転職を考える理由は人それぞれ。しかし、転職の際に「年収」「給与」についてまったく考えない、という人はあまりいないのでは? 「本当は気になっているけれど、他の人はどう考えているのか聞きにくい」のが転職と年収の関係性。薬剤師が転職を考えたとき、『もっとも気になることは?』『年収の増減は転職結果にどう関係する?』など、薬剤師300人に聞いた「転職と年収」の本音をお届けします。
調査対象者プロフィール※2016年8月配信 楽天リサーチ「薬剤師に関する調査」
- 病院、調剤薬局、ドラッグストア、製薬会社勤務の薬剤師(平均年齢:45.7歳)
- 正職員・契約職員(フルタイム勤務)
- 北海道~沖縄県在住、25~69歳の男女
薬剤師の「転職と年収」50~100万円アップ
薬剤師の転職理由TOP3
1位年収、月収、手当など収入アップを目指して213ポイント
2位休日、休暇、時短などが取得しやすい職場で働きたい117ポイント
3位自分に合った雰囲気の職場で働きたい(人間関係、職員の年齢層など)114ポイント
※ポイントは各順位の回答数に1位=×3ポイント、2位=×2ポイント、3位=×1ポイントをそれぞれかけ、1~3位のポイントを合算して算出。
転職して、年収は?
薬剤師全体の転職理由は「収入アップを目指して」がトップ。次いで「休日・休暇が取得しやすい職場で働きたい」となり、「収入が高く、休みの取りやすい仕事を希望したい」という本音がみられます。
実際に転職をした場合の年収は65%の人が「上がった」と回答しており、ある程度は転職前の希望がかなえられている様子も。
ここからは、転職して年収が上がった薬剤師のうち、具体的にアップした金額ごとに転職理由や転職後の状況をみてみましょう。
転職して年収が50~100万円上がった人……30%
転職理由TOP3
1位自宅からの通勤楽な職場で働きい253ポイント
2位年収、月収、手当など収入アップを目指して135ポイント
3位自分に合った雰囲気の職場で働きたい(人間関係、職員の年齢層など)124ポイント
転職前後の勤務先は?
転職で収入アップのため、妥協した点は?
転職によって年収が50~100万円上がった薬剤師は、全体の30%。転職理由は薬剤師全体へのアンケート結果とは異なり、「通勤が楽であること」が第1位です。
転職前後の勤務先としては「薬局から薬局」「病院から病院」など、同じ業態の勤務先を選ぶ人が過半数。また、転職する際に収入アップを実現するために妥協した点を聞いてみると、「妥協した点はない」という回答が約4割に上りました。
さて、転職して50~100万円の年収アップを達成した皆さんは転職後の状況をどう感じているのでしょうか。コメントをピックアップしてお届けします。
転職後の状況は?
- 近くなって通勤時間が大幅に短縮したし、人間関係がよくなった。(60代女性・調剤薬局勤務)
- 以前はアルバイト扱いで勤務していたのですが、現在は正社員とほぼ同じ待遇を受けることができるので仕事の幅が広がった。(40代男性・一般病院勤務)
- ゆっくり患者さんと話せる。(40代男性・調剤薬局勤務)
- これまで調剤経験がなかったので、調剤薬局での勤務を希望した。調剤未経験にもかかわらず正社員で採用してもらった。(40代女性・調剤薬局勤務)
- 疑義照会などがしやすい環境になり、また、患者さんも急かすような人が少ないため、精神的に楽な環境になった。(20代女性・調剤薬局勤務)
- ドラッグストアでも、調剤薬局でも仕事をすることができる環境になった。(40代男性・調剤併設ドラッグストア勤務)
- 病院勤務のときのような人間関係の難しさがなくなった。(50代女性・調剤薬局勤務)
- 調剤の手間やオートメーション化が捗っている点。周りのスタッフのレベルが一定以上なのでインシデントやヒヤリハットがなくなっている。(30代男性・一般病院勤務)
- 取扱い医薬品品目が多くスキルアップできた。(40代男性・調剤薬局勤務)
転職後の勤務時間数は増えた人、減った人と様々ですが、総じて「仕事内容は希望通り」という回答が上位を占めました。転職により、収入アップと理想的な職場で働くことの両方を手に入れた薬剤師の皆さんが多いようです。
薬剤師の「転職と年収」101~200万円アップ
次は転職によって101~200万円の年収アップを実現した皆さんの転職理由や転職後の状況に関するコメントをご紹介します。
転職をすることで大幅な年収アップをかなえた薬剤師に最も多い転職理由とは? 転職後の仕事は希望通りだった? などなど、「転職と年収」の気になる部分に迫ります!
