薬剤師は年収2000万円を稼げる?収入アップのポイントも解説


薬剤師として働く中で、年収2000万円は目指せるのかと考える人もいるかもしれません。厚生労働省の統計によれば、薬剤師の平均年収は約599万円とされており、一般的な勤務形態では2000万円に到達するのは容易ではありません。しかし、キャリアの選択や働き方を工夫することで、高収入を目指すことは可能です。

本記事では、年収2000万円や世帯所得2000万円の割合と、薬剤師が年収2000万円を目指すための具体的な方法、収入アップにつながるポイントについて解説します。

1. 薬剤師は年収2000万円を稼げる?

薬剤師が年収2000万円を稼ぐことは、一般的な働き方では簡単ではありません。とはいえ、キャリアの選び方や収入源の広げ方によって、年収2000万円を目指せる可能性はあります。

薬剤師が年収2000万円を目指すのなら、まずは薬剤師の平均的な年収水準や、社会全体における高所得層の割合、世帯単位での収入分布などを確認しましょう。現実的な立ち位置を把握してから、年収2000万円までの道筋を立てることが大切です。

ここでは、厚生労働省や国税庁の統計データをもとに、薬剤師の平均年収と、年収2000万円の割合や世帯所得2000万円の割合についてお伝えします。

1-1.薬剤師の平均年収は約599万円

厚生労働省が2024年に実施した賃金構造基本統計調査から、薬剤師の平均年収は599万3,200円と算出できます。医療関連職種の中で薬剤師の平均年収は高い方なのか気になる人もいることでしょう。

厚生労働省の統計調査では、医療関連職種についても調査されています。まずは、薬剤師と医療関連職種の平均年収についてお伝えします。

職種 きまって支給する
現金給与額
年間賞与その他
特別給与額
平均年収
医師 102万5,900円 106万9,300円 1,338万100円
歯科医師 90万9,200円 44万4,800円 1,135万5,200円
獣医師 71万3,000円 29万1,800円 884万7,800円
薬剤師 43万800円 82万3,600円 599万3,200円
保健師 35万1,100円 99万9,200円 521万2,400円
助産師 39万9,600円 101万400円 580万5,600円
看護師 36万3,500円 83万5,000円 519万7,000円
准看護師 29万4,300円 64万100円 417万1,700円
診療放射線技師 37万5,600円 99万1,300円 549万8,500円
臨床検査技師 34万3,300円 92万3,800円 504万3,400円
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
視能訓練士
31万1,400円 70万4,700円 444万1,500円
歯科衛生士 29万7,600円 48万4,400円 405万5,600円
歯科技工士 32万9,300円 59万2,000円 454万3,600円
栄養士 27万4,000円 65万4,600円 394万2,600円
その他の保健医療従事者 30万3,600円 65万9,000円 430万2,200円

※平均年収=きまって支給する現金給与額×12カ月+年間賞与その他特別給与額で算出

参考:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|政府統計の総合窓口 e-Stat

薬剤師の平均年収は、医師や歯科医師と比べると少ないものの、看護師や臨床検査技師などの職種よりは高めの水準です。薬剤師は調剤業務に加え、服薬指導や在宅医療、医薬品管理など多岐にわたる役割を担っており、その専門性が一定の評価を受けているといえます。

1-2.年収2000万円以上の割合は0.6%

国税庁が実施した2023年分民間給与実態統計調査によると、全業界の給与所得者のうち、年収2000万円以上の割合は、わずか0.6%にとどまっています。最も多いのは、300万円~400万円の16.3%、次いで400万円~500万円が15.4%です。

男女別に見ると、男性では400万円~500万円が最多の17.5%、次いで300万円~400万円が14.9%です。一方、女性は、100万円~200万円が最多の20.5%、次いで200万円~300万円が19.6%となっています。

上記の調査データは、薬剤師だけでなく業種を問わず集計されたものであり、会社員が年収2000万円以上を目指すことがいかに難しいかがうかがえます。

参考:令和5年分民間給与実態統計調査|国税庁

1-3.世帯所得2000万円以上の割合は1.4%

厚生労働省が行った2024年国民生活基礎調査によると、世帯所得が2000万円以上の割合は1.4%でした。

100万円~200万円および200万円~300万円の層が全体のそれぞれ14.4%、300万円~400万円が13.1%となっています。これらの層が比較的多いことから、世帯所得400万円未満の層が一定のボリュームゾーンとなっていることが分かります。

また、中央値は410万円で、平均所得金額の536万円を下回る層が全体の61.9%に達しています。これらの統計についても薬剤師を問わず調査されており、世帯単位でみても世帯所得2000万円以上を達成するのは容易ではないことがうかがえます。

参考:2024(令和6)年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

2. 薬剤師が年収2000万円を目指すには?

