MRに転勤は付きもの？頻度や転勤理由について解説
MRは、就職・転職を希望する薬剤師から人気の職種です。MRというのは、Medical Representatives（医療情報担当者）の略で、いわゆる製薬業界の営業マンのこと。製薬会社の営業部門に所属し、自社の医薬品情報を医師や薬剤師に提供したり、医療関係者から情報を収集したりするのが主な役割です。
MRが人気の理由は、高収入やワークライフバランスのよさなどですが、一方で「転勤が多い」という話もよく聞きます。
そこで本記事では、「MRは本当に転勤が多いのか」に焦点をあてて、その真偽や転勤の頻度、転勤理由などを紹介します。「転勤したくない場合はどうしたらいいか」についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.MRは他の職業より転勤が多い？
結論からいうと、MRに転勤は付きものです。全国転勤を前提とした採用も多く、会社からの辞令があれば「沖縄から北海道まで転勤する」という勤務体系が一般的です。
先に紹介したように、MRは医療機関や薬局を訪問し、医師や薬剤師に自社の医薬品情報を提供するのが仕事です。そして、製薬会社の多くは全国展開しており、医療機関や薬局も全国すべての地域にあります。それを踏まえるなら、MRに転勤が多いのは必然といえるかもしれません。ちなみに、結婚や家を購入、家族の学校・仕事の都合などの事情があったとしても、転勤は避けられない場合が多いようです。
MRは多くの人の健康をサポートするやりがいのある仕事です。インセンティブ制度や各種手当が充実しているため、高収入も期待できます。その一方で、薬剤師の資格を生かして働く他の職種よりも、転勤の機会が多いということを覚えておきましょう。
2.MRの転勤頻度や時期
MRの転勤頻度は、勤務している企業の方針によってさまざまです。転勤時期に関しても、勤務先によって異なるでしょう。そのため、あくまで目安となりますが、MRの転勤頻度は3〜5年が多いとされています。
転勤の時期については、製薬会社の決算期と関連しており、国内企業であれば人事異動が行われる4月と10月、外資系企業であれば6月、12月が一般的です。転居をともなう転勤については、異動時期の1〜2か月くらい前に内示が出るケースが多いでしょう。
3.転勤の理由について
ここまでを読んで、「営業職であれば、その土地に根ざして信頼関係を深めていったほうがよいのでは？」と感じている方もいるのではないでしょうか。以下では、MRに転勤が多い3つの理由を紹介します。
3-1.経験を積ませるため
定期的な転勤によって複数の医療機関、医療従事者と関わり、より多くの経験を積むことは、スキルや知識の向上につながります。身に付けたスキル・知識を成果につなげれば、担当先での評価も高まるでしょう。さまざまな環境を経験させることで、本人の適性や強みも把握しやすくなります。
なお、MRはその人の成績やスキルによって担当先や領域が変わり、一般的に新人MRは地域の開業医担当が多く、経験値の高いMRは基幹病院や大学病院に担当することが多い傾向です。
3-2.マンネリ化を防ぐため
同じ土地に長く勤務すると、付き合いのある医療機関や医師、薬剤師にも大きな変化がなくなり、仕事がマンネリ化する恐れがあります。
そうした状況を防ぐために、転勤は有効な手段といえるでしょう。新しい環境に身を置き、新しい気持ちで仕事に臨めば、モチベーションや向上心が格段にアップします。いままでとは違った経験を持つ人たちと出会うことで、コミュニケーションも活性化するはずです。
また、転勤には特定の医療職との癒着を防ぐ効果もあり、コンプライアンスの観点から数年ごとに転勤を行う会社も少なくありません。
3-3.マイナスな理由で転勤する場合も
経験を積むことやマンネリ化を防ぐことは、プラスな理由による転勤ですが、実はマイナスな理由による転勤もあります。
代表的なケースが、十分な成果が出せていない場合や、担当先でうまく立ち回れない場合の転勤です。仕事とはいえ、本人の適性や能力に合わない環境で成果を出すのは容易ではありません。そうした場合は、転勤によって環境を変えるのも一つの手段です。
新しい環境に変わることでモチベーションが回復し、よい成果につながれば、会社側のメリットも大きいでしょう。
