公開日：2022年9月5日

20代薬剤師の平均年収はどれくらい？年収アップのコツや転職についてご紹介

20代薬剤師の皆さんは、今の仕事に満足しているでしょうか？薬剤師として働き始め、少しずつ仕事に慣れてくると、視野が広がってくることでしょう。

例えば、「同じ年代の薬剤師の平均年収は自分と比べてどうだろうか？」「そろそろ結婚を考えたいし、年収アップのために転職してみたい」など、疑問や目標がでてきている方もいるのではないでしょうか。

ここでは、20代薬剤師の平均年収や、勤務する職場での年収の違い、年収アップのコツや転職について詳しくご紹介します。

1.20代薬剤師の平均年収は？

20代前半と20代後半に分けて、平均年収を見ていきましょう。

厚生労働省の令和2年〜令和3年の「賃金構造基本統計調査」のデータから、それぞれの平均年収についてまとめました。

さらに令和2年民間給与実態統計調査の「医療・福祉」勤務者及び全業種勤務者と比較することで20代薬剤師の年収の傾向をみていきましょう。

参照元：国税庁/令和2年民間給与実態統計調査
 e-Stat/令和3年賃金構造基本統計調査
 国税庁/業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額
 国税庁/標本調査結果

1-1.20代前半の平均年収

20代前半の薬剤師の平均年収は厚生労働省の、「令和2年賃金構造基本統計調査」では352.7万円、令和3年では378.4万円となっています（「きまって支給する現金給与額×12カ月＋年間賞与その他特別給与額」で平均年収を算出）。

これは、「医療・福祉」の平均年収である313.3万円を40〜60万円ほど上回るものであり、医療・福祉職の中でも、薬剤師の平均年収は高いことがわかります。

また、すべての業種の平均年収は259.8万円であるため、やはり20代前半の薬剤師の平均年収は、同年代の他職種と比べ、95〜120万円ほど高いといえるでしょう。

参照元：厚生労働省/令和2年賃金構造基本統計調査　結果の概況

1-2.20代後半の平均年収

20代後半の薬剤師の平均年収は、同上の調査の令和2年では456.7万円、令和3年では473.3万円です（「きまって支給する現金給与額×12カ月＋年間賞与その他特別給与額」で平均年収を算出）。

これは、「医療・福祉」の平均年収である350.1万円を100〜120万円ほど上回るものであり、医療・福祉職の中では、年齢が上がるにつれ、薬剤師の平均年収はより高くなることがわかります。

また、すべての業種の平均年収は361.6万円であるため、20代後半の薬剤師の平均年収は、同年代の他職種と比べ、95〜110万円ほど高いといえます。

2.年収は職場によって変わる

平均年収が他職種と比べて高い薬剤師ですが、実は働く職場により年収が大きく異なるのが特徴です。

実際の求人情報もとに業種別の平均年収を見ていくと、ドラッグストアは512.5万円、調剤薬局は488.3万円、病院薬剤師は434.6万円、製薬会社は543.2万円となり、100万円以上の差が出ている職場もあります。