薬剤師が年収2000万円を達成するには、一般的な勤務形態では難しく、戦略的なキャリア設計が不可欠です。高収入を得るには、給与水準の高い企業への転職、独立開業による事業収益、副業や投資による収入の複線化など、複数の手段を組み合わせる必要があります。ここでは、薬剤師が年収2000万円を目指す方法についてお伝えします。

2-1.大手製薬会社など給与水準の高い会社に転職する

製薬企業の研究職や本社部門、海外事業などは、薬剤師資格を活かしつつ高収入が期待できる分野です。特に外資系企業や上場企業では、年収1,000万円以上の事例も珍しくありません。

英語力や専門知識、マネジメント経験が求められることも多いため、転職するためにはキャリアアップを見据えた準備が求められます。ビジネス英語の勉強をしたり、マネジメント関連の資格を取得したりするなどのスキルアップや、現職でマネジメント業務を担うといった経験を積む必要があるでしょう。

2-2.独立開業を目指す

調剤薬局やドラッグストアの開業は、薬剤師が経営者として収入を最大化できる手段のひとつです。立地や競合状況、運営スキルによって収益は大きく左右されるでしょう。しかし、地域密着型の店舗やニーズの高いエリアに出店できれば、安定した集客と売上が見込め、年収2000万円以上も目指せる可能性があります。

ただし、初期投資や人材確保、法令対応などの課題も多く、事業計画と経営力が問われます。薬剤師としての知識だけでなく、経営者としての視点を持つことが求められるでしょう。

2-3.副業で収入を得る

薬剤師としての専門性を活かした副業による収入も、収入アップの方法のひとつです。SNSやYouTubeなどを活用した情報発信は、広告収入や講座販売などにつながる可能性があります。

執筆活動では医療系メディアへの寄稿や監修、講演活動では地域の健康イベントや企業研修などで登壇する機会を得られるかもしれません。ただし、副業は本業とのバランスが重要であり、本業がおろそかにならないように行う必要があります。

2-4.資産運用をする

資産運用で給与以外の収入源を確保するのも方法のひとつです。株式や投資信託、不動産、さらにはNISAなどの制度を活用することで、長期的な資産形成や配当・売却益による収益が期待できます。

特に本業で安定した収入がある薬剤師にとっては、余剰資金を活かした運用がしやすく、複利効果を活かした資産拡大も可能です。ただし、リスク管理や情報収集が欠かせないため、金融リテラシーが求められます。

3. 薬剤師が収入をアップさせるには?

年収2000万円には届かなくとも、薬剤師が収入を増やす方法はさまざまです。職場内での昇進、資格取得による専門性の強化、転職による待遇改善など、着実なステップアップが可能です。自分の強みを見極め、戦略的にキャリアを築くことが収入向上の鍵となります。ここでは、薬剤師が収入をアップさせる方法についてお伝えします。

3-1.昇進してキャリアアップを目指す

管理薬剤師やエリアマネージャーなどの役職に就くことは、基本給や手当が増えるため、着実に収入を上げる方法となるでしょう。ただし、組織内での信頼や実績が昇進の条件となるため、日々の業務に加えてリーダーシップや業務改善への取り組みが求められます。

また、勉強会や講習会へ参加したり、資格を取得したりするなど、積極的に自己研鑽をする必要があるでしょう。

3-2.資格取得やスキルアップに取り組む

認定薬剤師や専門薬剤師などの資格取得は、専門性を高めるだけでなく、転職や昇給の際に有利に働きます。がんや感染症などの特定領域に精通した人材は、医療機関や企業から高く評価される傾向があり、年収アップの交渉材料にもなるでしょう。

また、在宅医療や地域連携など新たな分野の知識やスキルを身につけて対応力を高めることで、職域の拡大や報酬アップも期待できます。自らの専門性を磨き続ける姿勢が、長期的なキャリア形成と収入アップにつながります。

3-3.転職により年収アップを実現する

調剤薬局から病院、企業、治験関連業務など、職場を変えることで年収が上がるケースは少なくありません。特に都市部の大規模病院や専門性の高い医療機関、製薬会社の本社部門、CRO(治験支援機関)などでは、薬剤師の専門知識や経験が高く評価され、給与水準も上昇傾向にあります。

病院勤務では夜勤手当や役職手当が加算されることがあり、年収ベースで大きな差が生まれることもあるでしょう。転職活動では、条件交渉や情報収集が重要であり、自分の市場価値を正しく把握することが成功の鍵です。

4. 薬剤師が年収2000万円を目指すために

薬剤師が年収2000万円を目指すには、勤務先の選定や独立開業、副業・投資など、従来の勤務スタイルにとらわれない柔軟な発想と行動力が求められます。また、昇進や資格取得、転職による収入アップも現実的な手段として有効です。

収入アップのために重要なことは、自分の専門性を活かしながら、市場価値を高める努力を継続することでしょう。自分に合った働き方やキャリアの方向性を見極め、着実にステップアップを目指すことが、高収入への第一歩となります。

この記事の著者

薬剤師ライター

秋谷 侭美

薬剤師ライター。病院・薬局で幅広い診療科を経験。現在は2児の子育てをしながら、Webライターとして活動中。専門的な資料や情報をわかりやすくかみ砕き、現場のリアルに寄り添う言葉で伝えることを大切にしている。同じ薬剤師として、日々の悩みやモヤモヤに共感しながら、少しでも役立つヒントや気づきを届けられるように試行錯誤中。

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