創薬・臨床試験

「プレバイミス」に画期性加算‐21品目を22日付で薬価収載

薬+読 編集部からのコメント

5月22日に薬価基準に収載される予定の医薬品が発表されました。
新薬は15成分21品目となります。
特に注目は、MSDの抗サイトメガロウイルス感染症治療薬「プレバイミス」で、新規作用機序を持ち、国際共同第III相試験で既存治療群に比べて全死亡率を改善、生着前の患者に投与できるよう治療方法の改善も示されたため、画期性予算は75%、希少疾病用医薬品の指定から10%の市場性加算も適用されました。
画期性加算の適用は3年ぶりとなります。

3年ぶり適用、有効性高く評価

 

厚生労働省は22日付で、新薬15成分21品目を薬価基準に収載する。内訳は、内用薬が9成分11品目、注射薬が5成分9品目、外用薬が1成分1品目。MSDの抗サイトメガロウイルス感染症治療薬「プレバイミス」には原価計算方式を適用し、75%の画期性加算を付けた。画期性加算の適用は3年ぶり。16日の中央社会保険医療協議会総会で了承された。

 

表:新医薬品一覧表(2018年5月22日収載予定)

 


アジレクト錠0.5mg、同1mg(武田薬品):ラサギリンメシル酸塩を有効成分とするパーキンソン病治療薬。大日本住友製薬の「トレリーフOD錠」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより、グラクソ・スミスクラインの「レキップCR錠2mg」と同8mgの規格間比を用いて算定した。

 

薬価は、0.5mg1錠が512円10銭、1mg1錠が948円50銭。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数3万1000人、販売額91億円。

 

パルモディア錠0.1mg(興和):ペマフィブラートを有効成分とする高脂血症治療薬。あすか製薬の「リピディル錠」とマイランEPDの「トライコア錠」を比較薬とし、類似薬効比較方式IIで算定した。

 

薬価は、0.1mg1錠が33円90銭。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数66万人、販売額140億円。

 

スージャヌ配合錠(MSD):有効成分のシタグリプチンリン酸塩水和物とイプラグリフロジンL-プロリンを含有する2型糖尿病治療用配合剤。同社の「ジャヌビア錠」とアステラス製薬の「スーグラ錠」を比較薬とし、新医療用配合剤の特例で算定した。

 

薬価は1錠263円80銭。予測市場規模は、ピーク時の6年目に患者数27万人、販売額221億円。

 

オルケディア錠1mg、同2mg(協和発酵キリン):エボカルセトを有効成分とし、維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症を効能・効果とするカルシウム受容体作動薬。同社の「レグパラ錠」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより、同25mg錠と同75mg錠の規格間比で算定した。

 

薬価は、1mg1錠が280円70銭、2mg1錠が412円10銭。予測市場規模は、ピーク時の9年目に患者数3万6000人、販売額84億円。

 

ガラフォルドカプセル123mg(アミカスセラピューティクス):ミガーラスタット塩酸塩を有効成分とするファブリー病治療薬。原価計算方式で算定した。同剤は、リソソーム内におけるαガラクトシダーゼA活性を回復させる新規作用機序を持ち、経口投与可能な薬剤であることから5%の有用性加算IIを適用。さらに希少疾病用医薬品として指定を受けていることから10%の市場性加算を適用した。原価開示度の加算係数は0.2。

 

薬価は123mg1カプセルが14万2662円10銭。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数167人、販売額34億円。

 

シベクトロ錠200mg(バイエル薬品):テジゾリドリン酸エステルを有効成分とする合成抗菌薬。ファイザーの「ザイボックス錠」を比較薬に、類似薬効比較方式Iで算定した。薬価は、200mg1錠が2万0801円40銭。予測市場規模は、ピーク時の2年目に患者数631人、販売額2億3000万円。

 

シベクトロ点滴静注用200mg(バイエル薬品):テジゾリドリン酸エステルの点滴静注用製剤で、薬価は200mg1瓶が2万8084円。予測市場規模は、ピーク時の2年目に患者数1200人、販売額3億5000万円。

 

プレバイミス錠240mg(MSD):レテルモビルを有効成分とし、同種造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制を効能・効果とする抗サイトメガロウイルス薬。原価計算方式を適用した。

 

