病院薬剤師は大変?病院勤務に向いている人や魅力とは

病院薬剤師は大変?病院勤務に向いている人や魅力とは

病院薬剤師というと、業務量が多く夜勤もあり激務なイメージがあるかと思います。しかし、必ずしも大変で激務な仕事という訳ではありません。では実際に、病院薬剤師の業務形態はどうなっているのでしょうか?

ここでは、病院薬剤師の業務形態や平均年収、病院薬剤師に向いている方の傾向についてもご紹介します。

1.病院薬剤師は激務で大変って本当?

病院薬剤師は幅広い業務をこなす必要があり、覚える業務量は調剤薬局やドラッグストアと比較すると多くなることは事実です。また、病院によっては夜勤や当直もあり、業務内容や勤務体制に慣れるまでは少し大変に感じるかもしれません。

しかし、業務をこなす中で自然と知識もつき、一通り業務を習得した後は激務と感じることは少ないと思います。忙しい日はもちろんありますが、勤務体制も各自の負担を考慮してシフトが組まれるため無理のない範囲で働くことが可能です。

2. 病院薬剤師の勤務形態とは

病院薬剤師の業務は幅広く多岐にわたり、それぞれの勤務形態によって変わってきます。

医師の処方箋に基づき入院患者さん、または外来患者さんにお渡しする薬剤を調剤し、内服薬のみならず注射薬も扱う「調剤業務」。市販薬では治療に使用できない場合などニーズに応じて院内製剤を調製する「製剤業務」。入院患者さんに適切な薬物治療が行われるよう医療スタッフと連携しながら行う「病棟業務」。その他にも、「外来化学療法業務」や「DI業務」「チーム医療」「治験業務」など、さまざまな役割があります。

また、勤務形態は病院によって異なりますが、基本的に4週8休の勤務形態です。救急医療に対応している病院では薬剤師も夜勤や当直、休日出勤に入る必要があります。夕方から次の日の朝まで働く「夜勤」、朝から次の日の朝や昼まで働く「当直」、休日の朝から夕方まで働く「休日出勤」、休日の当直など形態はさまざまです。また、薬剤師の人数によっては当直や夜勤などの回数が大きく異なるため確認が必須です。

3. 病院薬剤師の平均給与はどのくらい?

厚生労働省が調査した「第22回医療経済実態調査の報告(令和元年実施)」のデータによると、病院薬剤師の平均年収は500万〜600万程度です。特別低い年収でもなく、国立や公立、勤務場所によっても金額は変わってきます。昇給については病院によりますが、有給や勤務時間など総合的に考えて自分が納得できるかが重要だと思います。

また、実際の病院薬剤師に聞いた年収に関して、下記記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

病院薬剤師の平均年収・給与(給料)はいくら?年収事情 病院編|薬剤師300人に聞いた年収の本音

4. 病院薬剤師に向いている人

病院薬剤師の業務は幅広く、業務形態によっても変わります。高い専門性が求められる病院薬剤師ですが、どのような人が向いているのでしょうか?

4.1. だれかの役に立つのが好きな人

病院薬剤師は患者さんが安全で適切な薬物治療を行うために尽力しますが、縁の下の力持ちとして働く事が多く、患者さんと直接対応しない業務も多いです。どの業務においても患者さんの役に立つという気持ちを忘れる事なく業務できる方は向いていると思います。

また、医療スタッフから質問や相談を受けることも多く、だれかの役に立ちたい・力になりたいと思える方が向いているといえます

4.2. プロフェッショナリズムを高めたい人

薬剤師は薬の専門家として幅広い知識が必要となりますが、ある領域に特化したスペシャリストになることでより深い知識や技能を活かし、活躍の場を広げることも可能です。

関連学会の認定を受けることにより専門・認定薬剤師となる制度も設けられており、がんや精神科、HIV感染症、感染制御、妊婦授乳婦など多くの資格があります。

専門知識をもっと深めたい、プロフェッショナリズムを高めたいと考えている方には病院薬剤師は最適です。

5. 病院薬剤師に向いていない人

次に、病院薬剤師に向いていない人とはどういった人なのか、ご紹介していきます。

5.1. 体力面で自信がない人

病院に限ったことではないですが、立ち仕事が多いため体力が必要になってきます。病院だからと特別に体力が必要ということはありませんが、夜勤や当直業務などで忙しい時もあるため、体力に自信がない方は一度病院の勤務体制などを確認してみるといいでしょう。

