薬剤師の離職率は?主な退職理由や長く働ける就職・転職先の選び方を解説

薬剤師として就職・転職を検討する中で、離職率がどのくらいなのか気になる人は多いかもしれません。薬剤師として長く働ける職場を選ぶには、離職率の傾向や主な退職理由について把握し、自分に合った職場環境を見極めることが大切になるでしょう。
本記事では、薬剤師の離職率に関するデータを紹介するとともに、薬剤師の主な退職理由と、長く働ける就職・転職先の選び方についてお伝えします。
目次
1. 薬剤師の離職率
薬剤師の離職率は、勤務先や雇用形態によっても差があります。職場や年代、正社員・パートタイムによって、離職の傾向も異なるため、さまざまな視点で離職率に注目することが必要です。
ここでは、医療・福祉業界の離職率と、病院薬剤師・薬局薬剤師の年代別離職者割合についてお伝えします。
1-1.医療・福祉業界全体の離職率
厚生労働省の調査結果では、令和6年上半期における「医療・福祉」業界の一般労働者の離職率は13.1%、産業全体では11.5%とされています。
| 区分 | 産業全体 | 医療・福祉業界 |
|---|---|---|
| 一般労働者 | 11.5% | 13.1% |
| パートタイム労働者 | 21.4% | 15.7% |
参考:令和6年上半期雇用動向調査結果の概要 2 産業別の入職と離職|厚生労働省
医療・福祉業界の離職率は、産業全体と比較して一般労働者はやや高く、パートタイム労働者は低いという結果となっています。
同調査では、医療・福祉業界全体の入職超過率は0.3%とプラスで推移していますが、他業界と比較すると決して高い値ではないため、業界の人材定着に一定の課題があることがうかがえます。
1-2.病院薬剤師の離職年代・離職者割合
厚生労働省が公開している「第12回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会 資料3 薬剤師確保のための調査・検討事業 報告書」では、調査時点において直近3年で退職した病院薬剤師について、年代別の離職者割合が公表されています。
| 年代 | 離職者割合 |
|---|---|
| 20代 | 32.9% |
| 30代 | 30.8% |
| 40代 | 10.5% |
| 50代 | 8.4% |
| 60代 | 14.0% |
| 70代以上 | 1.3% |
| 無回答 | 2.1% |
病院薬剤師の離職者割合を見ると、20代(32.9%)と30代(30.8%)が全体の6割以上を占めており、若年層の離職が顕著です。同調査では、大学卒業後にまずは病院で臨床経験を積み、薬局などに転職するキャリアプランを立てている薬剤師が一定数いると分析されています。
40代以降は離職割合が減少し、定着傾向が見られます。60代の離職割合は定年退職などによるものと考えられ、若年層における病院薬剤師の離職率の高さに課題があるといえます。
1-3.薬局薬剤師の離職年代・離職者割合
同報告書では、薬局薬剤師についても、調査時点において直近3年で退職した年代別の離職者割合が示されています。
| 年代 | 離職者割合 |
|---|---|
| 20代 | 11.4% |
| 30代 | 30.3% |
| 40代 | 23.4% |
| 50代 | 15.4% |
| 60代 | 13.8% |
| 70代以上 | 4.9% |
| 無回答 | 0.9% |
薬局薬剤師の離職者割合は30代(30.3%)が最も高く、次いで40代(23.4%)が続きます。20代は11.4%と病院薬剤師に比べて割合が低く、若年層の定着率が比較的高いといえるでしょう。
2. 薬剤師の退職理由
薬剤師は専門性の高い職種であるものの、職場環境や個人の事情により離職するケースも少なくないでしょう。ここでは、前述の「第12回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会 資料3 薬剤師確保のための調査・検討事業 報告書」をもとに、薬剤師が退職を決める主な理由についてお伝えします。
2-1.ライフステージの変化
薬剤師が退職を決意する背景には、ライフステージの変化が大きく影響しています。結婚・出産・育児・介護など、家庭の事情により働き方の見直しが必要となる場面は少なくありません。
特に女性薬剤師の場合、育児との両立が難しくなるタイミングで退職を選ぶケースが多く見られます。また、転居や配偶者の転勤など、物理的に通勤ができなくなることも要因となり得るでしょう。