転職して年収101~200万円上がった人……16%
転職理由TOP3
1位自宅からの通勤が楽な職場で働きたい229ポイント
2位自分に合った雰囲気の職場で働きたい(人間関係、職員の年齢層など)94ポイント
3位年収、月収、手当など収入アップを目指して88ポイント
残業の少ない職場で働きたい88ポイント
転職前後の勤務先は?
1位調剤薬局→調剤薬局……26%
2位病院→調剤薬局……26%
3位その他(製薬メーカー、CROなど)→その他(製薬メーカー、CROなど)……13%
転職で収入アップのため、妥協した点は?
1位収入アップのために妥協した点はない……27%
2位休日・休暇の日数……24%
3位勤務時間……24%
転職によって年収が101~200万円上がった薬剤師は、回答者全体の16%。
転職理由は、年収50~100万円アップの薬剤師の皆さんと同様に「通勤が楽であること」が第1位となり、異なる点としては第3位に「残業の少ない職場で働きたい」という希望が入りました。
勤務先は「薬局から薬局」「病院から薬局」と、同じ業態を選ぶ人と異なる業態を選んだ人が26%ずつという結果に。また製薬メーカー、CROなどに勤務している人が13%という点は、年収50~100万円アップの薬剤師と異なる部分です。
さて、転職によって101~200万円の年収アップを実現した皆さんは転職後の状況をどう感じているのでしょうか。コメントをピックアップしてお届けします。
転職後の状況は?
- 通常の調剤業務だが、携わってみたかった科の処方箋が多い。(30代女性・調剤薬局勤務)
- 一人で面で処方箋を受けつつ、OTCや保険請求を学べるという点が希望通りだった。(30代男性・調剤併設ドラッグストア勤務)
- 調剤業務や在宅など、さまざまな分野で活躍できる。(30代男性・調剤薬局勤務)
- 転職前の病院勤務時代は、調剤報酬について詳しく勉強したいと思っていた。現状では薬剤師が少ないため調剤、投薬、薬歴などの業務が忙しく、その他の業務に関わることが難しい。(40代男性・調剤薬局勤務)
- 病院勤務の頃に比べると、応需する診療科目が減った。(20代女性・調剤薬局勤務)
- 転職直後は希望通りの仕事内容でしたが、診療報酬改定があり、病棟業務も行うようになったため、服薬指導などの業務の時間が減ってしまいました。(50代女性・一般病院勤務)
- 患者さんと医師から、きちんとした情報を提供してもらえるようになった。(40代男性・調剤薬局勤務)
- 研修が充実している。(40代男性・調剤薬局勤務)
- 管理薬剤師のポジションと、常時二人以上の薬剤師が勤務していることという希望がかなった。(60代男性・調剤薬局勤務)
50~100万円年収アップした薬剤師の皆さんと大きく異なるのは第2位の「勤務時間は減ったが、仕事の内容は希望通りではない」という回答。年収は上がった反面、診療科目が減ったことで勉強しづらい、人員が少なく忙しい、などの点に不満を感じている人が多いようです。
反対に「仕事の内容は希望通り」とした人は、保険請求や興味のある科目、OTCなどを勉強できるなどの点に満足感を得ているといったコメントが多くみられました。
薬剤師の「転職と年収」201万円以上の高額アップ
そしていよいよ転職によって【201万円以上】の年収大幅アップを実現した皆さんの仕事の現状、転職理由などのコメントをご紹介。
転職をすることで大幅な年収アップをかなえた薬剤師に最も多い転職理由とは?
転職前後の勤務先は? 妥協点は?
転職して年収201万円以上上がった人……17%
転職で年収はどの程度上がった?
