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薬剤服用歴の管理とかかりつけ薬剤師機能

薬剤服用歴の管理とかかりつけ薬剤師機能 薬剤服用歴の管理とかかりつけ薬剤師機能

2015年に「患者のための薬局ビジョン」で「対物業務から対人業務へ」という方針が打ち出されてから、2回の診療報酬改定で少しずつ対人業務へのシフトが進んでいます。薬局業務の基本である服薬指導や薬学的管理、情報収集の業務に関しても評価が引き上げられるとともに、役割の強化が目指されています。

対人業務に関する減算規定導入の意味

ここ2回の診療報酬改定では、対人業務への配点が徐々に大きくなってきています。2018年度改定では、薬剤服用歴管理指導料の評価も引き上げられました。内服薬の調剤料の引き下げ分が同指導料に付け替えられた形です。

また、対人業務への取り組みが不足している保険薬局に対し、初めて減算規定(薬剤服用歴管理指導料の特例)が設けられたことも注目されました。6カ月以内に再度処方箋を持参した患者さんのうち、お薬手帳を持参している患者さんの割合が50%以下である場合(図1)に、通常41点または53点の同指導料を13点に減算。さらに、同指導料の加算である麻薬管理指導加算、重複投薬・相互作用等防止加算、特定薬剤管理指導加算、乳幼児服薬指導加算も算定できないという、かなり厳しいペナルティです。

図1 薬剤服用歴管理指導料

【薬剤服用歴管理指導料】

  • 1.原則6月以内に再度処方箋を持参した患者に行った場合 41点
  • 2.1の患者以外の患者に対して行った場合 53点
  • 3.特別養護老人ホーム入所者に対して行った場合 41点

薬剤服用歴管理指導料の特例 13点

適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局に対する薬剤服用歴管理指導料の区分。6月以内に再度処方箋を持参した患者のうち、手帳を持参した患者の割合が50%以下である保険薬局

計算方法(薬剤服用歴管理指導料の算定回数)

図1 6月以内に再度処方箋を持参した患者のうち、手帳を持参した患者の割合:(A)/(A+B) 図1 6月以内に再度処方箋を持参した患者のうち、手帳を持参した患者の割合:(A)/(A+B)

  • ※前年3月1日から当年2月末日までの実績をもって該当性を判断し、当年4月1日から翌年3月31日まで適用する。
  • ※該当した場合であっても、直近3月間における実績により、50%を上回った場合には対象外とする。

この減算規定は、前年3月1日からその年の2月末日までの実績をもとに判断し、該当する場合は同年4月1日から翌年の3月31日まで適用されます。ただし、直近3カ月間で手帳を持参した患者割合が50%を上回っていれば、対象外とされます。

手帳の持参率を指標に減算が導入されたのは、患者さん側の認知度が高くなっているなか、手帳の持参割合が低いのは薬局側の働きかけが乏しく、手帳に書かれた薬学的情報の管理・活用への意識も低い、と考えられるためです。
薬歴にも「手帳活用の有無」とともに、活用していない場合はその理由と、患者への指導の有無まで記載することが新たに義務付けられました。6カ月以内の再来局者には手帳持参の有無を調剤報酬明細書に記載することになったので、説明の機会などをとらえて患者さんへの手帳啓発キャンペーンを行うのもよいかもしれません。

投薬時の説明だけでなく投薬後の継続指導も

薬剤服用歴管理指導料の算定要件には、薬歴の記載や服薬指導などに関わる内容が明記されています。今改定ではその一部が見直され、薬歴の記載事項が追加されました。
新たに付け加えられたのは、「薬学的管理に必要な患者の生活像」と、「今後の継続的な薬学的管理及び指導の留意点」です。薬剤特性だけではなく個々の患者さんの生活スタイルを聞き取り指導などに活かすことや、投薬後の症状の確認など継続的な管理が、基本業務として明確に位置づけられたわけです。

今改定では、医療機関の診療報酬で抗菌薬の適正使用も一つのトピックとなりました。それと歩調をあわせ、「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)を参考とし、抗菌薬の適正使用のための普及啓発に努めることも要件に盛り込まれました。この手引きは、薬剤耐性(Antimicrobial Resistance: AMR)対策として、抗菌薬の不必要な使用の抑制を目的に作成されたもの。風邪など急性気道感染症と、急性下痢症について抗菌薬の使用の考え方を示し、患者さんへの服薬指導などのポイントがまとめられています(表1)。風邪などに対する、医師の診療方針などを知る参考にもなります。

表1 急性気道感染症の診療における患者への説明で重要な要素

1情報の収集

  • 患者の心配事や期待することを引き出す。
  • 抗菌薬についての意見を積極的に尋ねる。

2適切な情報の提供

  • 重要な情報を提供する。
    • 急性気管支炎の場合、咳は4 週間程度続くことがある。
    • 急性気道感染症の大部分は自然軽快する。
    • 身体が病原体に対して戦うが、良くなるまでには時間がかかる。
  • 抗菌薬に関する正しい情報を提供する。
  • 十分な栄養、水分をとり、ゆっくり休むことが大切である。