2-2.人間関係の悪化
職場内の人間関係も、薬剤師の主な離職理由のひとつです。上司との価値観の違いや同僚とのコミュニケーション不足によるストレスは、業務への意欲を低下させる要因となります。
特に少人数で運営される薬局や病院では、関係性が密接になる分、対人トラブルが離職に直結しやすいでしょう。悪化した人間関係を修復するには時間や労力がかかるケースもあるため、一度リセットするために退職を選択する薬剤師もいると考えられます。
2-3.給与・待遇への不満
薬剤師の離職には、給与や待遇への不満も大きく関わっています。業務量や責任に対して報酬が見合っていないと感じることで、現職で働くモチベーションが低下し、転職を検討するケースもあります。
特に、将来的な昇給やキャリアパスが不透明な職場に不安を抱く若手や中堅層は、より条件のよい職場を求めて転職することもあるでしょう。また、福利厚生や勤務時間の柔軟性なども重要なポイントであり、総合的な待遇改善を求めて新しい職場を探すこともあります。
2-4.契約満了による退職
前述の資料では、薬局薬剤師の退職理由のうち、「契約期間の満了」は21.2%と、一身上の都合(27.8%)に次いで高い割合を占めています。
一方、病院薬剤師では「契約期間の満了」による退職は9.1%にとどまっており、薬局では病院に比べて任期付きの勤務形態が多いことが考えられると分析されています。
3. 薬剤師が長く働ける就職・転職先を選ぶには?
薬剤師として長く安定して働くためには、職場選びが非常に重要です。給与や勤務時間だけでなく、職場の雰囲気や制度面なども含めて総合的に判断する必要があります。ここでは、就職・転職先を選ぶ際に押さえておきたいポイントをお伝えします。
3-1.離職率や退職者数などのデータを調べる
職場の安定性を見極めるには、離職率や退職者数などの客観的なデータを確認するとよいでしょう。数字に表れる傾向は、長期的な働きやすさを判断する上で重要な指標となります。
離職率が高い職場は、人間関係や業務負担などに課題を抱えている可能性があります。そのため、採用ページなどで応募先の離職率や退職者数のデータを確認できる場合は、入職前にチェックしておくとよいでしょう。転職エージェントを利用している場合には、担当者を通して確認できる場合もあります。
3-2.希望する条件を明確にして求人を探す
転職活動では、自分が重視する条件を明確にすることが成功の鍵です。勤務地、勤務時間、給与、休日、業務内容など、譲れないポイントを整理しておくことで、求人選びの軸が定まります。
また、将来的なキャリアパスやスキルアップの機会も考慮すると、長く働ける職場に出会いやすくなります。条件が曖昧なままでは、入職後にギャップを感じて早期離職につながるリスクもあるため、事前に希望条件を整理することが重要です。
3-3.人事制度や福利厚生について確認する
長期的な勤務を見据えるなら、人事制度や福利厚生の充実度も確認しておきたいポイントです。評価制度や昇給の仕組み、育児・介護休業制度、研修制度などが整っている職場なら、働きやすさを確保しつつスキルアップが望めるでしょう。また、ライフステージに応じた支援制度があれば、将来的な安心感につながります。
求人票の情報を確認するだけでなく、面接時などに具体的な制度の内容について質問しておくことで、実態を把握しやすくなるでしょう。
3-4.実際に職場を見学させてもらう
求人情報や面接だけでは分からない職場の雰囲気や人間関係を知るには、実際に職場を見学するのが効果的です。業務の流れやスタッフの様子、設備の整備状況などを自分の目で確認することで、入職後の働き方を具体的にイメージしやすくなります。
見学を受け入れてもらえる機会があれば、なるべく複数の職場を比較して、自分に合った環境を見極めましょう。
4. 離職率などのデータも参考に職場選びをしよう
薬剤師の離職の傾向は、勤務先によっても異なります。長く働ける職場を選ぶには、さまざまな情報を得るための工夫が欠かせません。
就職・転職活動をするなら、離職率などのデータを参考にしつつ、自分の希望条件を明確にし、職場の制度や雰囲気を事前に確認することが重要です。納得感を持って職場選びをすることが、薬剤師としての安定したキャリアにつながります。
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