同剤は、新規作用機序を持ち、国際共同第III相試験で既存治療群に比べて全死亡率を改善したこと、既存治療が難しかった生着前の患者に投与できるよう治療方法の改善も示されたことから、75%の画期性加算を適用した。希少疾病用医薬品の指定から10%の市場性加算も適用した。

 

これらを踏まえ、薬価は240mg1錠が1万4379円20銭となった。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数2000人、販売額27億円。

 

プレバイミス点滴静注240mg(MSD):レテルモビルの点滴静注用製剤で薬価は240mg12mL1瓶が1万7897円。予測市場規模はピーク時の10年目に患者数1600人、販売額11億円。

 

ネイリンカプセル100mg(佐藤製薬):ホスラブコナゾールL-リシンエタノール付加物を有効成分とする抗真菌薬。科研製薬の「クレナフィン爪外用液」を比較薬として、類似薬効比較方式Iにより、田辺三菱製薬の「ラミシール外用液1%」と同錠125mgの剤形間比を用いて算定した。

 

同剤は、既存薬が使用できない患者に使用可能で、承認審査で臨床的意義が評価されていることから5%の有用性加算を適用した。

 

薬価は、100mg1カプセルが804円60銭。予測市場規模は、ピーク時の4年目に患者数5万2000人、販売額35億円。


トレムフィア皮下注100mgシリンジ(ヤンセンファーマ):グセルクマブ(遺伝子組み換え)を有効成分とし、既存治療で効果不十分な乾癬を効能・効果とする抗IL-23抗体。同社の「ステラーラ皮下注」を比較薬に、類似薬効比較方式Iで算定。外国平均価格調整により引き上げた。

 

薬価は、100mg1mL1筒が31万9130円、予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数4700人、販売額97億円。

 

ヘルニコア椎間板注用1.25単位(生化学工業):コンドリアーゼを有効成分とする椎間板ヘルニア治療薬。原価計算方式で算定した。同剤は、グリコサミノグリカンを分解して随核の保水能を低下させ、椎間板内圧を低下させる新規作用機序を持ち、既存の手術療法と比べて侵襲が少ない新たな治療選択肢を提供することから、40%の有用性加算Iを適用した。原価開示度の加算係数は1.0。

 

薬価は、1.25単位1瓶が8万1676円。予測市場規模は、ピーク時の8年目に患者数5200人、販売額4億2000万円。

 

ヘムライブラ皮下注30mg、同60mg、同90mg、同105mg、同150mg(中外製薬):エミシズマブ(遺伝子組み換え)を有効成分とする血友病A型治療薬。バイオベラティブ・ジャパンの「イロクテイト静注用」を比較薬とし、同3000と同2000の規格間比を用いて算定した。

 

同剤は、血液凝固第X因子に対する遺伝子組み換えヒト化二重特異性抗体で、臨床上有用な新規作用機序を持ち、血液凝固第VIII因子では効果が期待できないインヒビターを保有する患者に出血率の低下が認められたことなどから、50%の有用性加算Iを適用した。さらに希少疾病用医薬品の指定から10%の市場性加算を適用した。

 

薬価は30mg1mL1瓶が37万6006円、60mg0.4mL1瓶が69万2565円、90mg0.6mL1瓶が98万9990円、105mg0.7mL1瓶が113万4028円、150mg1mL1瓶が155万2824円。予測市場規模は、ピーク時の3年目に患者数117人、販売額50億円。

 

ラパリムスゲル0.2%(ノーベルファーマ):シロリムスを有効成分とし、結節性硬化症に伴う皮膚病変を効能・効果とする外用薬。同社の「ラパリムス錠」を比較薬に、類似薬効比較方式Iで算定した。

 

同剤は、結節性硬化症に伴う皮膚病変の効能・効果を持つ初めての医薬品で、既存治療の外科的切除などに比べて侵襲性が低いことなどから10%の有用性加算IIを適用。さらに10%の先駆け審査指定制度加算を適用した。

 

薬価は、0.2%1gが3855円。予測市場規模は、ピーク時の6年目に患者数3400人、販売額30億円。

 

アイセントレス錠600mg(MSD):ラルテグラビルカリウムを含有する抗HIV薬。14日の承認を受け、緊急に薬価収載する。同社の「アイセントレス錠400mg」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iで算定した。薬価は、600mg1錠が1553円60銭。予測市場規模は、ピーク時の2年目に3100人、販売額35億円。

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出典:薬事日報

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