
調剤基本料2、3の対象範囲を拡大 処方箋集中率95%超で線引き
狭まる「調剤基本料1」の門
続いて、調剤基本料を見ていきましょう。第2回目の記事の通り、「患者のための薬局ビジョン」が出て以来、調剤報酬改定では対物業務が引き下げられ、対人業務の評価が手厚くされています。
薬局の設備や体制、機能などに対する評価である調剤基本料に関しては、これまでの改定で一律に点数が下げられてきたわけではありませんが、算定要件の変更に伴って、点数の最も高い「調剤基本料1」を届け出る薬局は減少(図3)。また、大型チェーン薬局を対象にしたより点数の低い「調剤基本料3」の届出薬局が増加しています。今改定でもそうした流れが続いています。
図3 調剤基本料の構成比の推移等
- 調剤基本料1を算定する薬局の割合は減少しており、平成30年度末では約84%であった。
- 算定回数については、調剤基本料1の占める割合は平成30年度では約77%であった。
各調剤基本料の構成比の推移(各年度末時点の施設基準の届出状況)
各調剤基本料の算定回数の割合(平成30年6月審査分)
調剤基本料は、門前薬局や大型チェーン薬局、敷地内薬局など立地や経営スタイルなどにより区分され、調剤基本料1から3までと特別調剤基本料が設定されています。その指標には処方箋の受付回数と、特定の医療機関からの処方箋の受付割合(処方箋集中率)、また同一グループの薬局での処方箋受付回数などが用いられています。今改定でもそれらを指標に「調剤基本料2」と「調剤基本料3」の対象が拡大され、調剤基本料1などを算定できる薬局が絞り込まれました(図4)。
図4 調剤基本料の見直し
処方箋の集中率が著しく高い薬局の調剤基本料の見直し
特定の医療機関からの処方箋の受付割合が95%を超え、かつ、処方箋の受付回数が一定程度ある薬局について、医薬品の備蓄の効率性や医療経済実態調査における損益率の状況等を踏まえ、調剤基本料2又は調剤基本料3の対象とする。
要件 | 点数 | |||
---|---|---|---|---|
処方箋受付回数等 | 処方箋集中率 | |||
調剤基本料1 | 調剤基本料2、調剤基本料3及び特別調剤基本料以外 | 42点 | ||
調剤基本料2 |
①処方箋受付回数が月2,000回超~4000回 ②処方箋受付回数が月4,000回超 (新)③処方箋受付回数が1,800回超~2,000回 ④特定の医療機関からの処方箋受付枚数が4,000回超 |
①85%超 ②70%超 ③95%超 ④ - |
26点 | |
調剤基本料3 ※右記のほか、特定の保険医療機関との間で不動産取引があるもの。 |
イ | (新)同一グループで処方箋受付回数が月3万5千回超~4万回 | 95%超 | 21点 |
同一グループで処方箋受付回数が月4万回超~40万回 | 85%超 | |||
ロ | 同一グループで処方箋受付回数が月40万回超 | 16点 |
「受付回数1,800回超」も調剤基本料2の対象に
今改定では処方箋集中率が95%超と著しく高い薬局が、調剤基本料1の対象から外されました。
大型チェーン薬局以外の薬局については、「処方箋集中率が95%を超え、なおかつひと月の処方箋受付回数が1,800回超(~2,000回)」の場合、新たに調剤基本料2の対象に加えられました。医療資源の少ない地域にある薬局は対象外ですが、1日の処方せん枚数が100枚を切る規模の薬局でも、処方箋集中率によっては調剤基本料1の梯子が外されることになったわけです。
調剤基本料は、処方箋を受け付けるたびに算定できる、薬局の収入の土台です。加えて調剤基本料2になると、地域支援体制加算の算定のハードルが非常に高くなるため、小さな薬局にとって経営への影響は大きいと考えられます。
また、大型チェーン薬局についても、調剤基本料3を算定するラインが、「同一グループで受付回数が月4万回超、集中率が85%超」から、「受付回数が月3.5万超、集中率が95%超」に拡大されました。
受付回数の計算方法変更で集中率も変わる
ただ、調剤基本料2、3で新たな処方箋受付回数の要件に該当しても、処方箋集中率を95%以下にすることは、多くの薬局にとってそれほど難しいことではないでしょう。加えて今改定で、処方箋受付回数、集中率の計算方法が変更されたことも有利に働くはずです。