3まとめ

  • これまでのやりとりをまとめて、情報の理解を確認する。
  • 注意するべき症状や、どのような時に再受診するべきかについての具体的な指示を行う。

そのほか同指導料では、特別養護老人ホーム入所者に一般名処方が行われた場合について、来局の患者さんと同様に、「原則として後発医薬品を調剤すること」、患者さんに対して「後発医薬品の有効性、安全性や品質について適切に説明した上で、後発医薬品を調剤しなかった場合は、その理由を調剤報酬明細書の摘要欄に記載すること」が追記されています。これらの変更内容は、かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料を算定している場合も適用されます。

患者さんに“選ばれる”かかりつけ薬剤師

かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は、点数が上乗せされると同時に、算定要件が一部見直されました。なかでも、16年度改定で、「調剤基本料の特例対象の除外」の要件に同指導料などの算定実績が位置づけられ、実績ありきの一部薬局の姿勢が問題視されたことから、今改定でかかりつけ薬剤師の同意取得の厳格化が図られました。併せて、同指導料などの算定実績を、特例対象の除外要件とするルールも廃止されています。
同意取得に関しては、対象となる患者さんや、提供すべき情報内容や同意書の書式(図2)などが具体的に示されました。同意書には、患者さんが「かかりつけ薬剤師を必要とすると判断した理由」も明記するとともに、経歴や取得資格、修了した研修など、そのかかりつけ薬剤師の情報を文書で提供することが求められています。これらの見直しにより、患者さんがかかりつけ薬剤師を“選ぶ”という理念が全面に押し出され、そのプロセスの枠組みが提示されました。

図2 かかりつけ薬剤師の同意取得の主なポイント

  • 当該指導料を算定しようとする薬剤師本人が次に掲げる全ての事項を説明した上で、患者の同意を得る。
    • かかりつけ薬剤師の業務内容
    • かかりつけ薬剤師を持つことの意義、役割等
    • かかりつけ薬剤師指導料の費用
    • 当該指導料を算定しようとする薬剤師が、当該患者がかかりつけ薬剤師を必要とすると判断した理由
  • 患者に同意書へのかかりつけ薬剤師に希望する事項及び署名の記載を求める。
  • かかりつけ薬剤師に関する情報を文書により提供する。
  • 同意取得は、当該薬局に複数回来局している患者に行う。
図2 かかりつけ薬剤師の同意取得 同意書の様式(例) 図2 かかりつけ薬剤師の同意取得 同意書の様式(例)
  • かかりつけ薬剤師は、患者から血液検査などの結果の提供がある場合に、それを参考に薬学的管理・指導を行うことを明確化。
  • かかりつけ薬剤師指導料等の算定実績がある場合に調剤基本料の特例対象から除く取扱いを廃止する。

また、かかりつけ薬剤師の頻繁な移動を防ぐため、その薬局での在籍期間が「6カ月以上」から「1年以上」に延長されています(※18年9月30日までは6カ月以上)。同時に、育児や介護のための短時間勤務をする人に配慮し、例外規定として週24時間以上かつ週4日以上の勤務でもかかりつけ薬剤師として認められることになりました。ただし、同じ薬局で、他に32時間以上勤務するかかりつけ薬剤師がいることが条件です。

かかりつけ薬剤師としての業務面では、必要に応じて血液検査などの結果を確認し、薬学的管理・指導を行うことが追加されました。例えば、腎機能低下などにより投与量の調節が必要な薬剤が処方された場合、腎機能検査結果などを活用して用法・用量などのチェックを行うといったことが促されています。院外処方箋に検査値を添付する病院が増えていますが、代謝機能の低下する高齢者の増加が見込まれるなか、薬局での薬物治療の安全性確保の役割が重視されています。
医療費抑制の流れのなかで、患者さんの治療のためにより専門性を発揮できるかが、薬局薬剤師の将来に向けた分水嶺になりそうです。

(参考資料)
◎厚生労働省「平成30年度診療報酬改定の概要 医科Ⅰ」平成30年3月5日版
◎厚生労働省「平成30年度診療報酬改定の概要 調剤」平成30年3月5日版」
◎厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」
◎厚生労働省「疑義解釈資料」2018.3.30
◎厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版」

PROFILE
利根川 恵子
医療ジャーナリスト。薬剤師。東京医科歯科大学医療政策学修士。
医療系出版社勤務後、2000年に独立。薬剤師としての知識を活かしつつ、医療分野・介護分野を中心に取材を行う。

著書『福祉・介護職のための病院・医療の仕組みまるわかりブック』
『ケアマネ実践料シリーズ 医療知識』(共著)など。

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