ここでは、実際のマイナビ薬剤師の求人票の給与情報を参考に、それぞれの特徴をご紹介します。

2-1.ドラッグストア

ドラッグストアの薬剤師の初任給は月30万円前後といわれており、年収にすると350〜450万円ほどになります。

実際のドラッグストアの求人では、年収400〜600万円と高めに設定され、土日休みや育児サポートなど働きやすさにも重点を置いているのが特徴です。

大手チェーン店では研修や福利厚生など、具体的なキャリアアップを記載しているものがあり、30代以降の働き方をイメージすることもできます。

薬剤師がいるドラッグストアが地域で求められているため、高待遇の勤務先が多いのもメリットです。

2-2.調剤薬局

調剤薬局の初任給は月22〜30万円といわれており、年収にすると300〜420万円ほどになります。

実際の調剤薬局の求人では、年収360〜550万円ほどが多く、地域連携薬局をはじめ、地域における薬剤師の専門性を重視した求人が多いのが特徴です。

地域の特徴に応じ、英会話研修を用意するなど、福利厚生が多岐に渡ります。地域や薬局の規模により、給与に差が出るため、薬局ごとの特徴をよくおさえるようにしましょう。

学術研究などに力を入れている調剤薬局もあるため、自分に合ったキャリアデザインを考えて選べるのもメリットです。

2-3.病院

病院薬剤師の初任給は月20〜25万といわれており、年収にすると300〜350万円ほどになります。

実際の病院薬剤師の求人では、年収350〜520万円ほどが多く、総合病院や専門病院に求められる薬剤師業務に差があるのが特徴です。

また、病院では医師や看護師、検査技師など他のスタッフとのチーム医療が前提にあるため、日々のコミュニケーションや勉強会をはじめ、医療の学びが多くあるといえます。

病院では、夜勤や休日出勤などもあるため、各種手当により、収入が上がる可能性があるのもメリットです。

2-4.製薬会社

製薬会社の薬剤師の初任給は、月22万円前後といわれており、年収にすると300〜350万円ほどになります。

実際の製薬会社の求人では、年収300〜700万円など幅があり、仕事内容も企業により大きく異なるのが特徴です。

製薬会社には、薬剤師以外の職種の人も働くため、給与設定が薬剤師独自のものではない場合があり、年収にも差が出ています。

しかし、能力により評価を受けることができるため、成果に応じて高い年収が期待できます。

高い英語力や新薬の研究・開発、正確な品質管理能力などを求められる場合もあります。自分の強みを活かすことで、年収アップにつなげられるのがメリットです。

3.都市部や地域による年収の違いもある

薬剤師の平均年収は、職場によって異なるだけでなく、勤務するエリアによっても違いが生まれます。

例えば、人口の集中する都市部と地方で比較をすると、地方の平均年収が高い傾向にあります。

実際に、エリア別で平均年収を比較すると「令和3年賃金構造基本統計調査」では、もっとも平均年収が高いのは山口県で667.1万円、もっとも低かったのは山形県で477.6万円でした。

全国平均は580.5万円で、東京都は594.2万円で47都道府県20位と、全国平均を上回っていますが、大阪府は537.0万と平均を下回り、37位となっています。

地方では、薬剤師資格が重宝され、年収増加につながっているともいえます。

同じ年齢で同じような勤務地で働いたとしても、勤務する地域により平均年収に違いが出るのは明らかです。

転職などを検討する際には、エリアによる違いがあることも頭に入れておきましょう。

参照元：厚生労働省/令和2年賃金構造基本統計調査　結果の概況
 厚生労働省/令和3年賃金構造基本統計調査　結果の概況
 e-Stat/都道府県、職種(特掲)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)

さまざまな要因による年収の違いを確認したい方はこちらをご覧ください。

薬剤師の平均年収（給料）はいくらぐらいですか？

薬剤師の転職にあたって気になる平均年収を年代別、都道府県別、業種別、働き方別、また他の職種との比較から紹介。さらに、薬剤師が年収アップを目指すための方法や転職成功事例も合わせて説明します。

4.年収をアップさせるには

これからのキャリアを考え始める20代薬剤師の方は、年収をアップさせる選択肢がたくさんあります。ここでは、5つの方法をご紹介します。

4-1.資格を取得する

年収をアップさせるには、資格を取得する方法があります。他の資格を取得することで、専門性が増して収入につながります。

具体的には、認定薬剤師や専門薬剤師、漢方アドバイザーや産業カウンセラーなどの民間資格があります。

まずは、最初のステップとなる認定薬剤師を取得するのがおすすめです。現場経験を活かし、生活習慣病や感染症、小児や在宅医療など、自分自身の経験や学んできたことを形にすることができます。

資格を取得し、他の薬剤師と差別化できる特徴や専門性をもつことも、年収をアップさせる一つの方法です。

認定薬剤師や専門薬剤師、その他の資格について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

＞薬剤師に役立つ薬剤師の資格を解説

4-2.副業を考えてみる

年収をアップさせるには、副業を検討する方法があります。副業と一口にいっても、薬剤師資格を活かした副業もあれば、全く別の仕事を副業としてもつ方法もあります。

管理薬剤師や公務員薬剤師は副業が禁じられていますが、他の薬剤師であれば副業が認められています。

しかし、職場の就業規則により禁じられている場合もあるため、確認をしてから副業を探しましょう。

薬剤師資格を活かした副業には、メディカルライターやドラッグストアなどのパート、薬学生への家庭教師などがあります。

20代薬剤師の副業として年収アップができると共に自身のスキルアップになるものを優先的に考えてみるとよいでしょう。

薬剤師の副業について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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4-3.地方への転職を考えてみる

