2018年度診療報酬改定でどう変わる?薬剤師の現場 | 薬剤師の転職・求人・募集なら【マイナビ薬剤師】

2018年度診療報酬改定でどう変わる?薬剤師の現場

2018年度診療報酬改定でどう変わる?薬剤師の現場 2018年度診療報酬改定でどう変わる?薬剤師の現場

2月上旬、2018年度診療報酬改定の点数が明らかになりました。前回と同様、「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」が柱とされつつも、入院医療の土台となる入院料が根本から見直される、ドラスティックな改定となりました。一方、薬剤師に関しては、前回の枠組みそのままに、さらに評価のメリハリが付いたという印象です。

昨年12月の予算編成で、今改定の改定率は診療報酬全体では前回と連続して1.19%のマイナスとされましたが、技術料に当たる診療報酬本体については0.55%引き上げとなりました。本体の財源は、医科、歯科、調剤で配分されますが、最近の「医科1、歯科1.1、調剤0.3」という割合は今改定でも維持され、医科では0.63%増、調剤については0.19%増(国費ベースでプラス36億円)と、どちらも前回よりも引き上げられています。

ただし、大型門前薬局に対しては、前改定に続いて、この報酬の枠組みの外で、評価の適正化(国費ベースでマイナス56億円の引き下げ)を行うという方針が併せて示されました。それが調剤基本料の見直しなどに反映されています。調剤報酬全体では実質マイナス改定といえるでしょう。

薬剤師関連の報酬がどう変わったのか、ポイントとなる項目を見ていきます。

医療機関では「薬剤適正化」「連携」を重視

地域包括ケア病棟で「薬剤総合評価調整加算」が算定可能に

薬剤師に関わる2018年度改定のキーワードとしてあげられるのは、「薬剤の適正使用」「連携」「かかりつけ薬剤師」です。医療機関については入院料の再編が最大のトピックですが、薬剤師関連に限ると、入院中の多剤投薬の適正化の取り組みを評価する「薬剤総合評価調整加算」が、地域包括ケア病棟(病床)でも算定できるようになった点が注目されます。短い期間で急性期治療を集中的に行う一般病棟とは違い、地域包括ケア病棟では60日までの入院が可能で、同加算の算定外だったこれまでも薬剤調整が行われていたことが評価された形です。

図1 医療機関の薬剤師関連の主な改定項目

  • 入院業務

    見直し 退院時共同指導(要件に薬剤師明記)

    見直し 薬剤総合評価調整加算(地域包括ケア病棟でも算定可)

  • 外来業務

    新設 入退院支援加算 入退院支援加算

    見直し 処方料・処方箋料(向精神薬の一定種類、一定期間以上の投薬) 処方料・処方箋料(向精神薬の一定種類、一定期間以上の投薬)

    新設 向精神薬調整連携加算(薬剤師などとの連携を評価) 向精神薬調整連携加算(薬剤師などとの連携を評価)

    見直し 一般名処方加算 一般名処方加算

  • 体制

    新設 抗菌薬適正使用支援加算/感染防止対策加算 抗菌薬適正使用支援加算/感染防止対策加算

    見直し 後発医薬品使用体制加算(4区分、対象にDPC病棟患者追加) 後発医薬品使用体制加算(4区分、対象にDPC病棟患者追加)

また、向精神薬でも使用適正化の取り組みが強化されました。一定種類以上の投薬や、ベンゾジアゼピン(BZ)系の薬剤の長期投与に対して、それぞれ処方料(処方箋料)が引き下げられています。さらに、BZ系の長期投与患者で減薬した場合、薬剤師などと協働して症状の変化などの確認をした場合に、処方料などに新たに向精神薬調整連携加算が設けられました。

同加算は院外処方でも算定可能なので、向精神薬の減薬について医師と、医療機関や保険薬局の薬剤師との連携の機会が増えることが予想されます。なお、薬局が医療機関の求めで服薬情報を文書で提供した場合、調剤報酬で新たに区分が設けられた「服薬情報提供料1」が算定可能です。そのほか、医療機関では、抗菌薬領域においても「感染防止対策加算」に上乗せする形で、感染症を専門とする医師、薬剤師を中心とした多職種からなる抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の設置・取り組みを評価する加算が新設されました。

入退院支援など連携への参画を評価

「連携」に関しては高齢者が増えるなか、スムーズに地域に戻れるように、入院中からの退院に向けた支援が強化されてきました。今改定では、入院前に外来で、入院に関する説明や持参薬の確認、支援などを実施した場合に算定できる「入退院時支援加算」も新設。外来からの継続支援が評価されています。

退院後に在宅療養が必要な患者さんについては、入院中にその医療機関と、在宅療養を担う医療機関などの双方の医師または看護師がカンファレンスを行うことを評価する「退院時共同指導料」があります。この点数の算定対象になる職種に、他職種とともに医療機関や薬局の薬剤師が加えられました。

これまでは、薬剤師は三者以上のカンファレンスを評価する加算のみで明記されるに止まっていたので、今後参加の機会が増えることで薬薬連携の進展も期待されます。なお、今改定で要件が緩和され、ICTを利用した参加も退院時共同指導料などの算定対象になったため、ビデオ通話などによる参加も選択肢の一つとなりそうです。

保険薬局では「対人業務」への評価を強化

情報提供など医師との連携を評価

調剤報酬においても、「薬剤の適正使用」は大きなテーマです。医療機関では、外来についても6種類以上の内服薬が処方された患者に対して2種類以上減少させたときに「薬剤総合評価調整管理料」が算定できます。それに呼応して、保険薬局が処方提案をしてそれが実現した場合にも「服用薬剤調整支援料」で評価されることになりました。