これまで受付回数のカウントの対象外とされていた在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する処方箋も、「単一建物診療患者が1人の場合」であれば、受付回数に含めることになったのです1)。介護保険の(介護予防)居宅療養管理指導費を算定する処方箋も同じ扱いです。それにより、集中率の計算にも在宅業務分の処方箋が一部含まれることになり、複数の医療機関から処方箋を受けて訪問薬剤管理指導を手がけている薬局にとっては、集中率の低下が見込まれます。
ここまでのまとめ
- 訪問薬剤管理指導の対象外の疾患でも在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2が算定可能に
- 調剤基本料1の算定対象が絞られた
- 処方箋受付回数・集中率に在宅の処方箋も条件付きで含めるように
かかりつけ機能も求められ
敷地内薬局には厳しい改定
診療所の敷地内薬局も特別調剤基本料へ
対して、敷地内薬局にとっては厳しい改定となりました。特別調剤基本料の点数が引き下げられるとともに、診療所の敷地内薬局もその対象とされ、処方箋集中率の要件も従来の「95%超」から「70%超」にまで拡大されました。
2018年3月31日以前に開局した診療所の敷地内薬局は対象にはなりませんが、大半の医療機関の敷地内薬局が特別調剤基本料を算定することになると思われます(図5)。また、その薬局が時間外対応など、かかりつけ機能の業務を一定以上果たしていない場合には、さらに50%の減点となります。
図5 調剤基本料の見直し
いわゆる同一敷地内薬局等の調剤基本料の見直し
特別調剤基本料について、診療所と不動産取引等その他の特別な関係がある診療所敷地内の薬局等を対象に追加する。さらに、処方箋集中率の基準を引き下げ、点数も引き下げる。
現 行
病院敷地内の薬局等
- 特別調剤基本料 11点
病院と不動産取引等その他の特別な関係:有
+
処方箋集中率95%超
改定後
病院敷地内の薬局等
診療所敷地内の薬局等※(同一建物内である場合を除く)
- 特別調剤基本料 9点
医療機関と不動産取引等その他の特別な関係:有
+
処方箋集中率70%超
※診療所と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局については、平成30年4月1日以降に開局した場合のみを対象とするなど、一定の緩和措置あり
特別調剤基本料を算定する保険薬局について、かかりつけ機能に係る基本的な業務を実施していない場合の要件を見直す。
現 行
-
かかりつけ機能に係る基本的な業務が年間合計10回未満の場合に、調剤基本料を50%減
改定後
-
かかりつけ機能に係る基本的な業務が年間合計10回未満の場合に基本料を50%減
-
いわゆる同一敷地内薬局については合計100回未満の場合に、調剤基本料を50%減
<かかりつけ機能に係る基本的な業務> 平成30年度診療報酬改定時
①時間外等加算及び夜間・休日等加算、②麻薬管理指導加算、③重複投薬・相互作用等防止加算、④かかりつけ薬剤師指導料、⑤かかりつけ薬剤師包括管理料、⑥外来服薬支援料、⑦服用薬剤調整支援料、⑧在宅患者訪問薬剤管理指導料、⑨在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、⑩在宅患者緊急時等共同指導料、退院時共同指導料、⑪服薬情報等提供料、⑫在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料、⑬居宅療養管理指導費、介護予防居宅療養管理指導費
こうした調剤基本料の見直しは、薬局の立地などによる収益率の差や、処方箋集中率による医薬品備蓄品目数の違いなど、医療経済実態調査などのデータを分析したうえで行われています。他の薬局よりも、収益率や経済効率性などが高くなる優位な要因があれば、調剤基本料の見直しで調整するわけです。診療所の敷地内薬局が新たに特別調剤基本料の対象とされたことなども、そうした方針によります。
異なる医療機関の処方箋の同時受付で8割の算定に
調剤基本料では、そのほかにも同じ薬局の利用を促す目的で、1人の患者さんから、異なる医療機関の処方箋を同時に複数枚まとめて受け付けたときに、2回目以降の受付分については調剤基本料を100分の80相当に引き下げることになりました。
ただ、これまでも、同じ医療機関の複数診療科からの処方箋の同時受付については、同じ医師の交付によるものや一連の診療行為に基づくものは、調剤基本料は1回分しか算定できないというルールがありました。そのため、改定の議論のなかでは異なる医療機関の処方箋も同様の扱いにすべきだという意見が出されましたが、8割分の算定で決着した経緯があります。