4.MR職で転勤したくない事情がある場合
会社の就業規則に、「業務の都合により配置転換や転勤を命じることがある」などの記載がある場合、原則的に転勤を拒否することはできません。しかし、家族の介護や子どもの病気といったやむを得ない事情で、転勤が難しいケースもあるでしょう。
ここでは、転勤が難しい場合の対処方法を2つ紹介します。
4-1.会社に転勤できない事情を説明する
「介護が必要な家族がいて、自分以外に面倒を見る人がいない」「子どもが専門的な治療を行っていて転院できない」といったやむを得ない事情がある場合は、会社側に相談してみましょう。
辞令に関して、個人の事情をどこまで反映できるかは勤務先によって異なりますが、正当な理由がある場合や、本人や家族への負担が大きいと判断された場合は、拒否の申し立てが認められる可能性があります。会社によっては、勤務地を限定する特別な制度（地域限定制度）を設けている場合もあるため、まずは、転勤できない事情を説明することから始めてみてください。その際は、なぜ転勤を断りたいのかを明確にし、論理的に伝えることが大事です。
4-2.転勤がない会社へ転職する
MRは基本的に転勤の多い職種です。ただし、すべての会社で転勤があるわけではありません。転勤を避けたい場合は、転勤がない製薬会社を探して、転職するのも方法の一つでしょう。
転勤がない製薬会社は、ベンチャー系や小規模製薬会社に多く見られます。ただし、転勤がない会社・少ない会社は競争率が高いので、転職活動をするにあたっては、しっかり準備することが必要です。
転職を考えるにあたっては、製薬会社にMRを派遣するCSO（医薬品販売業務受託機関）を選択肢に入れるのもおすすめです。CSOに所属するMRは「コントラクトMR」と呼ばれ、定められた期間、配属先のプロジェクトに従事するため勤務地が限定されます。
また、複数企業の医薬品に携わることで、スキルアップが図れるのもコントラクトMRの特徴です。転職を避けたい人には、最適な働き方といえるのではないでしょうか。
5.新しい働き方に挑戦してみるのも一つの手
先に、転職が少ない製薬会社への転職について紹介しましたが、MRにこだわらず新しい働き方にチャレンジしてみるのもよい方法です。薬剤師の資格を生かせる職場は、製薬会社以外にも病院やクリニック、薬局、ドラッグストアなど多岐に渡ります。MRで培ったスキル・知識があれば、ヘルスケア系のコンサルティングファームで活躍することも可能でしょう。
とはいえ、転職するにあたっては「自分に合った職場が見つかるだろうか」「何をアピールすればうまくいくのだろう」など、さまざまな不安が付きまといます。転職活動に不安がある方、できるだけスムーズに進めたい方は、医療業界専門の転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。
たとえば、マイナビ薬剤師では、一般の転職サイトには掲載されていない非公開求人なども取り扱っているため、転勤なしの求人を見付けられる可能性が高まります。
加えて、経験豊富なキャリアアドバイザーが、応募書類の添削や面接のアドバイス、転職先との条件交渉などをサポートしてくれるので、安心して転職活動を進められるはずです。
転職をお考えの人は、まずマイナビ薬剤師の無料転職サポートに登録して、自身の希望する働き方に合った職場を探してみてください。
6.まとめ
今回は、転勤が多いといわれるMRについて紹介してきました。製薬会社に勤めるMRは他の職業と比べて、転勤が多いのは事実です。
しかし、なかには転職の頻度が少ない・転職がない製薬会社もあるため、「転勤は難しいけれど、MRとして働きたい」という薬剤師の方は、転職エージェントに相談して、希望に合った転職先を探してみるとよいでしょう。
一方で、「MRとして働いているけれど、転勤ができなくなったため転職したい」という方も、転職エージェントでキャリアアドバイザーのアドバイスを受けるのがおすすめです。
自身のライフステージや、生活スタイルに合わせた働き方を考えるのは、とても大切なことです。一人で悩まず、薬剤師専任のキャリアアドバイザーなどに相談して、あなたに最適なキャリアを見付けていきましょう。
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