転職によって201万円以上の年収大幅アップに成功した薬剤師は、アンケート回答者全体の17%。割合としては年収101~200万円アップの薬剤師の皆さんとほぼ同率です。
そこで今回は、具体的にいくら程度の年収アップが実現したのかを聞いてみました。すると、「300~400万円アップ」との回答が44%と半数近く。また「300~400万円アップ」と回答した人のうち、過半数が「認定薬剤師やスポーツファーマシストなどの資格を持っている」と回答しており、資格保有者は「管理薬剤師」「薬局長」など役職つきの人よりも多い結果となりました。
続けて、皆さんの転職理由や勤務先についてもみてみましょう。
転職理由TOP3
1位自宅からの通勤が楽な職場で働きたい224ポイント
2位残業の少ない職場で働きたい85ポイント
3位自分に合った雰囲気の職場で働きたい(人間関係、職員の年齢層など)77ポイント
転職前後の勤務先は?
1位調剤薬局→調剤薬局……29%
2位調剤薬局→調剤併設ドラッグストアの調剤部門……6%
病院→調剤薬局……6%
病院→病院……6%
転職で収入アップのため、妥協した点は?
1位収入アップのために妥協した点はない……33%
2位勤務時間……12%
3位勤務先の規模……10%
休日・休暇日数……10%
通勤エリア……10%
福利厚生制度の充実……10%
転職理由は、年収50~100万円アップ、年収101~200万円アップの薬剤師の皆さんと同様に「通勤が楽であること」が第1位。勤務先は「薬局から薬局」への転職者が29%と最も多いものの、その他は同率で「病院から病院」「病院から薬局」「薬局からドラッグストアの調剤部門」が並びました。これまでよりも、転職先はバラエティに富んだ業態が選ばれているようです。
さらに、転職時に妥協した点についても3位に「勤務先の規模」「福利厚生制度の充実」など、これまでとは異なる項目がランクインしています。
さて、転職によって201万円以上の年収大幅アップを実現した皆さんは、転職後の状況をどう感じているのでしょうか。コメントをピックアップしてお届けします。
転職後の状況は?
- 在宅業務を思う存分できている。ただ残業が多く、昼休憩もなかなかとれない。勤務時間中はずっと仕事をしている。(40代女性・調剤併設ドラッグストア勤務)
- 病院内で入院患者さまの調剤を主とし、医薬品安全管理責任者として病棟業務、DI室業務、注射調剤、製剤、在庫管理、夜間救急外来患者の調剤など幅広い業務に関わっています。特に充実していると感じるのは医師と処方設計をする場面でしょうか。チーム医療の一員を担っている実感があります。(40代男性・一般病院勤務)
- 病院に勤務することができ、医薬品をはじめとする知識、技能は格段にアップした。(50代男性・大学病院勤務)
- 調剤および服薬指導を行う際の気持ちにゆとりができた。(40代男性・調剤併設ドラッグストア勤務)
- 基本的に定時制であること。休日勤務などがなくなった。(40代男性・調剤薬局勤務)
- 自由に時間が使えること。(50代女性・診療所勤務)
- 主に調剤業務に従事しているが、1類医薬品の販売も行っている。調剤業務に専念できる点が希望通りだった。(30代男性・調剤併設ドラッグストア勤務)
- OTCの接客販売がやってみたかった。(40代男性・調剤薬局勤務)
- 薬局のキモになる納入価格の交渉や在庫管理など管理業務をさせてもらえている。(30代男性・調剤薬局勤務)
「仕事の内容は希望通り」という回答が上位を占めました。1位の「勤務時間が増えたが、仕事の内容は希望通り」とした人のコメントからは、忙しさもあるものの、希望していた業務に前向きに取り組むことができている様子がうかがえます。
同率2位の皆さんも「勤務時間が減った」という人は忙しさの緩和が実現していること、「勤務時間は変わらず」という人はやってみたかった仕事に関わることができているという点で、やはり転職後の満足度は高い様子がみられました。
回答者の平均年齢は46.9歳と、アンケート回答者全体の平均年齢45.7歳よりも少し高めとなっていました。年齢とともに責任ある仕事を任されるようになり、仕事の裁量が大きくなったことが、仕事そのものに対する満足感の高さにも結びついているのかもしれません。
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