年収をアップさせるには、地方へ転職するという方法があります。薬剤師の平均年収は、勤務するエリアにより異なります。

都市部では、企業や人材が溢れていますが、地方では薬剤師の人材が不足している地域もあり、薬剤師の需要が高い地域ほど、薬剤師の年収も高くなる傾向にあり、都市部より地方のほうが平均年収は高くなっています。

前述したように、もっとも平均年収が高い地域と低い地域で比較すると、年間300万円以上の差が生まれています。

地方は家賃が安いことも多く、より暮らしやすさにつながります。待遇や地域密着型医療など、地域の特徴を調べて、地方への転職をするのも、年収をアップさせる一つの方法です。

4-4.キャリアアップを目指してみる

年収をアップさせるには、キャリアアップを目指してみるという方法があります。

薬剤師のキャリアとしては、管理薬剤師やエリアマネージャー、薬局長などがあります。

管理薬剤師になると、一般薬剤師での平均年収が約420万円であったのに対し、管理薬剤師になると約670万円に増加します。

また、エリアマネージャーでは約600万円以上、薬局長は薬局の規模により差はあるものの、800万円近い年収を得られる可能性があります。

キャリアアップ求人などもチェックし、キャリアアップを目指すことも年収をアップさせる一つの方法です。

管理薬剤師について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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エリアマネージャーについて詳しく知りたい方はこちらで詳しく説明しています。

薬剤師がエリアマネージャーになるには？薬局長との違いや向いている人について紹介

薬剤師のエリアマネージャーは、これまでも複数店舗のマネジメントで活躍してきましたが、薬機法改定にともない薬局開設者に義務付けられた法令遵守体制の確認を補佐し、管理薬剤師と薬局開設者の橋渡しとして、今後ますます期待される職種です。

マイナビ薬剤師が紹介するキャリアアップ求人はこちらです。
＞管理薬剤師・エリアマネージャーのキャリアアップ求人特集

4-5.転職エージェントを利用してみる

年収をアップさせるには、転職エージェントを利用してみる方法もあります。薬剤師の資格を活かせる職場はさまざまあり、職場や勤務地により年収が異なります。

20代薬剤師は長い薬剤師人生の入口にいるため、これからのキャリアの積み方にも選択肢が多くあり、可能性に満ちています。

どのような薬剤師人生を歩みたいか、転職の専門家である転職エージェントに相談してみることをおすすめします。

マイナビ薬剤師では、薬剤師専任の転職アドバイザーが親身にあなたの質問や不安に寄り添います。

高い実績を誇るマイナビ薬剤師だからこそ、多くの事例から生まれた具体的なサポートが可能です。

非公開求人を含めて、日本全国で約6万件を超える求人総数をもつマイナビ薬剤師を利用することも、年収をアップさせる一つの方法です。

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5.まとめ

仕事に慣れ、視野が広がってきた20代薬剤師にとって、平均年収を比較することは今の働き方を見直す良いチャンスになります。

年収アップのためには、資格の取得やキャリアアップ、勤務地の変更など、さまざまな方法があります。

今働いている職場を離れずにできる方法もあれば、新しい職場でチャレンジをしていく方法もあります。

20代は責任を伴うさまざまな仕事を任され始める忙しい時期、そんな時期だからこそ、効率の良い転職活動が必要です。

転職の専門家であるマイナビ薬剤師は、しっかりとあなたの人生をサポートします。

この記事の著者

ライター

小川優

保健医療関係の資格、職務経験、知識をもとに、テレビやラジオだけでなく、Webライティングなどを通して多くの方に積極的に情報を発信。
Webライティングでは医療情報サイトを中心に、栄養や疾患など幅広く健康に関する記事を執筆。

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