5.2. プライベートを重視したい人

病院薬剤師は激務というイメージからプライベートを確保しにくいと思われがちですが、プライベートと仕事の両立は可能です。各自の1日の業務内容が決まっているため、残業を自身で調節することもできます。

しかし、病院薬剤師の人員が少ない病院の場合は夜勤や残業が多くなることもあるため、「プライベートを重視したい人」にとっては、辛いと感じてしまう可能性もあります。

転職先の病院薬剤師の人数や体制についてしっかりと確認し、プライベートも重視可能か判断するといいでしょう。

6. 病院薬剤師の魅力

病院薬剤師として働くことは多くのメリットがあります。ここは、病院薬剤師の魅力について解説します。

6.1. 豊富な知識が獲得できる

病院薬剤師は幅広い業務を担うため業務を行う中で自然と多くの知識をつける事ができ、診療科が多岐にわたるため疾患についても幅広く勉強することができます。

また、わからない事は豊富な経験と知識を持った上司から学ぶ事ができ、専門・認定薬剤師がいる病院ではその領域のスペシャリストから知識を得られる勉強会の開催などもあります。薬剤師だけではなく医師などさまざまな医療従事者からも学ぶ事ができるのが、病院ならではの魅力だと思います。

6.2. やりがいを感じられる

患者さんの疾患や状態、医師の処方意図を理解しながら薬物治療に携わるためより深く患者さんに寄り添うことができます。患者さんに対し薬物治療の必要性を説明し前向きに治療に取り組んでもらえたときや、副作用の軽減のための処方提案など行い、適切な薬物治療を完遂できた時などやりがいを感じられると思います。

そのほかにも、患者さんや医療スタッフなどさまざまな人から頼りにされ、医療チームの一員だと実感できたときや、最先端の薬剤を臨床現場で使用でき、医療の発展へ貢献できたときなどにも、病院薬剤師としてのやりがいを感じられます。

7. 転職する前に入念なリサーチを

病院薬剤師と一括りにしていますが、病院の種類や形態によりその地域で担う役割はさまざまです。まずは、その病院で薬剤師がどのような役割を担っているのかを知る事が重要です。その役割と自分のやりたい事が一致しなければ、ただ激務だと感じてしまうかもしれません。

業務内容や夜勤・当直の頻度など勤務形態はもちろん、研修制度は整っているか、休暇が取れるか、残業や昇給についても確認は必須です。職場の雰囲気を見学などのみで確認するのは難しいですが、同じような目標を持つ薬剤師がいるかなどできるだけ雰囲気の合う病院を見つけましょう。

また優順位決めやリサーチを行う場合は、転職エージェントのご利用がおすすめです。「何から始めればいいのか分からない」「何を優先すればいいのか迷う」など、自分一人で悩んでしまうことも、マイナビ薬剤師のキャリアアドバイザーに相談してみるといいでしょう。希望の条件から求人を提案してくれるだけでなく、職歴や経験を考慮した求人の紹介もしてくれます。

転職をお考えの方はぜひ、ご利用ください。

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この記事の著者

薬剤師・ライター

垣内 唯衣奈

国立大学病院にて薬剤師として3年間勤務。産婦人科領域や循環器領域を担当。
主に婦人科領域の抗がん剤治療に携わり、副作用による外見の変化が与える女性のストレスの大きさを実感。

アピアランスケアのため化粧品検定1級、コスメコンシェルジュを取得。
現在は、専門知識を活かし患者さんの健康に内外の両面から寄り添う薬剤師を目指しつつ執筆活動を行っている。

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