処方せん

抗菌薬使用量が大幅減‐耐性緑膿菌などなお課題

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省によると、2017年の抗菌薬使用量は、2013年に比べ7.8%減少。内服薬が9割を占め、ファロスポリン系、マクロライド系ほか大幅に減少。ただし、緑膿菌や大腸菌の耐性率は変化が見られないため、さらなる対策が必要とのことです。

厚労省が年次報告書

厚生労働省の「薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会」は22日、ヒトや動物など各分野における耐性菌の検出状況と抗菌薬の使用量動向をまとめた年次報告書を公表した。ヒトに対する2017年の抗菌薬の使用状況は内服薬が9割を占め、使用割合ではセファロスポリン系などが多かったが、抗菌薬全体と個別の薬剤共に13年よりも使用量の大幅な減少が見られた。

 

報告書は、国立国際医療研究センター病院AMR(薬剤耐性)臨床リファレンスセンターなど複数の調査結果をまとめた上で作成したもの。

 

ヒトにおける抗菌薬の使用量は13年よりも7.8%減少し、内服薬が全体の9割を占めた。内訳を見ると、セファロスポリン系(13年比14.2%減)、マクロライド系(13.5%減)、フルオロキノロン系(9.1%減)の順に使用比率が高かったが、各薬剤で13年よりも大幅な減少が見られた。

 

ただ、緑膿菌のカルバペネム耐性率や大腸菌のフルオロキノロン耐性率などは依然として変化が見られないことから、さらなる対策が必要とした。

 

一方、薬剤耐性に関する国民の意識調査結果では、臨床医がかぜ症候群に対して抗菌薬を投与する割合は「かぜ患者の0~10%未満」が全体の6割程度で最多となり、抗菌薬を投与する理由として「ウイルス性か細菌性かの鑑別に苦慮する」が3割以上、「患者の希望」が2割程度だった。患者側が抗菌薬を希望した場合の対応については、「説明しても納得しないときには抗菌薬を処方する」と回答した医師が半数以上を占めた。

 

国民が抗生物質を服用するようになった理由は、かぜ(44.7%)、その他・不明(21.2%)、インフルエンザ(12.4%)、発熱(11.3%)の順だった。回答者の半数程度がかぜを理由として抗生物質を服用しており、約4割の回答者がかぜやインフルエンザに対して抗生物質が有効と考えていた。

 

AMRをめぐっては、16年に政府が策定したAMR対策アクションプランを踏まえ、20年をメドに抗微生物薬の適正使用やAMRの拡大阻止などに集中的に取り組むこととしている。

 

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出典:薬事日報

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