実績求められる地域支援体制加算
後発医薬品調剤体制加算は85%以上で引き上げ
地域支援体制加算では来年度から実績要件を適用
調剤基本料では、地域支援体制加算や後発医薬品調剤体制加算がどこまで算定できるかもポイントです。
地域支援体制加算については、点数が引き上げられるとともに、「在宅患者薬剤管理を年12回以上」といった直近1年間の実績要件が盛り込まれました(図6)。2021年4月1日からこれらの実績要件が適用されることになりますが、調剤基本料1を算定している薬局の多くは容易にクリアできるでしょう。
なお、要件の一つに服薬情報等提供料の算定実績がありますが、特定薬剤管理指導加算2などを算定すると一緒には算定できないため、それらの服薬情報等提供料に相当する業務を実施した場合も回数に含めることができます。
図6 地域支援体制加算の見直しについて
令和2年度改定の内容
- 実績要件について、調剤基本料1では要件を強化、一方、調剤基本料1以外では一部要件を緩和
- 地域支援体制加算の評価の引き上げ(35点→38点)
-
<主な要件の見直し内容>
- 調剤基本料1:在宅訪問薬剤管理の回数の見直し、①医療機関への情報提供又は②地域ケア会議等の参加の実績を追加
- 調剤基本料1以外:麻薬に係る実績等を緩和。また、地域ケア会議等への参加を要件に追加し、9要件のうち8つを満たすこととする
地域支援体制加算の実績要件
調剤基本料1の場合
以下の基準を全て満たすこと
- 1.麻薬小売業者の免許を受けていること
- 2.在宅患者薬剤管理の実績1回以上
- 3.かかりつけ薬剤師指導料に係る届出を行っていること
以下の基準のうち1~3を満たした上で、4又は5を満たすこと。
(1薬局あたりの年間の回数)
- 1.麻薬小売業者の免許を受けていること
- 2.在宅患者薬剤管理の実績12回以上※1
- 3.かかりつけ薬剤師指導料に係る届出を行っていること
- 4.服薬情報等提供料の実績12回以上※2
- 5.薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議に1回以上出席していること。
- ※1 在宅協力薬局として実施した場合(同一グループ内は除く)や同等の業務を行った場合を含む。
- ※2 同等の業務を行った場合を含む。
調剤基本料1以外の場合
以下の基準を全て満たすこと
- 1.夜間・休日等の対応実績400回以上
- 2.麻薬管理指導加算の実績10回以上
- 3.重複投薬・相互作用等防止加算等の実績40回以上
- 4.かかりつけ薬剤師指導料等の実績40回以上
- 5.外来服薬支援料の実績12回以上
- 6.服用薬剤調整支援料の実績1回以上
- 7.単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理の実績12回以上
- 8.服薬情報等提供料の実績60回以上
以下の基準のうち8つ以上の要件を満たすこと。
(1~8は常勤薬剤師1人あたりの年間回数、9は薬局あたりの年間の回数)
- 1.(変更なし)
- 2.麻薬の調剤実績10回以上
- 3.(変更なし)
- 4.(変更なし)
- 5.(変更なし)
- 6.(変更なし)
- 7.単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理の実績12回以上※1
- 8.服薬情報等提供料の実績60回以上※2
- 9.薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議に5回以上出席していること。
多職種会議ではケアマネジャーとの連携がポイント
また、実績要件のうち、研修認定薬剤師が年1回以上出席する「地域の多職種と連携する会議」とは、退院時カンファレンスや、市町村や地域包括支援センターが主催する地域ケア会議、ケアマネジャーが居宅介護サービスの導入・見直しの際などに開くサービス担当者会議が該当します。
地域ケア会議に関しては参加者が限られますが、病院の退院時カンファレンスやサービス担当者会議は、担当薬剤師であれば参加可能です。患者の担当ケアマネジャーなどに、サービス担当者会議などの開催時は連絡してもらうよう伝えておくといいでしょう。
