調剤薬局に転職する薬剤師の志望動機|アピールポイントとNG回答例


転職にあたって最も重要なのは、「仕事への意欲」を企業にアピールすることです。

薬剤師の場合、調剤薬局、ドラッグストア、製薬会社、病院と、さまざまな働き口があり、それぞれ求める人材も違うため、「自分こそ、その職場が求める人材である」ことをしっかり企業に伝える必要があります。その役目を担うのが、採用面接でも必ず聞かれる「志望動機」です。

では、実際の面接では、志望動機としていったい何を話せばいいのでしょうか。ここでは、調剤薬局を目指す場合について、採用面接で語るべき志望動機と「言ってはいけない」NG回答についてご紹介します。

1.調剤薬局が求める理想の人物像とは?

志望動機は、自分がいかにその企業の求める人材であるかをアピールするためのものです。よって、その内容を決めるためには、まずその企業がどんな人材を求めているのかを知る必要があります。

1-1.事前の業界研究、企業研究は必須!

薬局は、薬局は、現在全国に60,000ヵ所以上あり、医療ニーズの多様化に合わせて、さまざまなタイプに分かれています。

参照元:厚生労働省/衛生行政報告例

例えば、総合病院の門前薬局と在宅・施設調剤がメインの薬局、全国展開するドラッグストアチェーン内の薬局と地域の薬局では、同じ調剤薬局でも環境は違いますし、当然薬剤師に求められる力も変わってきます。

また、たとえ同じような業務内容だったとしても、企業の掲げる理念は様々なため、ある企業では精密な仕事ぶりを、ある企業ではコミュニケーション能力を高く評価するなど、企業によって求める人材は違います。

しっかりと相手の心に響く志望動機にするためには、事前に自分の希望する職場がどんな人材を求める傾向にあるのか、どんな理念を掲げている企業なのかを研究し、先方のニーズをつかむことが大切です。

1-2.「総合病院の門前薬局」と「地域の薬局」では求められることが違う

調剤薬局ごとに、大まかな仕事内容や求められる資質の違いを紹介します。

総合病院の門前薬局

診療科目が多岐にわたる総合病院の門前薬局は、扱う処方箋の幅も広く、中には特殊な処方箋もあることから、幅広い知識と深いスキルを求められる場合があります。1日の処方箋枚数は多めで忙しい店舗が多く、同僚やほかのスタッフとうまく連携がとれるチームワークも重要視されます。

地域の一般薬局

地域の商店街や住宅地にある薬局は、その他周辺のクリニックや病院からの処方箋を受け付けます。継続的に利用する患者さんも多く、「かかりつけ薬局」として日常の生活相談に応じたり、些細な変化に気づくことができるスキルが求められるため、コミュニケーション能力が重視される傾向があります。

ドラッグストア内の調剤薬局

ドラッグストアに調剤薬局が併設されているケースです。調剤以外に、OTC医薬品(一般用医薬品)の服薬指導や販売のほか、ポップの作成、在庫管理など店舗の管理業務も任されることも多くあります。

在宅・施設調剤専門薬局

在宅・施設調剤専門薬局は、一般の処方箋はほとんど受け付けておらず、在宅・施設への調剤をメインにしています。

施設に入所している人向けに1~2週間分をまとめて調剤して届けたり、施設に赴いて薬をセットしたりするほか、在宅療養中の患者さんを訪問しての投薬や服薬指導などを行います。よって、調剤のスキルだけでなく患者さんやそのご家族に寄り添う姿勢が求められます。

なお、企業ごとの求める人材の違いを知るには、募集要項や企業のウェブサイトなどが参考になります。

2.「自分こそ理想の人材である!」ことをアピールする3つのポイント

企業が求める人材像がわかったら、「自分こそ企業が求める人材である」ことをアピールできるような伝え方を考えましょう。面接の際に、次の3点を盛り込むことがポイントです。