上記の処方提案を含めた医師への情報提供や疑義照会は、今改定で評価が手厚くなった項目です。「服薬情報等提供料」では医療機関の求めに応じての情報提供に、「重複投薬・相互作用等防止加算」「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」については残薬調整以外の疑義照会などに対し、より高い点数が割り振られました。医師との連携が評価された形です。

今改定では、かかりつけ薬剤師指導料(包括管理料)もアップしていて、「対物業務から対人業務へ」という方針が、報酬により色濃く反映されています。そうした意図から、“対物”である調剤料で15日以上(内服薬)の点数が引き下げられたほか、「薬剤服用歴管理指導料」に初めて減算が導入された点も注視すべきでしょう。

薬剤服用歴管理指導料の基本評価が引き上げられた反面、6ヵ月以内の再来局時にお薬手帳を持参した患者の割合が5割以下の場合は点数が大幅に引き下げられます。重複投薬・相互作用等防止管理料などの加算も算定できなくなるため、経営に与える影響は少なくありません。手帳を持参する患者が9割以上という調査結果もあり、手帳による薬学的管理は実施して当然とされ、怠っている薬局にペナルティが課されたということでしょう。

そのほか「在宅患者訪問薬剤管理指導料」については対象者の居住条件による分類基準が見直されました。同一建物内の居住者かどうかではなく、その建物に何人の患者が居住しているかを基準とし、3段階の点数が設けられました。介護報酬の居宅療養管理指導についても同様です。

図2 保険薬局の薬剤師関連の主な改定項目

  • 業務

    見直し 退院時共同指導(要件に薬剤師明記※診療報酬)

    見直し かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料(勤務実績、同意書要件の見直し、基本料特例の除外要件の廃止) かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料(勤務実績、同意書要件の見直し、基本料特例の除外要件の廃止)

    見直し 乳幼児服薬指導加算/かかりつけ薬剤師指導料等 乳幼児服薬指導加算/かかりつけ薬剤師指導料等

    見直し 薬剤服用歴管理指導料(次回服用指導計画の記録の義務化、手帳の利用が著しく少ない場合の減算規定導入) 薬剤服用歴管理指導料(次回服用指導計画の記録の義務化、手帳の利用が著しく少ない場合の減算規定導入)

    新設 服用薬剤調整支援料 服用薬剤調整支援料

    見直し 重複投薬・相互作用等防止加算、在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料(評価を2区分に) 重複投薬・相互作用等防止加算、在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料(評価を2区分に)

    見直し 服薬情報等提供料(評価を2区分に) 服薬情報等提供料(評価を2区分に)

    見直し 調剤料(内服薬15日以上引き下げ) 調剤料(内服薬15日以上引き下げ)

    見直し 無菌調剤処理加算/調剤料 無菌調剤処理加算/調剤料

    見直し 在宅患者訪問薬剤管理指導料(単一建物患者数での評価に)

    新設 乳幼児加算/在宅患者訪問薬剤管理指導料 乳幼児加算/在宅患者訪問薬剤管理指導料

  • 体制

    廃止 基準調剤体制加算

    img

    新設 地域支援体制加算

    見直し 調剤基本料(敷地内薬局や同一グループ・集中率等計算方法などの見直し、医療資源の少ない地域への配慮)

    見直し 後発医薬品調剤体制加算(3段階評価、減算評価の新設)

調剤基本料見直しの背景は?

今改定では基準調剤加算を廃止し、代わりに「地域支援体制加算」が創設されたことも注目されました。その算定要件では基準調剤加算の要件をベースに、医療安全や副作用報告の体制の整備が追加されています。詳細は今後、示されることになるでしょう。

調剤基本料については、処方せん集中率の基準の引き下げや、クリニックモールのような同じ建物内に複数の医療機関がある場合の処方せんの計算方法の変更などで、特例の対象が拡大されるとともに、大型門前薬局や敷地内薬局のさらなる点数の引き下げなどが盛り込まれました。

引き下げの“根拠”となったのは、医療経済実態調査などの結果です。薬局の収益率は多店舗化するほど高くなり、また処方箋の集中率が高いほど医薬品の備蓄品目数が少ない傾向が見られています。公的保険財源の配分において、規模や集中率による偏りを是正するという意図が、調剤基本料などの見直しの背景にあります。

なお、前回の改定で、かかりつけ薬剤師指導料などを薬剤師1人当たり月100件以上算定した場合に、調剤基本料2、3に該当しても基本料1を算定できるという特例の除外規定がつくられましたが2018年診療報酬改定では廃止されました。今改定でできた地域支援体制加算は、基本料1以外でも算定可能ですが、前改定での規定以上に高い、かなり努力しないと達成できない、かかりつけ機能に関する相当の実績要件が課されています。

2018年度診療報酬改定では、2016年度改定で敷かれたレールに沿って、薬局に求められるべき機能に重点的に報酬が配分されました。今後、従来の業務モデルのままでは高い報酬は算定しにくくなるというメッセージが、はっきり示された改定といえます。

PROFILE
利根川 恵子
医療ジャーナリスト。薬剤師。東京医科歯科大学医療政策学修士。
医療系出版社勤務後、2000年に独立。薬剤師としての知識を活かしつつ、医療分野・介護分野を中心に取材を行う。

著書『福祉・介護職のための病院・医療の仕組みまるわかりブック』
『ケアマネ実践料シリーズ 医療知識』(共著)など。

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