結婚(出産・妊娠)を機に転職する薬剤師が多い理由と転職先の選び方
薬剤師が転職を考えるきっかけの一つに「結婚」があります。
結婚して生活スタイルが変わると、独身時代と同じような働き方ができなくなったり、よりプライベートを充実させるために働き方を変えたいと思うかもしれません。
こうした転職のタイミングは女性に多いものの、男性であっても積極的に子育てに参加することが当たり前の時代となり、仕事への向き合い方や家庭への関わり方も以前とは大きく変わっています。
結婚をきっかけに、将来を見据えて収入を見直したいと思う方もいるでしょう。
今回は、結婚を機に転職を考える薬剤師が、家庭と仕事をうまく両立していくために知っておきたいコツをご紹介します。
目次
1.結婚を機に転職を考える薬剤師が多い5つの理由
結婚による環境の変化は、誰にでも起こり得るものです。
独身時代と異なり、夫や妻と過ごす時間を確保したいと考えたり、将来的な家族計画を見据えたライフプランを考えたりする方も多いと思います。結婚を機に転職を考える場合、主に5つの理由があります。
理由1.プライベートな時間が欲しくなるため
病院内も含めた調剤薬局では、土日の出勤は当たり前というところも少なくありません。これでは、子供を保育園に預けていたとしても、土日出勤の際には新たな預け先を探す必要が出てくるため、苦労してしまいます。
また、製薬会社勤務であっても、MRの営業活動に時間を割かれ、勤務時間が長くなることもあるでしょう。
独身時代であればキャリア重視の働き方も可能ですが、結婚して子供が産まれた後には、「少しでも早く帰りたい」「休日を確保したい」と思う方が増えると想定されます。
そのため、結婚後はプライベートな時間を確保するために、転職を考える方が多いのです。
理由2.配偶者の価値観によって
夫婦生活や仕事、子育てに対する価値観は人それぞれです。女性の比率が多い薬剤師業界では、配偶者の価値観によって左右されることは多いと思います。
今の時代、「配偶者に仕事はほどほどにして、家庭にウエイトを置いてほしい」と考える方も少なくありません。逆に、「結婚前よりもキャリアアップして、今よりも収入を得てほしい」と考える方もいらっしゃるでしょう。
どちらのタイプであるにせよ、配偶者の価値観が転職を考えるきっかけとなり得ます。
理由3.配偶者の転勤についていくため
配偶者の転勤を機に結婚を決断する方もいるでしょう。単身赴任を選ぶ家庭もありますが、薬剤師というのは比較的、全国各地で働く先が見つかりやすい職業といえます。
新婚や子供が幼いうちは配偶者と共に移住し、引っ越し先で仕事を探したほうが地域に馴染みやすく、夫婦生活や子育てもうまくいきやすいと考える方も多いのではないでしょうか。
理由4.妊娠・出産に備えて
結婚後、将来的な妊娠・出産を見据えて環境を整えたいと考えることも、転職の理由となります。
現在の職場では体力的・精神的に負担が大きかったり、産休・育休制度が利用しにくかったりするのであれば、安心して妊娠・出産を考えることができません。
そのため、仕事環境や雰囲気が良く、産休・育休制度のしっかりとした職場に魅力を感じて転職するのも一つの方法です。
理由5.給与について見直す必要があるため
結婚をして、妊娠・子育てとなると、自分一人のときとは異なりお金がかかります。
結婚式の費用はもちろん、出産や子供の教育資金など、家族を養うための費用を考えると、今の給与のままでいいのかと不安になると思います。
そのため、現在の給与について早い段階で見直し、給与アップを目指して転職するのは、人生にとって必要なことかもしれません。
こういう時こそ、転職エージェントをうまく利用して、給与アップにつながる転職を実現させましょう。
2.仕事と家庭を両立できる転職先、6つの見つけ方
結婚のタイミングで転職するからには、仕事も家庭もバランス良く両立できるような職場を探したいものです。
人により、転職先に求めるものはさまざまですが、ここでは転職先の見つけ方のポイントを6つご紹介します。求人情報をチェックする際には、必ず確認しておきましょう。
2-1.プライベートな時間が十分に確保が可能か
プライベートな時間を確保したいと考えるなら、勤務時間、残業の有無、在宅業務の有無、休日出勤の実情などを確認しておく必要があります。
事前に会社側から「残業や休日出勤はほとんどありません」と言われていても、30分以内の残業はサービス残業となったり、祝日は休日にカウントされないなど、実際に働いてみると思っていた状況と違うというケースはよくあります。
男女を問わず、夫婦の時間の確保や子育てへの協力など、プライベートな時間を重視したいのであれば、事前の情報収集は欠かせません。
2-2.転勤のない職場か
転勤のある職場では、妊娠・出産だけでなく、その後の子供の学校生活にまで影響が出る可能性があります。
転勤の有無はもちろんのこと、仮に転勤がある職場でも「家庭状況を考慮してくれるのか」という点まで確認しておきましょう。
さらに、「通勤時間は片道どれくらいまでなら許容できるのか」「転勤後の勤務時間はどのくらいまで変化してもいいのか」など、転勤になった際の対応を事前に考えておくことも大切です。
2-3.産休・育休制度、子育てのフォロー体制があるか
薬剤師は女性が多い職種であり、良い人材の確保のためにも長く働きやすい環境を整えようと努力している企業も多くあります。
そのため、産休・育休制度だけでなく子育てのフォロー体制を整備する企業は増えてきています。