後発医薬品調剤体制加算は点数配分を見直し
後発医薬品調剤体制加算では3つ点数区分は維持され、配点が見直されました。後発品の調剤数量割合が最も低い「75%以上」の加算1で点数が引き下げられ、「85%以上」の加算3に上乗せされました(図7)。
前回の改定では数量割合の基準が引き上げられましたが、今改定では配点のみの変更なので、加算3を算定できる薬局も増えると予想されます。同時に医師の一般名処方加算が引き上げられたことも、後発品使用の後押しになるでしょう。
一方、調剤基本料の2点減算の対象が、後発品の調剤数量割合「20%以下」から「40%以下」にまで拡大されました。やむを得ない場合の除外は継続されますが、今年10月1日からこの基準が適用されるので、抵触しそうな薬局では早めの対応が求められます。
図7 薬局における後発医薬品の使用促進
後発医薬品調剤体制加算
後発医薬品調剤体制加算について、調剤数量割合の高い加算に重点を置いた評価とする。
現 行
- 後発医薬品調剤体制加算1(75%以上) 18点
- 後発医薬品調剤体制加算2(80%以上) 22点
- 後発医薬品調剤体制加算3(85%以上) 26点
改定後
- 後発医薬品調剤体制加算1(75%以上) 15点
- 後発医薬品調剤体制加算2(80%以上) 22点
- 後発医薬品調剤体制加算3(85%以上) 28点
後発医薬品の調剤数量割合が著しく低い薬局(現行基準では後発医薬品の調剤数量割合が20%以下)に対する調剤基本料の減算規定(2点減算)について、当該割合の基準を拡大する。
現 行
(1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が2割以下であること。ただし、当該保険薬局における処方箋受付状況を踏まえ、やむを得ないものは除く。
改定後
(1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が4割以下であること。ただし、当該保険薬局における処方箋受付状況を踏まえ、やむを得ないものは除く。
【経過措置】
後発医薬品の調剤数量割合が著しく低い薬局に対する調剤基本料の減算規定については、令和2年9月30日までの間は現在の規定を適用する。
機能別薬局は調剤報酬に反映されるか
2020年度改定は、対人業務の評価が前面に押し出されるとともに、かかりつけ機能の重視という従来からの方針が踏襲された内容でした。これらの評価が医療の安全性や患者の利益につながるかといった点でエビデンスを出していくことが、今後の課題となると思われます。
一方、調剤基本料では、薬局の立地や経営形態などによる経済効率性の差異を調整するという観点での見直しが続いています。今後はそれに加えて、薬機法改正で盛り込まれた「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」などの認定が調剤報酬に反映されるようになることも考えられます。
例えば、地域連携薬局に求められる機能は、入退院時や在宅医療での医療提供施設との連携など、現行の調剤基本料における「地域支援体制加算」の要件と重なります。そのため、薬局機能と調剤報酬を照らし合わせながら、今後の改定を先取りして機能を充実させていくことも重要になるのではないでしょうか。それと併行して2025年に向け、地域の中でどのような機能を担うかを考えていくことが、薬局にも求められています。
ここまでのまとめ
- 敷地内薬局では集中率要件が95%から70%超に拡大、かかりつけ機能を果たせなければさらに50%減と厳しい改定
- 点数が引き上げられた地域支援体制加算には直近1年間の実績要件が盛り込まれる
- 今後も続く傾向を鑑み、地域の中での薬局機能を考えることが重要に
(参考資料)
◎厚生労働省保険局「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」2020.3.5より「調剤基本料の施設基準に関する留意点」
医療系出版社勤務後、2000年に独立。薬剤師としての知識を活かしつつ、医療分野・介護分野を中心に取材を行う。
著書『福祉・介護職のための病院・医療の仕組みまるわかりブック』
『イラストで理解するケアマネのための薬図鑑』(共著)など。
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厚生労働大臣許可番号 紹介13 - ユ - 080554