「次に繋げる対応」で再度サポートすることに
新卒で入職した病院でずっと仕事を続けてきたというYさん。仕事自体に大きな不満はなかったそうですが、数年前から同じ役職のまま昇給もなく、上には年次が近い先輩が数人つかえていることから、このままいってもキャリアアップは望めそうにないということで転職を希望されていました。最初にご登録いただいたのは2017年6月。調剤薬局への転職を希望しており、薬局未経験でしたが総合病院での経験が高く評価され、すぐに転職先が決まりました。しかし、いざ退職届を出してみると強固な引き留めにあい、もともと仕事や職場の人間関係には不満がなかったYさんは気持ちが揺らいでしまい、結果として現職に残ることになりました。実は、Yさんのように引き留めにあって転職を取りやめる方は少なくありません。そのため、この時はたまたま縁がなかったと割り切ることにして無理強いはせず、「もしまた転職のことで悩んだ際は、気軽にお声がけくださいね」とお伝えしてあっさりと引き下がりました。
前回の経験をいかし、まずは退職交渉から
次にYさんから連絡を頂戴したのは約半年後。年が明けてすぐのことでした。熱心な引き留めによって仕事を続けることにしたYさんでしたが、キャリアアップができないという状況に変わりはなく、「今度こそ、本当に転職したいのでお願いします」とメッセージを送ってくださいました。そこで今度は、覚悟を決める意味で退職の意思を先に伝えていただくことに。この時もやはり引き留めはあったのですが、2度目ということもあり、またYさんの決意が固いことが伝わったのか、3月いっぱいで退職する方向で話がまとまりました。
綿密な面接対策で条件交渉も有利に
退職することが決まったので、再度、条件に当てはまる企業のピックアップを行いました。前回同様、Yさんの希望条件はキャリアアップができること。また、持ち家があるため自宅から通える範囲(転勤不可)で、年収も600万円までアップしたいということでした。ご紹介した30件近い求人情報の中で、最終的にはYさんが絞り込んだのが3社でした。1社目は地元密着で2店舗を展開している個人薬局で、将来的にはオーナーの右腕となって活躍できる会社。2社目もやはり地元で5店舗を展開している中堅調剤チェーン。そして、3社目が中国地区で数十店舗を展開する大手調剤チェーン店でした。
今回、気を付けたのは面接対策です。半年前の転職活動の際、面接に同行したのですが、少し早口になりがちなこと、話を聞く時にうつむきがちだったのが気になっていたので、今回はその点に注意をするようアドバイス。結果、3社すべてから内定が出て、いずれも1回目の転職活動時よりも好条件が提示されました。
妥協できる条件の代わりに年収アップ
悩んだ末、Yさんが選んだのは3社目の大手チェーンでした。大手なので教育体制が整っており、薬局未経験でも安心して働けますし、出店にともなって薬局長などのポストに就くことができ、将来的にはのれん分けのような形で独立も可能という点に魅力を感じたようでした。唯一の難点は希望よりも通勤時間が少し長いということでしたが、交渉の結果、地域手当を上乗せしてもらうことで年収アップすることができました。 Yさんからは「一時は転職をやめようかと思いましたが、モヤモヤしたまま働くより、思い切って新しい環境で働くことを決めて正解でした」とのお言葉を頂戴し、2度目の転職が成功して本当に良かったと思います。
転職活動にかかった期間