しかし中には、過去に産休・育休制度を利用した実績はなく、利用できる雰囲気や人員配置ではない、といった職場があるのもまた実情です。
少なくとも産休・育休制度の利用実績と、実際に活用できるのかについては事前に確認しておきましょう。
さらに、産後の時短勤務が可能か、一時的にパートとしての雇用制度もあるのかなどの条件も確認できるとより安心です。
2-4.妊娠中・子育て中の薬剤師が働きやすい雰囲気か
妊娠中には、つわりによる体調不良なども起こりやすく、まわりの職員にフォローしてもらう必要があります。さらに、育休後に復帰しても子供の学校行事や病気などで急に休まなければならないこともあります。
その分、同僚からのフォローが得られなければ、家庭との両立は難しくなるでしょう。できることなら、そうした面においても理解のある職場を選びたいところ。
職場に既婚女性や育児中の女性がいて、周囲の理解と協力を得ることができれば、体力的にも精神的にも働きやすい職場といえます。実際の雰囲気を確かめておくと、より良い転職先を探すことができるでしょう。
2-5.職場の立地はどうか
自宅からの距離や、交通機関の利便性、近隣に保育園はあるかなども、家庭や育児との両立を考えるにあたり、大切な条件と言えるでしょう。
特に保育園問題は深刻で、都会だと希望する保育園に入れない地域もあり、地方であれば夜遅くまで預かってくれる保育園はあまり多くはないのが実情です。
職場が自宅から近いほど、生活にゆとりが出るのは間違いありません。また、育児をする上で必要不可欠な病院や公園、スーパーなどのアクセス状況も重要です。
2-6.給料面のアップは期待できるか
結婚すると、マイホームやマイカーの購入や子育てに必要な資金の準備など、費用面での不安も抱えがちです。共働きであっても、転職によって年収を上げることができれば安心感は高まります。
仕事をお金だけで考えるべきではないと思いますが、お金も理想的な人生設計を築くための大切なポイントです。
入社時の給料だけでなく、今後の給料アップが見込めるかについてもチェックしておきましょう。
3.産休と育休について知っておく
産休や育休は、企業の福利厚生ではなく国の制度です。
取得しやすい企業・取得しにくい企業はありますが、平等に与えられている権利ですので、出産・妊娠を安心して迎えるために、産休・育休という制度について知っておきましょう。
3-1.産休とは?
産休には、出産前に取得できる「産前休業」と出産後に取得できる「産後休業」の二つがあります。どちらの産休期間中も出産手当金(給与の約67%)が支給されます。
- 産前休業:出産予定日の6週間前(双子などの多胎妊娠の場合は14週間前)から出産日まで、出産を控えた女性が申請すれば誰でも取得可能。
- 産後休業:出産翌日から8週間の就業を禁止している制度。ただし、産後6週間を過ぎた後は医師の許可がある場合、本人が申請すれば就業できます。
参照データ:厚生労働省
3-2.育休とは?
育休とは、1歳まで(特定の条件を満たした場合は延長可能)の子供がいる母親・父親が、育児のために取得できる「育児休業」のことです。
育休中は、育児休業給付金(給与の50~67%)が支給されます。ただし、育休は申請すれば誰でも取得できるわけではなく、以下のケースでは育休を取得できない場合が多いです。
- 雇用されてから1年未満(育休申請時点で)
- 1年以内に雇用が終了することが明らかである
- 1週間に2日以下しか勤務していない
参照データ:厚生労働省
3-3.出産育児一時金とは?
出産一時金は、赤ちゃん1人あたり42万円の出産費用を健康保険組合が支給してくれる制度です。
健康保険に加入しており、妊娠85日以上の正常分娩であれば、対象となります。また、死産や早産、流産や人工中絶であっても対象となります。
近年は、健康保険組合から出産する病院へ直接支払いが行われる「直接支払制度」を採用している産婦人科が多いので、病院で書類に記入するだけで簡単に申請することができます。
参照データ:全国健康保険組合
3-4.出産手当金とは?
出産手当金は、産休中の給与保障として「標準月額報酬×67%」を健康保険組合が支給してくれる制度です。
出産予定日の6週間前(双子などの多胎妊娠の場合は14週間前)から出産日までの産前休業、出産翌日から8週間の産後休業中は継続的に支給されます。
標準月額報酬とは、4~6月の給与の平均額から算出される金額で、交通費やボーナス(年4回以上の場合を除く)は含まれません。
また、育休中の給与保障である育児休業給付金も、標準月額報酬を元に決定されます。
参照データ:日本年金機構
4. 配偶者とライフプランを話し合い、長期的な目線で転職を考えよう
結婚のタイミングで転職するとしても、結婚後の働き方の価値観、出産の時期や出産後の働き方、家庭と仕事のバランスなどについて配偶者とよく話し合い、お互いに納得できる働き方を選ぶことがとても大切です。
同時に、より良い転職先を探すためには、詳しい情報収集が欠かせません。内部情報までしっかりチェックするためにも、転職エージェントを利用することを考えてみましょう。
転職エージェントを利用することで職場探しの負担を少しでも軽減し、配偶者との話し合いに時間を使うことができます。将来のビジョンを視野に入れた転職は、マイナビ薬剤師にご相談ください。
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