ポイント1:これまでの経験

前職の業務内容や身に付けたスキル、積極的に取り組んだこと、得意なことなどを、志望先企業が求める人材・スキルを踏まえた上で伝えます。例えば、マネジメント能力が求められているなら部下を指導した経験を。

高いコミュニケーション能力が求められているなら、長く在宅医療に関わって患者さんに寄り添ってきた経験を強調するなど、求められるスキルや適性があることを伝えましょう。

ポイント2:なぜこの会社を選んだのか

なぜこの会社を選んだのかということは、志望動機の中でも最も重要な部分です。例えば、「地域の居宅を主軸とした在宅医療を提供しており、地域のニーズに応えようとしている」など、会社のどんな部分に魅力を感じたのかを具体的に話します。

ポイント3:これから何がしたいのか

入社後にどのような仕事がしたいのか、将来はどんな風に働きたいのかを伝えましょう。

例えば「管理薬剤師となり、将来的には新人の育成にも携わっていきたい」「子育てと両立しつつ、長くこの地域で働いていきたい」など、この点でも応募先企業のニーズとうまく噛み合っていることをアピールします。

3.言ってはいけないNG回答

志望動機は、採用担当者に「なるほど。この人ならうちで活躍してくれるに違いない!」と思わせるものでなければなりません。大切なのは、一人よがりにならずに相手の視点を大切にすること。次のような答え方はNGです。

NG回答1:条件に合えばどこでも良かった

「なぜこの会社を選んだのか?」に対して、前職での給与や残業の少なさ、家からの通いやすさなど、条件面ばかりを挙げるのは、「条件に合えばどこでもよかった」と言っているのと同じことです。

採用担当者に「条件を気に入ってくれたのはわかるけれど、別にうちじゃなくてもいいのでは?」という印象を与えてしまいます。条件面も大切ではありますが、応募先ならではの魅力を具体的に盛り込みましょう。

NG回答2:自分の都合しか伝えない

「なぜ、この会社を選んだのか?」の質問に、「しっかりした研修制度に魅力を感じた」「経営者の育成にも力を入れているところに惹かれた」などと答えることは、一見その企業ならではの魅力を伝えているようですが、「会社に○○をしてもらえるから」という自分の都合を述べているにすぎません。

採用担当者が知りたいのは、会社が求めることに応えてくれそうな人材であるか否かです。研修制度や育成制度に魅力を感じたと伝えること自体はNGではありませんが、同時に応募先企業にどんな風に貢献できるかも伝える必要があります。

NG回答3:自分都合だけの「経験を広げたい」という志望動機

「さまざまな診療科目の処方箋を経験したい」など「経験を広げたい」という志望動機も、自分の都合を伝えるだけになりがちです。

積極的にさまざまな業務を経験したいという姿勢はいいのですが、「現状で応募先企業にこのように貢献でき、将来的にはこうなっていきたい」という全体像を示さないと、ただ自分の経験を積みたいがために転職を希望していると受け取られてしまいます。

4.熱意と意欲を伝えるために入念な準備を!

面接の限られた時間の中で、自分の熱意や仕事への意欲を採用担当者にわかってもらうには、どうしても伝えるための工夫が必要です。

必ず質問される志望動機は、その自分の思いをアピールする最大のチャンス。入念な準備を行って「この人こそ、私たちが求めていた人材だ!」と思ってもらえる、相手の心に刺さる志望動機を考えてみましょう。

マイナビ薬剤師なら、キャリアアドバイザーが転職希望者の思いが乗った「刺さる」志望動機を一緒に考えます。対面での転職相談はもちろん、遠方にお住まいの方は電話やメールでも対応いたしますので、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

薬剤師専任キャリアアドバイザー

中村 貴大

薬剤師の転職サポート歴7年。
調剤薬局、病院、ドラッグストアなどの法人担当だけでなく、多くの求職者様の転職活動を成功に導いた経験と知識を活かし、転職活動を開始される皆さまを全力でサポートさせていただきます。

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