定年を機に、薬剤師として新たなスタートを
20代後半で薬学部を卒業し、その後はずっと医療機器メーカーで営業の仕事をなさっていた方です。営業職に従事なさっていたため、調剤の経験はまったくありませんでした。8月には定年で退職することが決まっており、情報収集も兼ねて2月にご登録いただきました。定年後も勤務中の会社に残ることはできますが、年収が300万円台にまで下がってしまうとのこと。お子さんがまだ小さく、進学などでお金も必要になるため、最低でも年収450万円は確保したいとご相談いただきました。医療機器メーカーでは営業部長としてお勤めでしたが、せっかく薬学部を出たので調剤の仕事もやってみたいとずっと思っておられたとのこと。転職を機に薬剤師として、新たなスタートを切りたいとのご希望でした。
キャリアアドバイザーの人脈を活かし、すぐに面接へ
転職活動を始めてすぐに、知人の薬局から声がかかったとのことで転職活動は一旦中断されました。しかしいざ話が進んでみると条件が折り合わず、そのお話は流れてしまいました。そこで、4月から改めて転職活動を開始。並行して登録していた他の紹介会社でも話が進んでいたそうですが、一番に希望する調剤薬局の選考がなかなか進まず、当社にご連絡をいただきました。すぐに面談を行い状況を詳しくうかがったところ、一番に希望なさっている薬局は、私がとてもよく知っている会社でした。さっそく社長に連絡し、すぐに面接してもらえることになりました。
「人柄重視」の社長面談で即採用決定に
この方の場合、ネックとなるのはやはり年齢と「調剤未経験」ということです。また、医療機器メーカーで営業部長を務めていた方が、年下のスタッフばかりの薬局で薬剤師としてゼロからスタートできるのか。その点も大きな不安材料でした。
そこで面談前に①「元営業部長だから」とどうしても構えて見られてしまうため、謙虚な姿勢を最大限にアピールすること、②何人もの部下を育ててきたからこそ、育てる大変さも熟知しているということ、③できるだけ長く働きたいという希望、この3点をしっかり伝えていただけるようアドバイスしました。面接では社長と会話が弾み、面接が終わった段階で「ぜひこの会社で働きたい」というご希望でした。幸い、社長からもすぐに採用のご連絡をいただき、希望通り9月からの勤務が決定。4月に改めてご連絡を頂戴してからは、あっという間でした。
希望通りの転職で新たなスタートを
一番の決め手になったのは、この方と社長との相性が抜群に良かったということです。60歳で調剤未経験と、条件的にはかなり厳しかったのですが、コミュニケーションスキルはずば抜けていました。何より、これまでのキャリアをひけらかすことなく、「薬剤師としてゼロからスタートしたい」という謙虚な姿勢でいらっしゃったこともよかったのでしょう。
大学を卒業してからのブランクも長く、業務はかなり年下の薬剤師さんから教わることになりますが、この方なら大丈夫だと確信しました。転職後にも何度かご連絡を頂戴しましたが、とてもうまく現場に溶け込み、早くもまわりの信頼を獲得しておられる様子でした。
転職活動にかかった期間
